2023年11月 : くまめくり~日々是自転車操業~

くまめくり~日々是自転車操業~

身をえうなきものに思ひなして、のぞみなき日々を綴る

2023年11月

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 スゥスゥと寝ていたのに、いきなり起き上がった「ちち(仮名)」さん。このままの状態で辺りを見回していましたが、そのうちストンと夢の中へと帰って行ったのでした。

 この時点で、風呂に入った家族は3人。残る2人、私と長女が毎日ラスト争いをしておりますが、最後になった方は床に就くのが丑三つ時ぐらいになります。私は歳のせいか3時間ほどで目が覚めてまた眠る、というパターンですので、二度目の睡眠中に起床時刻がやってくることになって、毎朝不機嫌な顔で布団を出る、という哀しいスタートを繰り返しています。

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 飼い主は本日「密談」に参加しておりました。定例の施設長会議を前に、非公式に会談して意見のすり合わせなどをしておこう、という趣旨なのですが、臨時職員の社会保険加入やそれに伴う雇用関連の問題について協議する内に、自分たちの今後へと話が及んだのです。

 本日集まった館長4名のうち、3名が元校長で、私以外は小学校一筋の人。その中の一人がいきなり言い出したのが、そろそろ担任をやりたくなってきた、ということ。いやぁ、本島にそんな気持ちになるものでしょうか。

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 小学校の担任なんて、空き時間もなく、子どもと一緒に走り回って遊ばなければならないのに、年金をもらうような歳でやれるものでしょうか。私などは中学校ですから、部活動の担当などもやらされるでしょうから、週7日勤務となります。できるわけがありません。

 でも、もし今、あんたクビ、と言われたら、そその翌日からでも働ける、それが今の学校です。ただ、なまじ校長経験者である分、期待度が高くなってしまうでしょうから、なかなかしんどい仕事になるであろうと予想されます。

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 トータル15回は修学旅行の引率で行った沖縄、夜遅くなってようやく明日の授業の仕込みを終えて、その外観がゴキブリホイホイそっくりであることからゴキブリハウスなどと呼ばれていたファミリーレストランで仲間とお茶して夜更かしをした思い出。まぁ若かったからなぁ、で片付けられることばかりで、失敗しても「その先」が豊富にありました。

 この歳で教壇に立ち、生徒指導で生徒を追いかけまわし、部活動で休日を潰す生活、やっぱり無理ですね。もらえるお給料は今の倍ほどになりますが、下手をすると最初の給料が振り込まれる前に退場、となるかもしれません。

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 やっぱり私は教育の現場に戻ることはできない、というのが結論。カビの生えかけた飾り物みたいな今のお仕事、それが程よいところなのでしょう。

 それでも、今もなお、月に2〜3本は、お元気ですか? 今、何やってます? という電話がかかってきます。正規雇用の教員は十分に足りている我が県ですが、それが年度途中で次々と倒れて行くので、補充が追いつかない、ということであるようです。授業だけしてれば良いのなら、いつでも学校に戻るのですが、そんな日が来ることはまずないのでしょう。

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 今日は比較的たくさん食べたので、落ち着いて寝ている「ちち(仮名)」さん。健康のためにわざわざお値段の高い、そしてワンコにとっては旨味の少ないフードを与えられてきた彼女ですけれど、歳のせいか、ここのところ食欲がふるいません。そこで、ワンコの食いつきは良いけれど体に良いかどうかは?というものをご飯に混ぜて与えてみたところ、餌鉢が空になりました。

 もういい歳なので、美味しい美味しいと喜んで食べるものを食べせてやればよいか、と皆思っていて、これまでの十数年間、健康のためなら死んでも良い、ぐらいの勢いで健康第一の食事をさせてきた、あれは何だったんだろうな、と、わんこのご飯と言ったら残り物の味噌汁に魚のアラなどを入れ、冷やご飯をぶちこんで炊いたもの、というのが当たり前だった時代を生きてきたオッサンは思うわけです。

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 そのオッサンは、本日もまた、例によって資本主義の甘美な誘惑へと自ら飛び込んできたのでした。いつも酷い目に遭っているおぱんちゅうさぎさん、回転寿司に来て取った番号札と、ただいま呼び出し中の番号との乖離が泣かせます。実にかわいそうです。

 私の両親は質素倹約を地で行くような人でしたが、「暮しの手帖」をほぼ毎号購読していました。まだ花森編集長が気を吐いていた時代でしたから、誌上に取り上げられる製品のほとんどは「買う必要なし」「存在意義なし」という評価でした。そういう記事を読んでは、舌打ちをしていた自分をよく覚えています。ミーハーで新しいもの好き、新製品は誰より早く使ってみたい、なんておバカなタチが災いして、老後破産に向けてまっしぐらですが、いまだにこの病が治る見込みがたちません。

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 ダメなことだとわかっているのに、また何か買い込んだようですね。かわいそうなのは健気に生きているおぱんちゃうさぎではなくて、この私なのでしょうね。処置なしです。

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 水槽から出され、棚の上に置かれて、とりあえず周囲の様子をうかがっている「まりりん(絶賛脱皮中)」さん。彼の手前にあるゴミのようなものは、彼の甲羅からハラリと落ちた「皮」です。

 本日も日が出てきて暖かくなってきた頃合いを見計らってお外で散歩をさせていたのですが、カラスやアライグマのいる屋外ではズンズン歩いていくのに対して、室内では警戒してなかなか歩き出そうとしません。

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 こんな感じで、しばらくじっとしていて、ようやく脚を出して動き出そうとしたところが一冒頭の写真なのです。

 推定年齢は6歳から7歳ですが、保護された時には甲羅の長さが11センチ、体重210グラム前後だったものが、1年2ヶ月経った今では甲長12センチ、体重250グラム弱、というところです。大きくなりました。

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 昨年末から今年の年始にかけての休暇中に、我が家に亀を連れ帰った時の一コマ。この直後にワンコが亀をパクっとやってしまうという事件があって、その時は亀さんもよほど恐ろしかったらしく、5分以上、顔も手足も尻尾も出さずに完全な石になっておりました。

 今年の正月休みは家に連れ帰る予定はありません。28日に水を変えて餌を与えて帰宅したら、29日は両国での年忘れ五宝展参加のため2410円で東京へ前乗りして宿泊。30日は遅く帰りますから、31日と正月2日に水換えと餌やりをすれば何とかなるでしょう。

