2013年02月 - 晴れときどき二胡
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晴れときどき二胡

ケ・セラ・セラな 日常と、ときどき二胡のお話です ... の筈でした

 

イカナゴの季節

2月も今日で終わりです。昨日のどんよりとした曇り空と打って変わって、気持ちのいい晴天です。
360度ぐるりと見渡しても、本当に雲ひとつとしてない「超」がつくほどの青空でした。

いつもの、我が家からの眺めです。
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空を見上げれば、遥か上空にジェット機が。
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空の青さに誘われて、我が街と陸地をつないでいる六甲大橋までやってきました。
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海も穏やか、六甲山もくっきりと見えます。
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遠く六甲山の西の端、再度山(ふたたびさん)の方まで、きれいに見渡せました。
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さて今日は、我が家の近くのスーパーマーケットで、またひとつ春の便りを見つけました。

それは、「イカナゴ」です。
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兵庫県瀬戸内に春を告げるイカナゴの新子。2月下旬から4月にかけてが旬の魚です。
ここ兵庫県は全国トップクラスの産地として知られ、地元の家庭ではこの季節になると、このイカナゴの新子を
使った佃煮の一種である「くぎ煮」を炊くのがひとつの風物詩となっています。
小さいものを小女子(こうなご)、大きいものを大女子(おおなご)と字をあてる地方もあります。
私は少年時代に北海道で育ちましたので、北海道名産の長さ20cmくらいになった大女子(おおなご)の薫製を
よくおやつ代わりに食べていた懐かしい記憶があります。
イカナゴという名前の由来は「いかなる魚の子なりや」と、何の魚の子か判らなかったことからイカナゴと
呼ばれるようになったと言われています。

これは少し大きめのイカナゴですね。走りの頃は入荷すると、すぐに売り切れてしまいます。
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「くぎ煮」を作るための調味料も売り出しました。
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これが「くぎ煮」です。ちょっと判りにくいかな。
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残念ながら、我が家では作ったことはありませんが、イカナゴの「くぎ煮」は、各家庭で伝わる秘伝の
味付けがあるようで、味自慢の方からは、よくお裾分けをいただいたりします。ご飯にも酒肴にも最高です。

いかなごにまづ箸おろし母恋し 高浜虚子

イカナゴを見ると、「ああ今年も春が来たんだなあ」とますます実感いたします。


雨上がり三宮探検隊

今日は、朝から雨模様で、いつも我が家から望む六甲山も分厚い雲に隠れていました。
雨が少し上がってきたのを見計らって、所用のため三宮にあるカーディーラーまで出かけました。

いつもお世話になっているディーラーさんです。
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このディーラーさんに来るのは、たぶん今日が最後だと思います。
このドイツのメーカーの車は、私は結構気に入っていて20年以上にわたって3クーペやZ4などを
乗り継いできましたが、つい出来心で、このたび真っ赤なイタリア車に浮気をしてしまいました。
これで「ちょいワル二胡弾きオヤジ」に変身できるかも。(笑)  
車のお話は、またいずれ日を改めてしたいと思います。

一時間ほど待ち時間ができたので、三宮探検に行くことにしました。
神戸は大都市のわりには、いわゆるターミナル前のダウンタウンがしょぼいのですが、神戸の奥深さは
港や旧居留地や中華街や異人館などの名所はもちろんですが、六甲山と海に挟まれて東西に長く広がる
歴史のある住宅街そのものにあるのではないかと思っています。神戸は山へ延々と続く夜景が特に綺麗です。
そんなことを思いながら、三宮駅の北側へ足を進めました。

JR、阪急、阪神、地下鉄が集中する三宮駅の北側です。ここを山側に歩けば異人館などがあります。
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山へ向かって僅かに登って行く、いくつかの坂道のひとつである「北野坂」です。
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午前中は人通りが少ないですが、このあたり一帯はもの凄い数の夜の飲食店が軒を連ねる歓楽街ですので
夜はネオンサインと人でいっぱいになります。大阪勤めをしていた頃、わざわざ家を通り越してここまで来て
この通りにある行きつけの店で、朝まで飲んだことがよくありました。若かったなあ…(笑)
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「北野坂」から路地を西に折れて進んだところですが、まだ相当広い範囲にわたって歓楽街が続いています。
ふと、別の路地の奥を見ると、「生田神社」の裏口がありました。今日は裏口から入ってみようと思います。
「生田神社」は、皆さんご存知の某女優とお笑い芸人の方が、結婚式を挙げたことで全国に有名になりました。
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裏口を入ってすぐの所には、お稲荷さんが祀ってあります。
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「生田の森」。源平合戦の頃からの自然をそのまま残してあります。
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巨大な、ご神木も何本かありました。
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まだ固い桜のつぼみに、アオサギでしょうか。桜の季節になったら、また来てみたいですね。
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怖ー! 狛犬さん迫力満点ですね。
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献納されているのは、すべて灘の銘酒です。神戸は日本一の酒どころなのです。
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そっかー、受験シーズンでしたからねえ。でもハート形の絵馬も結構あるなー。
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おみくじの向こうに見えるのが本殿です。
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普通の人とは逆に裏口から、正門まで歩いてきました。鳥居の向こうには「東急ハンズ」が見えます。
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正門を出ると、歓楽街のひとつである「東門街」への入り口があります。
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海側から「生田神社」へ通じる道は「生田ロード」と呼ばれています。この先には商店街や大丸百貨店
旧居留地や南京街などの名所があります。
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「生田ロード」の突き当たりに鎮座している、生田神社を振り返って見た所です。
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この日はせっかくですから (何がせっかくなのじゃ? )、東急ハンズで良さげな長財布をゲットしました。(笑)
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さてさて、ちょうどお昼時、三宮の高架下へ戻って、神戸を代表するラーメン店の一つ「第一旭」へ行きました。
この辺りの高架下にも、かなりたくさんのお店がありますが、やっぱり薄暗くて落ち着きますねー。(笑)
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いつも注文するのは、みそラーメン。普通にチャーシューが沢山入っています。我が故郷の札幌みそラーメン
とは趣が違いますが、これはこれでいーい味を出しています。
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ということで、本日も大変おいしゅうございました。


二泉映月

お正月明けに、二泉胡がやってきてから、早いものでもう1ヶ月半経ちました。
通常の二胡の練習に加えて、二泉胡の曲である「流波曲」や「二泉映月」といった名曲の
練習もボチボチとしていることは、以前このブログでもお話ししました。

我が二泉胡です。弾き込むことで、深い艶のあるいい音になってきました。
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「二泉映月」は、以前もご紹介しましたが、盲目の民間二胡奏者である阿炳(アービン、本名=華彦钧
1893-1950)によって作曲された、二胡の名曲中の名曲であることは、ご存知の方も多いと思います。

ご存知でない方のために、簡単にご紹介しておきます。
この曲は1950年に阿炳が亡くなる数ヶ月前に、音楽専門家によって奇跡的に録音・採譜されました。
彼の死後はあまり広く知られていませんでしたが、1978年に指揮者の小澤征爾が中国を訪問した際に
当時音大の学生であった姜建華(ジャン・ジェンホワ 現:北京中央音楽学院教授)の演奏する「二泉映月」
に深く感動しあの有名なタングルウッド音楽祭に彼女をソリストとして招いたことから、一躍世界に知られる
こととなった逸話のある曲で、聴く人を惹きつけ心を揺さぶる感動的な名曲です。

阿炳の故郷である無錫の西には、「唐代の茶神」と呼ばれた文人・陸羽により「天下第二泉」と
名付けられた名泉があります。

無錫郊外、錫惠公園の二泉
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この「二泉映月」は、35歳にして失明した阿炳が、若い頃に見たこの清らかな泉の水面に
煌々と映った月と、数奇な自らの人生を思い出しながら作った曲なのです。
自らが舐めてきた人生の辛酸への憤り、未来への憧れ、その想いを二本の弦と一本の弓に託して
語るように、訴えるように演奏する曲です。
心に思うがままに過去の記憶を投影させて奏でたので、元の曲名は『依心曲』というものでした。
しかし、あまりにも美しい曲なので、改名を薦められて現在の曲名である「二泉映月」に改めたと
言われています。今では二胡曲の最高傑作の一つとされ、二胡を独奏楽器として高めた不朽の名作です。
そして、中国近代音楽史上、最も貴重な遺産だとも言われています。
「二泉映月」はその後、阿炳の一生を描いた映画にもなり、唄も作られ、多くの人々から愛されています。

