異世界でもチートでもなく、愛知県の兼業農家の家に転生して充実した学生生活を過ごしてトヨタに入社・結婚・子育てして転生前の記憶が偽物のように思われていく話でもええねんで
— p_shirokuma(熊代亨) (@twit_shirokuma) October 29, 2019
今、アニメ化されるウェブ小説といえば異世界転生モノだけど、現代に転生したらどうだろう。異世界もチートのたぐいもなく、平凡に現代、平凡な人生に転生したら、物語としては面白くなくなってしまうんだろうか。
現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 -小説家になろう
転生モノだからといって異世界とは限らないわけで、上掲リンク先の作品は、主人公がバブル崩壊たけなわの日本に転生する。ウェブ小説連載だけあって、カタルシスには事欠かず、知識やネタの引き出しも多い。なにより、バブル崩壊に臨む喜び! 仮想戦記モノっぽさがある。悪役令嬢? なのかはさておいてすごく楽しいウェブ小説だ。
それはそれとして、平凡な現代転生は物語にならないものなんだろうか。転生して「『CLANNAD』は人生」みたいな人生をゆく物語を描いたっていいんじゃないか。都会暮らしの効率至上主義にすり切れ、裏切られた主人公が「『CLANNAD』は人生」みたいな着地点に辿り着く転生モノが読みたい気持ちがある。
結婚や子育てを物語るなら、地方、それも豊かな地方がお似合いだろう。
愛知県がいいのではないだろうか。
転生先は濃尾平野の兼業農家、公立学校を出て地元のトヨタ関連企業に入社して高校生時代に出会った少し病弱なヒロインと結婚してファミリーでエスティマを転がして、週末は、イオンモール常滑までゴーなのである。
がしかし、「骨は歌う」さんのツイートを読んで少し考えが変わった。
異世界でチートなんですが…
— 骨は歌う (@ln7LXH4gUYJCHRI) October 29, 2019
愛知県の兼業農家に生まれてトヨタに就職は、異世界でチートなんだそうです。
そうかもしれない。地方に住む者が誰でも土地持ちというわけではないし、どこの都道府県にもトヨタがあるわけでもない。
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ナゴヤシティー。中京工業地帯。どこまでも広がる田園。それらを繋ぐ名鉄。南にはセントレア空港を擁し、高速道路網にも抜かりが無い。海にも山にも案外近い。スガキヤ。中日ドラゴンズ。
こうやって長所を数え上げていくうちに、濃尾平野が豊穣の大地のような気がしてきたぞ。
地方といってもいろいろで、とことん交通の便の悪い過疎地~イオンモールがつくられる地方都市~ナゴヤシティー周辺ではだいぶ違う。そこに家庭環境の違いまで加わるのだから、愛知県の兼業農家に生まれトヨタ入社というのは異世界転生も同然、いや、異世界転生そのものではないか。
ということはだ、異世界転生モノの文法を用いて、濃尾平野で「『CLANNAD』は人生」を描くことも不可能ではないのかもしれない!
頭がこんがらがってきたが、ともあれ、「現代社会だけど異世界みがある」はアリだろう。タイトルは「濃尾平野に転生した俺の人生は『CLANNAD』を越えていきます」でどうでしょうか。
や、ウェブ小説では商業作品をタイトルに混ぜたら怒られるんだったか。だいたい誰がこういうウェブ小説を書いてくれるのか。誰も書いてくれないなら自分で書けばいいわけか。いやいや自分じゃ上手に書ききらない。ここまで考えたところで、背中から〆切のピシャリという音が聞こえてきたので今日はこれにて解散。(所要時間20分)