 さすがの私でも、そろそろ年末年始の計画。これから慌ただしくなります。

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 お気に入りのお布団に頭を乗せて眠る「ちち(仮名)」さん。フリース、あるいはマイクロファイバーといった、肌触りの良い素材で作られたブランケット、寒い夜など、家族がこれを羽織ってうたた寝をしていますと、必ずといって良いほど彼女がブランケットの上に乗ってくるのです。

 使い込んで破れも出てきたので、たたんで縫い合わせて彼女のお布団に仕立てたところ、大のお気に入りになりました。汚してしまった時に洗濯のために取り上げると、恨めしそうに見ています。

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 ワンコはほぼ全身毛で覆われているのに、素材やそれによる肌触りの違いなんてわかるのだろうか、と疑問に思っています。体を撫でられるときには、毛の根元、肌まで触られるのですが、体があたっている素材の感触なんて、どう感じとるのでしょう。


 手帳なんか使うはずのない飼い主ですが、お出かけの時には気が向けばこんなものを持って出ることがあります。リング式のカヴァーの革の感触が気に入って買ってしまったもの。その昔、ファイロファクスに代表されるシステム手帳ブームの折にはおおいに踊らされたクチですが、その時も、何か書き込んでいる時間が1分に対してリフィルを作っている時間が数時間、という状態でした。当時、データを持ち歩くにはリフィルにして綴じ込むしか手がなかったのです。で、持ち歩いたデータをしっかり見て、なんて経験もまたないわけです。

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 iPad miniのカヴァー。Apple Pencilを一緒に、なおかつ落とさずに持ち歩けるケース、という機能最優先で選びましたが、それでも同じようなものの中から手触りの良さそうなものに決めたのです。


 表皮がツイード風のものなど、たいへん良い手触りだと思うものもあったのですけれど、夏に見たら暑苦しいだろうな、という理由で却下しました。私の場合は暑いのはとにかくダメなのです。

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 筆記時に親指と人差し指とで挟むグリップのところにグニョッとした感触の素材を使った筆記具、ドクターグリップがその代名詞的なものになるかと思いきや、各社あの手この手の製品を投入して来て、今や握ったらグニュッとしているのが普通、なんて状況です。


 しかしながらこれもまた、柔らかかったら何でもいいわけではなくて、握り心地に好みが出ます。私などボールペンで文字を書くのは長くても数行程度ですから、何を使っても関係ないのですけれど、そのわずかな時間、感触を楽しめるものを選びます。

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 おそらく今、一番たくさん字を書いているのはこれでしょう。いつも胸ポケットに挿して仕事に出ていますし、休日でもそれは変わりません。干上がるのではなく、筆跡になってしまってインクがなくなる、という私にしては稀有な萬年筆です。


 軽い、細い、安っぽい樹脂の軸。手触りなんか何にも考えてないものが一番のお気に入りだなんて、そうか、自分という人間は結局何でもエェんやな、とあらためて思ってしまったのですが、意外にこのペン、触り心地がよいのです。

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 飼い主が帰宅すると、一枚余分にお布団を与えられた「ちち(仮名)」さんがいて、家族の落胆する声が。聞けば、今日は朝から全く寝ないでキュンキュン鳴いていたのだそうです。あれやこれやと試してみて、夜分にお布団を与えてうとうとし始めたところに飼い主が帰宅したので、あぁ残念、これでまた目が覚めてしまうじゃないか! ということだそうで。

 いや、それならそれで連絡してくれたなら、〆にラーメンでも食べに寄り道して来たのに、というところですが、実のところ、お腹にそんな余裕はありませんでした。

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 いつもの兵庫県民会館。結構来ていたように思いましたが、WAGNERの関西地区大会が開かれるのは実に久方ぶりのことで、なおかつ、かつては熱気あふれる名物企画であった迷惑ジャンケン大会が行われるというので、たくさんの参加者で部屋が狭く感じられるほどでした。

 ジャンケン大会には出品規定が設けられていたので、私などはいくつかの景品を持ち込むのを断念しましたが、机上に並べている時点で「没収」されてしまったものなどもあり、尚且つ自身は欲しくないものを持ち帰らずに済んだ、という、大変に満足すべき結果でした。

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 例によってFさんから、けったいな即席麺シリーズ。カップヌードルの謎肉まみれ、イカまみれについては近所で探すもなかなか出会えずにいたのですが、これでスッキリしました。

 写真を引き気味に撮っているのでわかりづらいですが、焼きそばのパッケージが縦長のカップヌードルと同じくらいだというところ、重要です。食べ切れるんでしょうか。

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 不自然な置き方をされているこの箱は、じゃんけん大会前に没収したものです。さて、中身を箱から出すのはいつになるのでしょうか。ネタに困ったら開けて使ってみようとは思っておりますが、存在を忘れる、という難儀な症状が出てしまう可能性も高いので。

 年明けにも、確か神戸で開かれる予定だったはず。その時にもジャンケン大会が行われるならば、また、頑張って景品持っていきますので、関西に限らず、皆さん、怖がらないで参加してみてください。会場のセッティングやお片付けにも参加していただきますと、より楽しみが増すことと思います。

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 カメラの前でペロッとやってしまった「ちち(仮名)」さん。本当は顔を背けておきたいのですけれど、なかなかカメラがあっちへ行かないので、緊張のあまり、ということなのでしょう。

 飼い主は午前中にお仕事をして、お昼に解放されたあと、いいお天気だし、どこかへ行きたいなぁ、と思いましたので、駅前にクルマを駐めて電車に乗りました。

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 叡山電車の鞍馬線は超満員で、どこか隙間はないかと探したらこの場所だけ、ぽっかりと空いておりました。写真は市原駅から二ノ瀬駅までの間にある紅葉のトンネルです。

 デオ810系列の第一編成、デオ812の最前部中央ですけれども、その全面窓の配置から、ちょうど真ん中にワイパーがパークするようになっています。かぶりつきを狙う人はここに立ちませんし、掴まるところもないので空いていたのでしょう。

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 多客期に見られる、「きらら」待機列。天狗さんの左奥に見えている人たちです。2編成ある観光車両「きらら」に乗るために、何本か電車をやり過ごして待ちます、という人たちが、駅舎外に特設された待機場に並んでいました。

 「きらら」は、ひとしきり席が埋まった時点で、立って乗る人はどうぞ、となり、案外ガラガラで鞍馬駅を出るのですけれど、次の貴船口駅でホームから溢れそうなほどの人が乗り込んできて、「きらら」に限らずラッシュ時並みにパンパンになって、出町柳までの約40分の行程を進むのです。