現代に出版された作品集にみる阿炳の容姿
アービン作品全集


無錫市の二泉映月広場にある阿炳像
アービン

同じく二泉映月広場の楽譜モニュメント
二泉楽譜
                 【写真参考 : 無錫市観光案内のwebsiteより引用させていただきました】


さて、私は「二泉映月」に限らず、二胡の古典作品を練習する時には、必ず編者の異なる何冊かの楽譜を
比べてみることにしています。編者によって弓法や解釈が異なっていたり、それ以前に、かの国の楽譜は
印刷・出版するプロセスでのケアレスミスによる間違い記述も結構な確率であるからです。

例えば「二泉映月」の例では

重さが、何と9kg以上もある二胡音楽の研究資料にある五線譜を確認。
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この資料には、殆どの古典曲の五線譜や伴奏譜が掲載されています。
さらに阿炳や劉天華などの本人の演奏による歴史的音像資料も聴けます。
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台湾の呂百理師の編著による数字譜を確認。
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上海二胡音楽界の大御所、王永徳師の編著による考級曲集の中の数字譜を確認
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考級曲集

と、こんな比較をしながら、自分がこれから弾き込んでいく楽譜を決めていきます。
「二泉映月」に関しては、真ん中の呂百理師の弓法が、私的には他のどの楽譜よりも解りやすかったため
この数字譜のコピーをスクラップブックに貼付けて、書き込みながら練習していくことにしました。

この阿炳の魂が凝縮された名曲は、なかなか表現するに一筋縄ではいけません。まだまだ修行が必要です。

本日のお土産は、学生の時に小沢征爾氏を唸らせたという姜建華師の現代の「二泉映月」演奏です。
この映像では、なんと小沢征爾氏がオーケストラの後席で、姜建華師を食い入るように見つめています。(笑)

姜建華 (CDジャケットより)。
姜建華
「二泉映月」演奏:姜建華 (←Youtubeへ)


現代の流行曲とは違って、二胡の古典曲は一見取っつきにくいのですが、しかし大変奥深い魅力があります。
お団子食べて遊んでばかりいないで、もっと勉強しなくちゃ…。(笑)


閑古鳥も鳴かない野鳥園

私の住んでいる人工島の南の岸壁の東西両端部分は、「港のキリン」が活躍するコンテナヤードに
なっていますが、中央部分は「マリンパーク」という公園になっています。

この「マリンパーク」近辺では釣りもできます。太刀魚やガシラやアジなどが釣れるそうです。
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ふと大阪方面を眺めると…、大阪の高層ビルの上空に飛行船が浮かんでいました。UFOかと思った。(笑)
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この公園には、いくつか不思議なものがあります。その一つがこれ。桜の木です。
石で覆われた岸壁の上に、一本だけ桜の木が立っています。いったいなぜこんな所にあるのでしょう。
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ここは18年前の阪神淡路大震災の時に岸壁が、ほぼ崩壊してしまった所ですので奇跡的に残った桜の木の
周囲に、新しい岸壁を造ったのかもしれませんね。開花する季節になったら、また来ようと思っています。

二つ目の不思議は、この野鳥園。湿地を造って観察用の施設もこしらえてあります。
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ただ、この20年近く、私はこの場所であまり野鳥を見たことがないのです。(笑)
むしろ、この野鳥園以外の場所では、様々な種類の渡り鳥を普通に目にします。

本日も、野鳥園の外の芝生の上でツグミの雄を見かけました。ツグミの雄は色鮮やかで美しい鳥です。
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マリンパークの石畳の上では、ムクドリたちが集まって餌をついばんでいます。
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マリンパークからの帰路、梅林ではヒヨドリが紅梅の花に囲まれていました。
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梅林では、ジョウビタキの雌も見かけました。
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雄鳥に比べると、少し色彩が地味目ですが、とてもかわいらしいです。
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近づいても、あまり遠くへ逃げる様子も見せません。
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まあ野鳥たちにとっては、人間が勝手に決めた野鳥園なんか、あまり意味がないのでしょう。
人間が自分たちのために造った、樹木も草花も野原もきれいな水辺もある、この島全体が住みやすいから。


梅とメジロと青空と

ここのところ、降ったり曇ったりと、あまり冴えないお天気が続いておりましたが
日曜日の今日は、まだ風が少し冷たいものの、久しぶりに青空と白い雲のきれいな晴天でした。

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先日、開花し始めていた我が街の梅林はどうなっているのかと気になり、散策ついでに行ってきました。
梅林に近づくと、梅の花の甘ーい香りが漂ってきます。

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まだ満開ではありませんが、たくさんの梅の花が開花していました。
今日の青空と白い雲をバックに、赤や白の梅の花が輝いていてなかなかに見事な眺めです。

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梅の花とくれば、メジロが定番ですが、いました、いました。
ちょっと草むらで分かりにくかったのですが、近づいても一心不乱に何やら地面をつついています。(笑)

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梅の枝へ止まってくれました。ラッキー。でも今日はあいにくコンデジしか持っていないのが残念。

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帰り路に、民家の庭先でも遭遇しました。この街にはメジロがかなり沢山いるということですね。

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この道は桜並木です。ここが満開になる日がとても待ち遠しいです。

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今日は、「お団子」はありません。はい。(笑)


TSUMAGARI

今日は西宮市の苦楽園の近くに所用で出かけましたので、その後、少し足を伸ばして車で5分ほどの
甲陽園のTSUMAGARI (ツマガリ)本店に行ってきました。
TSUMAGARIは、阪神間ではちょっと名前が知られたケーキハウスです。
大阪と神戸の大丸にも出店していますが、そこではクッキーや焼き菓子しか買えません。
クッキーも大変香ばしく美味しいことで評判が高いですが、甲陽園の本店にはこの店でしか買えない
フレッシュケーキがあります。

外見は意外と目立ちにくいお店ですが、朝から晩まで来店するお客さんが多いので、常に2人以上の
警備員の方がお客さんを誘導しています。
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半地下になっている1Fは、フレッシュケーキ専門。店の中は常にお客さんでごった返しています。
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ちなみにブランド名のTSUMAGARIは創始者のパティシェ、津曲 (つまがり)さんの名前から来ています。
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2Fが喫茶店になっていて、下のケーキ店で選んだ来たものを食べることができます。
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私も早速、シュークリームとケーキ(名前は忘れました)を食してみました。特にシュークリームは絶品です。
皮はサクサク、中のクリームはトロトロです。
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この店では、「御影ダンケ」のバターブレンドコーヒーを使っています。焙煎後のコーヒー豆にバターを
染み込ませた、結構珈琲通には知られているコーヒーで、マイルドでコクがあります。後味の中でフワッと
バターが香ります。
決して、塩バターラーメンのように、バターがギラギラと浮いているわけではありません、念のため。(笑)
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同じ2Fの喫茶店の横は、クッキーや焼き菓子専門のお店になっています。これらのクッキーや焼き菓子は
TSUMAGARIのHPのオンラインショップで購入することもできます。
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TSUMAGARIのクッキーは、どれも本当に香ばしくて美味しくて私も大好きです。
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1個260円の焼き菓子を試食させていただきました。太っ腹です。なんだか得した気分。(笑)
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道を隔てた向かい側には、製造工場があり職人さんたちが忙しそうに働いておられました。
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今日も、「花より団子」のレポートになってしまいました。大変おいしゅうございました。


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先日、新しく購入したコンパクトデジカメでパノラマをつくって遊んでみました。
我が家からのパノラマです。今までこの機能は使ったことがありませんでしたが、なかなか楽しいです。


