中嶋勝彦、張り手で遠藤哲哉をKO!サイバーファイトフェス2022、第八試合を振り返る。 - 男マンの日記

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中嶋勝彦、張り手で遠藤哲哉をKO!サイバーファイトフェス2022、第八試合を振り返る。

衝撃の展開!遠藤哲哉TKO負け!中嶋勝彦の張り手一閃!

概ね好評の内に終わった(はず)のサイバーファイトフェス2022でしたが、その中で未だに話題を呼んでいるのが第八試合。NOAHvsDDT対抗戦として行われたこの6人タッグ。序盤の攻防、遠藤哲哉と中嶋勝彦のファーストコンタクトで出した勝彦の張り手が遠藤にクリーンヒット、後ろに頭から倒れ、その様子を見た松井レフェリーが試合をストップ。6分20秒というタイムでNOAH勢に凱歌が上がりました。

第八試合 45分一本勝負 NOAHvsDDT対抗戦

中嶋勝彦&小峠篤司&稲村愛輝
6分20秒 TKO勝ち
 遠藤哲哉& 秋山準&樋口和貞

この試合、この6分の間に何が起こっていたのか。何故このような試合になったのか。細かく振り返っていこうと思います。

キーマンは小峠篤司。カード変更が招いたアクシデント?

そもそもこのカードは丸藤正道&小峠篤司&稲村愛輝vs遠藤哲哉& 秋山準&樋口和貞として発表されていたものの、丸藤の負傷欠場でカード変更、丸藤の代わりに中嶋が入ったことで一気にピリピリムードが加速しました。この試合の伏線ともなったビンタは中嶋がDDTから舐められ気味の小峠に喝を入れるために出したもの。

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会見の途中、ビンタでフラつく場面もあった小峠。この場面がインパクトがあったためか、これ以降でも中嶋はビンタ連打を続け、NOAH勢に喝を入れ続けます。

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この試合のパートナー二人にビンタで喝。この時点で中嶋=ビンタ、というイメージは出来た状態で、当然この試合でも出してくるはず、というのはある程度想像できる状況だったように思います。

そして迎えたこの試合。このサイバーファイトフェス2022ならではの豪華な演出で両者入場。ノア勢はそれぞれのテーマ曲で入場、DDTは遠藤のテーマで3人入場。ここに差があるのはなぜ?という気もしますが。旗を振りながら入場する樋口がかっこよかったです。

そして試合開始。先発は中嶋に喝を入れられた小峠と秋山。互いになかなか組み合わず、一度秋山が上をとったところでそれぞれ樋口と稲村にチェンジ。

この二人はうってかわって激しいロックアップから力比べ、そのまま押し合い、ぶつかり合いの攻防。前哨戦で引き分けで終わっているこの二人。タックルの打ち合いでは樋口が制して遠藤にタッチ。そして遠藤は勝彦を挑発し、稲村は勝彦にタッチするも一度勝彦はスカしてからリングイン。

中嶋は何度かローキックを打ち、遠藤はロープに勝彦を押し付けていきますが勝彦はこの表情。とにかくスカしてマウントをとっていこうという姿勢を貫きます。

ここで遠藤はエルボーを打っていきますが、勝彦は効いていないアピール。遠藤はエルボー連打。ゴツゴツと当てていきますがあくまで効いてないアピールを繰り返す勝彦。エルボー連打する遠藤、そして十何発かのエルボーを遠藤が打って次にいこうとしたところですかさず中嶋がビンタ!

思い切り後ろに倒れる遠藤。一度勝彦が「足踏みフォール」にいきますが、返す素振りのない遠藤を見てカウント2でいちど離します。そして松井レフェリーが様子を見て試合をストップ。ゴングが打ち鳴らされました。

そしてリングドクターが慌ててかけより、選手が何人か集まって遠藤に処置をしているその横で、秋山が中嶋に歩み寄りなにやら話していました。中嶋も多少動揺しているような様子でもありましたが、怒鳴り合い、というより互いに落ち着いたトーンで会話を続けていました。

そして遠藤が気が付き、坂口征夫らに抱えられて退場。ノア勢も一応勝ち名乗りをあげたものの勝ち誇ることはなく去っていきました。

そして試合後のバックステージコメント。ノア側は出していませんが、DDT側は秋山がかなり怒気を含んだコメントを出しています。

全文こちら。

遠藤が、かなり深い脳震盪で、試合が止められました。これはもうね、受ける受けないの問題じゃないよこれ。真っ直ぐ受けて、テンプル入れられたら、こっちが受ける気でも相手がそうじゃなかったらダメだよ。

