北陸駅巡り23夏-富山黒部編(34) 富山地方鉄道本線 西魚津駅 ~スプリングポイントと散水の目的~
浜加積駅から下り列車に乗車して少し戻ります。
まずあいの風とやま鉄道線を左に見て並走。並走中に早月加積駅、越中中村駅と停車していきます。その間にあちらには東滑川駅がありますが、こちらとの接続はありません。早月川を渡って魚津市に入ると、あいの風の線路をくぐって海側に出ます。
海側に出てひと駅目。列車は西魚津駅に到着です。ここで下車しましょう。
西魚津駅は富山県魚津市住吉にある富山地方鉄道本線の無人駅。木造駅舎巡り最後の駅です。
東側はそんな感じで築堤上に線路があるため、駅前集落は西側にあるといった感じで、その集落の向こうに日本海があります。
駅構造は相対式ホーム2面2線で西から1~2番。各ホーム間は宇奈月温泉方にある構内踏切で連絡しており、西側にある駅舎とも直結しています。
1番ホームの電鉄富山方から。線路は左(西)から下り1番、上り2番。ホームには延伸されたような跡が見られます。そして、2番ホームの奥にみえる盛土上があいの風とやま鉄道の線路です。
振り返って電鉄富山方面。田畑の中を線路は左カーブ。この先で築堤上のあいの風をくぐっていきます。手前のポイントでは自動散水が行われていました。
こちらは2番ホーム中ほどからみた宇奈月温泉方面。こちらに駅舎や構内踏切があります。
2番側から見た構内踏切。正面が駅舎。
駅舎側から見た様子。石積みのホームに階段。階段部分には開放型の待合室を兼ねたような上屋があります。地鉄の2面2線の駅ではよく見かける造りだと思います。
1番ホームへの階段。こちらも同じように階段があってベンチが置かれています。
駅舎内の様子。現在は無人駅とのことです。
駅舎外観。駅は1936(昭和11)年6月に富山電気鉄道によって開業。おそらくその当時からの建物だと思います。
風よけあり。「驛津魚西」という右書き表示が歴史を感じさせます。
宇奈月温泉方の踏切から見た様子。こちらでも散水が行われていました。
よく見ると細い水管が伸びていて、そこから何か所か栓のようなものが飛び出ています。
散水の目的は、一般的にはレールのすり減りと騒音の防止のためらしいです。カーブした部分に散水していることが多いようです。
富山地鉄の場合は、Wikipediaに以下のような記述を見つけました。
「分岐器については、富山駅停留場と城川原駅をのぞき、転轍操作が不要なスプリング式が使用されている。いずれも氷雪による動作不良を防止するため、散水や加熱による融雪装置が設置されている」
とありました。これは富山港線の話で、なおかつ冬のことだと思うのでこことは全く違う話ですね・・・。
ですが、この文章のなかの用語に関連して、今更ながら初めて知ったことがあります。
上画像にある電鉄富山方のポイントをアップしてみると・・・左端にあるのが手動転轍機だと思いますが、これには「S」のマークが見られます。これ、「スプリングポイント」という意味だそうです。知らなんだ・・・
スプリングポイント自体の存在は知っていましたが、どういうものかというと・・・
「進路が原則的に定位に固定され、列車は定位方向だけに通行可能である。ただし、反位側からの列車は車輪によってトングレールを押し広げて(割出しとも言う)通過でき、通過後は内蔵されたスプリングと油緩衝器によって自動的に定位へ戻る。このためポイント操作が不要である。」
・・・という一種の簡易的なポイントのようです。ということは、通常のポイントと違って、反位側からの列車が走行する度に摩耗がおき騒音も発生するのでは?? その防止のために散水が行われていると勝手に結論付けました(微
・・・ということなどこの時は全く考えもせず、2番線にやってきた電鉄富山行きに乗車します。
乗車車両は2連先頭のモハ10040。時刻は17:13。地鉄本線の木造駅舎巡りはこれで終わりにしますが、もう一つ気になる駅があるのでその駅でラストにしようと思います。