島の猫たち

本日2月22日は、「ニャン」「ニャン」「ニャン」の語呂合わせで、猫の日となっているそうです。
1987年に、日本の社団法人ペットフード協会によって全国の愛猫家からの公募をもとに定められました。
ちなみに「ワン」「ワン」「ワン」の犬の日は11月1日です。

我が街は、その猫の日が定められた1987年に完成し、翌年より人間が住み始めた、海の上の人工島です。
かく言う私も、その最初の入居者で、もうちょうど四半世紀この街で暮らしていることになります。
最初の頃は、まだ巨大な盛り土の山に過ぎなかった島が、18,000人の街に成長するのを見てきました。

人間が暮らし始めると共に暮らす動物も増えますが、悲しくて残念なことに、捨てられ置き去りにされる
動物もたくさんいるのが現実です。
この街を散策していると、あちこちで猫の姿を見かけます。彼らは殆どがいわゆる「地域猫」として
地域の善意の人々によって繁殖しないように手術され、善意の給餌によってひっそりと暮らしています。
そのことへの賛否が議論されることもあります。しかし動物には罪はないと私は思っています。

本日は、そんな「島の猫たち」の点描です。

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「島の猫たち」は、ひっそりと暮らしていますが、私は彼らを見ていても心が和んだり癒されたりすることは
ありません。必死で生きている壮絶感と孤独感が伝わってくるからです。無力感に心がへこみます。

この先、彼らの身の上に、たとえ一日でも一刻でも、平安な満ち足りた気持ちで過ごすことができる時間が
訪れることが多かれ、と願うばかりです。


なんちゃってF2風

最近買って良かったと感じた、カメラグッズのお話です。
私のカメラの腕前は素人の遊びの域を超えられないのですが、どこへ出かけるにしても
必ず何かのカメラは持っていきます。家の近くの散策時などの装備はこんな感じです。

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普段の散策などでは野外でのレンズ交換が面倒なので、一眼レフは大口径ズームレンズ一本だけのことが多く
それでポートレート以上の望遠と、なんちゃってマクロを兼用してしまっています。
この装備で広角が必要な時のために、コンパクトデジカメをポケットに入れて対処します。
一眼レフはレンズ込みで2kg以上で、以前はごく普通のカメラストラップで片肩掛けにしていました。
慣れると重さはそんなに気になりませんが、この持ち方だと突然のシャッターチャンスに出会った場合でも
「落とさないように肩からストラップを外す」→「カメラを両手で持ちかえる」→「カメラを落とさぬよう
にストラップを手に巻き付ける」→「構えてシャッターを切る」という一連の動作が必ず要求されます。
このあたりの動きが何か工夫できないものかと、以前より考えていたところ、そのための最適なストラップに
出会うことができました。それが上の写真のカメラについている「ブラックラピッド ストラップ」です。
もうご存知の方や愛用者の方も多いと思います。

このストラップは、カメラ底面の三脚ネジ穴に固定ネジをねじ込みそれをストラップに接続して吊る構造に
なっています。

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カメラが逆向きに吊られるので、片手を腰に伸ばすだけで自然にすばやくグリップできます。
両手が自由に使えますし、従来のタイプではストラップごとカメラが移動し、ラバーと衣服と摩擦が生じますが
ブラックラピッドストラップは、カメラ機材だけが、ストラップ上をスライドして胸元に来て素早く撮影体勢に
入ることができます。まるで早撃ちのシーンを見ているようです。カッコいいです。(笑)

早撃ち
                      【この写真は製品紹介サイトより引用させていただきました】

またストラップのパッドを肩に斜め掛けすることで、機材荷重を分散し、長時間の撮影 でも体力・集中力を
維持しながら、シャッターチャンスに備えることができます。2〜3kgの重さが全く苦になりません。

ただひとつだけの短所と言えば三脚ネジ穴を占有しますので、三脚をすぐに使いづらいことです。
まあ私は基本的に手持ちのスナップ中心ですので、このストラップは実に重宝しております。

さて話は変わりますが、先日、野外で不注意からサブのコンパクトデジカメを、コンクリートの上に
落としてしまい壊れてしまいました。私はあまりコンパクトデジカメの性能にはこだわらない方でしたが
今回は、少し性能のいいものをと思い、あれこれ迷いましたが、F1.8から使えて、マニュアル撮影も
できるNikonのP-310が、お買い得価格になっていたので購入しました。

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アクセサリーを物色していたところ、専用の革張りキットがあったので買いました。

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で、完成したのがこれです。

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うん。往年の名器Nikon F2みたいな伊達者に変身しました。気に入りました。星3つ !
二胡もいいけど、カメラ遊びもキリがありませんなー。 (笑)


キリンの並ぶ風景

私が住んでいる街は海に浮かぶ人工島ですので、島の岸壁部分は国際貿易港である神戸港の
一部を形成しています。この場所は主にコンテナや自動車の集積基地となっています。
我が家からも、居住地区を取り囲む周囲5kmの丘からも、港の風景を望むことができます。
この場所で暮らし始めて、まず驚いたことは大晦日の終わりに、除夜の鐘のかわりに船の汽笛が一斉に
鳴らされることでした。今ではそれを聴くことが、我が家の大晦日の楽しみのひとつになっています。


我が家から芦屋方面を望む。九州行きの大型フェリーが高層マンションの間から見えています。
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この島の港の風景で最も印象的なのが、「港のキリン」と呼ばれている巨大なガントリークレーンです。
我が街の至る所で、その高層ビルほどもある勇姿を見ることができます。一基10億円以上だそうです。

住宅地を囲む丘の散策路より望む。
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広大なコンテナヤード。
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島の南端より、ポートアイランド方面を望む。
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巨大なコンテナ船がやってきました。長さ12mもあるコンテナがマッチ箱のように小さく見えます。
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目を大阪湾方面に転じると、海を隔てて大阪の高層ビル群が見えています。
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港湾施設から望む、我が街の全景です。手前は甲南大学のグラウンドやINAC神戸のサッカー練習場。
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この高層ビルの高さほどもある巨大な「港のキリン」が、阪神淡路大震災の時には殆どが倒壊していました。
キリンがバタバタと倒れ、六甲山方面を見ると東灘の住宅街の中のあちこちで火の手が上がっていた早朝の
あの時の光景を思い出すと、今でもまざまざと恐怖感が甦ります。

我が家のバルコニーから見える「港のキリン」たちも、その後見事に復活しました。港も復興しました。
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「港のキリン」たちはとても働き者です。昼も夜も働いています。
思わず、ガンバレーと声を掛けたくなります。


発見! 陳おじさん

陳宝田(ちんほうでん)師の琴弓は「陳氏二胡弓」として、中国でも日本でも高級弓のブランドとして
愛用されている二胡弾きの方も多いのではないでしょうか。私も二胡を始めた当初から愛用しています。
同じく高級品として著名な、王小迪師の琴弓と人気を分けているのではないでしょうか。

陳氏二胡弓には、どのグレードの琴弓にも陳宝田師の顔写真のシールが必ず貼ってあります。


陳氏二胡弓
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私はこのシールを見て、誠に失礼ながら、陳宝田師のイメージをケンタッキーフライドチキンの創始者の
カーネル・サンダースや、クッキーのステラおばさん、みたいな感じで思い描いておりました。(笑)

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もう引退しておられるが、伝説的なブランドの創始者として多くの愛好家から親しまれている
というようなイメージです。

陳宝田師は現在75歳で、中国音楽家協会二胡学会常務理事、元中国歌舞団の二胡奏者を長年つとめられ
最近では二胡改良家としても有名です。陳氏二胡弓はその二胡改良の一つの成果なのでしょう。
また師は、かつて国家元首が外国元首と会見した時、二胡奏者として天安門の紫禁城で演奏をし
また、外国訪問する国の指導者に同行して世界各地のステージにも立っていた方だと言われています。

先日、思いがけなくその陳宝田師が、実際に二胡の演奏をしている映像を発見してしまいました。
弾いているのは孫文明の名曲「流波曲」です。

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「流波曲」演奏: 陳宝田 (←クリックすると動画サイトに飛びます)

