【獣医師監修】猫はどんな動物?特徴や飼うための基礎知識を徹底解説│【マルカン|PAGE】ペット用品・ペット情報サイト

【獣医師監修】猫はどんな動物?特徴や飼うための基礎知識を徹底解説

公開日:2023.11.21 更新日:2023.12.04

「猫島」と呼ばれ、たくさんの猫が住んでいる島もあるほど、日本人にとって猫は身近な存在です。しかし、生態や特徴についてはあまり認識していない方も多いのではないでしょうか。 猫をペットとして飼いたいと考えているのであれば、猫の特性や適切な食事内容などもきちんと把握しておかなければなりません。しっかりとした知識を持っておくことで、安心して猫と接することもできるでしょう。 そこで本記事では、猫とはどのような生き物なのか、特徴・寿命・知能・お世話のポイントなどを詳しく解説します。

CONTENTS

記事の目次

猫とは

じっと見つめる三毛猫

はじめに、猫の生物としての概要は以下の通りです。

分類:哺乳綱食肉目ネコ科ネコ属
体重:2.5キログラム~6キログラム
体長:75センチメートル程度
国内での飼育数:約883万7,000頭

ネコ科自体が「ネコ」とされていますが、一般的に認識されている猫を指すのは「ネコ属」です。ネコ属の中でもより身近な存在がイエネコのため、この記事ではイエネコを主体に紹介します。

食肉目であることからも分かるように、猫は肉食動物です。歯の構造からも 、草食・雑食動物のようにすりつぶすような食べ方はできません。猫の健康維持には、良質なたんぱく質が欠かせないため、食事には気を使う必要があるでしょう。

運動神経・バランス感覚にも優れているのも猫の特徴です。基本的に群れを作らず、身を守るため に隠れられる場所や高いところを好む傾向も見られます。しかし肉食動物でありながら、愛らしくしなやかな姿などから、ペットとしての人気が非常に高い動物です。

猫の特徴

堤防の上を散歩する猫
猫にはさまざまな特徴がありますが、ここでは3つのポイントに絞って紹介します。猫の意外な特徴にも触れているので、より猫への興味を深められるかもしれません。特徴と逢わせて、猫が愛される理由ともいえる、魅力も確認していきましょう。

体が柔らかく運動能力が高い

猫を初めて飼った方、または猫カフェなどで初めて猫に触れ方がよく驚くのが、猫の体の柔らかさです。液体のようだともいわれる柔らかさの理由は、鎖骨が退化 し、前足の骨が他の骨とつながっていないことで柔軟に肩を縮められる ためと考えられています。

柔軟な動きを可能にする骨格としなやかな筋肉を持つこと、そして優れた平衡感覚や瞬発力によって、猫は運動能力が総じて高いといえるでしょう。高所から落ちても 問題なく着地できるさまなどは、高い運動能力を示す好例です。

ただし、限界はあります。一般的な住宅の2階、3階程度の高さであれば問題ないとされますが、猫の個体差によって運動が苦手なケースもあることを覚えておきましょう

よく寝る

よく寝るのも猫の大きな特徴です。平均すると 、1日のうち12時間~16時間ほどを睡眠にあてており、子猫の場合は20時間以上眠ることも珍しくありません。

また猫は夜行性だと思われがちですが、正確には 「薄明薄暮性動物」といわれています。完全に夜が更けてから行動するのではなく、明け方や夕暮れに活発になる動物なのです。

ただし、ペットとして飼われている猫は、徐々に飼い主の生活に合わせたサイクルになるでしょう。飼い主が一般的な生活サイクルであれば、猫も夜にまとめて眠り、昼間は昼寝程度に浅く眠ります。

好奇心旺盛だが警戒心が強い

猫の特徴3つ目は、好奇心旺盛でありながら警戒心が強い点です。もともと は、野生の環境でねずみや小鳥を狩って生きていたため、動くものを追いかける習性が残っています。

おもちゃを振ると追いかけてきたり、じゃれついたりするさまは、生粋のハンターといえるでしょう。

しかし猫は 基本的に群れを作らない動物です。野生時代に1匹だけで生きていくために培われてきた警戒心も残っているので、隠れる場所を必要とし高い場所を好みます。人や場所に慣れるまで時間がかかる理由も、この警戒心が原因といえるでしょう。