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 二ノ瀬駅のホームと紅葉。木の下の方、日の当たらないところはまだまだ青葉です。ただ、寒さだけは紅葉が散る頃のようで、実にアンバランスな感じです。

 このあと二ノ瀬駅から出町柳へ向けて電車に乗る、というのはまず無理ですので、紅葉を見に行く時は一日乗車券を買って、鞍馬と二ノ瀬の間を往復する、というのが常です。

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 と、そこへやってきた鞍馬行きが「きらら」でした。この車両はデオ800系統より「詰めこめない」ので、鞍馬の火祭りの時などは運行されません。この時もパンパンでしたので、次の貴船口でたくさん降りるよなぁ、と思いつつもパス。その次の便はガラガラでした。

 「きらら」同士が二ノ瀬で交換した場合、この青もみじが鞍馬駅で折り返したあと、かなり長い時間「きらら」空白の時間となりますが、鞍馬駅では寒い中、みなさんじっと並んでらっしゃいました。お疲れ様です。
https://youtu.be/eTDcmg_meA0?feature=shared

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 スゥスゥと寝ていたのに、いきなり目覚めて伸びをする「ちち(仮名)」さん。昨夜も遅くまで鳴き続けていて、未明まで添い寝を強いられた。今夜もか、と一瞬暗い気持ちになりましたが、すぐにまた寝息を立て始めましたので、こちらこそ早めにそばを離れて、先に寝入ってしまうことにしましょう。

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 昨年の夏に、大した面白みのないこのペンをなぜ手に入れたのだろう、などとこき下ろして、洗浄したらさっさとお嫁に出すようなことを書いているのですが、まだウチにいました。

 銀軸は好きですけれど、これはさほど硫化しないタイプの軸らしく、1年経ってもまだ銀色のままです。この先、待っていても対して黒くはならないでしょう。

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 多分このクリップ周りの造形が「ちょっと変」だから引っ張ったに決まっています。私が萬年筆を欲しがる動機なんてその程度のものなのです。おしゃれな人がこういうのを使っていたら、このデザインも或いは人の目に留まるのかもしれませんが、私が使っていたのではそうもいかないでしょう。

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 W-GERMANYの刻印をありがたがってくれる人がいたらお嫁に出したいものですが、あれこれ発掘されてくる中、まずは鉄ペンから先に処分していこう、となりますので、まあしばらく我が家に留まりそうな感じです。

 集まる時は結構な勢いなのに、数を減らすのは遅々として進みません。どこかに、名残を惜しむ気持ちがあるのかもしれません。来年の今頃、またこのペンをネタにしている、なんてことのないように、しっかりと整理に励みましょう(自分への呼びかけ)。

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 気がつくと、飼い主の方をじっと見ていた「ちち(仮名)」さん。本日は勤労感謝の日でお休み。遠い昔、9月に元同僚だった先生が職場に来られた際に仲人をお願いしたら、とにかくさっさと挙式せよ、と言われたのを真に受けて、2ヶ月後の11月18日(これまた仲人を頼んだ人に言われた、いい日や、の語呂合わせ)をターゲットに式場探しを始めました。

 どこで聞いても空きなどありませんし、何か事情があるのかと心配されたり、最低でも半年前には計画するものだとお説教されたりと散々でしたが、その年は勤労感謝の日が仏滅でしたので、その日ならば、と引き受けてくれた会場に出会って即決。だからこの日が結婚記念日。サラダ記念日よりも根拠の薄い記念日です。

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 本日は、とても大きな箱に入った萬年筆。箱の大きさをわかっていただけるように、ペリカンの箱に協力してもらいました。クラシックシリーズなど、インクとのセットなどではない、ごく一般的なペリカン萬年筆が収められている箱です。 

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 箱の中には、厚手の紙で巻かれて木箱が収まっています。こういう立派な箱に収められていた萬年筆、私のような、新品で買うことができない者の手に渡るときには大抵本体だけになっていて、箱や付属品などを拝むことはできないことが多いものですが、この個体は前オーナーがそれらをきちんと管理されていたらしく、ほぼ販売当時と同じと思われる状態です。こういうのは、私のコレクションでは珍しい方です。

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 箱の蓋を開けると萬年筆がどーんと鎮座しているのですが、その台となっている中敷を取り除いてみるとこんな感じです。お手入れ用のクロスがありますので、この萬年筆は磨く必要のあるものだということです。

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 ですが、あんまりゴシゴシ磨いちゃダメですよ、という意味の注意書きが入っております。長い時間をかけて表面の色合いが変化していく性質がある、とも。これ、私の大好物ですね。

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 節目の日である本日は、槌目の入った萬年筆です。実に美しく、重厚で、私などが使うには勿体無いものですが、これも結構長いこと欲しい欲しいと思っていて、それでも新品を買うほどの度胸も経済力もないまま時間だけが過ぎるというパターン。でも、何事も願い続けていれば、叶うことだってあるものです。

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 美しいですね。恋焦がれて手に入れたものでしたが、これまた長い間、棚の肥やしになっていたものです。そして少し時間が経つと、こんな大きな箱、中身は空やろ、という思い込みで開けてみることもしなくなる、というとても悪いパターンです。

 今回、間近に迫った神戸でのWAGNERがらみで、じゃんけん大会の景品やら空き箱やらを探していて、久しぶりに明るいところへ出てくることになりました。この際、書き味を整えてもらって実用してみようかな、などと不埒なことを考えているのです。

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 眠たくて眠たくて、寝落ちしそうになるところを必死に堪えている「ちち(仮名)」さん。写真を撮られていてもそれどころではない様子でしたが、この直後、ガクッとお休みになられました。

 週明けから3日間の勤務は、いずれも1時間ずつの超過勤務でしたが、それでもやっぱり3日間。ナマクラになっている体でも、あと2日、あと1日、と数えていればあっという間でした。勤労感謝の日は結婚記念日でもありますので、夫婦でちょっといい夕食を食べに出るのが恒例だったのもすでに過去の話。いつの頃からか沙汰止みになったのですが、大きな原因の一つが神戸ペンショウである、というのも皮肉なところです。

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 生地の質、手触り、そして色も好みなので、このペンケースには良いペンが入れてあるはず、と開けて見たら、そのあまりに地味な光景に落胆してしまいました。変な萬年筆を中心に集めているわけですから、家の中をかき回しても、そうそう「えぇモン」が出てくるはずもありません。