陳宝田師の「流波曲」、さすがプロフェッショナルだけあって、なかなか聴かせます。
それにしても映像の中で使っておられる二泉胡は、琴筒と琴托と琴軸が象牙製ですね。(めちゃ高そう。笑)
千斤も糸ではなく、何やらご自身の発明品のようなものをつけておられますね。微調器付きでしょうか。
まさに二胡改良家の面目躍如といったところですね。

キューティクルの謎

二胡という楽器を構成しているハードウェアの中で、演奏するに際して最もデリケートなものは
「琴弓」だと私は思っています。
琴弓は常に松脂とセットで使用しますので、松脂の種類やつける量によって、弦の引っかかり感や
実際の二胡の音色にはかなり差異が表れます。それらを全て含めたフィーリングに対する演奏者の
好みは十人十色ですので、日々の松脂のメンテナンスに真剣に取り組むほどに、琴弓に対する扱いの
デリケートさを痛感している今日この頃です。

さて、琴弓に使われている馬尾には、人間の毛髪と同じようにキューティクルがあり
そこに松脂の粒子が付着すること、そしてキューティクルが摩耗してきたら馬尾の寿命と考えて
二胡の場合は、琴弓ごと新品に交換したほうがよい。
などと二胡の楽器店のHPなどでは説明されていることが多いと思います。

私も二胡を始めてから、40本以上の琴弓と20種類以上の松脂を購入して、試行錯誤で自分にベストの
フィーリングを追求してきたつもりですが、今ひとつ科学的に解明できずにモヤモヤとした気持ちを
感じていた部分があったのも事実です。

例えば、馬尾のキューティクルについても、ある研究熱心な二胡弾きの方が50倍の顕微鏡で覗いたところ
馬尾の表面はツルツルしていて、松脂の粒子しか見えなかったとブログに書いておられたりして
本当のところはどうなっているのか知りたいと常々考えておりました。

これは王小迪製作の張鋭師特注中胡弓です。
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馬尾は一般の二胡の琴弓よりも少し太いようです。
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普通のマクロレンズでの撮影はこれが限界です。上のスケールの目盛は0.5mm刻みです。
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ところが先日、あるバイオリン製作者の方のHPで、非常に興味深い記事を発見しました。
この方は、被写界深度の深いデジタルマイクロスコープを購入されて馬尾や松脂の状態を撮影されています。
通常の100倍程度の光学顕微鏡では見えないものが、1000倍の世界でははっきりと見えています。
ドイツ・バイオリン製作マイスターの佐々木 朗氏のご厚意に甘えて、貴重な写真を引用させていただいて
馬尾や松脂のミクロの世界を、ご紹介したいと思います。

新しい馬尾の表面には鱗状のキューティクルがはっきりと確認されます。馬尾の直径は0.2mm程度です。
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次の写真は、弓毛として使用して、キューティクルが摩耗してしまった状態です。
摩耗が進むと毛は切れてしまうそうです。
こういう状態になるのに、二胡の琴弓では、ある二胡製作者の方は700時間程度(1日2時間弾いて1年)とも
また別の方はよく弾いて4年とも言われており、実際どうなのかは私はまだよくわかりません。
1年よりはもう少し長くもつような気もしています。
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人間の毛髪は、馬尾より細いがキューティクルは大きいのがわかります。
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二胡弾きの方ならご存じのことですが、新しい馬尾はキューティクルがたくさんあっても、そのままでは
発音するための摩擦力が得られません。実際に弾いてみてもツルツル滑って音は全く出ません。
このキューティクルは摩擦力を得るための松脂の小さな粒子を、一定時間保持し続けるという重要な役割を
果たしているものと考えられます。


松脂を塗っていない馬尾の状態。この倍率(175倍)ではキューティクルは見えず、表面がツルツルに見えます。
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松脂をたくさん塗りすぎた状態。松脂の粉が馬尾の表面に保持できずに飛び散りやすい状態です。
馬尾に必要以上に多くの松脂の粒子が付着していると、松脂の粒子同士で滑ってしまうために
弦に対して大きな摩擦力が生まれません。
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松脂を適量に塗った状態。松脂はミラン社の定番松脂として有名な「クロネコ」です。
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松脂を適量に塗った状態。松脂は私が最も愛用している「ラーセン」です。
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「クロネコ」と「ラーセン」では松脂の粒子の大きさが全く異なります。
「クロネコ」の粒子が0.02〜0.06mmに対し、「ラーセン」は0.01〜0.02mm。

私が松脂に対して求めるフィーリングの3つの条件である

「粘度」サラサラだが粉があまり出ない
「弦のグリップ感」比較的強め、かつレスポンスが早い
「粒子感」クリーミィで滑らか


に、「ラーセン」が私的に最も適合していると感じる理由が少し分かったような気がします。

「ラーセン」デンマーク製
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写真を引用させていただいた、佐々木さんありがとうございました。
バイオリン同様、二胡の世界もとっても奥深いです。


お屋敷ランチ

今日は日曜日。薄曇りのパッとしない天気でしたが、春の便りを探しに「岡本梅林公園」へやって来ました。
我が家からは車で十数分。阪急電鉄の岡本駅の近くで車を降りて、天上川という川沿いに勾配のある道を
テクテクと六甲山へ向かって登っていきます。

緩い坂道を上ると、あちこちに道しるべがあります。
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川沿いには、のぼりがずーっと立っていて、道案内をされているようで分かりやすいです。
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歩くこと、ほんの数分で「岡本梅林公園」につきました。
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ここは山の手の閑静な高級住宅街の中にある、こじんまりとした梅林公園なのですが
岡本の梅は、江戸時代から「梅は岡本、桜は吉野、みかん紀の国、栗丹波」と唄われるほど有名です。
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高台からの眺めが素晴らしいです。
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目を凝らすと、かなたに我が街もはっきりと見えています。
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まだ満開ではありませんが、実にたくさんの種類の梅の花が咲いていました。
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お昼時でしたので、公園のすぐ上にある料亭へ行ってみました。
ここは「由門」(ゆもん)という料亭で、築80年以上の古いお屋敷がそのまま使われています。
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このお屋敷は、かつて東宮御所を造る時のミニモデルハウスとして、当時の毎日新聞社の社主の方が
建築されたという由緒ある建物です。
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玄関ホールにも何やら重厚な雰囲気が…。そのまま2階へ通されました。
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2階の南側の眺めのよい和室に、シックな黒の洋風の調度品がしつらえてあります。
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さて、本日の昼御前(ミニ会席)の八寸です。
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蒸籠(せいろ)のような温かい、彩りの美しい蒸し寿司と、胡麻豆腐と豆の濃厚な香りがする茶碗蒸し。
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お椀ものは、梅林にちなんだのか、鯛や煮物や青味の他に、珍しく梅干しも入っていました。
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お菓子は、くるみ餅でした。
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大変、おいしゅうございました。
(またまた、花より団子になってしまいました。笑)


コテコテな未来都市

私が三十数年前、完成間もない大阪駅前ビルで会社勤めを始めた頃、今の阪神百貨店の裏手、大阪マルビルの
あたりには木造家屋がまだたくさん立ち並んでいました。今の風景からは信じられないような話なのですが
私の思い出の中では、何だかつい先日のことのような気がしています。(笑)
最近は、桜橋、堂島から中之島界隈もどんどんと再開発が進められて昔の風景が変貌を遂げています。

阪急百貨店前から堂島方面を望む
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そんな中で梅田北ヤード (JR貨物駅跡地:公募で決まった愛称「うめきた」)の約3割の面積を占める先行開発地区
「グランフロント大阪」がいよいよその全貌を現してきました。

