亀2より王者・内藤大助のほうがずっとプロとして輝いていた。亀2は俯いてガードして前に出るばかりで、顔がよく見えない。これではいったい何をしたいんだコラと思ってしまうのである。ボクシングがしたいわけでなさそうなことだけは判る。一方の内藤は、その苛立ちや怒りがはっきり顔や仕草に出ており、感情や人間性をさらけ出して闘っていた。パッと見、普通に内藤の方が魅力的で、目を惹かれるのである。亀1も亀2も、今までは相手が外国人だったから、人々の視線を集めることができていたにすぎなかったのだ。これは新たな発見だった。試合はボクシングがあまり得意ではない亀2が反則やり放題の末、大差判定負け。