野鳥写真は、自然の中で生きている動物を狙うわけですから、様々な障害があり、なかなか思うようには撮れないのが普通だと思います。そして使用機材については、遠くの小さな動く物体を鮮明に撮りたいですから、それを実現するにはそれなりの高機能と高性能が要求されます。
さて今日の写真は自然の中にある障害についてのお話です。鳥は何も障害のない見通しの良い砂漠にいる訳ではなく、大抵は樹木の枝葉の中や、地上では草木の茂みの中だったりします。
そんな自身ではどうにもならない自然環境の中での撮影ですが、時には障害物なく対象被写体全身を捉えるチャンスもあります。でもそんな恵まれた機会は決して多くありません。
ただ、野鳥の姿の一部が枝葉の陰に隠れる写真にも、それはそれで臨場感あふれ、魅力ある野鳥写真だと思いますし、全身が見えない場合の写真の本物っぽさがいいのではと思います。
写真の鳥は Black-Headed Trogon (ブラックヘデッド トロゴン)で、中米の国ベリーズに生息するトロゴンの仲間の中では最も地味な体色ですが、それでも青緑色に光る背中と、鮮やかなおなかの黄色とのコントラストの美しい鳥です。この国で初めてトロゴンを見たときに、その美しさに感動しました。
トロゴンたちは独特の音色で、仲間を呼ぶかのようによく鳴くことから、近くにいれば発見はそれほど難しくありません。ただこの写真のように葉の多い樹にいることが多いのです。
下の小さな写真は、同じトロゴンの背中かからの一枚ですが、明るくないとその美しい色が分かりません。
小さな花の二枚の写真は、このトロゴンのいた場所の地上に咲いていた花で、変わった咲き方はいかにもトロピカルな感じですね。
使用機材のカメラはSony α57に、レンズは Sony DT55-300。大きな写真の撮影データは、焦点距離300mm、35ミリ版換算450mm、ISO 400、F5.0、1/400sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。