阪急32番街より大阪駅、梅田北ヤード方面を望む。右手の高層ビル群が「グランフロント大阪」。
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ヨドバシカメラ梅田店前から「グランフロント大阪」を望む
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大阪ステーションシティ屋上から「グランフロント大阪」を望む
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大阪ステーションシティ屋上から「グランフロント大阪」、茶屋町方面を望む
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大阪ステーションシティ屋上から「グランフロント大阪」、梅田北ヤード、梅田スカイビルを望む
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「グランフロント大阪」はまもなく竣工し、街開きが4月26日(金)と決定されたようです。
店舗面積約44,000㎡、店舗数266の専門店街「ショップ&レストラン」が展開される予定で
都心部の専門店街としては日本最大級となるそうです。この他にインターコンチネンタルホテル大阪や
ナレッジキャピタル、パナソニックセンター大阪などの施設も開業します。

一番下の写真でご覧になってもお分かりのように、梅田北ヤードの残りの広大な土地が、大阪最後の一等地
としてまだ未開発のままですが、今後、新しい駅なども含めて急ピッチで開発が進められる予定です。
また現在のヨドバシカメラ梅田店の北側に高さ150mの「新ヨドバシビル」の建設が認可されており
2015年には完成するそうです。(もうすぐですね…)

梅田は急ピッチで未来都市として変貌を遂げつつあるようですが、梅田とは実に不思議な場所でして
まだまだ昭和の香り漂うソウルフルな場所がたくさん残されています。

そのひとつが、ここ。ヨドバシカメラや阪急百貨店の目と鼻の先、数十メートルも離れていない場所です。

「新梅田食道街」。もう名前からして、いかにも大阪の「くいもんや」という感じがしてます。
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ここはガード下なので昼間でも結構薄暗く、なかなかのいい雰囲気を醸し出していますね。
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「焼き鳥」「粉もん」「串カツ」「おでん」などのコテコテのソウルフードが軒を並べます。
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創業65年を迎える「松葉」の総本店。もちろん「ソースの二度づけ禁止」が鉄の掟です。(笑)
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私は、結構この場所は好きです。何だかホッとしますもの。
いやー、梅田界隈からはますます目が離せなくなってきましたね。

葡萄熟了

過去に弾いたことがある二胡の楽譜のスクラップブックを整理していたら、懐かしい曲がありました。
「葡萄熟了」(pu tao chu le ぶどうじゅくりょう) 、「葡萄が熟した」という意味の楽曲です。

「葡萄熟了」数字譜
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「葡萄熟了」五線譜
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この曲がなぜ懐かしいかというと、2年ほど前、演奏会で弾こうと思い半年以上は毎日練習したからです。
仕上げの通し練習も200〜300回はやって、もう手が勝手に動くぐらいに弾き込みましたが、残念ながら
演奏会ではまだ披露できていません。伴奏CDを使う時に、この曲の最後のクライマックスの快弓の段の
♩=160のスピードが出せなかったからです。
まあ今にして思えば、この程度の練習ではまだまだ修行が足りないということですね。
大好きな曲の一つですので、いつかはリベンジしてやるぞと、ひそかに闘志を燃やしております。(笑)

この曲は、周維 (1961〜 )が新疆ウイグル族の音楽をもとに作曲した、非常に有名な二胡独奏曲です。
新疆ウイグル自治区の都市トルファンの人々が、葡萄の収穫の季節に歌を歌ったり、ダンスをしたりして
豊作を祝う光景を生き生きと描いています。

トルファンと言えば、西遊記に出てくる火焔山や、近くにあった古代都市「桜蘭」などで有名です。
子どもの頃、興奮して読んだスウェーデンの探検家スウェン・ヘディンの「さまよえる湖」の
ロプ湖があったのもこの辺りです。その後、湖の辺りは中国の核実験場となってしまいました。

西遊記に出てくる火焔山
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トルファンは葡萄の名産地です。
葡萄熟了2

葡萄熟了1
【写真参考 : 中国国家観光局のwebsite】

二胡の「胡」は「えびす」という意味であり、もともとは辺境の異民族を指します。
二胡の原型楽器は、唐代~宋代にシルクロードを経由して西方より伝来したと考えられています。
ですから二胡の音色と、シルクロードあたりの民族音楽の醸し出す雰囲気や香りは非常に良く合うのです。
ウイグル音楽から取材して作曲された、有名な「陽光照燿着塔什庫爾干」(タジクルガンに照る太陽)や
この「葡萄熟了」などが、まさにそんな曲だと思います。

本日のお土産は、作曲者である周維本人が弾く「葡萄熟了」です。

周維1
周維「葡萄熟了」 演奏:周維  (文字をクリックするとYouTubeへ飛びます)

夕映え

いつも見ている何でもない風景を、とても美しく感じる瞬間がよくあります。
散策の帰り路、夕映えの建物がとても奇麗でしたのでちょっと切り取ってみました。


オルビスホール。隣に「神戸ファッション美術館」と「神戸ゆかりの美術館」が併設されています。

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ホールは424席の程よいサイズですので、音楽の発表会などによく利用されています。
ここは関西のコスプレファンにも人気の場所です。この街の風景はコスプレ撮影の背景としてよいのか
休日ともなると色鮮やかなかつらや衣裳をまとった女の子たちが、あちこちでポーズを決めています。

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P&Gジャパン本社です。
ご存じマックスファクターやパンテーン、ヴィダルサスーンなどの化粧品や
パンパース、ファブリーズ、ジョイ、レノア、アリエールなど数多くのブランドをもつ企業です。
あまり知られていない意外なところでは電気剃刀のブラウンなども、この会社のブランドなのです。

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高層ビルの下にそっと佇む草花。ホオズキの仲間でしょうか。この季節には珍しいです。

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さて、神戸ベイシェラトンホテルの夕映えの中に、浮かび上がる一本の櫓 (やぐら)。

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なんと温泉を掘っています。5億円の費用をかけてこの年末には温泉施設を併設するそうです。
昨年の秋から始めて、もう地下1000m以上(予定1600m)も掘り進んだそうで、この春には温泉が吹き出す
ということです。ここは海の上の人工島ですので温泉掘削は意外でしたが、阪神間の地下には有馬温泉を
はじめとする優良な温泉水脈が豊富にあるそうです。調べてみると、神戸市の海岸線近くにもいくつもの
温泉施設がありました。

「シェラトン温泉」楽しみですね。散策の帰りに「いーい湯だな〜♪」したいなー。(笑)

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夕日をいっぱいに浴びた雀たちも、もうねぐらへ帰る時間ですね。

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空の思い出

今、北京を始めとした中国大陸の都市部での大気汚染の悪化が毎日のように報道されています。
私も数年前までは仕事で世界の各地を飛び回っていましたので、中国のいくつかの大都市では
汚れた大気を実感したことがあります。当時は北京オリンピックが開催された前後でしたが
現在と比べると、まだそれほど深刻な状況とは思われていなかったようで、現地の人々は
こんな空の様子も当たり前みたいで、全く気にもかけていなかったように思います。

広東省広州市の中心地の高層ホテルから早朝の市街地を望む。
こんな空気の下でも人々は早朝から広場に集まって、健康のために太極拳をしています。
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この日は晴天でしたので、ぼんやりと朝日が射しているのは感じられるのですが…。
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同じく早朝の広州東駅の周辺。
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私が勤務していた会社の現地法人があった高層ビル。下からも少し霞んで見えます。
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広州は多い時は月に3〜4回も出張したことがありますが、晴天時に空港から広州市内に入る手前から
市全体を包むスモッグの中に突入していく感じがよくわかりました。
昼間、黒い革靴を履いて1時間も外を歩けば、アスファルトの上でも靴がうっすらと白く汚れます。
30年以上前に初めて訪れた広州は、高いビルなどない平べったい街でしたが、空は抜けるような青空でした。


こちらは上海市の虹橋地区にある高層ホテルから。早朝の街並みを望む。
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虹橋地区は上海在住の日本人の多くが居住している高級住宅地です。
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いまはこの辺りもどのような感じになっているのでしょうか。


