関東日帰り24秋-東急都内編(1) 東急田園都市線・大井町線 二子玉川駅 ~多摩川上にある複雑な歴史をもつ駅~
今回は関東圏の大手で最後まで残った東急の未乗車路線の乗り潰し。
ターゲットは大井町線、池上線、東急多摩川線、目黒線という都内にある4路線です。
まずは渋谷駅から田園都市線に乗車して、大井町線が接続する二子玉川駅に向かいます。
ワンデーパスを購入して入場。
1番線から7:12発の中央林間行き。先頭10号車の"5020"に乗車します。
ちなみに田園都市線の渋谷駅については・・・→→1年前の渋谷駅
列車は"玉電"を列車化・地下化したような形となった元・新玉川線区間を各駅に停車しながら進み・・・
初めて地上に出てきたところで二子玉川駅に到着です。
1番線の到着。ホームギリギリの停車・・・。ここで下車しましょー。
二子玉川駅は東京都世田谷区玉川にある東急電鉄の駅。略称は「にこたま」。
東急グループの遊園地だったかつての「二子玉川園」の最寄り駅です。
乗り入れ路線は田園都市線と大井町線の2路線。うち、大井町線は当駅が終点となりますが、田園都市線の複々線化によって、大井町線が溝の口駅まで乗り入れる形で延伸しています。
当駅の歴史は古く、廃止/復活/合併/移転/延伸、路線や駅の名称変更などもあってとても複雑です。
※以降の記事では便宜上、3方面を以下のように色分け。太字の駅は、現在の二子玉川駅のこと。
赤:田園都市線(渋谷方面)、青:田園都市線(溝の口方面)、緑:大井町線(大井町方面)
1907(明治40)年4月:玉川電気鉄道の玉川停留場として開業
1924(大正13)年3月:玉川電気鉄道砧線が開業
1927(昭和2)年7月:玉川電気鉄道溝ノ口線の玉川駅~溝ノ口駅(現在の溝の口)間が開業
1929(昭和4)年11月:目黒蒲田電鉄二子玉川線の自由が丘駅~二子玉川駅間が開業
この間、会社合併(現在の東急)、駅名改称
1943(昭和18)年7月:二子読売園駅~溝ノ口駅間の軌道の改軌、大井町方面と直通運転開始
この間、駅名改称
1963(昭和38)年10月:大井町線の名称を田園都市線に変更 ※現在の溝の口~二子玉川~大井町
1969(昭和44)年5月:玉川線と砧線が廃止 ※渋谷~二子玉川に鉄道が一旦無くなる・・・
1977(昭和52)年4月:新玉川線が開業 ※列車化・地下化で復活!
1979(昭和54)年8月:田園都市線と新玉川線の直通運転開始。二子玉川園~大井町が大井町線として分離独立。
2000(平成12)年8月:田園都市線と新玉川線の路線名を田園都市線に統一
2009(平成21)年7月:大井町線が溝の口駅まで延伸 ※復活延伸!
では駅の様子。駅構造は高架上2階にある島式ホーム2面4線で南東側から1~4番。大井町線の複線を田園都市線の上下線が挟む形の方向別複々線上にあります。
1,2番ホームの溝の口方からの様子。線路は大井町線の内側2線で右(南東)から2~3番。2番には大井町線の溝の口行きが停車中。左奥の4番は田園都市線上り線で、半蔵門線の押上行きが出発です。
こちらは3,4番ホームの渋谷・大井町方からの様子。線路は左から大井町線の2~3番。
奥が溝の口方面の複々線区間で、隣の二子新地駅が正面に見えています。あちらは神奈川県です。
後ほど乗車することになった2番線の大井町線溝の口行き。東急9000系の5両編成です。
大井町線は田園都市線と比べると編成が短く、当駅では大井町寄りに停車します。
1,2番ホームの溝の口寄りの様子。溝の口寄りはホーム幅が狭く、2番線側には柵が張られて単式ホームのようになっています。大井町線は短編成なので問題はないようです。なぜ幅が狭いのかというと・・・
1,2番ホームから東側を見た様子。溝の口寄りは多摩川や野川の上にあるんですね~。迫り出しているという表現のほうが正しいか。これが狭い理由かもしれません。左の高層ビル群は「二子玉川ライズタワー&レジデンス」というそうですが、あの辺りが「二子玉川園」の跡地になるそうです。
そして1,2番ホーム端から見た溝の口方面。一部切り出してズームしてみました。
駅の溝の口方は多摩川を渡る二子橋梁になっています。
線路は左(東)から1~4番と並び、そのまま方向別複々線となっています。列車は1番を出発した田園都市線の中央林間行きで、二子橋梁を渡っているところ。
片渡り線は「下り2番から1番」と「上り4番から3番」の2つあります。また、対岸にある神奈川県側の二子新地駅もよく見えますが、駅構造は外側線のみホームに面した相対式2面2線となっています。これらは大井町線が二子玉川~溝の口間の駅を通過するか停車するかの列車運用に関わってきます。
一方の渋谷・大井町方面の様子。
こちらは大井町線の複線が田園都市線下り線を跨いで東に別れていく配線になっています。
線路は内側の大井町線の線路で右から2番と3番。溝の口方とは異なり非対称配線になっており、上り3番から田園都市線の上り線(4番)への渡り線が存在します。ここからは見えませんが、4番から大井町線上り線(3番)への渡り線も存在しており、立体的にXクロスしています。現在は両渡り線には定期列車は走っていないそうです。
では一旦出場します。ホームの階段は渋谷寄りと溝の口寄りの2か所ありますが、溝の口寄りのほうはホーム間連絡専用となっており、改札口へは渋谷寄りの階段を下ります。
改札口は北向きのこの一か所。手前は東西自由通路になっています。
こちらは東口。東口は「二子玉川園」の跡地を再開発した「二子玉川ライズ」という複合施設が隣接しています。
こちらは西口側にある「二子玉川ライズ ドッグウッドプラザ」。ここは玉電の駅があった跡地になるそうです。
西口はこの建物の右奥のほうにあります。
上画像の右奥の様子。左手に西口。駅舎を挟んで右側に高架ホームが延びています。
手前の道は国道246号の旧道で、右に進むと「二子橋」で線路と並走して多摩川を渡っていきます。「二子橋」はかつては鉄道道路併用橋だったそうです。玉川電気鉄道溝ノ口線のことだと思います。
それでは次に向かいます。次は線路から離れてちょっと寄り道散歩しましょう。歴史の項で出てきた「砧線」の廃線跡を探索してみようと思います。つづく
行程:渋谷(071071押上発中央林間行)二子玉川(徒歩)砧本村