猫の年齢と寿命

もふもふのクッションに包まれる3匹の子猫

実際に猫をペットとして飼う際に気になる点が、猫の寿命ではないでしょうか。ペットを飼うのであれば、亡くなるまで生活を共にするのが飼い主の責任だといえます。ここからは、猫の寿命や成長の度合い(年の取り方)について見ていきましょう。

年齢

猫に限らず動物の成長の度合いは人間と異なります。人間であれ ばまだ赤ちゃんでしかない1歳の時点で、猫の場合は成猫にまで成長するため、子猫の期間はごく短いものだといえるでしょう。

シニアに 差し掛かる年齢は7歳前後と考えられています。徐々に老化が進み始めるので、適度 な運動を促し食事にも注意が必要です。人間に換算すると60歳の還暦にあたる11歳ごろには本格的な老齢期に入り、猫によっては介助が必要になるケースもあります。

平均寿命

平均寿命は 15年程度ですが、ペットとして飼われている多くの猫は12年~18年ほど生きるといわれています。ただし、徐々に平均寿命が延びている傾向があり、もっと長い期間一緒にいられる可能性もあります。

平均寿命が延びつつあるひとつの要因は、猫の室内飼いが増えてきたことです。これにより、外飼いの猫より、事故や病気、天敵に襲われる可能性を低減できます。

また一昔前よりペットの飼い方について知識が確認しやすくなってきたことや、良質なフードが増えてきたことなども寿命が延びている理由として挙げられるでしょう。

猫の知能

一般的に、猫の知能は人間の子どもでいうと2歳~3歳程度だといわれています。ただし、猫の知能に関しては犬と比べるとあまり研究されていません。目安として、脳化指数を確認してみましょう。

チンパンジー:0.30
クジラ:0.21
カラス:0.16
犬:0.14
猫:0.12
スズメ:0.12

脳化指数 とは、動物ごとの体重と脳の重さから算出された指数のことです。動物の知性を数値で示しており、数値が高いほど知性が高いと判断できます。

犬より猫の方がわずかに下ですが、それぞれの得意分野も異なることから、一概に犬の方が賢いとは言い切れません。

猫の食事

1列に並んでご飯を食べる4匹の猫

猫をペットとして迎える前に知っておきたい点に、日々の食事の選び方や与え方も挙げられます。健康に長生きをしてもらうためも、食事は重要なポイントです。ここからは、餌の選び方から、猫にとって危険な食べ物まで解説します。

1.成長に合わせた総合栄養食を選ぶ

猫に与えるフードは基本的に、ペットフードとして販売されている総合栄養食から選びましょう。総合栄養食 には、猫にとって必要な栄養が過不足なく含まれているので、毎日の主食としておすすめです。

ただ し猫の年齢によって、必要になる栄養や、理想的な栄養バランスは異なります。子猫用、成猫用、シニア用など、成長や年齢に合わせて最適なフードを選ぶことが重要です。

また消化不良時、便秘の解消や毛玉を吐き出すために草を食べることもあるので、猫草を用意しておくのもよいでしょう。

2.子猫の時から規則正しい食生活を習慣づける

1日の食事量を定め 、複数回に分けて与えるのが基本的なフードの与え方です。年齢だけではなく、個体差によってフードの適量は異なるので、最初はフードのパッケージ通りに与えて適宜調整していきましょう。

また人間の食事に興味を持たないよう、子猫のころから習慣づけることも重要です。猫用の おやつなどを利用して、不足しがちな栄養を補いながら、猫にとって適切な食習慣を築けるよう誘導していくことが重要といえるでしょう。

3.危険なものを食べさせないように注意する

人間にとっては無害なものでも、猫にとっては有害な食べ物が存在します。また人間の食べ物は猫にとって味付けが濃すぎることも事実です。基本的には人間の食べ物を与えないようにしつつ、特に気を付けるべき食材も確認しておきましょう。

