7月30日、東京女子プロレスのHPに静かにリリースが流れました。
その内容は「黒音まほ卒業のお知らせ」というもの。6月の北沢タウンホール大会から欠場を続けていた黒音まほ、このタイミングでの卒業リリースとなりました。本人からのコメントはこちら。
「お久しぶりです。黒音まほです。びょうきのことで暫くおやすみを頂いたおかげで今はげんきにさまよっております。そして、自分の病気のことでわたしに関わるすべての人に心配とご迷惑をおかけしてしまいほんとうに申し訳御座いませんでした。いろいろと悩んで考えたけっか東京女子プロレスを卒業することを決めました。こんな死体をおうえんしてくれてありがとうございました。1年と少し東京女子プロレスで死ぬことが出来てたのしかったです。いままでありがとうございました」
【お知らせ】現在欠場中の黒音まほですが、東京女子プロレスを卒業することになりました。https://t.co/DKmn5G4m9J#tjpw
— 東京女子プロレス (@tjpw2013) July 30, 2018
正直、才能のあるレスラーの引退は残念ですが、これからの人生のほうが圧倒的に長い。彼女の人生に幸あれ、と祈ります。まあ、人の人生の幸を祈ってる場合か、という説もありますがそれはともかく。
色々思うところはありますが、まとまったらなんか書くかもしれません。とりあえず、最近割と黒音まほのことを取り上げてきた当ブログ、黒音まほ部分をまとめてみました。ほぼ自分のためですが、こうしてみると段々文章量が増していくことがわかります。我ながら興味持ってたんだな、と。時系列を追って振り返っていきます。
また、初見の人のために、黒音まほはこんなレスラーです。
Goodbye zombie! Come back anytime.#tjpw pic.twitter.com/dOmq5c9doi
— 高木三四郎 SanshiroTakagi (@t346fire) July 30, 2018
top 5 moves "ZOMBIE Wrestler" Maho Kurone
2017.8.31
8・26東京女子プロレス後楽園ホール大会観戦記。レベル上がった!楽しかった!
初めて言及した記事。この大会は伊藤麻希がハネたため、ほぼおまけ的な取り上げ方。
第6試合 ドリームどらごんぼんば~ずvsNEO美威獅鬼軍 30分1本勝負
[ドリームどらごんぼんば~ず]◯辰巳リカ&黒音まほ&越中詩郎
(10分36秒 ヒップアタック→エビ固め)
[NEO美威獅鬼軍]✕沙希様&マーサ&ユキオ・サンローラン
仁義なき抗争を繰り広げているこの2チーム。しかし今回は越中詩郎登場。果たしてこの日来ていた後楽園の客のなかで、「どらごんぼんば~ず」が昔新日本プロレスで藤波辰巳中心に組まれたチーム「ドラゴン・ボンバーズ」がモチーフになっていてその中に越中が入っていたことを知っていた人がどれくらいいたのか。
しかしそんな疑問が吹っ飛ぶくらいの越中コール!入場時から大越中コールに包まれ、どらごんぼんば~ずに追い風が。ユキオのメス、注射攻撃(メスで刺そうとする、というドストレートな凶器攻撃がツボでした)マーサのホウキ攻撃にもめげず、マーサの誤爆のすきを突いて辰巳リカが赤井沙希を押さえ込んで3カウント。仁義なき抗争に決着を付けました。めでたしめでたし。なんというか、里村VS山下の余韻を消してくれる面白い試合でした。
2017.9.15
9・9東京女子プロレス新木場大会観戦記。伊藤リスペクト軍素晴らしかった!
ここでも伊藤リスペクト軍のオマケ扱い・・・。申し訳ない。
otokoman.hatenablog.com第三試合 初代TOKYOプリンセスタッグ王座決定トーナメント1回戦
◯辰巳リカ&黒音まほ
(11分34秒 ミサイルヒップ→片エビ固め)
優宇&✕のどかおねえさん
そしてここからタッグトーナメント戦。どらごんぼんばーずはタッグとしてしっかりと安定。そして優宇とのどかおねえさんも絆を感じさせてくれました。個人的には身体のサイズといい、キャラクターの強さといいい黒音まほに期待しています。技の思い切りの良さがもう少し欲しい気もしますが、キャラクターをやりきってる感じに好感持てました。
最後はどらごんぼんばーずが辰巳リカのトップロープからのヒップアタックで3カウントを奪いましたが、優宇とのどかおねえさんもしっかりと連携を見せていたので 今後に期待したいところ。優宇が強いのはわかってるのでアイアンマンのベルトきっかけでバンバンDDT本隊に絡んでほしいし、のどかおねえさんも良くなっているので2人で上に行っちゃってください!ようやく面白かったのでほっとしました。
2018.2.28
東京女子プロレスが今熱い。伊藤麻希と黒音まほに要注目!
