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 眠たくて眠たくて、寝落ちしそうになるところを必死に堪えている「ちち(仮名)」さん。写真を撮られていてもそれどころではない様子でしたが、この直後、ガクッとお休みになられました。

 週明けから3日間の勤務は、いずれも1時間ずつの超過勤務でしたが、それでもやっぱり3日間。ナマクラになっている体でも、あと2日、あと1日、と数えていればあっという間でした。勤労感謝の日は結婚記念日でもありますので、夫婦でちょっといい夕食を食べに出るのが恒例だったのもすでに過去の話。いつの頃からか沙汰止みになったのですが、大きな原因の一つが神戸ペンショウである、というのも皮肉なところです。

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 生地の質、手触り、そして色も好みなので、このペンケースには良いペンが入れてあるはず、と開けて見たら、そのあまりに地味な光景に落胆してしまいました。変な萬年筆を中心に集めているわけですから、家の中をかき回しても、そうそう「えぇモン」が出てくるはずもありません。

 その昔、まだ少年と言うべき年齢だった頃には、自動車のカタログを何度も何度も、ボロボロになるまで見るのが趣味のようなものでした。高校生の時に書店で立ち読みして、何となく内容に反発を覚えたのが「間違いだらけの運転テクニック」でしたが、これも妙な話で、免許も持っていない少年が巨匠徳大寺先生のご高説に反感を持つなんて、アホ丸出しでした。そしてそれは過去形に留まらず、還暦を超えてもまだアホなのが私という人間なのです。

 自動車カタログの末尾にはモデルごとの仕様表や装備比較表もあるわけですが、たいていは最低グレードがDXで、デラックスなのにこんなに貧弱な装備だなんて、「デラックス」には他の意味もあるのだろうか、なんて思っていたものでした。

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 天冠を見たところ。山伏の頭襟みたいなのも混じっていますが、他はみなフラット。そして仏壇。頭襟みたいな天冠のものだけは青色の軸ですが、それも光の加減で黒に見えてしまうような青です。

 今の時代、クルマのグレード名でDXなんて、おそらく存在しないのでは、と思いますが、かわってお仕事や社会の「DX」っていうのは急激に拡大しています。先日、市役所に行きました際に教育委員会事務局のエリアを通りましたが、何と「教育DX課」なんてのができていました。学校教育課で担当していたICT機器関連のことを始め、GIGAスクール関連のことなど、一切を担当する部署なのだそうです。いや、学校にいなくて本当に良かったと思います。

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 PILOTデラックス、名前は同じでも製造年代によって結構違います。けれど、ここにあるのは同じようなものばかり。どうせなら、もう少しあれこれバリエーションを広げて集めれば良かったのに、と過去の自分に呆れながら言ってやりたいところです。軸の素材、ペン先の金品位、それらの違いはありますけれど、わずかなものです。

 写真があまりに下手くそなのでわかりませんけれど、クリップの形が違っている個体が青軸です。デラックスウルシという、廃盤になって急激に人気が高まっている、でもやっぱり地味な萬年筆です。

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 字幅はFとB。これもどうせならあれこれ揃えれば良かったのに、目の前に出てきたものを何も考えずにパクッといく、ということを繰り返した結果です。無計画な蒐集と、記録・整理をしないズボラな性格。こういう人間はコレクションなどすべきではありません。

 あまりに地味で、さほど興味も持っていなかったのですけれど、久しぶりに握って字を書いてみるとなかなかいい感じです。どこといって突き抜けたところはないのだけれど、しっくりくる感じ。クルマにしても、あれこれ装備がついていると見た目は嬉しいけれど、結局使わないものもたくさんある、ということで、最後はそのクルマそのものの性格が自分に合うかどうか、につきる、というのに似ているような気がします。

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