あらゆる情報を一箇所にまとめて管理できるNotion。かつてはEvernoteを使っていた「自分用データベース」ですが、いまはNotionにさまざまな情報を溜め込むようになりました。
ただ、EvernoteとNotionには違いがあります。そのひとつが「リレーション」という機能。
Evernoteは基本的に「点」で管理するサービスでした。ノートブックやタグを使って、ノートに属性を付与していき、「点」の集合体を作っていく。そして、検索機能を使って、圧倒的な「点」の中から目的の情報を引っ張り出すようなイメージです。
Notionの特徴は「線」です。さまざまな情報を相互に関連づけることで、「線」で繋がっていきます。Evernoteのように「検索で探す」というよりは、関連性の中から必要な情報を手繰り寄せていきます。
中でも特徴的なのが「リレーション」という機能。複数のデータベースを互いに紐づけ合うことで、情報を補完し合うことができます。
今回はこの「リレーション」を活用して、「クライアント」「プロジェクト」「タスク」の3つのデータベースを結びつけて形成する情報管理システムをご紹介します。
【目次】
Webディレクターのタスク管理の全体像
私はいま、制作会社でウェブディレクターとして勤務しています。受託の企業になりますので、複数のクライアントを担当し、その中に進行中のプロジェクトを複数抱え、細かく細分化されたタスクがぶら下がります。
日々のタスクは孤立した「点」で存在しているわけではなく、必ず何かしらのプロジェクトに関わるものであり、そのプロジェクトにはクライアントが関係します。
この「クライアント」→「プロジェクト」→「タスク」の3つの軸を、ひとつひとつ独立して管理するのではなく、線で結びつけるのが「リレーション」という機能です。
線で繋げば、完了したタスクが消滅せずにすみます。実行したタスクが、そのままプロジェクトの行動履歴となり、クライアントのアーカイブ記録として残しつづけることができるようになります。
それではさらに具体的な設定内容についてお話ししましょう。
各種データベースを作成し、プロパティからリレーションをつなぐ
まずはデータを集約するために「クライアント」「プロジェクト」「タスク」という3つのデータベースを作成します。
それぞれのデータベースに設定するプロパティは、比較的自由に設定してOKです。私は面倒くさがりなもので、あまり細かな情報をひとつひとつ設定したくありません。なのでかなり大雑把に、必要最低限のプロパティしか設定していません。
そうしたら、それぞれの情報を関連付けます。
「クライアント データベース」のプロパティを開いたら「新しいプロパティ」を選択。項目の中から「リレーション」を選択し、「プロジェクト データベース」を選択します。
同じように「プロジェクト データベース」のプロパティから「新しいプロパティ」を選択。「リレーション」を選択したら、「タスク データベース」を選択します。
これで設定は完了です。
一度リレーションを繋げば、あとは自動的に関連付けがされていく
新しいプロジェクトを作成したら、そのプロジェクトがどのクライアントに関連するものか、忘れずに指定しましょう。
タスクも同様で、新しいタスクを作成したら、リレーションから関連するプロジェクトを選択します。
これにより、作成した「タスク」がどの「プロジェクト」に関連するものなのかが把握でき、その「プロジェクト」がどの「クライアント」に関連するものかを、即座に確認できるようになります。
この「情報の関連付け」がNotionの大きな強みのひとつ。一つひとつのタスクを線でつなげることができ、管理しやすくなります。
たとえば「タスク:ワイヤーフレームを作成する」を実行するために必要な情報が欲しくなったら、プロジェクトデータベースに記載した議事録ノートをすぐに見返すことができます。
「タスク:開発環境にアップされたトップページのデザインを確認する」を実行するために、開発環境のログインパスワードが必要かもしれません。そのようなときも、クライアントデータベースに残した「アカウントWikiノート」をすぐに確認できます。
また、アーカイブとして記録を残したときにも関連付けがされているので、あとから情報を振り返りやすいというメリットがあります。
新しいプロジェクトを始めるとき、前回のプロジェクトの内容が参考にすることは多々あります。そのようなときでも、リレーションを繋いでいることで、過去の記録を即座に取り出せるのです。
見積り・スケジュール・施策の内容といったプロジェクトに関する情報が欲しければ、リレーションで繋がっているクライアントDBを開き、そこに残っている過去のプロジェクトDBを見返せば良いのです。
タスク・プロジェクト・クライアントという点を、リレーションという機能で結びつけるだけで、仕事における情報の整理整頓が飛躍的に楽になるのです。
(文:ばんか(bamka))
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