 その昔、まだ少年と言うべき年齢だった頃には、自動車のカタログを何度も何度も、ボロボロになるまで見るのが趣味のようなものでした。高校生の時に書店で立ち読みして、何となく内容に反発を覚えたのが「間違いだらけの運転テクニック」でしたが、これも妙な話で、免許も持っていない少年が巨匠徳大寺先生のご高説に反感を持つなんて、アホ丸出しでした。そしてそれは過去形に留まらず、還暦を超えてもまだアホなのが私という人間なのです。

 自動車カタログの末尾にはモデルごとの仕様表や装備比較表もあるわけですが、たいていは最低グレードがDXで、デラックスなのにこんなに貧弱な装備だなんて、「デラックス」には他の意味もあるのだろうか、なんて思っていたものでした。

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 天冠を見たところ。山伏の頭襟みたいなのも混じっていますが、他はみなフラット。そして仏壇。頭襟みたいな天冠のものだけは青色の軸ですが、それも光の加減で黒に見えてしまうような青です。

 今の時代、クルマのグレード名でDXなんて、おそらく存在しないのでは、と思いますが、かわってお仕事や社会の「DX」っていうのは急激に拡大しています。先日、市役所に行きました際に教育委員会事務局のエリアを通りましたが、何と「教育DX課」なんてのができていました。学校教育課で担当していたICT機器関連のことを始め、GIGAスクール関連のことなど、一切を担当する部署なのだそうです。いや、学校にいなくて本当に良かったと思います。

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 PILOTデラックス、名前は同じでも製造年代によって結構違います。けれど、ここにあるのは同じようなものばかり。どうせなら、もう少しあれこれバリエーションを広げて集めれば良かったのに、と過去の自分に呆れながら言ってやりたいところです。軸の素材、ペン先の金品位、それらの違いはありますけれど、わずかなものです。

 写真があまりに下手くそなのでわかりませんけれど、クリップの形が違っている個体が青軸です。デラックスウルシという、廃盤になって急激に人気が高まっている、でもやっぱり地味な萬年筆です。

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 字幅はFとB。これもどうせならあれこれ揃えれば良かったのに、目の前に出てきたものを何も考えずにパクッといく、ということを繰り返した結果です。無計画な蒐集と、記録・整理をしないズボラな性格。こういう人間はコレクションなどすべきではありません。

 あまりに地味で、さほど興味も持っていなかったのですけれど、久しぶりに握って字を書いてみるとなかなかいい感じです。どこといって突き抜けたところはないのだけれど、しっくりくる感じ。クルマにしても、あれこれ装備がついていると見た目は嬉しいけれど、結局使わないものもたくさんある、ということで、最後はそのクルマそのものの性格が自分に合うかどうか、につきる、というのに似ているような気がします。

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 Jアラートが出て大騒ぎの中、関係ない、と眠る「ちち(仮名)」さん。何の根拠もないのですが、ワンコが騒いでないから大丈夫だろう、と聞いていたら対象は沖縄地方とのこと。黒電話のボンボンが引きずる国はあいも変わらず、いやこの先も滅びるまで変わることなく幻想の中で無茶ばっかりして行くことでしょう。

 中学校の定期考査に合わせてボランティアの方が学習会を開かれていて、職場をその会場としてお貸ししているのですが、主催者側の熱意に対して参加する側のあまりにもアホなようす。長いこと中学校でいましたからわかっていることとはいえ、本当に勉強させてやらないといけない子供たちがあまりに北朝鮮な態度なので、こいつらかわいそうやなぁ、救いがないなぁ、と、自分の無力さと合わせて哀しく思ったことでした。

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 背比べをしていたペリカンの萬年筆。#500トートイスは生きてはいますがキャップがユルユルで実用的とはいえません。机の上に転がしておいて、キャップのせいで乾きまくるペン先をなだめつつ、たまぁにその筆記感を楽しむ、ぐらいのことでしょうか。前オーナーは刈谷の巨匠です。

 ちなみに、今の職場では子供に萬年筆を見せることはありません。そんなことをしたら、そのまま一本の萬年筆の生涯を閉じてしまうことになるからです。

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 今の子供達の多くは生活経験が乏しく、家族と友人と携帯電話の中だけが世界の全て。そして、モノを大切に使う、ということを敢えてしようとしません。今や、家庭での躾などはなく、親子は友達であるのが望ましい、という風潮です。その領域を教員が指導すれば猛烈なクレームが来ますし、だからといって指導しなかった結果についても学校の責任になります。

 大人も変な電話をかけてきます。お前の施設の前を中学生が歩いてたけど、歩き方が悪くて気分を害されたから何とかしろ、という内容。いかに公共施設といえど、前の道路を歩いている子どもの態度にまで責任は持てない旨を丁重にお話ししましたらガチャ切り。

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 え? 何の電話や? 自分ならたまたま通りがかった建物の電話番号を調べてまでクレームの電話を入れたりしないと思いますが、何となく聞き覚えのある声での苦情電話。あぁ、これはひょっとして、先日訳のわからんクレーム入れてきたあの人かも、と思い至りました。あそこの施設の責任者が私の言うことを聞かない、と市役所までクレームを入れた人なのです。

 はたして、さっそく市役所の担当者が心配して電話をくれましたので、いつでもクビにしてもらっていいですよ、そうしたらその電話してきた人、あいつクビにしたってん! って喜びはるでしょう、と答えたのですが、どうやらその人、なかなかの撃墜王らしく、すでに何人かのクビを取っているので、そう簡単に言ってもらっては困ります、と叱られてしまいました。

 いやぁ、この萬年筆、エボ焼けが綺麗やなぁ、なんて呑気なことばっかり言ってると、私もその人の星印になってしまう日が来るのかもしれません。

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 いつものように顔を背けている「ちち(仮名)」さんを、思いっきり絞り開放で撮ってみました。いい感じにボケたと思います。飼い主は常にボケてますので、撮る写真はピンぼけや手ブレばっかりです。そんなオッサンが、写真を置いて、そこに何かを書いていくというスタイルでBlogを続けていることが、自分でも不思議です。

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 小さめのペンケースを掴んで、さぁ、何が入ってるかな、という記事。こう書くと無作為に掴んだ感じですけれど、最初に掴んだケースには同じメーカーのものばかり大量に入っていたので、それならばと小さめなものを掴み直しました。

