【口元の筋トレ】トラブルが出る前に、ちょっとした合間にできる3つの方法
加齢に伴い口まわりの悩みも増える50代。
この先〝オーラルフレイル(加齢による口腔機能の低下)〞に陥らないためにも
しっかり口腔ケアを実践しましょう
教えてくれたのは・・・
照山裕子先生
歯科医、歯学博士
大学病院や歯科クリニックで
診療するかたわら、口腔ケアの
必要性を説く。近著に『7秒う
がい』(きずな出版)など。
マッサージや筋トレで
唾液量を増やし
口まわりを鍛える
口を動かすことがオーラルフレイルの予防に
飲み込みづらい、滑舌が悪くなったなど感じるようになったら、オーラルフレイル予備軍かも。
口まわりの衰えが進むと肉類や葉物野菜などを噛み切るのが難しくなって栄養が偏り、全身の状態にも影響します。オーラルフレイルのある人はそうでない人に比べて介護リスクが高くなるのだとか。「オーラルフレイルを招かないためには、噛む力、舌の力、飲み込む力、唾液量の4つの力をキープすることが大切です」と照山先生。
話すときはもごもご話すのではなく、滑舌よく。軟らかいものばかり食べるのも問題ですが、神経を抜いて被せ物をしているような歯でナッツのような固い食品を食べると、歯根が破折する可能性もあるので注意。歯のコンディションに合わせて、食材を選びましょう。
唾液は食事などの時に出るサラサラした唾液と、睡眠中や緊張した時に出るネバネバした唾液がありますが、さらさらした唾液を出すことが大切。
食事の時にはしっかり咀嚼すること、ガムなどを噛んで唾液を分泌させるのもいいでしょう。口まわりがよく動くと自然と唾液で潤うので、唾液腺マッサージと同時に、口まわりを動かす意識が大切です。
飲み込む力は、のどの筋肉を動かし、口から食道へ食べ物を送る動きです。のどの筋肉とともに、唾液量も飲み込む力と連動しているので、口まわりを衰えさせないことがいずれにしても大切です。
その1 うるおいを助ける 唾液腺マッサージ
食べ物を飲み込みやすくしたり、口の中の清潔を保つのが、さらさらした良質な唾液。唾液が出る3か所の場所をマッサージで刺激しましょう。
“唾液”にはこんな力が!
●口内の傷を補修
●口内の汚れを流す、感染症予防
●若返りのホルモンが出る
舌下線(ぜっかせん)
あごの下(舌の付け根)にある舌下腺を、親指をそろえて当てて、持ち上げるようにして刺激します。
顎下腺(がっかせん)
あごの付け根両側の、骨がくぼんでいる部分を指でやさしく押して刺激します。
耳下腺(じかせん)
耳の付け根より下、前側の部分を、親指以外の4本の指で円を描くようにマッサージします。
その2 飲みこむ力を鍛える パカタ体操
口まわりと舌の筋肉を鍛えるのに有効なのが、舌を使わないと発音しづらい「パ」「カ」「タ」の3音の発声を繰り返す、「パカタ体操」。舌と唇を素早く動かすことを意識しながら、8回連続で発音します。1日2セットずつが目安。“滑舌”アップにも効果的です。
「パ」 唇の力を鍛える
唇を一度合わせてから、はじくようにして「パ」を発音。「パパパパ…」8回繰り返します。
「カ」 舌の奥の部分を上あごに付ける
舌の奥の部分を上あごに付けて、「カ」と発音。「カカカカ…」と8回繰り返します。
「タ」 舌先を前歯につける
舌先を上の前歯にしっかりつけて、「タ」と発音します。「タタタタ…」と繰り返します。
その3 咀嚼力をアップ 舌の筋トレ
食材が噛みにくくなってくると歯が衰えたかな? と思いがちですが、実は舌の力も大きく関わっています。弱っている舌は口の中で下に落ちていますが、上あごについているのが正しい状態です。舌の筋肉を鍛えて、噛む力、しゃべる力を回復させましょう。
1.下に出す
舌をぐっと出して、あごに付けるようなイメージで下に伸ばします。
2.左右に動かす
舌を前に突き出してから、左右に目いっぱい伸ばして往復します。
3.出し入れする
舌の先に力をこめて、前に突き出してから引っ込める。数回繰り返します。
4.上に伸ばす
舌をぐっと出して、鼻をなめるようなつもりで上に伸ばします。
文/田中絵真 イラスト/miya
大人のおしゃれ手帖2022年7月号より抜粋
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