ところ変わって、香港中心部にある現地法人オフィスからの香港市街の眺めです。
高層ビルが林立していますが、本土の都市に比べると空や空気の様子がまだ大分違います。
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こちらはベトナム、ホーチミン市で迎える朝。大都市なのにホテルから望む空は澄み渡っています。
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アラブ首長国連邦の首都アブダビの夜明け。
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アブダビの訪問先の会社のオフィスからの市街地の眺望。
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ここは150万人以上が住む大都会ですが、空気は澄んでいます。
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私が勤務していた会社の現地駐在員事務所があるオフィス前。こんな青空です。日射しが焼け付くようです。
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アブダビから同じアラブ首長国連邦のドバイ首長国へと入る車中からの眺望。
世界中の建設機械が、ここドバイに集まってきているのではないかと思えるほど、高層ビルの建設が
えんえんと何十キロも続きます。世界中の莫大な投機マネーがこの都市には注ぎ込まれています。
こんな前代未聞の建設ラッシュですが、空は青く空気は澄み渡っていました。
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最後はニューヨーク、マンハッタンの摩天楼によって切り取られた空です。
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下から見上げる空は小ちゃいのですが、とってもきれいでした。
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まあ、何と言っても日本の空が一番いいなと感じる今日この頃です。


流波曲

二泉胡がやってきてから、毎日、二泉胡用のいくつかの楽曲の練習もやっています。
その中のひとつが「流波曲」(りゅうはきょく)です。この曲は二胡の十大名曲の一つに数えられています。

この曲は二胡考級試験では9級の曲なのですが、例えば3級の曲である劉天華の「良宵」や4級の「光明行」
と比べても演奏のテクニック面ではさほど難しいとは感じない曲であります。むしろ易しいと思います。
敢えて難しい所を挙げるとすれば、内弦・外弦ともに第4ポジションを多用しますので、低音二胡である
二泉胡で高音域を長弓で美しく発音するためには、かなり弾き込んで感触を体得する必要があることです。
しかし、それよりもこの曲は実際の演奏において、作曲者の情念や内面性みたいなものをいかに表現できるか
という表現者としての力量が問われる曲なので、9級の難易度がついているのではないかと私は思っています。
王永徳師を始めとする上海学派の考級の難易度設定にはそういう傾向があるように感じられます。

「流波曲」五線譜
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「流波曲」数字譜
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この曲を作曲したのは、孫文明(1928年-1962年)です。1952年まだ24歳の時の作品です。
孫文明は、浙江省紹興出身で、4歳の時に天然痘の後遺症で両眼とも失明しました。12歳から二胡を習い始め
「二泉映月」を作曲した阿炳と同様に大道芸人として暗黒の旧社会において、阿炳と境遇の似た苦難に満ちた
流浪の生活をおくっていました。この曲は異郷での苦しい生活を描いた叙事詩となっています。

孫文明 (2000年に出版された孫文明記念専集CDの表紙より)
孫文明

もう100回を超えて弾き込んでいますが、なかなか孫文明の艱難辛苦の情念の世界まで到達できていません。
今後この「流波曲」を自分自身が納得のいく表現ができるまで弾き込んでいければと思っています。

本日のお土産は
伝説の二胡奏者と言われる、二胡大師 蕭白鏞(シャオ・バイヨン しょう・はくよう)の「流波曲」の演奏です。
上海民族楽団の主席二胡独奏者を長くつとめられ、70歳を過ぎた今も台湾を本拠地に活躍されています。

蕭白鏞 独奏「流波曲」(1985年録音)



梅は咲いたか

『梅は咲いたか 桜はまだかいな〜』
ということで、我が街をぐるりと取り囲む一周5kmの丘の東側に行ってみました。
ここはこの丘が造られた25年前に、たくさんの梅の木の苗が植樹された所です。

ありました、ありました。紅梅や白梅。
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まだ満開ではありませんが、開花しているものや蕾が膨らんでいるものがいっぱい。
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梅は開花する準備として秋に養分をしっかりと蓄えるので、最初に開花した花が最も美しいそうです。
そういえば昔から梅を描いた日本画は、花と蕾がセットのものが多いですね。
梅は桜とは違って、風情のある今頃が見ごろなのかも知れませんね。

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梅と言えば思い出すのは「夜の梅」。
室町時代から続く老舗の虎屋の羊羹です。
切り口にそっと顔を出す小豆の粒が、闇夜に浮かぶ白梅の花のように見えることから
その名がつけられたそうです。

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私の大好物なのですが、その昔ダイエットをした頃から、かれこれ3年以上食していません。
羊羹は美味しいけれど、恐ろしいほどのカロリーの塊ですからねー。(笑)

さて、梅とくれば鶯 (うぐいす)ですが、まだこの辺りでは見かけませんね。
でも帰り路にこんな鳥と出会いました。最初ムクドリのように地面にいましたが、近づくと木の枝に。
この鳥は「ジョウビタキ」の雄です。
名前のジョウは「尉」で銀髪のこと。ヒタキは「火焚」で、火打石をたたく音に似た音を出すことから
ジョウビタキという名で呼ばれるようになったそうです。雌は地味な色をしていますが、雄は色鮮やかです。
翼にある白い斑点を着物の紋に見たてて、「紋付鳥」という地方もあり、ときどきぴょこんとおじぎを
して尾をふるわせる、かわいい冬の渡り鳥です。

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白梅に昔なつかし甘味かな

また「花より団子」になってしもた…。(笑)


雪化粧

朝、目が覚めると雪が降っていました。
私は北国育ちですので、雪国の生活の大変さは知っているつもりですが
ここ神戸では年に1〜2回の珍しい光景ですので、ちょっと懐かしさを憶えました。


我が家から見下ろす風景は、雪の薄化粧をまとっていました。
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近くの小磯美術館の丘も白くなっています。
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まだちょっと早い時間でしたが、雪が消えないうちにと、カメラを持って散策に出かけることにしました。
駐車場に並ぶ車も、今日は冷たそうです。
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公園を通って、小磯美術館横の丘を登って美術館の裏手へ。
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この坂を登った所が、私の普段のウォーキングロードのスタート地点です。(ちなみに1周5kmです。)
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美術館の中庭に復元されている、旧小磯画伯邸の瓦屋根も真白になっています。
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お、誰かが早速こしらえたみたいですね。
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ヒヨドリやカラスも戸惑っているのでしょうか。いつもより動きが鈍く、じっとしています。
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この子もびっくりしたのかな。(笑)
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雪をまとった草花たちは、いつもと違った風情がありますね。
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寒さに耐える寒椿っていう感じですね。
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うっかり歩くと足を滑らせそうです。(笑)
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我が家のバルコニーの、猫じゃらし君です。
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このあと日が高くなる前に、雪化粧はあっという間に消えてしまいました。


早春賦

「春は名のみの 風の寒さや…」ご存じ早春賦の一節です。
立春を過ぎても、まだまだ全国各地では厳しい寒さが続いていますが、我が街神戸は
比較的温暖な気候のせいか、散策をしていると春の訪れをを予感させる光景に出会えます。
今日はそんな早春の光景をいくつか切り取ってみました。

昼下がりの柔らかい日射しの中で愛犬とともに散歩している人を大変多く見かけます。
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ちょっとご挨拶。
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公園にいる猫。野良猫ですが、この街では住人がボランティアで猫たちの世話をしています。
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散策の途中、あちこちで見かけた草花たち。
冬に咲く草花は、意外と種類が多いことに改めて気がつきました。

街路樹のクロガネモチの実です。冬の赤は鮮やかで存在感があります。
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カモミール。キク科の花ですがハーブティーの材料にもなります。
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オキザリス。カタバミ科の花です。大輪の花を咲かせますが、今はまだ折り畳み傘をすぼめているようです。
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リナリア(姫キンギョソウ)。金魚のしっぽのような形をした花です、
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寒菖蒲。菖蒲は初夏の花ですが冬に咲くものもあるのですね。
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さて、これは昨年の秋に完成した「神戸レディースフットボールセンター」です。
完成する少し前の頃に、このブログでもご紹介したことがあります。
ここは澤選手を始めとした、「なでしこジャパン」の主力選手が多く所属する INAC神戸の本拠地です。