1.4後楽園は記事にしなかったり、伊藤リスペクト軍だけ追っかけてたりしたので久々に記述。ここでがっつり黒音まほに触れてます。ここらへんからよりギミックの完成度を上げてきたイメージがあります。
黒音まほが熱い!
ついに3月10日、山下実優の持つベルトに挑戦が決定した「ゾンビガール」黒音まほ。自分はとにかくゾンビとしての完成度の高さに以前から注目していました。キャラクターの完成度においては、日本のプロレスラーの中で一番じゃないかと。ビジュアルのこだわり、言動のゾンビ感、試合のムーブにもゾンビ感が漂っている凄さ。正直、東京女子の中で完成度高すぎて浮いている感すらあります。ひとりだけルチャ・アンダーグラウンドの中のキャラクターみたい、というか。
もうこのクソみたいなせかいにはうんざりだ。わたしが いちばんに なって 東京女子をゾンビにして、DDTをゾンビにして、お客さんをゾンビにしてさいしゅうてきには日本ゾンビ化計画を実行する! わたしが このせかいをおわらせる! #tjpw pic.twitter.com/1LCpBV3pww
— 黒音まほ Maho Kurone (@maho_tjp) 2018年2月18日
そして最近ではプロレスラーとしての技量も上げてきた黒音まほ。ロープに飛んでのネックブリーカーは以前から使っていましたが、ブレイ・ワイアットばりのシスター・アビゲイル(ウロボロスという名前ですが)をフィニッシュに選び、ロープに相手を貼り付けてのスープレックスなど、技のチョイスの渋さも魅力です。紹介動画作ったのでこちらご査収ください。
top 5 moves of zombie wrestler Haho Kurone #prowrestling #tjpw #ddtpro #tjpw #wrestling #zombie #womans #wwe pic.twitter.com/h2XgLkCRAV
— 男マン (@otokoman) 2018年2月25日
というわけで個人的に期待してる3月10日のタイトルマッチ。ギミックの先の黒音まほというレスラーの技量をチャンピオン相手に見せてほしいし、これからどのように変化していくのか注目のレスラーだと思います。
週刊プロレス 2018年 02/14号 No.1942 [雑誌]
- 作者: 週刊プロレス編集部
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2018/01/31
- メディア: Kindle版
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今年の注目レスラー、という枠で黒音まほインタビュー掲載されてます。
2018.3.8
3・10東京女子プロレス横浜大会で山下実優VS黒音まほ!ゾンビ横浜出現!
結果、彼女のキャリアの中でハイライトとなった山下美優とのプリンセス王座をめぐるタイトルマッチ、この記事は煽りとなります。ここでムーブ集作成しました。
TOKYOプリンセス・オブ・プリンセス選手権
〈王者〉山下実優 vs 黒音まほ〈挑戦者〉
※第5代王者の3度目の防衛戦
空手出身、キックを中心としたファイトスタイルで、東京女子プロレスの「強さ」の部分を担っている「絶対エース」山下実優。DDTでいうHARASHIMA的ポジションでしょうか。天然なところも思えばHARASHIMAっぽいですか。というわけでムーブ集を作成しましたのでご覧ください。
一方黒音まほはゾンビレスラー。2016年6月デビューなので、デビュー2年未満でのベルト挑戦。キャリア少なめの選手が多い東京女子プロレスですが、このスピードはなかなかのもの。ネックブリーカー系の技を得意とし、バリエーションを持っています。こちらもムーブ集をどうぞ。
もちろん今までのキャリア、実績を考えたら山下有利のこのタイトルマッチ。チャレンジマッチ的にもとらえられそうなマッチメイクですが、ただこのキャリアの選手はどこかで大化けするもの。ゾンビ的ギミックに隠れてはいますが、確かな素質は感じる選手なので一発大技決めて獲ってしまう、という展開もなしではない、という気もします。とりあえず私は黒音まほ中心に見ようと思います。ベルトを獲って団体を背負うかも、という試合でどういう戦いをするか、注目です。
東京女子プロレス・横浜ラジアントホール大会は12:30開場、13:00試合開始。横浜ラジアントホールはJR関内駅から徒歩10分ほど。そこそこ歩くので初めていく方は要注意。チケットはぴあ、ローソン、イープラスなどで売ってますが、最初に書いたとおり完売にご注意を。あなたは史上初(かはわかりませんが)ゾンビチャンピオン誕生の目撃者となるか?東京女子プロレス、たぶん面白いと思います。
2018.3.15
3・10 東京女子プロレス横浜大会。黒音まほ初メインで東京女子の未来を魅せた!
