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第106回 フリーランス新法施行にともない経理が留意すべき3つのこと

賢い社長の「経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」

フリーランス新法の留意すべき3ポイント

フリーランス・事業者間取引適正化等法(以下、フリーランス新法)が2024年11月から施行されています。

この法律の目的は、フリーランスとして働く人々がより安定した労働環境で活動できるようにすることです。

一方で、企業側にとっては取引条件や業務管理の変更を意味し、特に経理部門にはいくつかの重要な対応が求められます。

そこで今回は、フリーランス新法施行にともない経理が留意すべき3つのことについて、説明します。

 

フリーランス新法について、社員に説明できますか?

 

フリーランスの対象者

フリーランス新法において、経理部門が最初に注意すべきなのが、対象となる取引業者です。

フリーランス新法は、企業がフリーランスの業者に対して業務を委託するときに適用されます。

具体的には、フリーランスとして働くカメラマンやイラストレーター、配送業者、一人親方などが対象者です。

一般的にフリーランスというと、個人事業者のことですが、このフリーランス新法の対象となるのは、従業員を使用せずに一人で仕事をしている人が対象です。

形式的には法人組織にしていても、社員なしのいわゆる一人社長の会社に対して業務を発注する場合もフリーランス新法の対象となるので、注意が必要です。

ですので、事前に取引担当者に対して、取引業者がフリーランス新法の対象者に該当するかどうかを確認しておきましょう。

 

そして、会社がフリーランスに業務委託する場合、次の7項目が義務づけられます。

・書⾯等による取引条件の明⽰

・報酬⽀払期⽇の設定と期⽇内の⽀払

・禁止行為(報酬の減額、受領拒否、返品、不当な変更、やり直し等)

・募集情報の的確表⽰

・育児介護等と業務の両⽴に対する配慮

・ハラスメント対策に係る体制整備

・中途解除等の事前予告と理由開⽰

 

上記の違反が発覚した場合、公正取引委員会や中⼩企業庁から違反事業者に対して勧告、企業名公表、改善命令などの行政指導が行われ、命令に従わない場合、罰金を科されるおそれがあります。

 

現在、何人のフリーランスに業務を委託していますか?

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