本襲の仕立てに掛かります。
単衣本重、別名夏重ともいい、いかにも白の絽の着物と絽の黒留袖 を重ねて着ているように見える仕立てです。
見本か縫い方の本がなければ縫えないと申しますと、文献をコピーしたものが届いてしまったので、縫わざるを得ません(笑)。
依頼者さん宅にある民藝のお皿をモチーフに、友禅作家さんが絵付けされました。鹿の紋様は、この作家さんの証の柄とか。
最初、文献を読んだときは、私には無理だと思ったのですが、文献をいつもバッグに入れて、ランチが運ばれてくるまでの10分間とか、95歳の母がトイレから出てくるのを待つ10分とか、小分けに読み重ねていくうち、全体像がつかめてきたので、仕立屋お吟流の縫い方で進めることにしました。
無事仕上がって、ほっとしています。
袷の要領で縫っている部分と、
単衣が二枚にひらひらしている裾と、
涼しげな袖部分があります。
将来、どんな場面で着られるか、楽しみです。
重ね着る涼しさのあり和のころも 仕立屋お吟
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