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選手たちが使うクラブハウスです。
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いたるところにINAC神戸にちなんだディスプレイがあります。
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自販機にも。(笑)
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今日はINAC神戸の練習はしていませんでしたが、なでしこを目指す若い選手たちが練習していました。
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もう少し暖かくなったら、望遠レンズ抱えて張りつき取材をしてみようかな。(笑)
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桜の季節には、この辺りは桜の花が満開になります。
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桜の花芽も、もうしっかりと準備しているようですね。
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さあ、春に向けて頑張ってまいりましょう ! (って、何を? 笑)
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控制墊の話

控制墊 (コンジーディエン)とは、二胡には必須の音質調整材のことです。
日本の楽器店で販売されているものは、控制綿 (コンジーミェン)という呼び名が多いようです。
この控制墊は、二胡の駒の下、弦と琴皮の間に挟みます。

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控制墊は様々な材質や形のものが販売されています。自分で材料を加工して作られる方も多いようです。


厚手の皮革                    羊毛の厚手のフェルト
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フェルトの中にスポンジを入れたもの        鹿革の中にスポンジを入れたもの
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カラフルな薄手のフェルト             カシミヤ製の布
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控制墊にこのように材質や形に種類があるのは、駒と同様に二胡の音質決定に深く関わっており
また二胡の弾き手一人ひとりにとっても、ベストな音質と感じるフィーリングが異なっているからです。

控制墊は雑音を軽減するためだけのものと、誤解されている方もいらっしゃるかもしれませんが
実は、二胡独特の美しい音を作り出すためにかなり重要な役割を果たしています。
二胡を始めた最初の頃、私自身が市販の控制墊の音質に納得がいかず、その仕組みを理解しようと
いろいろと試してみて解ったことがあります。

例えば、控制墊を外して内弦か外弦のどちらかを開放弦のままで弾くと、かなりにぎやかで金属的な音が
鳴り響きます。その時に弾いていない方の弦に左手でそっと触れると金属音が劇的になくなります。
これは一本の弦を弾いている時には、もう一方の弦も共振しているがために起こる現象です。
控制墊を駒の下に挟むことで、不必要な弦の共振を抑制する役目を果たしているのです。

また、同じように控制墊を外して内弦か外弦のどちらかを開放弦のままで弾いている時に、左手の指で
駒の周辺の皮にそっと触れると、一瞬で音がまろやかに変化します。
つまり、控制墊を外した状態の皮は、駒を中心に皮全体が目一杯振動しているために、全ての倍音成分が
前面に出てしまうことで大音量でかつ、かなり尖った音質となってしまうのですが、控制墊が皮の振動領域を
非対称形と変える役目を果たすことで、倍音成分を編集する形で音質を変化させているものと思われます。

ちなみに控制墊を外した時に、左手指で皮を強く押していくと、皮の振動そのものが抑えられすぎて
音量は小さく、音質もこもった感じのものになります。控制墊の面積や厚さが、皮や弦への圧力の大小に
関わってきます。総論としては弦はしっかり押さえ、皮はソフトに押さえる、がキーポイントかと。

また、同じ控制墊を使っていても、置く位置によって音質は変わります。駒にくっつけるようにすると
駒の振動も若干押さえられるので非常にまろやかですが少しこもった感じの音色になり、逆にテール部分に
近づければ弦や皮への圧力が増すと同時に、皮の振動領域も対称形に近づきますのでコントラストの
はっきりとした先鋭な音色に変化します。

このあたりは二胡を弾く各人が、その人なりにこだわって追求し調整すべき領域かと思います。

私も過去に、せっせと控制墊を自作して、いろいろと試行錯誤してみました。

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私は自分の控制墊の色を真紅と決めていますので、並べると真っ赤っかで目がチカチカしてしまいますが
いろいろな大きさ、厚さ、材質を組み合わせて試してみました。おかげで裁縫がとても上達しました。(笑)

現在、私の好みに最も合っている自家製の控制墊の仕様は、大きさ:30mmスクゥエアまたはラウンド
厚さ:8.5〜9.0mm です。厚さは駒の高さに依存します。ちなみに私の駒は9.2〜9.7mmです。

私の使用している材料と製作過程をご紹介しておきたいと思います。何かのご参考になれば幸いです。

外側の材料その1 : ハイミロン(表ナイロン100%裏ナイロン80%キュプラ20%) 
これは裁断しても、端がほつれない生地ですので大変便利です。
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外側の材料その2 : ちりめん。見栄えがなかなかいいので。(笑)
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中身の材料その1 : セーム革。カメラのレンズなどを拭くための製品です。弦をしっかり包み込みます。
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中身の材料その2 : メイクアップ用のスポンジ。きめ細かく柔らかいので皮にソフトタッチです。
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以上の材料を裁断します。セーム革は5枚使用します。(外側ハイミロンの例です)
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スポンジとセーム革は中に入れた時、ばらけないように糸でセンターをかがっておきます。
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あとは座布団を作る要領で、布を裏返した状態で周囲を2/3ほど縫っていき、表裏ひっくり返して
中身を入れた後、残りの周囲を内側にコの字縫いなどで縫い合わせて閉じれば完成です。
二胡に挟むときは、セーム革が弦、スポンジが皮側に来るようにします。

ラウンド型 (ちりめん)
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スクゥエア型 (ハイミロン)
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二胡の美しい音色は、二胡本体だけではなく、琴弓や松脂、駒や控制墊など多くのものがコラボして
紡ぎだされているものだと、最近つくづくと感じます。まあ、弾き手の腕が一番大事ですけれどね…。(笑)


寒雀

2月4日。立春です。
(我がブログ、最近歳時記のようになってきましたね。そのうち俳句でもひねるかも……。笑)

暦の上で立春と言っても、気温は1年のうちで最も低い時期の終わりにあたり、まだ寒さは厳しいですが
今日から春になったという気持ちに、どことはなく安堵感がでてきます。

今日は朝からあいにくの雨模様。いつもの六甲の眺望も、なんだか暗い絵画を見ているようです。
しかし九州南部では春一番が吹いたとのニュース。一歩ずつ着実に季節は進んでいますね。

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いつも朝は空が白み始める午前6時半を過ぎると、雀たちが数百羽一斉に我が家のバルコニーへやってきて
ピーチクパーチクと大合唱を始めますので目が覚めます。私にとっては、便利な目覚まし時計ですね。
今日は雨でしたので、雀たちの姿もどこくなく、いつもの朝よりも寒そうでした。

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雀は普段から鳥類の中では、最も私たちと親しい鳥でありますが
特に食物の乏しい冬は人家に最も近づき、人間をあまり警戒しなくなるようです。

しかしそうは言っても、カメラを持って近づいたりすると一斉に飛び立ってしまいます。
この雀たちとの絶妙の距離感と「駆け引き」を結構楽しんでいる今日この頃であります。(笑)

寒雀 (かんすずめ)は俳句の季語にもなっています。大寒の頃の雀はとても太って、やけに元気に見える。
そんなところから冬の季語になったらしいのですが、寒い時、雀たちは寒さを防ぐためにふくふくと
全身の羽毛を膨らませてじっとしていることが多いのですが、その様子が太って見えるのでしょう。
別名「ふくら雀」とも呼ばれています。

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昔は寒雀は脂が乗っているので焼き鳥の材料として喜ばれました。
これは晩秋に食いだめしているので脂肪が蓄えられ、もっとも味がよいからだそうです。
今は雀の焼き鳥は殆ど見かけなくなりましたが、私は京都で学生だった頃、伏見稲荷大社の門前の名物である
「雀の焼き鳥」を何度か食したことがあります。甘辛い姿焼きを骨ごとバリバリと食べました。(笑)
現地では今でも名物になっていると思います。

今日は雨で餌探しが大変なせいか、夜明けに餌をあげたのに1時間たっても、飛び去る気配がありません。
「雀のお食事処」の亭主としては、撮影にも協力してもらったのでギャラを現物支給であげることにしました。

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啄(ついば)みて また囃し立てるや 寒雀   字余り。(笑)