 開けてみたら、これもまた同じメーカーのものばかりが入っていたのですが、全部で3本ですから、ちょうど良い感じです。

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 はい、背の順に並んで、と数えきれないぐらい言いましたけれど、今の学校では避けるべき指示のひとつとされています。だいたい、背の順に並ばせることについて、合理的な理由がありません。姓の五十音順に並んで、というなら書類整理上の利便性など、納得しやすい理由はつけられます。

 何より、姓が「あ行」で始まろうが「た行」で始まろうが、それで傷つくとか嫌な思いをする、ということはあまり考えられませんが、背の順ですとそういうわけにはいきません。

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 ペンケースに適当に突っ込んでおいたものをあらためて見直したら、頭の飛び出し具合が背の順だった、というだけのことですが、さて、この3本はそれぞれ何でしょう。ペリカンだということは明らかですが。

 そうか、こうやってここで記事を止めておけば、同じペンで明日も記事が書けるのだな、という悪知恵がつきました。数少ない手持ちの萬年筆をネタに毎日記事を書こうとするなら、そのくらいの工夫は必要ですね。

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 撮られるのを避けるはずが、ウィンクしたみたいになってしまった「ちち(仮名)」さん。昨日はほぼ一日中、飼い主と一緒に過ごしましたが、今日は朝早く家を出て日が暮れてから帰ってきた飼い主に対し、キュゥンキュゥンとひとしきり何かを訴えておりました。

 良いお天気の日曜日でしたが、地域にある施設の「フェス」に一日を捧げてしまいました。終日、受付に座っていたのですが、関係者からはおおいに怪しがられました。一日ずっと受付なんてしんどくないですか、ということなのですが、そんなことでは神戸ペンショウやY.Y.Dayの運営にかかわることなんてできません(シバかれてまう、という噂もあります)。

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 今度のY.Y.Dayについては、詳しい内容はまだ決まっていませんが、5月4日に兵庫県民会館で開催、ということだけは決まっています。大型連休まっただ中ですから、今からでもホテルをおさえるのは難しいかもしれませんが、遠方の方は夜行バスで来て夜行バスで帰る、といった強行軍でもニコニコと楽しく過ごしていただける内容だと信じておいでください。神戸で楽しく萬年筆いたしましょう。

 さて、これまでのY.Y.Dayでは抽選会を行って懸賞を出す、ということをやってきましたので、今度もやるかもしれません。そのときに備えて景品として出せる萬年筆を探す、ということも、ペンケースの中味調べてみました、っていう記事の元になっているわけですが、このケースの中味にはそれに適したものはないように思います。ほとんどのペンを記事にしてしまいましたし、棚に積み上げてある別のペンケースを開いて記事にしていかなければなりません。

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 で、最後を飾るモノとして、今日はこの3本です。上から順に、セイラーのプロフェッショナルギア・マーブルエボナイト、同じくセイラー製がベースですがサンライズ貿易のグランザス・ネオ、そしてパーカー180です。

 どれも萬年筆としては普通のものです。セイラー系の2本は本数こそ限られますけれど、萬年筆としてはそれほど奇抜なものではありませんしパーカー180にしてもその点は同じです。

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 マーブルエボナイトは毎日使っている中で、筆記状態でキャップから本体が抜けて飛んで行き、床に激突したという悲惨な事故歴を持ちます。しかしそれも天才的な修復により問題なく治されています。これのヘンタイチックなところは、ペン先が長刀研ぎmの中字であるということ。今では入手のハードルが高い長刀ですけれど、かつては結構普通に、望めば手に入るという時期があったのです。

 グランザス・ネオは、何を思ったかズームのペン先がついたものを買っています。これを手に入れた頃は萬年筆は使ってナンボ、ということで実用性第一でしたのに、なぜかズーム。細字や中字ではないのです。

 そしてパーカー180。ペン先の表と裏とで字幅が違い、1本で2種類の字幅を使い分けられるのが売りですが、よく見るのはFとXFの組み合わせです。この個体は太い方がMというあたり、日本人の好みからするとやや太いもの。元のオーナーの好みでしょうか。

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 こういう、百貨店や大きめの文具店に行けば普通に買えるような萬年筆なのに、そこにひと味違うものを求めてしまうというのは、もしかして私はヘンタイなのかもしれません。本当にそうだとしたら、実に恐ろしいことですね。

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 飼い主がお休みで丸一日家にいた土曜日。「ちち(仮名)」さんの精神状態も非常に良くて、これならば今夜は朝まで静かに寝てくれるんではないか、と期待しております。

 明日は職場の近くにある施設で「フェス」が開かれるため、職場にも動員依頼がかかっているのですが、私の職場は主婦ばかり。平日はそれこそ身を粉にして働いてくれていますので、日曜日に出てきてくれとは言いにくい。かと言って私が一人で行けば、職場の管理部門の方から色々と面倒な手続きを求められます。なので明日は個人として運営に協力する、という形でお仕事をします。イヴェントがあること自体、管理部門には伝えていませんので、後で聞こえるとまた叱られるのだろうな、と思いながらの参加です。こういう気楽さは、畑違いの職場に再雇用されてる人間の特権かもしれません。

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 シルヴァーの方だけならともかく、ブラウンのも一緒に写してしまうと、あぁアレやな、とすぐに知られてしまいます。パーカー50、プアマンズT-1などとも言われましたが、実際世の中に出た本数でいったらこちらが圧倒していますし、ファルコンというサブネームも広く認知されて、昨今では元ネタのT-1なんて知りません、という人も多いようです。

 シルヴァーの方はフライターというお馴染みの名前、ブラウンの方はブラウンマットとこれまた当たり前の名前です。

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 久しぶりに手に取ってみると、これも洗浄を要する個体でした。数学を教えていた時代には放課後などに生徒がやってきて、お決まりの台詞「先生、数学教えて」と召喚されることがよくありました。そんな時、コピー用紙とこのペンを待っていったものです。この萬年筆なら、悪い紙でも結構スルスルと書けたからです。

 私の勤めていた自治体では、白色度の高い用紙を使うと市民様から「もったいない」と苦情が寄せられるということで、あえて単価の高い再生コピー用紙を一括購入しておりました。紙としては、何となく黒ずんだ白い紙で、萬年筆で書くと引っかかるわ滲むわで何一つ良いところがないものでした。白くて綺麗なコピー用紙より高いお金を出してこんなものを使うなんて、それこそ市民様から叱られる案件ですが、「意識の高い」市民様はご自身の思い込みが全てに優先ですから、自分の払った税金が無駄に使われていても、市役所の馬鹿どもに再再試を使えことの大切さを教えてやった、という満足感、それだけで満足なのでしょう。

