【 連携事例紹介 】
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9月上旬、令和6年能登半島地震の被災地で、トヨタ車体株式会社の宿泊研修が行われました。
本研修は、空飛ぶ捜索医療団を運営するピースウィンズが企画・調整を行い、マネジメント層の皆様を主な対象としたものです。
企業による被災地への人員派遣は、東日本大震災など過去の大規模災害の後には多数見られましたが、宿泊場所の確保などの課題から、能登半島の被災地においてはなかなか行われていない現状があります。他方、発災から数ヶ月が過ぎる中で、企業人の皆様に実際に奥能登の被災地まで足を運び、見て、知って、考えていただく機会をつくることは、現場で活動を続ける私たちにとっても大変重要なことです。
石川県珠洲市に現地事務所を構えるピースウィンズでは、これまでにも社員ボランティアの受入れ(参考記事)などに取り組んでおり、今回の研修では、被災地の現場視察をつうじた人材育成や、新事業計画の仮説検証といった企業様の目的を踏まえながら、被災地の状況に配慮した行程をコーディネートさせていただきました。
2日間の研修では、震災で大きな被害を受け、今なお多くの方が困難を強いられている石川県珠洲市・輪島市を訪問し、発災から半年以上が経った被災地の状況を視察するとともに、1月から珠洲市に駐在するピースウィンズのスタッフや行政のリーダー、地元事業者、避難所生活を送る方など、地域の声にも耳を傾けながら、復旧・復興、そして今後の災害に対して、個人および企業人として出来ることなどについて検討・議論を重ねました。
【研修の主な内容・ポイント】
・被災地に寄り添うピースウィンズならではの現場視察・ステークホルダーとの対話
・現地視察の前に被災地の現状や視察時の心構え・注意点などに関する講義でインプット
・各行程の終わりおよび後日に振返りセッションを設け、学び・内省の共有とWill醸成を図るとともに上長の講評を受ける
・防災食、段ボールベッドでの宿泊など、被災生活に近い体験
・今の被災地でしか得られない体験により、企業として出来る支援や事業に活かすアイデア創出へ繋げていく学びの場
支援の合間を縫って準備を進めてきた今回の宿泊研修は、私たちにとっても新たな試みでしたが、参加者の皆様からは、
「様々な立場、業種の方のお話を伺うことができ、ピースウィンズ・ジャパンの皆さんの活動の成果と人脈をフルに生かした唯一無二のプログラムだった。場面場面でインタビューも行われることで、自分の素直な考えを整理できた。よく考えられていると思う。このようなプログラムを展開できる団体は他にないと思う。」
「被災地の状況や現地の活動リーダーたちの思い、考えを知るために、バランスよくコンテンツが整理・準備されていた。」
とのフィードバックをいただきました。
また、以下のようなご感想もいただきました。
「発災時の地域との関わりや、被災地・暮らしている方に何ができるかという課題認識と意識が強くなった。」
「企業としてできること・企業人としてできることの双方に思いを馳せるきっかけになった。」
「クルマを作る会社に在籍している立場から、クルマに関する被災地でのニーズ・課題を知ることができたのは良かった。」
「講義から始まり、滞在をとおして被災地で生活するという誰もが当事者になり得る未来を体感することもでき、人として成長できた。」
快くご協力くださった珠洲・輪島の皆様に、この場をお借りして心から感謝いたします。