節分の風景

今日は節分です。
スーパーマーケットやコンビニでは、どこでも多くの節分にちなんだ商品が売り出されています。

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節分は本来は、季節が移り変わる分かれ目という意味で、立春・立夏・立秋・立冬の前日をさしていました。
古来、立春が1年の初めであったことから、節分といえば春の節分のことを意味するようになりました。
立春はすなわち新年ですので、節分は大晦日にあたり、前年の邪気を祓うという意味をこめて
中国から伝来した追儺(ついな)の行事が、平安時代から日本でも行われるようになりました。
例えば「豆まき」や「柊鰯 (ひいらぎいわし)」がそうです。

大量の鰯(いわし)。本日はこれを買えば……
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もれなく柊の枝がついてきます。(笑)
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柊鰯(ひいらぎいわし)は、柊の小枝と焼いた鰯の頭を門口に挿しておいたもので
柊の葉の棘が鬼の目を刺すので門口から鬼が入れず、また鰯の臭いで鬼が近寄らないと言う魔除けです。
「鰯の頭も信心から」という諺(ことわざ)がありますが、この節分の風習に由来しています。
鰯の頭のような役に立たないつまらないものでも、信心次第では大変な値打ちがあるということです。

大量に並べられた「太巻き寿司」。こんな光景は1年で本日しか見られません。
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鬼追い饅頭……って、商魂たくましいなー。(笑)
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恵方へ向かっての太巻き寿司の丸かぶりの風習は、江戸時代起源とも大正時代起源とも言われていますが
太巻き寿司を使う理由は「福を巻き込む」からであり、丸かぶりするのは「縁を切らないために包丁を入れない」
ため、ということだそうです。
恵方とは陰陽道で、その年の干支にもとづいてめでたいと定められた方角のことです。

日本中で使っている「恵方巻」という名称は1998年(平成10年)に某有名コンビニチェーンが全国発売に
あたって自社製品の商品名に採用したことが起源です。
それ以降、「恵方寿司」「招福巻」「幸運巻」「開運巻き寿司」「太巻き丸かぶり」「合格一直線巻き」
など、その業界では激しい商戦を繰り広げるようになったとさ…。めでたし、めでたし。(笑)


「鬼はそと、福はうち」
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今宵は、我が家でも豆まきです。
もちろん、晩ご飯は「太巻き寿司」です。はい。(笑)


冬のシルエット

いつも訪問していただいてありがとうございます。本日からMyブログは模様替えです。

朝起きるまでは小雨が降っていましたが、陽が昇るにつれて穏やかな晴天となりました。
今日は朝一番で、六甲の中腹、住吉川の源流近くにある動物霊園で、昨年末22歳で大往生した
Lupin (ルパン 我が家のスーパーアイドル猫) の遺骨の埋葬をしてきました。
今頃は、同じ霊園にいる兄貴分のPoirot (ポワロ)と、久しぶりに再会して取っ組み合いを
していることでしょう。
ちょっとしんみりしましたので、お昼はトンカツをいただいて元気を取り戻しました。(笑)

さて、暖かく気持ちのよい昼下がりの散策。今日はちょっとコースを変えてみました。
冬は、街の樹木の葉も落ちて寒々しい風景なので、つい背中を丸めて、トボトボと下を向いて
歩いてしまいがちなのですが、目を上げると意外に、落葉した樹木のシルエットと空全体が
美しく感じたりします。

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我が家を出てすぐ近くにある公園で、まず目についたのがこの木のシルエットです。

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これは百合の木 (ユリノキ)です。
このノッポの木は葉がおい茂った後、5月初めぐらいに薄黄緑色の綺麗な花を咲かせますが
葉が集まった樹冠の上に花をつけますので、歩いていてもなかなか下からは見えません。
百合というよりもチューリップのような花なので、英名ではtulip treeと言います。

しかし落葉樹ですから、冬は真っ裸です。(笑)
秋の実が落ちずに残っています。低い枝でしたら近づいて見ると枯れた実とわかりますが
ノッポの木ですので、高い梢の実の名残りは、蕾 (つぼみ)ではないかと見間違えます。

不思議なシルエットですね。

冬の散策路は、決して色彩に欠けた世界ばかりではありません。
公園のあちこちで鮮やかな葉牡丹が瑞々しく咲いています。

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夕方の斜光を受けて、葉の落ちた木の幹が輝いています。

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青空に落葉樹の黒いシルエットもなかなか映えますね。

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さてさて……これは !!

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まるでトトロの森の「マックロクロスケ」ではありませんか?

この木は、紅葉葉楓 (モミジバフウ 別名アメリカフウ)という落葉樹です。
この実はよく金銀のスプレーをして、クリスマスのリースに使われたりもします。

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奇跡的に紅葉がまだ残っていました。いやー頑張っているなー。

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冬はもっと「上を向いて歩こう」ということですかねー。
でも、くれぐれも落とし穴には気をつけましょう。(笑)


木の温もり

木材がもっている表情や感触が大好きです。
自分で木を削って磨いてクラフトをするのも好きですが
私の周囲には長い間お世話になっている、木でつくられた愛用品もたくさんあります。
今日は、私が愛用している「木の美しさと温もり」をいくつかご紹介したいと思います。


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毎日毎日、お世話になっている二胡練習用の椅子です。
50年以上前に英国で使われていたというアンティーク椅子ですが、座面が微妙に窪んでおり
背もたれも程よい弾性を感じる絶妙の座り心地です。昔の製品には本当にいいものが多いです。

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二胡を弾くときの足台です。
元々は骨董市で見つけた花台なのですが、広くて使いやすいので足台として愛用しています。

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これも毎日お世話になっているダイニングセットです。テーブルも椅子も大ぶりの造作です。
もう20数年以上のお気に入りですが、大震災にもビクともしませんでした。全く丈夫です。
分厚い銘木を大胆にカーブさせたフォルムと杢目が本当に素晴らしい。匠の技です。

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40年ほど前の手挽きのコーヒーミル。ゴリゴリゴリと挽いていると、時間がゆったりと流れ
挽きたてのいーい香りが漂ってきます。

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これも骨董品店で見つけたタンブラー。いまは眼鏡立てになっています。

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100円ショップで買った孫の手です。(笑)
これはいつも手の届く所にないと困るんですよね。

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スネークウッド製の消しゴムです。たかが消しゴムですが、これはこだわりの逸品です。

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スネークウッドと、同じ南米の銘木ココボロのボールペンです。
これは軸用に穴だけあけた半製品を購入して、自分好みの太さに削って組み立てました。
なかなか存在感のあるボールペンになりましたね。

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タイ製のトレー。竹に似た素材でしょうか。導管が浮き上がってきれいな模様になっています。
メガネ置きとして重宝しています。

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ダマスカスブレードのナイフです。何層にも重ねて鍛造したブレードも綺麗ですが
花梨の瘤材を磨き上げたハンドルの模様が素晴らしい。

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ボウリングの球ではありません。(笑)
海南黄花梨 (かいなんおうかりん)という、ほぼ絶滅した銘木の念珠です。径20mmあります。
この銘木で作った二胡は数百万円で取引されています。今はもう明・清時代の古い宮廷家具
からしか材料としては入手できないからです。私はこの念珠をオークションで入手しました。
二胡の駒を製作するときの材料などに使いたいと秘蔵しております。

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スネークウッドを削りだして自作した、琴弓の弓魚です。
スネークウッドは私は結構好きです。大阪のおばちゃん好みの模様ですけどネ。(笑)

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アフリカの銘木ウェンジュと象牙でつくった二胡の駒です。
実は、この駒を製作したのは8ヶ月ぐらい前なのですが、最終仕上げにルーターを回して
バフ研磨をしている最中に、どこかに跳ね飛ばしてしまいました。
部屋中丹念に探しても一向に見つからず、異次元空間へワープしたと諦めておりましたが
今日、ペン立ての底に鎮座しているのを発見 ! 自信作だったので見つかって良かった。

そういえば。今年の初詣のおみくじに
「失せ物、さわぐな、必ず出る」とありました、ありました。(笑)


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