そしてタイトルマッチ本番。横浜ラジアントホールで生観戦しました。ハードコアを上手く交えた素晴らしい試合でした。いやほんとに興奮させてくれました。ありがとう!
メインイベント TOKYOプリンセス・オブ・プリンセス選手権試合 30分一本勝負
◯山下実優<王者>
12分55秒 クラッシュラビットヒート→片エビ固め
✕黒音まほ<挑戦者>
※第5代王者が3度目の防衛に成功。
そして今回注目のメインイベント。山下実優に挑戦する黒音まほはゾンビレスラー。2016年の1・4後楽園大会で練習生として紹介され、同年8月に「黒音まほ」としてデビュー。そして2017年の3月に、辰巳リカと「どらごんぼんば~ず」としてタッグを結成し、今に至ります。
「ゾンビレスラー」としてのキャラクターの完成度は素晴らしく、メイク・コスチュームも洗練されていき、それと同時にファイト内容も充実。デビューからまだ一年半ほどにしてタイトルマッチにたどり着きました。
この日もゴングとともに山下に襲いかかり、サッカーボールキックで反撃されるもいきなり場外戦に。山下を客席に放り込み、会場中を引きずり回すハードコアファイト。あまり場外戦のない東京女子ですが、黒音は鉄柱攻撃を見せるなどここでペースを握っていきます。
持ち込んだイスはレフェリーに没収されますが、スリーパーで攻め込んでいきます。ラリアット、キックで返されるもゾンビらしく笑いながら立ち上がり、笑いながらエルボーの打ち合いに。これは怖い。倒れてもアンダーテイカーばりにムクリと起き上がり反撃していく黒音まほ。山下と互角の攻防を繰り広げます。
そしてここからが黒音まほの真骨頂。蹴りを噛みつきで防ぎ、山下のエルボーがレフェリーに誤爆した所でイスを取り出してまず山下の背中に一撃。そして畳んでいたイスを広げ、山下の首に背もたれと座面の間の空間をひっかけてからロープに飛んでのネックブリーカー!初めてみたイスの使い方!イスによるギロチンのようになり苦しむ山下。そしてそこに改めて畳んだイスで思い切り殴打!東京女子史上一番激しいイス攻撃で倒れる山下。思わず観客も騒然とするくらいの勢いでした。
そこからボディプレスで追い打ちをかけるもレフェリーがカウント出来ず、黒音が起こしてカウントさせるもこれは2止まり。組み立てた状態で寝かせたイスへのボディプレスを狙うもこれは返され、自分でそのイスを食らった黒音。イスを投げ捨てた山下に蹴りを食らうもディアボロス(カウンターのリバース・ネックブリーカー)で反撃し、フィニッシャーのウロボロス(シスター・アビゲイル)を狙うも防がれて山下のジャーマン、キック、コーナーへのランニングニー、ミサイルキックと畳み込まれ、これはカウント2で返すもバズソー。ここから起き上がったところにヒザ、そしてロープに飛んでクラッシュ・ラビットヒートで3カウント。山下実優が防衛を果たしました。
山下も「楽しかった」と健闘を認めたこの試合、メインとして充分な、充実したタイトルマッチでした。
今回「ハードコア」という武器を出してきた黒音まほ。見たことのない動きも出してきて、プロレスへの研究熱心さが伺えます。次は何を見せてくれるのか、ワクワクさせてくれます。キャラクターの完成度、リング上での佇まい、次タイトル挑戦のタイミングがあれば一発で獲る可能性があるくらいの素質がある。黒音まほのメインイベント登場には東京女子の未来を見ることが出来ました。
この試合後のマイクで5・3後楽園ホールでの山下実優VS辰巳リカのタイトルマッチが決定。試合数が増え、新人も成長しているのがわかる東京女子プロレス。次の興行は3・21板橋。3・31には洋光台での無料イベントもあります。とりあえず今後の東京女子プロレスに注目!黒音まほにも注目!していきたいと思います。
2018.5.3
5・3東京女子プロレス後楽園大会ネット観戦記 メインは山下実優VS辰巳リカ!
