中年がスプラトゥーン3をやりこむ際に注意すべきこと - シロクマの屑籠

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p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

中年がスプラトゥーン3をやりこむ際に注意すべきこと

 
 

 
  
世界じゅうでゲーム愛好家に楽しまれている『スプラトゥーン3』が我が家にやってきて、1か月が経った。
 
 

 
 
我が家は夫婦・親子そろってこれをプレイしていて、部活動のように励んでいる。雑貨屋のパル子をはじめ、前作には無かった楽しみが色々あるうえ、肝心のバトルは相変わらず「もっと上手になりたい」気持ちを刺激する仕掛けに満ちている。ブキそれぞれの強弱やマップの形状には賛否両論あろうけれども、それらはアップデートで微調整されようし、その微調整も含めてのスプラトゥーンなのだろう。
 
ところで私は中年だ。
子ども時代にファミコンブームに出会い、ゲーム人生を歩んできた。昔は「30代になったらゲームなんてやめている」と思っていたし、実際、フィジカルな部分では若いプレイヤーに敵わなくなった。それでも遊ばせてくれるのが『スプラトゥーン3』のありがたいところだ。私のような老兵でも参加できるのは本当にありがたい。
 
 

 
 
実際、この一か月でプレイの感覚が前作並みに戻った……というより前作の頃にはできなかったことができるようになり、上達した気がする。この「わかばシューター」をメインに遊び続けてS+までウデマエを向上させることができた。射撃の正確さでは子どもに劣っても、全体を見渡し、敵味方の挙動を監視できるなら「わかばシューター」は中年プレイヤーの味方だと思う。
 
それでも、子どもと一緒に『スプラトゥーン3』をやっていて痛感することがある。
プレイし続けた時の身体の反応がどうにも中年なのだ。子ども時代のようにやり込むと身体が悲鳴をあげてしまう。
 
 

「身体をいたわるのもプレイのうち」

 
たとえば本作のさまざまなバトルは2時間を1単位とし、戦場やルールが変わっていく。自分の得意な戦場・ルールの時間帯なら、ポイントを稼ぐチャンスだ。
ところが中年、バトルを2時間連続でやるのがかなりしんどい。ぶっつづけで2時間やるとプレイの質がはっきりと落ちる。チャレンジモードの時など、調子が良いとつい連続で遊びたくなるが、ときどき全身の筋肉を動かしたり目を労わったり、インターバルをうまくとらないと集中力が続かない。
 
じゃあ、カフェインによる強化は?
 

 
確かに、カフェインは効く。スプラトゥーン2時代に自分の身体で実験しても成績が向上したし、そうでなくても集中力や持久力に無視できない差が生まれる。でも、カフェインは無限に飲んで良いものではない。世の中にはカフェイン中毒というものもあり、あまりに多量のカフェインを摂って死んでしまう人もいる。そこまでいかなくても、摂りすぎれば胃が荒れたり眠りづらくなったり変な痩せ方をしたりする。
 
そして私たちは中年であって若者ではない。カフェインはいわば「元気の前借り」。一時的に集中力や持久力を得るかわりに後が辛くなる。カフェインでスプラトゥーン3をゴリ押しして、他の生活領域がメタメタになってしまっては中年は生きていけない。そのうえカフェイン入りの飲料にはカフェインに加えて糖分やらなにやらが含まれているので、メタボな中年はとりわけ気を付けなければならない。
 
 

 
 
そうしたわけで、個人的にはA+からS、SからS+といった昇格戦の時まではエナジードリンクはとっておいたほうがいいと思うし、昇格戦のような大事な戦いは、自分が十分に戦え、翌日に尾を引かない時間を選びたい。それと中年は集中力を2時間続かせることができないと割り切ってしまったほうがいいだろう。タフな人もなかにはいるかもしれないが、そういう人でも若い頃のようにはいかないはずなので、引き際が大切だ。
 
 

これからもゲーム愛好家であり続けるために気を付けるべきこと

 
ゲームが若者だけのものだった頃、そして24時間365日プレイし続けられる環境もゲームも乏しかった頃には、ゲームと健康の問題はそれほど考えなくても構わないものだった。ゲームセンターには閉店時間があったし、ロールプレイングゲームを徹夜で遊ぶと言っても、初期のドラゴンクエストやファイナルファンタジーは何晩もぶっつづけで遊んでしまうゲームデザインではなかった。
 
しかしゲームがオンライン化し、不夜城と化した2020年代の今はゲームを長く遊べてしまうし、若者に比べて身体的に脆くなっている中年のゲーム愛好家も増えている。
 
ゲームと健康というと、いまどきはメンタルヘルス方面の「ゲーム障害」「ゲーム症」「オンラインゲーム依存」を思い出す人が多いだろうし、確かにそういった問題もある。けれども中年のゲーム愛好家にとって差し迫った問題は、たとえば同じ姿勢でゲームを続けることによる肩こりや腰痛といった問題、ディスプレイを見続けることによる目のかすみや痛みの問題、食生活や睡眠サイクルの乱れの問題、等々ではないだろうか。
 
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
 
上掲リンク先では、身体的なさまざまな問題、睡眠・覚醒リズムの問題、メタボリック症候群等々について言及されている。こうした身体の問題は、若いeスポーツ選手の練習効率や選手生命にかかわるだけでなく、中年のゲーム愛好家の練習効率やプレイヤー生命にもかかわる問題だ。いや、若いアマチュアのゲーム愛好家だって本当は気を付けたほうがいいことだし、少なくとも我が家では、これらを意識した効率的なプレイを私自身が心がけ、それを子どもたちに見せるように意識している。
 
身体にもメンタルにも社会生活にも無理をかけず、それでいて最高のゲームライフと最高のゲーム成績を目指そう──長期的にみれば、結局そういった心がけが他人よりも短い時間でゲームが上達できるようになり、他人よりも長くゲームを楽しめ、その弊害を最小限に抑える秘訣になるんじゃないだろうか。だとしたら、その秘訣は中年のゲーム愛好家にもっと知られていいはずだ。
 
この『スプラトゥーン3』をはじめ、ゲームカルチャーは現在進行形で発展しているし、幸運にも私たちはその最中にいる。10~20年先のゲームを見てみたいと思う人、還暦を迎えてもゲームカルチャーに留まっていたい人は、是非、健康にも注意を払いながらゲームするのがいいと思うし、ゲームをより楽しくより巧く遊ぶにあたって健康は重要な要素だと思う。良い健康で、良いゲームライフを。
 
 
  
[追記]:

中年がスプラトゥーン3をやりこむ際に注意すべきこと - シロクマの屑籠

やっぱり中年は塗り特化の方向性よね

2022/10/11 08:29
b.hatena.ne.jp
これが難しいところで、わかばシューターは塗りが重要だけど塗りだけでは駄目なんですよ。スプラッシュボムを使って敵に圧をかけていく必要があり、かといってスプラッシュボムを使い過ぎると今度は塗りが甘くなり、味方のブラスターやローラーの仕事を支援できなくなってしまいます。そしてバンカラマッチの時はオブジェクトに関与しなければならないし、自分の目の前で側面をみせている敵がいたらそれはキルしなければならない。
これらのタスクをいかに帳尻を合わせてやっていくか・それぞれのタスクの精度をあげ、切り替えをいかに効率化するのかが、わかばシューターの道のように思われ、確かに他ブキよりは塗るんですが、塗り特化という意識になってしまうとかえって勝ちにくい気がします。