タイのイサーン地方では昆虫料理が盛ん。
都会のバンコクではあまり見かけないが、イサーン出身者の多いパタヤでは、街中に数多くの虫料理屋台が出没している。
バンコクでもイサーン出身者の多いナナプラザ前あたりには虫屋台が常駐していますな。
パタヤのバービアで飲んでいると、イサーン出身のバービア嬢はおやつがわりに虫料理をばりばりと食べている。
ええ、わたしもこれまで、いくつか食べてきましたよ。というか、無理やり食べさせられてきた。
とはいえ、本当に食べられるのは少ない。イナゴ(タカテーン)やコオロギ(チンリー)は、まあ何とか食べられます。
タカテーン
油と胡椒まみれで、特に味はしない。イナゴは足が歯に挟まって鬱陶しい。
タガメは無理。ちゅーちゅー中身を吸うとうまいらしいけど。
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モッデーン
今回初めて食べたのは、モッデーン。
とあるバービアで、ママさん手作りのものをおすそ分けしてもらった。
というか、目の前にどん!と置かれて、さあ食えと。
バービアのピンクネオン照明を避けるためフラッシュを焚いたせいでどうにもわかりにくいが、よく見るとアリがたくさん入ってますな。
モッデーンと呼ばれる赤蟻サラダ。イサーン名物の一つだ。
モッ(ト):蟻
デーン:赤
サラダだけあって、蟻の他に野菜やハーブや唐辛子もたっぷり。
そんなにアリアリしていないし、これなら食べられそう。
食感はけっこうガリガリしているかなあ。何が固いのかわからないけど。
が、ひたすら辛くて、蟻の味なんかしない。いや、蟻単体で食べた経験はないけど。
あと酸味も強い。イサーンママさんに聞くと、味付けはラーブと同じようなものと言っていた。確かに。
ラーブ好きなら問題なく食べられる。
が、イナゴと同じで羽が歯に挟まって鬱陶しいんだよなあ。
イサーンママさんに聞いてみると、イサーンでは赤蟻の卵のほうをメインで食べることが多いみたい。
タイ語なら、カイモッデーン。
ラーブ風サラダにすることもあれば、スープに入れることもある。
ううっ。
卵はちょっと遠慮したい。
味は大丈夫そうだけど、噛んだ時に思っきりにゅるっとしそうで食感的に苦手。
蚕のさなぎ
蚕のさなぎも虫屋台ではよく見かけるが、これまた同じ理由で食べようと思わなかった。
にゅるにゅるはゴメンだ。
ある日のこと、バービアで飲んでいると、知り合いのバービア嬢がさなぎの素揚げを食べていた。
本当に蚕のさなぎかどうかはわからないけれど、まあたぶんそうでしょう。タイ語名は聞いたが、忘れてしまった。
わたしが忌まわしげにながめていると、お前も食べろと口に運んできた。よくあるパターンです。
「いやだ。中からにゅるっと出てくるだろう」と文句を言うと、「これは大丈夫だ。乾いている」という。
ほれほれ食べろとまた勧められた。
しかたあるまい。これもパタヤで過ごすなら大事な付き合いの一環である。
自分で食べるからと、一個だけつまんで口に運ぶ。
おっと、本当に乾いた状態だ。中からは何もにゅるっとしたものが出てこないじゃないか。
味は、例によって、油と胡椒。
これなら問題なく食べられる。
食べず嫌いはよくないよね。
まあ、まずくもないが、おいしくもない。
たまたまこの種類が乾燥ものだったからもしれず、あえてこの先も好んで蚕のさなぎを食べようとは思わないけれど、いざとなったら食べられる。
ちょっとだけ自信がついた。
虫料理は、パタヤやイサーンで過ごすなら欠かせない通過儀礼みたいのもの。
ファランも、バービア嬢から口に運ばれて平気で食べている人もいる。
信州あたりでは現在でも普通に虫料理が振る舞われているようだし、ここは同じアジアの日本人として受けて立つのが礼儀というもの。
いやまあ、無理に食べなくてもいいけど、食べてみると不思議な世界が広がるかもね。
ちなみに、タイで昆虫料理を食べても腹を壊したことはないです。
でも、人によってはアレルギーがあるようなのでちょっと注意は必要。タイ人でもタカテーンやモッデーンを食べて、アレルギーを発症している人をたまに見かけるんで。
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