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 今にして思えば、しなりも何もない、まるでボールペンみたいな書き味だったと思いますけれど、ゴボウと一緒に風呂に入ったのか、と聞きたくなるような黒っぽい紙に青いインクという、井上陽水も脱帽の綺麗なコントラストで数式をしたためていたのです。

 今回、参ったなぁ、と思ったのは、当時の青インクのカートリッヂが挿さったままだったこと。またしっかり洗わなければならないペンが増えました。とりあえず、干上がったカートリッヂにライニガーを詰めて数日放置するところから始めましょう。

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 再会したこたつ布団にも慣れたらしく、お尻の方を布団の中に潜り込ませて眠っていた「ちち(仮名)」さん。もう少し慣れてくると、あれ、ワンコはどこ行った? というようなことになります。

 最近、あれ、WiFiどこ行った? と家族に言われることがちょくちょくあって、本日も全米が涙するほどに不調でしたので原因究明の為に夜明かしをしてしまいました。けれど、こういうものの常で、原因を突き止めるどころかいつの間にか普通に使えるようになっていた、っていうことで、私の一夜を返してほしいものです。

 おそらくルータが古くなってきているのと、何らかの理由で家の中でWiFiの飛び具合が悪くなってきているのと、おそらくその両方です。とりあえずメッシュでも組んでみるか、WiFiルータを入れ替えるか。後者の場合は相当な出費になってしまいます。

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 で、WiFiのことは後回しにして記事を書けば良かったのですが、何につけても意地になる性分なので、WiFiが何とかなるまで次のことに移れないのです。前職においては、こういう特性を持った子供たちに関しては必要な支援が受けられるような環境においてあげなくては、などとよく保護者と相談していたものですが、私が子供だった頃は、専門家の間ではともかく、世間一般にはそういう特性を持つ子供がいる、なんて概念そのものがなくて、融通の利かない子、意固地な子、周りが見えてない子、などと、本人が悪いということで片付けられていたわけです。

 もし私が40年遅れて21世紀に子供時代を過ごしていたなら、きっと「特性のある子供」ということで必要な支援を受けさせてあげなくてはとなっていたはずですが、私の場合は、変な子、難儀な子として子供時代を過ごしてきました。何と社会生活が送れていることに感謝、です。

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 ただ金色というだけのモンブラン・ノブレス。初めて自分のお金(お小遣い)で買った萬年筆は、このシリーズの軸もペン先もステンレス、というタイプでした。今はもうなくなっていますが、当時まだまだ珍しかった「ダイエー」の店舗が自宅近くにあって、そこの文具売場で、ガラスケースの中に鎮座していたものです。

 そこのダイエーには、まだ高価であった「カセットテープ」を安く提供しようということだった野田と思いますが、ドイツBASFブランドの60分テープが10本セットで数百円(それでも当時の絶対額としては高い)で大量に売られていていたので、お小遣いのある限り買い占めては、深夜ラジオの「ビートルズ特集! 全曲放送!」なんて番組を「エアチェック」するのに使っておりました。これ、 念のために申し上げますとFM放送ではありません。AMのモノラル放送です。ま、ビートルズの音源自体、大半がモノラルですから問題はなかったのですが。

 話を戻しますと、このとき買ったノブレスは、ガリガリで、かつインクも全く出ないという実に酷い代物でした。ここまで酷ければ、知識さえあれば、自分で弄って改善できたのでしょうが、当時の私はインクが出てくる仕組みすら知らなかったのですからお話になりません。

 当時はペン先をルーペで見るなんてことを知る由もありませんでしたが、今にして思えば、ペン先にものすごい段差があったはずです。にもかかわらず、インクが出るように、とペン先とペン芯との間にデンタルフロスみたいな感じでたこ糸を通したりなんて無茶苦茶なことをしていたものですから、余計にインクが出なくなっていたのだと思います。

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 中学生から高校生の頃に持っていた、その酷い書き味のノブレスは早々にお払い箱になったはずです。おそらくインクが固まって書けなくなりこれ幸いと捨てたのでしょう。やがて大学生になり、そして社会人に。今の妻と交際していて、なかなか結婚という話が出てこないので、妻の母が当時交際していた男性が一肌脱ごうと思ってくださったのでしょう。「萬年筆を差し上げますから一度お会いしましょう。」などと言ってくれてお会いしたとき、あの悪夢のノブレスと全く同じものをいただきました。実に面白い縁です。

 どちらもたいして大事にしていませんでしたから、おそらくお尻のホワイトスターは早々に外れてどこかへ行ってしまっていたのでしょう。今もこのタイプの中古品、二つともお星様が残っているものはあまり見かけません。こうしてお星様が残っていても、これ、お星様の周りはどこへいったの、と思う人も少なくないことでしょう。

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 そしてもうひとつ、コンヴァータの問題。きちんと適合したものを使わないと、ハマることはハマっても、使っているうちに外れる、なんてこともよくあるようです。ノブレスの性格的に、おとなしくカートリッヂで使えばいいのよ、という話ですが、好みのインクを使いたい、という人も最近は多いようですから、このコンヴァータだけでも結構なお値段でやりとりされているようです。

 我が家にあるノブレス、こうして全部揃っているのはこれ一本ぐらいで、残りはほぼすべて何かが欠けているものばかりです。そんなに何本もいらないので、ひょいっと見つかれば、萬年筆関連のイヴェントなどで若い人に持ち帰って貰う、なんて粋なこともできるのでしょう。しかし、残念なことに、どこかにあるはず、と思いながら探しているときに限って、出てこないものなのですよね。

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 熟睡している最中、ふっと目覚めて顔を上げたところを取られた「ちち(仮名)」さん。フンッと鼻息を噴き出して、夢の中へと戻っていきました。本日はワインのボトルを囲んでチーズでも食べているはずでしたが、体力的にも3人で1本というのがしんどくなっていたことと、今年もまた「近年にない素晴らしい出来」だったということに飽きたので、そもそも買ってきませんでした。ワインはよく回るので、呑んでしまったあと癈人になってしまうのも難儀なところです。

