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【専門家監修】犬が病気かも?元気がない時にチェックしたいポイント

公開日:2024.02.02 更新日:2024.02.08

散歩に行きたがらない、食欲が減っている、歩き方がおかしい……など、愛犬の異変に不安を抱える方もいるのではないでしょうか。 愛犬に元気がない場合、チェックしたいポイントがいくつかあります。ポイントを知ることで動物病院に連れて行くべきかを判断しやすくなり、病気の早期発見にもつながるでしょう。 この記事では、犬が患う病気とチェックポイントについて、部位ごとに分けて詳しくご紹介します。

CONTENTS

記事の目次

犬の病気|頭・顔周りの異常

頭をなでられる犬

頭や顔周りの病気は、「目」「耳」「鼻」「口」の4つの部位をチェックするのがポイントです。気になる異常を見つけたら、なるべく早く動物病院を受診しましょう。

アレルギーや感染症の他、内臓疾患が潜んでいる可能性もあります。具体的なチェックポイントを部位ごとに見ていきましょう。

目の病気は結膜炎、角膜炎、流涙症などです。犬の目に異常があるかを確認する場合、以下の3つをチェックします。

【目の異常はここをチェック】
・充血していないか
・目やにや涙が出すぎていないか
・かゆがっていないか

結膜炎は、ウィルスや細菌、寄生虫の感染が主な原因です。アレルギーや体質によって発症する場合もあります。角膜炎は、シャンプーが目に入ったり目をこすったりした際に角膜に傷がつき、炎症を起こす病気です。

流涙症は、涙の管の異常によって目から涙があふれ出る状態を指します。目の病気は、目の専門医に相談するのがおすすめです。目の病気以外で充血を起こす場合もあるため、他の症状の有無も確認しましょう。

耳の病気は外耳炎、中耳炎、内耳炎などです。犬の耳の内部を観察し、以下のような異常がないかをチェックします。

【耳の異常はここをチェック】
・臭いはあるか
・腫れていないか
・かさぶたができていないか
・かゆがっていないか

犬の耳から少しの異臭や少量の耳垢が出る程度であれば洗浄液できれいにし、様子を見ても問題ないでしょう。菌の繁殖が抑えられ、外耳炎を予防できます。ただし、普段とは異なる異臭がしたり耳を異常にかゆがったりする場合は注意が必要です。

外耳炎を放置すると、中耳炎や内耳炎になる場合があります。悪化すると聴力障害や神経症状を引き起こす可能性もあるため、早めに動物病院を受診しましょう。

鼻の病気は、呼吸器疾患やアレルギーなどさまざまです。以下のような症状がないかチェックします。

【鼻の異常はここをチェック】
・くしゃみ、鼻水の症状はないか
・熱が出ていないか

くしゃみをしていても一時的なもので、元気で食欲もあるなら様子を見ても問題ないでしょう。犬の鼻は常に少し湿っており、生理現象の範囲内で鼻水が出ることもあります。

しかし、頻繁にくしゃみをする、多量の鼻水が出るといった症状があるなら獣医師に相談するのがおすすめです。

呼吸器疾患やアレルギー、鼻腔内異物、腫瘍など、さまざまな病気の可能性が考えられます。発熱や食欲減退など、鼻以外の症状がないかも忘れずチェックしましょう。

口の病気には歯周病、歯肉炎などがあります。以下の3つをチェックし、口の病気の早期発見につなげましょう。

【口の異常はここをチェック】
・口臭がきつくないか
・よだれが大量に出ていないか
・歯ぐきの色が赤い、出血しているなどの症状はないか

少しの口臭や歯石であれば、歯磨きなどでケアをして口内の健康を保つことで歯周病を防げます。しかし、強い口臭や歯石が目立つ場合は、すでに歯周病になっているかもしれません。歯磨きをしているにも関わらず口臭が強い場合、内臓の病気も考えられます。

歯ぐきの色が赤く充血している場合には、歯肉炎や口内炎の可能性もあるでしょう。口内の病気による痛みでよだれを多く垂らす犬もいます。

犬の病気|体・脚の異常

おなかをなでられる犬

体の皮膚が赤く炎症を起こしている場合、皮膚病を発症しているかもしれません。脚を引きずっている場合にはケガの可能性も考えられるでしょう。その他、内臓の病気で体に異変が起こる場合もあるため注意が必要です。

体や脚に異常がある場合のチェックポイントを「胸・おなか」「皮膚」「脚・股関節」の3つの部位に分けて解説します。

胸・おなか

胸やおなかの異常には、気管虚脱や肺水腫といった呼吸器系疾患が考えられるでしょう。その他、内臓疾患や乳腺腫瘍、リンパ腫などの可能性もあります。胸やおなかの病気を疑う際は、以下の3つをチェックしましょう。

【胸・おなかの異常はここをチェック】
・ゼエゼエと息をする
・しこりがある
・おなかが異常に膨らんでいる

犬が口を開けたまま苦しそうに「ゼエゼエ」と息をするのは、気管虚脱の代表的な症状です。肺に液体がたまり呼吸困難を起こす肺水腫でも、同じような症状が出ます。

乳腺腫瘍はオス・メス関係なく発症し、良性と悪性の比率は約50%です。しこりは胸だけでなく、おなかにできる場合もあります。おなかが異常に膨らんでいる場合、消化器や生殖器などの病気も考えられるでしょう。

