タイでは、あまりサラダを食べない。ここでいうサラダとは、日本や欧米で普通に食べられている新鮮な生野菜の盛り合わせのこと。
タイの食堂やレストランでは、そんな欧米スタイルのサラダはなかなかお目にかかれない。もちろん、洋食系のレストランに行けば、付け合わせでサラダが添えられているし、シズラーのようなステーキハウスにはサラダバーが併設してあったりする。
が、タイでも生野菜はたくさん食べられている。むしろ、生野菜の摂取量は日本人より多いかもしれない。
キャベツや長豆などを生でぼりぼり食べているからだ。
ソムタムなどの辛い料理の付け合わせとして、無料の野菜がばんばん提供される。基本、取り放題という太っ腹。カノムジンに入れる野菜も取り放題だ。
ソムタムやラーブも、サラダと称されることもある。
が、タイでサラダといえば、「ヤム」だ。
ヤムとは、タイ語で「和える」という意味。つまりサラダ。
で、単純にヤムといった場合は、いろんな野菜と具材を混ぜたサラダとなる。
今回は、そんなヤムのご紹介。
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ヤム屋台
パタヤの街角では、ヤム専用の屋台が少なくない。
大きめの荷台に、これでもかと具材が並んでいる。
ここは、魚介類が豊富。
カニ、イカ、エビ、クラゲ、カニカマ、そのほか正体不明のものまで。
豚のモツも置いてある。
オーダーの仕方は、簡単。
入れて欲しい具材を指定すれば、あとはデフォルトのサラダと混ぜあわせてくれる。
たまねぎ、ねぎ、トマト、キクラゲあたりがサラダの基本素材だろうか。
屋台の調理スペース。各種調味料がずらりと。
店によっては、パクチーが最後にたっぷり載せられるんで、パクチーが苦手な人は要注意。
「マイサイパクチー」といえば、パクチー抜きにしてくれる。
辛さはお好みで。
何も言わなければ、おそらく激辛仕様となる。
調理途中で味見をするように言われるんで、スプーンでちょろっと辛さや酸っぱさなどをチェック。足りない分があれば、追加可能。
実際にこれまで注文したヤムを並べていこう。
このまま料理名を伝えても、注文可能だ。
ヤムウンセンタレー
ヤムで最も有名なのは、ヤムウンセンタレーだろうか。
タイ料理の大定番のひとつ。
ウンセンとは、春雨のこと。
タレーは海のことで、この場合シーフードのことになる。通常、エビとイカ入りがタレー。
屋台によっては蟹(プー)も置いているが、蟹入りは追加料金となりそうだ。
ウンセンに唐辛子やナンプラーがからんで、とにかく辛い。
でもうまい。
これは、ブッカオの名無し食堂のヤムウンセンタレー
タイ人仕様でパクチー山盛りのうえ、さらに激辛。
細い春雨に唐辛子がからみ合って、火を吹きそうなくらいの辛さだった。
でもうまい。
ヤムママー
春雨のかわりに、インスタント麺を使ったのが、ヤムママーとなる。
この写真は、上掲のヤム屋台で注文したもの。
ヤムママーは、わたしの大好物の一つ。
ウンセンよりも好きだ。
インスタント麺とサラダの相性がいい。
こちらは、ソイエキサイト脇道の日本語メニュー付き食堂のヤムママータレー
ここはサラダに人参も入っている。
日本人向けにちょっとマイルドな味にしてくれた。
でも辛いよ。
辛いけど、実にうまい。
こちらは、別のヤム屋台で注文したヤムママータレー
底に沈殿しているタレが真っ赤だ。ひたすら辛い。でもうまい。
個人的には、ヤムの中では、ヤムママータレーが一押しである。
屋台でも食堂でもおおむね70バーツから80バーツくらい。
ヤムヘット
ヘット=きのこ
えのきがメインのヤムだ。
ちょっと珍しい。
ミンチ肉も入っている。
屋台で80バーツだった。
ヤムネーム
これはかなりポピュラーなスタイルのヤム。
ネームとは、タイのソーセージみたいなもの。
柔らかいソーセージで、味はマイルド。
タレーだと少々値段が高くなるが、これは安め。屋台で50から60バーツくらい。
ややこしいことに、ヤムネームには2種類あって、焼きおにぎりのサラダ和えのことも「ヤムネーム」と呼んだりする。
焼きおにぎりが置いてある屋台でも、普通のヤムを作っていることもある。
注文の際は、きちんと具材を指定すれば大丈夫のはずだ。
他にも、ヤムはいろいろ。
ヤムガイセーブ
鳥の唐揚げをラーブ風のサラダにしたもの。
たまにしか屋台で見かけない。
ソイレンキー入口のカオマンガイ屋台で、ヤムガイセーブのご飯載せを食べることができる。
⇒カオヤムガイセーブは、唐揚げ辛口サラダ載せご飯。ソイレンキー入り口屋台食堂でどうぞ。
個人的にはけっこう好きなメニュー。唐揚げのサクサク感とサラダのマッチングがいいね。例によって、辛いんでそのつもりで。
ヤムルークチン
ルークチンとは、魚などをすり身にして作る「つみれ」のこと。
それをサラダにするので、ヤムルークチンとなる。
がっつり食べるというより、おやつ的な感覚に近い。
おやつというには、辛すぎるけどね。
詳しくはこちらの記事を。
⇒生乳入り豚つみれサラダ、ヤムルークチン
まとめ
街角で大量の具材が並んでいるヤム屋台を見かけたら、ぜひ買ってみてほしい。
ヤムママーにすると、食事でも酒のあてでも、どちらでもイケる。
屋台のヤムは、具材によりけりで、60バーツから80バーツくらいが多い。意外と高めの料金設定。
カニまで入れると、おそらく100バーツくらいかな。
ブッカオの常設市場にもヤムを扱う店がある。
常設市場内には2軒のヤム屋台があるけれど、この看板の店のほうがおいしいと思う。
もちろん、普通の食堂でもほとんどの店はヤムを置いている。
ママーがない時は、春雨を使ったヤムウンセンでどうぞ。
一押しはヤムママータレーです。
どこで食べるにしても、辛さとパクチーには気をつけて。
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