猫にとって有害な食材
[絶対にあげてはいけない食材]
・玉ネギ、長ネギ
・カフェイン
・アルコール飲料
・キシリトール
・チョコレート
・ブドウ

[注意が必要な食材]
・イカ
・牛乳など乳製品
・生の豚肉

他にもいくつか挙げられますが、代表的な食べ物は上記です。猫の口に入らないよう、保管にも注意しましょう。

猫のトイレ

猫はきれい好きな動物です。自身の排せつ物を隠す習性があり本能行動として砂の上で排せつをするため、比較的トイレを覚えるのは早いでしょう。トイレの覚えさせ方は以下の通りです。

1. 猫の体格の1.5倍以上あるトイレを用意し、猫砂を入れて決まった場所に置く
2. 猫がトイレに行きたそうな仕草をしたり、トイレを探しているそぶりを見せたりしたらトイレに導く。正しいところでトイレができたら言葉で褒める
3. トイレへの誘導を何度か繰り返す

トイレの置き場所は、猫が落ち着いて用を足せるような場所を選びましょう。ケージの中やリビングの隅などがおすすめです。また、トイレはできるだけきれいに保ちましょう。排せつ物が残ったままだと、トイレ以外の場所に用を足すことがあります。

猫のトイレの適切な数は「猫の数+1」といわれています。猫が1匹ならトイレは2個、2匹なら3個あるとよいでしょう。共有ではトイレを使ってくれない恐れがあるため、注意が必要です。

猫の健康管理

病院の診察台の上でブラッシングされる猫

人間と同じように、猫にも受けるべきワクチンや健康診断があります。疎かにしてしまうと健康を害する可能性が高まるため、正しい知識を持ち実践していきましょう。

ここでは、健康診断とワクチン接種の必要性や受けるタイミングの他、自宅でできる健康チェックについても解説します。

健康診断・日々の健康チェック

自宅に猫をお迎えしたら、まずは早めに健康診断を受けましょう。保護猫、ペットショップでの購入に関わらず、病気や不調がないかを確認しておくと安心です。

特に保護猫 の場合は、猫風邪やアレルギーなどを持っているケースもあります。治療が早ければ早いほど、完治する可能性も高まるでしょう。また何事もなかった場合でも、去勢・避妊のタイミングについて獣医に相談ができます。

また、家庭でも日常的に触診や排せつ物の確認での健康チェックが可能です。いつもと違うところがないか、日々のチェックを欠かさないようにしましょう。

ワクチン接種

健康を維持するために必要なのが、猫のワクチン接種です。日本では3種~7種混合 のワクチンが打てるので、猫の状態や環境に合わせて選びましょう。特に子猫時代のワクチン接種は、命を守るためにも重要です。

ワクチン接種時の注意点は以下の通りです。

・猫の健康状態が良好な時に行う
・接種後に副反応が出る可能性があるので、経過観察ができるよう飼い主に余裕がある時を選ぶ(できれば午前中に接種し、午後猫の様子を見れるとよい)
・ワクチン接種後、1週間は体を洗わない

これらの点に留意の上、獣医師と相談してワクチン接種のタイミングを計りましょう。

まとめ

ウォールシェルフの上でくつろぎながらこちらを見る猫

猫は、体が柔らかく、優れた平衡感覚や瞬発力が特徴的な動物です。身近でありながら、実はあまり知られていない面も多い猫ですが、その愛らしい姿に癒される人も多いのではないでしょうか。

猫を家族として迎える際には、寿命や飼い方のポイントも事前に確認し、猫にとって最適な環境を整えましょう。

マルカンでは、ペットが元気に長生きするためのお手伝いをモットーに、さまざまなペット用品を取り扱っています。猫のフードやトイレ用品はもちろん、思わず気になってしまうようなおもちゃも取りそろえておりますので、ぜひ公式サイトをご覧ください。

獣医師

石井香絵

獣医師  石井香絵

AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員、ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表。 犬猫の問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、学院講師・セミナー・執筆活動・メディアなど幅広く活躍。 行動治療にホリスティックケア(メディカルハーブ、フラワーレメディ、レイキ、アニマルコミュニケーションなど)を取り入れ動物たちに優しいケアを行っている。

AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員、ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表。 犬猫の問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、学院講師・セミナー・執筆活動・メディアなど幅広く活躍。 行動治療にホリスティックケア(メディカルハーブ、フラワーレメディ、レイキ、アニマルコミュニケーションなど)を取り入れ動物たちに優しいケアを行っている。

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