 毎年これを楽しみに、とか言ってたことでも、歳をとるにつれ、だんだんとどうでも良くなってくるものです。ボージョレイ・ヌーヴォーに関しては、酒屋さんでもそんなの知らんぞという時代から毎年呑んできたのですけれど、いや、だからどうした、という感じになってきました。

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 これからの季節、ペアで上着のポケットに挿しておくと合いそうな筆記具。PILOTのレガンスか、と流してしまいそうになりますけれど、それは萬年筆だけ。今となってはボールペンの方が値打ちモノかもしれません。

 レガンスのような軸は、綺麗だからと凝り出すと何色も何本も集めてしまうことがわかっているので、一番地味そうな茶色を1本手元に置いておくだけで満足することにしたのです。ボールペンの方は、それと同じ樹脂で作られたものです、と嘘を言っても通りそうなセルロイド製。大阪の巨匠、加藤清さんの作品です。

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 セルロイド。思い出してみれば、こういうキラキラしたものが混じった樹脂と言ったらセルロイド。私たちの世代にとっては普通のものだったのですが、今やセルロイドはなかなかに貴重品です。今、あっちこっちで「昭和」を再評価するような動きがありますけれど、それだけ今の世の中は行き詰まっているというか、もう、普通にやってもいいことなんか何もないのでキラキラしていた時代のことでも掘り起こしてそっちに目を向けておこうか、とか、目先を変えて一儲けしよう、とか、そういうことなんだろうと思います。

 今日、職場で「けっこう毛だらけ灰だらけ」などと口走ったところ、40過ぎの同僚が風天の寅さん大好き人間だということが判明。しかも、受信料を取る放送局で流されていた、寅さんの少年時代を描いた作品も見ていた、ということでしたので、さくらに見送られて旅に出るシーン、柴又駅の話とか、駅から帝釈天までの通りの話などで盛り上がりました。しかし、しかしです。柴又帝釈天のさらにその先、「矢切の渡し」の話になると、彼女は単に、渡し船があるんですね、との反応。あぁ、あの流行り歌の、とはなりませんでした。
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 いやまぁ、そうなんですね。その歌が良く聞かれた頃には、彼女は演歌なんて聴くような年代ではなかったわけですし。いやそれでも、そこらで流れていたのを耳にしたことぐらいはあるだろう、と思ったりもしたのですけれど、そうでもなかったようです。

 はは、このようにして、化石みたいなお爺さんというのができあがっていくわけですね。「昔なぁ、〇〇〇ってモンがあってなぁ」なんてね。そらもう、インク吸わせたりカートリッヂいうてこう、インクの詰まった小さい入れモンを取り替えたり、面倒臭かったんやけど、それで字ぃを書いたら、そらもう、めっちゃ気持ちよぅてなぁ・・・(遠い目)などと萬年筆を語る、という状況ではないことを幸せに思います。

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 あ、また撮ってるんちゃうの、という「ちち(仮名)」さん。気づいていても眠たいのでパス、とそのまま目をつぶってしまいました。

 飼い主は本日から冬服でお勤め。今月初旬の三連休に入るまでは半袖シャツの「エコスタイル」でお仕事をしておりましたから、長袖のみならず上着を着てのお仕事、暑いかもなぁ、と心配しておりましたけれど、寒さの方が頑張ってくれたおかげで熱い思いをすることなく1日を終えることができました。ただ、今の時期はまだスーツ姿で、スリーピースを着るのは来月からになることでしょう。暑がりというのは周りの人からあの人アホちゃうか、おかしいなぁと思われる危険をはらんでいるわけです。

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 PILOT謹製、プロピオネイト樹脂が美しいカスタム様。現行のラインナップでいくとカスタム楓にも通じるお辞儀が強めのニブが好みですが、文化財保護の観点から、インクを入れて使うことはせず、静態保存をしております。

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 とはいえ、これこの通り、インクを入れたら普通に使える状態です。インクの吸入にも問題などありませんし、キャップがしまらないとか勝手に外れてしまうとかいうこともありません。同時期のものの中では比較的状態が良い方かと思います。

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 この個体は、キャップリングのところにはっきりと隙間ができている他はこれといって問題がないのです。我が家にはもう一本、尾栓がクルクルと回る個体があるはずですが、今のところはどこかの棚の中で静かに眠っております。

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 ガシガシ使おうと思うなら、そしてこのタイプのカスタムが良いのなら、同じ時期の黒い軸のやつを探すという手もあるのかもしれませんが、PILOTなのに軸の素材に問題があって不具合続出、というところが気に入っているわけで、実用性なんてものは二の次なのです。

 そういうことを当たり前のように言う、そしてその人自体が並外れてポンコツなところを持っているというのが「半」というものです。関東風の「半」とは違うものであり、薬というよりは劇薬のようなものであるとご理解いただけますと幸いです。

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 念願かなってこたつが出てきたのに、あえて離れて眠る「ちち(仮名)」さん。夏用の敷物を剥がそうとすると敷物の上に座り込んで邪魔していた彼女でしたが、厚手の敷物が出て来てさらにはお布団もかけられたので、さかんに匂いを嗅いだり引っ掻いてみたりしておりましたが、結局のところ、最近ハマっていた、座卓の下に潜り込んで眠るということがやりにくくなったのが面白くないようです。

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 どこかにあるぞ、と思いつつ長いこと姿を見ないままになっていた萬年筆、本日はプラチナの銀無垢萬年筆、PTS-50000です。

 さる百貨店でセール価格になっていると教えてもらって買ったもので、実用するつもりで細字のペン先がついたものを選びました。購入時にセットしたブルーのカートリッヂが挿さったままになっていますから、これも早急に洗浄してやらないといけません。

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 かなり大ぶりで重たいペンですから、長文を書くのには向かないと思いますが、そもそも長い文章を誤字脱字なしで書き上げる力はありませんから、そこは問題ありません。職場に常置している萬年筆たちを少し休ませてやるための交代要員として、前線に出てもらおうと思います。

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 ペンケースを開いてざっと見るだけではなく、落ち着いて一本一本見ていくと、これはあの時、こいつはあの頃、と、それぞれの萬年筆を使っていた頃のことを思い出します。そして、その頃は今と違って、手に入れた萬年筆には必ずインクを入れて、いたずら書きにせよ、何らかの文字を書いていた記憶が蘇ってくるのです。やはり萬年筆は使ってこそ、ですね。

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 お顔を撮られても全く気づかず眠り続ける「ちち(仮名)」さん。ここ数日は夜中に鳴くこともなく機嫌良く寝てくれています。

