花粉は夜落ちる
家の中は、昼間は人が動くので、花粉も部屋の中で舞いやすくなります。
「花粉はある程度重さがありますので、徐々に、落下していくといわれています。特に人が動かなくなる夜は、部屋の空気の動きが少なくなるので、床の上に積もるのです」と黒岩さん。
布団で寝るよりベッドで寝た方が花粉症の症状が軽くなるのは、夜は花粉が床に近いほど増えるからです。布団で寝ている方は、すのこを敷いてかさを上げたり、ベッドに変えてみたりするのもひとつの手かもしれません。
朝掃除で花粉を排除
夜の間に床に落ちた花粉は、朝になって人が活動を始めると、再び舞い上がります。そうなる前に、掃除機で吸い取ってしまいましょう。最近の掃除機は、空気清浄機同様にHEPAフィルターを採用している製品があります。こうした機種なら、再び部屋の中に花粉がばら撒かれることはありません。
「フローリングの場合、濡れモップなどのお掃除用具で拭き掃除を行うのもいいでしょう。溝を丁寧に拭くことが大切です」と黒岩さん。
カーテンは静電気を帯びやすく、窓から入ってきた花粉が付着することがあります。粘着式のクリーナー、いわゆる「コロコロ」を使って花粉をこまめに取り、静電気を防止できる花粉クリーナーなどをスプレーしましょう。ソファなども同じ方法で花粉を取り除けます。
目、口、鼻に花粉を入れない
花粉を鼻の粘膜や目に入れないことで、花粉症の症状はかなり抑えられます。
例えばめがね。目を完全に覆わない一般的なめがねでも、50%の花粉をシャットアウトできます。花粉用のフード付きめがねなら、さらに効果は高まります。普段コンタクトを使う方も、この季節はめがねがおすすめです。めがねが不要の方には、度が入っていない花粉用のゴーグルもあります。
そして、口や鼻を守るのに効果的なのは、なんといっても「マスク」です。ウイルスに対する性能は落ちるといわれるウレタンマスクでも、花粉対策には十分です。
また、鼻の穴の中に花粉シャット用の軟膏やワセリンなどを塗るのも極めて効果的です。粘膜を物理的にコーティングしてくれるので、花粉がもし鼻の中に入っても粘膜にはつきません。花粉用の軟膏の中にはミント成分が入っているものもあり、鼻がスースーして快適です。
加湿をして、エアコンを使わない
早い人は、2月の初旬から花粉症の症状が現れはじめます。まだ寒い季節なので暖房は必須ですが、エアコンを使うとどうしても部屋の中に大きな空気の対流が起き、花粉が舞ってしまいます。
「ファンを使わないオイルヒーターなら、上昇気流は起きますがエアコンのようにファンで風を起こさないので花粉が舞うのを減らせます。また、加湿も大切です。加湿器を使って部屋の湿度を50%~60%くらいに調節するといいでしょう」
花粉は湿気を吸って重くなり、床に落ちます。また花粉で荒れた喉や鼻の粘膜ケアにも適度な湿気は必要です。換気時に入ってきてしまう花粉にも、こうした対策を取ることでかなり症状を抑えることができるでしょう。
次回・最終回は、花粉症のためのリフォームを考えてみましょう。
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