皮膚

皮膚疾患は、アレルギーや甲状腺機能低下によるものなど、さまざま存在します。皮膚疾患を疑うチェックポイントは、以下の3つです。

【皮膚の異常はここをチェック】
・赤くなっている
・しこりやイボがある
・フケが多い

かゆみを伴う皮膚の炎症は、アレルギー性の皮膚病の可能性があります。フードやシャンプーが体に合わず、皮膚炎を起こす犬も少なくありません。しこりやイボは皮膚病の代表的な症状です。

常に皮膚が脂っぽくフケも多いなら、脂漏症かもしれません。脂漏症の場合、専用の薬用シャンプーでケアすると改善できる場合があります。甲状腺機能の低下やストレスによって皮膚の病気を発症することもあるため、異常がある場合には動物病院を受診しましょう。

脚・股関節

脚に異常がある場合、骨折や脱臼、先天性の疾患などの疑いがあります。脚や股関節の病気の疑いがある場合、チェックポイントは以下の3つです。

【脚・股関節の異常はここをチェック】
・脚を引きずっている
・触ると痛がる
・歩き方に違和感がある

脚を引きずって歩く、片方の脚を上げたままにしている場合、骨折や脱臼が考えられます。無理に触ると痛みが増したり、病状が悪化したりする恐れもあるため注意が必要です。

生まれつき膝蓋骨脱臼の犬もいます。膝蓋骨脱臼とは、後ろ足の膝関節のお皿(膝蓋骨)が外側に外れる疾患です。小型犬に多く、進行するに従って脚に痛みや違和感が生じ、やがて脚を上げて歩くことが増えます 。

犬の病気|その他のチェックポイント

獣医師の診察を受けている犬

部位ごとの異常がない場合であっても、食欲の低下や下痢などの症状が続くようなら病気のサインかもしれません。内臓の病気が原因で水をたくさん飲むようになったり、尿の量が増えたりする犬もいます。

わずかな異変も見落とさないように、症状ごとに考えられる病気について見ていきましょう。

3吐く・食欲がない

食べたものを吐く場合、食物アレルギーや中毒、炎症性腸疾患の疑いがあります。吐く以外に食欲がなかったり、ぐったりしていたりするなら胃腸炎の可能性も考えられるでしょう。肝臓や腎臓などの内臓疾患で嘔吐や食欲低下が続く場合もあるため注意が必要です。

嘔吐を繰り返したり食べない日が続いたりするなら、一度かかりつけの獣医師に相談するとよいでしょう。吐いたものをチェックし、異物や血が混じっている場合にはすぐに動物病院での受診をおすすめします。病院を受診する際には嘔吐物を持参しましょう。

下痢・便秘

下痢の原因は胃腸炎や食中毒、ウィルスや細菌の感染症などさまざまな病気が考えられます。便に血が混じっている場合、犬伝染性肝炎やジステンパーウィルス感染症の疑いがあるため注意が必要です。

子犬は免疫系が未熟なため、感染症に対する耐性も低い傾向があります。細菌やウィルスに感染して下痢になりやすいのも特徴です。放置すると大きな病気に発展しやすいため、軽度の段階で獣医師に相談すると安心でしょう。

便秘や尿量の増加がある場合は、腸閉塞などの病気が隠れているかもしれません。血便や発熱、ぐったりしているといった症状が見られる場合にも動物病院を受診しましょう。

多飲・多尿

水をたくさん飲んでいたり、尿の量が増えていたりする場合、クッシング症候群の可能性が考えられます。クッシング症候群とは、副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが出すぎる病気です。

その他、腎不全、糖尿病、子宮蓄膿症の場合にも多飲多尿は起こります。1日の飲水量は、犬の体重1キログラムあたり50ミリリットル~60ミリリットル程度が目安で、100ミリリットルを超えると多飲です。

尿量は、体重1キログラムあたり20ミリリットル~45ミリリットル程度を目安にします。愛犬の体の異常を早期に発見するために、1日に飲む水の量や尿量を記録するとよいでしょう。

定期健診で愛犬の健康状態をチェックしよう

飼い主が人間ドックを受けるように、犬も健康診断を受けることで病気の早期発見につながります。

子犬の場合はワクチン接種で病院を訪れる際に、併せて健康状態もチェックしてもらいましょう。成犬は年に1度、病気のリスクが高まる7歳以上のシニア犬では年に2度、健康診断を受けるのが理想です。

検査内容は、問診、血液検査、尿検査、糞便検査などがあります。レントゲンや超音波検査を行う病院もあるでしょう。費用や検査内容は動物病院によって異なります。事前に病院のサイトを確認したり、電話で問い合わせたりすると受診までがスムーズです。

まとめ

犬の隣に座るリードを持った女性

愛犬に異常がある場合、部位ごとのチェックポイントを抑えることで、可能性がある病気を把握しやすくなります。愛犬の様子や症状がどのくらい続いているのかを事前にメモしておくと、獣医師に説明する際に役立つでしょう。

愛犬の病気を早期発見するには定期検診も重要です。健康な時期から定期的に受けることで愛犬の体の状態を把握でき、病気の予防にもつながります。

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PAGEでは、犬について、特徴や飼い方についての情報を発信しております。犬の種類、特徴、飼い方について気になる方はぜひ「大型犬の種類や飼い方」をチェックしてみましょう。

愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト

鍵山 由香

愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト  鍵山 由香

トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。

トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。

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