 しかしそれも「もののはずみ」でどうなるか、全くわからないところで、今日はよく寝てるな、と安心して風呂に入ると、誰もいなくなった居間で鳴き叫んでいる彼女の高い声を聞くことになったりします。そうなるともうゆっくりお湯に浸かっている気分ではなくなってしまうので、早々に風呂を出て彼女のもとへ馳せ参じる、ということになります。

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 あいも変わらず、暇な時にはなんとなくオークションサイトを覗いてみたりしているのですが、それをやると、シュレーディンガーの萬年筆、と勝手に呼んでいる現象にハマってしまうことがあります。

 オークションサイトがあるという事実。そこにどのようなものが出品されているのか、オークションサイトを閲覧しなければ知ることができません。逆に言うと、もう何年も欲しい欲しいと思って探している万年筆が、これまた捨て値と言うべき安値で出されていても、見なければそれまで、です。

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 ですから一番良いのは、もう萬年筆なんか見ないこと、これに尽きるのです。でも、見てしまう。何とも哀しい性です。

 おっ、マット軸、18Kのペン先、これは、と一瞬興奮して、いや待て、うちにもあるかもしれんぞ、と冷静になって探したら、やっぱりありました。最近はこんなのばっかりです。

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 それでも、退職後にお世話になっている職場はきっちり定時に帰れますので、仕事を終えてから眠るまでの時間が長い。なればこそ、何か見てほしいと思ったとき、これウチにもあるんちゃうか、と探してみる余裕があるわけです。なので最近は、ダブるということがほとんどがなくなりました。

 ダブってるもの、あんまり好みじゃないものは、だんだんお嫁に出して、その時に家族に迷惑がかからないように、とは思うのですが、無情にも寒い季節がやってきてしまいました。我が家の萬年筆置場は2階の廊下なので、寒くて何かを探すどころではないのです。

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 鼻先をお布団に突っ込んで眠る「ちち(仮名)」さん。本日はほぼ一日、飼い主が隣でゴロゴロしていたので、精神的にもたいへん安定していたようです。

 彼女は基本的に甘えん坊なので、ふと目覚めて顔を上げた時に周りに家族がいないと鳴き叫びます。若い頃はそうでもなかったのですが、歳をとったこと、そして、妻が退職して毎日家にいるのが当たり前になったこともあって、甘えん坊のくせが強くなったのだろうと思います。

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 土曜日は半日とはいえ仕事をしているのがもったいないと思えるような良いお天気でしたが、今日のお天気はそれほどではありませんでした。土曜日曜と、本州最南端、潮岬灯台の夕暮れを体験しよう、ということで、夜の7時まで公開する、ということでしたけれど、潮岬まで車を飛ばして4時間から5時間かかります。日が暮れて灯台の灯りが綺麗に見えるのを見届けて帰ってくると日付が変わる頃になりますから、行けば綺麗だというのはわかっていましたけれど見送りました。

 写真のケースに収まっている萬年筆をチェックして、必要なものは水洗いをして、お別れすべきものを選んで、などと思っていた週末でしたけれど、結局、何もしないままサザヱさん、ということになりました。

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 萬年筆を実用するならカートリッヂ・コンヴァータ両用式の方が便利なのに決まっていますが、所有することそれ自体に喜びを感じるのなら吸入式。そういうこともあって、デカい図体なのに両用式というルマンは、あまり好みではない萬年筆、なのかもしれません。

 それでも、そのブランドとしての名声、歴史の古さ、大好きな緑色の軸、あるいは木軸、ということで、この2本はかなり前から手元にあります。

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 木軸の方は、正規代理店の検品はぜったいにとおらないはず、と思えるペン先の切割不均等ぶりが面白くて、ほらほら、こんな変なのがあるんだよ、と人に見せるためだけにこれまで手元に置いてきたようなものですし、緑色の軸は単に綺麗で好きな軸色だから、ということだけで手に入れたものです。どちらも、インクを入れてガシガシ使った記憶がありません。これはお嫁に出してあげるべきでしょう。

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 萬年筆の蒐集が趣味となりますと、それを手に入れることが目的となってしまい、実際に手元に来たときにはすでに熱量が下がってしまっている、ということになりがちです。そんな萬年筆を放出していって、ネタに困るようになったらBlogもおしまい、というのが良いのでしょう。いずれにしても、まずはコレクションの把握、それが第一です。

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 何が起こっているのかよくわかっていない、寝起きの「ちち(仮名)」さん。飼い主ともども、ゆったりとした土曜の午後を過ごしました。

 午後だけとはいえ、家で過ごす土曜日は実に久しぶり。これから冬に向かうと、各地の灯台を訪ねることも減るでしょうから、土日は家で過ごすのが基本、という形に戻る事でしょう。そうなれば出費が減り、家にいる時間に萬年筆の整理を進め、たくさんお嫁に出してお小遣い程度の金額を回収して、と。そのあとが大切で、二度と本数は増やさないぞ、もっともっと減らすぞ、という強い意志と実行力をもって過ごすこと。実はこれが一番難しいのでしょう。

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 発掘されたペンケースに収まっていたプラチナ・プラチナたち。いわゆるビッグサイズのものと、それよりは小ぶりなものが2本。スターリングシルヴァーの軸でペン先がプラチナ、そして大型の軸、としてちょくちょくオークションサイトに出てくるので、そのたび、あ、これ持ってたかな、などとビッドしかけては思いとどまる、ということを繰り返しております。もう、こうして持っているのですから、これ以上増やしてはいけません。

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 その独特の立ち位置、コンセプトでその立ち位置を確立されている萬年筆専門店がオープンされて間もない頃、毎週のようにお店にお邪魔しては萬年筆談義をしていたことがあるのですが、今にして思えば、いや、あれけっこう迷惑だったんだろうなぁ、と反省するばかりです。で、その当時、店主と萬年筆を交換したことがあって、その時手元に来たのが、この首軸に象嵌のない、ホワイトゴールドのペン先を持つプラチナ・プラチナでした。

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 字を書くのは苦手なくせに、なぜか大ぶりで重たい目の萬年筆を好む私は、今ならこの小ぶりな方を選ぶことはないでしょうが、大小あるのだから、ということ、人との交流の中で手元に来た萬年筆である、ということもありますから、小ぶりな方の2ほんも、できるだけ後ので手元に残しておきたい、と思っています。そんなこと言ってるから、萬年筆に限らず、全く断捨離が進まないのですけれども。

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