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内閣府 NPOサポートデスクメールアカウントへ行われた不正アクセスをまとめてみた

2015年8月3日、内閣府NPO法人向けのサービスにおいてメールアカウントがのっとられ、スパムメールが送信されたと発表しました。ここでは関連情報をとまとめます。

公式発表

発表日 発表内容
2015年8月3日 [PDF] NPO サポートデスク アカウントの不正利用について

タイムライン

日付 出来事
2015年7月30日 0時〜2時 内閣府NPOサポートデスクのメールアカウントから多数のスパムメールが送信される。
大量送信を受け異常を検知
2015年8月3日 内閣府NPOサポートデスクが不正アクセスを受けたことを発表。

被害状況

不正アクセスを受けたNPOサポートデスク
  • NPOからの問い合わせ先として利用されているメールアカウント。

例えば次のような問い合わせに利用されていた模様。

NPO法人情報登録(NPO法人限定)のご利用でお困りの場合、以下のフォームよりお問い合わせください。NPOサポートデスクが対応いたします。

7月27日時点のキャッシュと比較すると問い合わせフォームへの誘導に変更されていた。

  • 7月27日の問い合わせフォーム画面のキャッシュ


  • 8月5日現在の問い合わせフォーム

npo-homepage[.]go[.]jp」のDNSを引いてみると次の設定が行われていた。

スパムメール送信
  • 送信されたスパムメールの総数は約2万件。
  • 内閣府とは異なる3種類の発信元に偽装して送信が行われていた。*1
  • 不正アクセス元により情報(ログ?)が消去されており、送信されたスパムメールの詳細は確認が出来ていない。
  • 内閣府を騙りNPO関係者、他官公庁へ標的型攻撃等の二次的な攻撃の発生は確認されていない。
メールデータの漏えいの可能性
  • サーバーには63の個人・法人(94通)*2の照会メールが残っていたため、これが閲覧された可能性がある。
  • 現在のところこれら悪用の報告は確認されていない。
NPOホームページ「、及び内閣府のウェブサイトへの被害なし
  • 不正アクセスを受けたシステムと当該ウェブサイト(NPOホームページ)、及び内閣府のウェブサイトは別であり、当該事案による影響は受けない。*3

発端

  • 大量送信を受け、異常な通信の発生としてこれを検知したことによる。*4

原因

  • 委託業者が短く推測されやすいパスワードを使用していたことによる可能性がある。
NPOサポートデスクの委託業者について

富士通が管理を行っていた。*5

内閣府の調達案件を確認した結果は次の通り。行政事業レビューシート(平成23年度)(平成24年度)を確認すると東京センチュリーが一次請けで富士通は二次請け。

落札決定日 調達案件名 落札者 落札金額
2010年5月31日 NPO情報管理・公開システムに係る機器の賃貸借、データセンター(ホスティング)借入及び業務・運用支援等一式 富士通株式会社 101,850,000円
2013年5月29日 NPO情報管理・公開システムに係る機器の賃貸借、データセンター(ホスティング)借入及び業務・運用支援等 富士通株式会社
東京センチュリーリース株式会社
75,875,100円
富士通のコメント

取材に対して以下コメントを発表している。

ご指摘を踏まえ、再発防止に努めて参ります

http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000056053.html

対応

対応日 対応内容
不明 不正アクセスを受けたメールアカウントの停止
不明 委託業者へセキュリティ管理の徹底(送受信メールの削除、パスワードの管理)を指示
不明 照会メール送信者へ当該事案に関する連絡

更新履歴

  • 2015年8月5日 AM 新規作成