俺、俺もこんなガタガタ行くスタイルしてるけど、やっぱり馬場さんに言われたさ、同じプロレスやってる仲間だと思えと俺は教えられた。だけど、あいつらにはそういうのが無いんだと思う。同じグループなのかもわかんないけど、あいつらには仲間って意識は....ないから。俺の大切な仲間が...。

でもこれは、だからと言ってやり返しにいこうとかそういうことじゃないんだよ。プロレスの好きな人はやりかえしに行けとかあるかもしれないけど、だけど違う。

こうやってプロレスラーは意識失っても試合するんだよ。そして大きなケガにつながって、今みんなそうだろ!大きなケガ続いて!ダメだろ!ちゃんと!プロレスやろうぜ、なあ。ちゃんとやろうぜ、以上。

秋山のこのコメントには、この試合だけじゃなく大谷の件も頭にあるように思えますし、ノアの一員、BURNINGというユニットを背負って活動している遠藤への感情も入っているように聞こえます。そしてさらにその根底には秋山が感じている現在のプロレスの方向性への違和感や不満があり、それも含めてこのコメントになっているんじゃないでしょうか。

秋山のプロレス観は全日本時代に出したこの本にも詳しいので、よろしければご一読ください。感想エントリもつけておきます。

巨星を継ぐもの

otokoman.hatenablog.com

そして、遠藤哲哉はtwitterでメッセージを発信。当面の欠場が発表されました。

また、引き続きのツイートで遠藤はもうすぐ開幕するKING OF DDTを欠場することを理由にKO-D無差別級のベルトを返上を発表。KING OF DDTの優勝者がチャンピオンとなることが発表されました。

おやめください。このリプ欄もまあまあ地獄なのが切ない。

 

 

そして、この件に関していろんな意見がTwitter上で飛び交ってますが、個人的に考えさせられたのがこの須山さんのツイート。

須山さんはこう書いていますが、自分はやはりでもこれはアクシデントだと思っています。それはリング上の6人(中嶋勝彦ですら)この結末を望んでいなかったように見えたので。勝彦が遠藤への足踏みフォールをカウント2で辞め、試合後勝ち誇ることもなかったことこそ、あの張り手で仕留める気がなかったことの証左のように思います。

 

何度かあのシーンを見返しましたが、あのKOに繋がった大きな原因としては勝彦が張り手をしたタイミングが大きいように思います。貼り手が当たった位置も多少顔の側面というか、通常より少し高い位置だったような気もしましたが、テンプルにガッツリ当たったという程ではなかったように見えます。

それより遠藤が何度も勝彦にエルボーを放ち、勝彦はそれを顎を引いてしっかりと受けていますが、勝彦が遠藤にビンタを放ったのはカウンターに近いタイミング。よく見るエルボー、ビンタの攻防だと互いに相手が身構えたところで自分が攻撃をし、互いに顎を引いて受けあっていますが、勝彦がビンタを放ったタイミングはエルボーを放った直後で、遠藤に身構えるスキを与えていないように見えました。それに加えていいところに思いっきり入ってしまったのが今回のKO劇の原因なんじゃないでしょうか。遠藤が身体を絞り、体重差もあったことも原因かも知れません。

 

そして、秋山の怒りの原因はおそらくですが、なんで試合の前半にそんな、相手が受けにくいようなタイミングで思いっきり打撃を入れてくるのか。試合をこれで決める覚悟がないんだったら、相手がちゃんと受けれるタイミングでバチバチ入れ合うのがプロレスなんじゃないか、ということじゃないかと思います。推測なんで全然違うかもしれないですが。

でも常に殺気をまとい、そこを飛び越えてバチバチいくのが勝彦の魅力なのも確か。これで今後気を遣って安全にはなってほしくない。なにはともあれ勝ったのは勝彦なわけで。プロレスは勝ったほうが強い。強いほうが勝つ、というのが真理。

 

そして、正直この衝撃的な結末で、この試合は他のどの試合よりもインパクトを残したのも確か。解説のケンコバもこういうのを見たかった、というようなことを言ってましたし、自分も見てゾクゾクしました。リング上の事故が起こったときは嘆き悲しみ、こういう衝撃的な結末は喜んで見る。プロレスファンってつくづく残酷だとは思いますが、全部ひっくるめて面白かったのは確かでした。

ただ気になったのが、この結果を見て「DDTはほんとに”プロレスごっこ”」とか、「だからNOAHはしょっぱい」とかいう言説がTwitterでもFacebookでもよく見られたこと。そういう意見は自由ですが、やはり口汚く罵る口調のものも多かった。個人的にはこう思います。

なにはともあれすごい衝撃を与えてくれたこの試合。これからの遠藤、これからの勝彦を見ざるをえない。私はそう思いました。

あと結果、小峠は勝彦にビンタされ損になってるんでなんとかしてあげて欲しい。こちらからは以上です。