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ここのところ顔を見なかった飼い主にじゃれつく「ちち(仮名)」さん。家族の中で一番よく遊んでくれる人は誰か、ということをよく知っているのです。この瞬間は顔がまともですが、必死になってぐりっと顔を回したりしつつ、ひたすら甘噛みを続けます。最近は噛み方もマイルドになってきたとはいえ、まだまだ満足できるレヴェルまできてはおりません。
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この日の記事で恥をさらしたセーラー プロフェッショナルギアのマーブルエボナイト。見事なまでに普通のペンに戻っております。修復の仕上げに磨いてしまうため、本来の24Kメッキが剥がれておりますが、色の感じとしてはこちらの方が好みです。
この修復に要した時間は実に3時間を超えたそうです。関西の親方には足を向けて眠れません。曲がったペン先を伸ばすだけでなく、スリットやペンポイントの具合も調整していただく必要がありますし、何より,ペン先とペン芯とをうまくフィットさせることが難しく、かつもっとも大切なところなのだそうです。
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昨日のWAGNER関西大会にも、ペン先の曲がったペンが何本か持ち込まれたようです。それらは通常、その場でくいくいっと直せるものではないそうですが、そこを何とか、ということで親方も奮闘されたようです。
直していただいた者が言うのもヤラしい話ですが、何でもかんでも直してもらえる・・・・・と考えるのは間違いです。ペンクリに自分が調整したペンを差し出して「買ったときのままです」などと言う人がいるらしいのですが、それってどうなんでしょうか。ペンクリをしてくださる調整師さんたちは基本的に素人ではありますが、お願いしますと持ち込む人よりは数段レヴェルの高い素人です。そんなことすら忘れている、あるいは無視して突っ切る人が少なくなっていくことを期待しましょう。
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何より、WAGNERの大会会場でペンクリをしていただいている皆さん、ほとんど飲まず食わずで1日数十本。ごくごく希には、結果に納得できず、クレームをつける方もいらっしゃるようですが、そういう方ははじめからメーカーに修理をお願いすべきでしょう。こういう希望を述べて調整をお願いした結果がこれ。満足できないのはどこで、それななぜなのか。そういうことを考えていく会だから萬年筆研究会なのだ、と私は理解しておりますが、皆さんはいかがでしょうか。
などとえらそうに書きつつも、いや、やはり書き味に頬が緩みますなぁ・・・・・。