タイトルマッチが終わり、タッグパートナーの辰巳リカが挑戦。黒音まほは会期は外国人シュー・ヤンとのタッグで試合。しっかりとシュー・ヤンをフォローしてみせます。地力がついてきたことがわかる一戦。
第四試合 20分一本勝負
◯中島翔子&坂崎ユカ
9分42秒 ダイビング・セントーン→片エビ固め
✕黒音まほ&シュー・ヤン
キャラの濃さとは裏腹、意外にもコンビネーションを多用してきた黒音&シュー・ヤンに、さすがのチームワークで対抗したみらクリあんず、中島のダイビング・セントーンで3カウント。安定感!
これが第5試合。1・4の後楽園では外国人選手とのシングル、今回も外国人選手と組んでのタッグと、黒音まほへの団体の信頼感を感じるわけですが、そのとおり連携もしっかりとこなし、要所要所は自分が受けるなどしてきっちりとした仕事っぷり。ベルトにも挑戦したし、 キャラとはうらはらの安定感を発揮していました。いや、黒音まほ、いいレスラーです。
試合自体は中島のセントーンで終わりました。シュー・ヤン自体には特に光る部分は感じなかったし、技もぎこちない部分が目立ったのでもういいかな、と。
こうなってくると中島翔子、坂崎ユカの立場が微妙な感じになってくる。この二人はそろそろ東京女子から出て、他団体のゲスト出演とか(もちろんDDT本体でもいいですが)なども検討していい時期なんじゃないかと思います。
そして黒音まほにはまたタイトル狙って欲しいところ。いい試合でした。
2018.5.14
5・5 東京女子プロレス板橋大会。上福ゆき、NEO美威獅鬼軍入り?充実の東京女子。
そしてシュー・ヤンとのシングル。地味な位置ではあっても来日したての外国人とのシングルを任されたところに団体からの信頼を感じました。しっかりこなしてまたエモいエンディングにするところがさすがでした。
セミファイナル
黒音まほ
(9分32秒 パニックスイッチ→片エビ固め)
シュー・ヤン
なんというか、怪奇派同士のシングルマッチ。基本こういうのってどっちかがマトモなもんだと思うんですが。はたしてちゃんと成立するのか・・・。
と思ってたんですが、最初こそ互いの腕を噛み付き合い、レフェリーの腕を2人で噛み付くなどおかしな感じでしたが少しずつシリアス路線に。シュー・ヤンが黒音をコーナーに貼り付けてのキック、ネックブリーカーからボディ・シサーズで締め上げるなど堅実に攻め込んでいきます。黒音もウロボロス、相手をロープに乗せてのスープレックスで反撃。しかしここで一転場外戦に。シュー・ヤンが客を煽り、黒音をイスに座らせてエプロンからのコンヒーロ!イス攻撃はレフェリーに止められるも奇声で圧倒し、黒音の頭をイスに打ち付けて優位に立ちます。
しかしイスを食らった黒音がいきなり笑いだして逆にシュー・ヤンをイスに叩きつけ反撃体勢に。噛みつき、ネックブリーカー、ボディプレスと畳み掛けるもカウント2。シリアスに傾いた試合ですがここでシュー・ヤンが黒音の口に手を突っ込み、黒音がシュー・ヤンの口に愛用のゾンビの手を突っ込むという奇行に。ここで両者ダウンから、最後はシュー・ヤンがパニックスイッチ(旋回式みちのくドライバー2)で3カウントを奪いました。
最後は謎の友情が芽生えたっぽい2人。今後なんかの展開があるんでしょうか?予想通りクセの強いシングルマッチでした。
黒音まほを取り上げたのはこれが最後。このあと5.19北沢大会を高熱で欠場、その後欠場に入っていくわけです。
今回自分のために振り返りましたが、こうしてみるとかなり黒音まほには楽しませてもらったな、と改めて思います。あの完成度高すぎるキャラクター、技のクセも強く、自分のムーブも確立していきプロレスを楽しんでいるように見えました。
彼女がいつどのように病んで、卒業を決意したのかは本人しかわかりませんが、一ファンとしてはただ「ありがとう」と言って送り出したいと思います。ありがとう黒音まほ!さようなら黒音まほ!