私たちがよく利用するレストランや食品工場などから出る水には油がたくさんまざっているので、そのままでは下水道などに流せません。こうした水をどうやってきれいにするのかをサニックスに聞いてみました。
- 排水処理の仕事
- リサイクルに関わる仕事
- 環境にやさしい仕事
レストランや食品工場の排水は微生物の働きによってきれいにしているよ。
油を多く含んだ水をそのまま下水道に流してしまうと、固まった油が下水道を詰まらせてしまいます。また川や海を汚すことにもなります。汚れた水をどのようにきれいにしているのか、その流れを見てみましょう。
排水処理の流れ
排水を集める
トラックや船などでレストランや食品工場などの排水が工場に。
処理する排水は九州の工場に運ばれるよ。
大きな固形物を除去
排水を受け入れるときには最初に「スクリーン」(網)で大きなごみを除去。
大きな固形物はここで取り除くんじゃな。
油分を含む排水(油と水と汚泥に分離)
油はリサイクルして地球にやさしい燃料へ
排水から水と油を分離することで限りある化石資源の代わりとなる油を再生できます。再生した油は「再生油Bio(バイオ)」としてボイラーの燃料やバイオディーゼルの原料として活用されています。
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振動ふるい機で液体と固形物を分離
- 2
縦型遠心分離機で汚泥を取り除く
- 3
デカンタ型遠心分離機で、油、水、汚泥に分離
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分離された油は「再生油Bio」として活用
水は脱水工程に戻る
脱水工程
「スクリュープレス式脱水機」という機械で汚泥と水分を分離する。
スクリューの力で汚泥と水分に分けられるよ。
汚泥もリサイクル
水分と分離された汚泥は、肥料会社に運ばれて肥料になります。
排水をきれいにする工程を見てみよう!
気泡で細かな汚泥を除去
分離された水分に加圧水(空気を溶け込ませた水)を加えて気泡で細かな汚泥を除去。
気泡が細かな汚泥とくっつき水面に浮いてくるので、それを除去するよ。
生物処理工程で微生物を利用して水をきれいに!
処理液のなかの汚れ成分(有機物)は、微生物に食べさせてきれいにします。(活性汚泥法)。
微生物が有機物と酸素を食べるよ。
微生物が水と二酸化炭素に分解して吐き出すよ。
薬品処理をして放流
微生物で分解できなかった物質は薬品処理で取り除き下水や海へ。
きれいな水にして下水や海に流すよ。
水がきれいになった!
国内最大規模の廃液処理の様子を動画でチェック!
九州にあるサニックスの「ひびき工場」は、1日に1300m3もの廃液処理能力がある国内最大規模の廃液処理施設です。実際の処理の模様を動画で紹介しています。
水のリサイクルについての動画がここで見られるポン!
汚れた水をきれいにすることで地球環境を守っています
株式会社サニックス 環境資源開発事業本部 資源リサイクル事業部
ひびき工場 分析課 副主任 松岡寿美さん
レストランや食品工場から出てくる油の多い水は、そのままの状態では下水道へ流すことができません。サニックスひびき工場では汚れた水を微生物の働きによってきれいにする仕事をしています。
私たち分析課は、工場の工程ごとに水の汚れ具合を調べて、どれくらいきれいになっているのかチェックし、空気や薬品の量、温度を調整して微生物が働きやすい環境をつくっています。また、燃料として使用される「再生油Bio」の品質を管理しています。サニックスひびき工場では、汚れた水をきれいにすることと、汚れた油を再生油としてリサイクルすることで地球環境を守っています。
水の汚れ具合を調べています。