Lenovoが本気でVR事業をしていた。
2024年1月26日(金)、Lenovo(レノボ・ジャパン合同会社)が、メタバースに興味があるみんなが集うリアルイベント「秋HUBメタのみ会」(通称:メタのみ)に出展。
普段、我々のような一般ユーザーも“Lenovo”という文字はよく目にするもの。
しかし、その多くは、PC事業としてよく見る会社であり、メタバースやVRというイメージで思い浮かべる人は、多くはないでしょう。日常的にVR業界で働く筆者にとっても「LenovoがVRをやっている」と、初めて知る事でした。
その理由は“企業向け特化”だから。今回、イベントで詳しく話をうかがいました!
LenovoのVRデバイス『ThinkReality VRX』とは?
Lenovoさんが『メタのみ』に出展したのは同社が展開するエンタープライズ向けスタンドアロン型ハイエンドVRデバイス『ThinkReality VRX』。
・ThinkReality VRX https://www.lenovo.com/jp/ja/thinkrealityvrx
本製品は片眼2280×2280ピクセルのパンケーキレンズを採用した高解像度のVRヘッドセット。「Quest 3」が片目2064×2208ピクセルのため、比べて見ても高解像度。(ちなみに、今話題の「Apple Vision Pro」は3800×3000ピクセル)。
95度のFoV。90Hzのリフレッシュレートを実現。インサイドアウト型トラッキングで6DoFに対応。IPD(瞳孔間距離)の自動調性。ステレオフルカラーパススルーにも対応し、VRだけでなくARやMRの機能も兼ね備えているハイエンドの名にふさわしいスペックです。実際に被って体験した映像はとても綺麗でした。
本体重量は0.8kgで「Quest 3」よりちょっと重め。しかし、背面のバッテリーがカウンターウェイトとして機能するため、実際に装着した時のフィット感や首への負担の少なさはこちらのほうが上。
コントローラーがアルファベットのYの先っぽにリングがついたようなちょっぴり独特な形で、かなり軽い。これなら、長時間使用しても疲れにくいように感じました。
ハイエンドなデバイスで企業の人材を育成
そんな感じで、スペックや体験が“すごい”「ThinkReality VRX」ですが、お値段も“すごい”。
価格約19万円。
何も知らず会場で「すごーい! 綺麗! きゃっきゃ!」なんて操作していた筆者。初めてお値段を聞き、一瞬にして頭の重量が倍くらいに感じる。なんてものを気軽に被ってしまったんだ僕は。
ただ、実際に体験したありのままの感想をいうのであれば、普通使いをするなら「Quest 3」と比べて体験が劇的に変わるかと聞かれても、そういった気はしません。ましてや、「Quest 3」約4台分のお金を払い、筆者もとい、一般のユーザーが手にするとは到底思えない価格設定です。
その理由は何故か。
ご担当者の方に話をうかがった回答こそ、冒頭にあった「Lenovoは企業向けのVR事業を展開中だから」というものでした。
既に、Lenovoさんは国内外で多くの企業とパートナー契約を締結。特に、海外での需要が高く、すでに40社以上の企業とVRを活用した事業を展開しているのだとか。し、知らなかった。
それもその筈であり、Lenovoさんと一緒にVRを活用する企業さんの多くはコンサルタントや医療の分野。VRの強みを活かしたトレーニングによる人材育成が主な利用方法だといいます。VRといえばメタバースと思ってしまいますが、なるほど。そういった場所でも活用されているのですね。
今回出展した「メタのみ」は、メタバースに興味のあるユーザーが多く集まる場であると同時に、VRやMRに関わる企業や、これから参入する事業者も多い場所。より多くの国内企業に知って欲しいということで、Lenovoさんも出展をされたわけでした。
我々のように、普段からメタバースを中心としたVRの業界にいると忘れがちな「VRはメタバースだけじゃない!」こと。Lenovoさんの「ThinkReality VRX」は、その実例をあらためて考えさせてくれるものでした。
(TEXT by 翡翠ミヅキ)
*お詫びと訂正:初出時、価格を29万円としておりましたが、正しくは19万円でした。訂正してお詫び申し上げます(2024年2月17日16時50分)
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