【U35起業家養成プログラム】全力で働くが全てじゃない!? これからのやさしい起業・副業/復業・ワークシェア を学ぶ90分 | KOIN(Kyoto Open Innovation Network)

READING

【U35起業家養成プログラム】全力で働くが全てじゃない!? これからのやさしい起業・副業/復業・ワークシェア を学ぶ90分

WRITER : 西尾 創平

テレワークやワーケーションなど、少しずつ働き方も多様になってきた現代。私たちは理想の働き方を、どのように実現していけば良いのでしょうか?
登壇ゲストの古市さんはプロジェクト毎に新しい働き方を作られている働き方の発明家。
そんな古市さんにKOINにお越しいただき、「誰もが自分らしく働ける『やさしい起業・副業/復業・ワークシェア」をテーマにお話しをいただきました。

仕事に自分を合わせるのではなく、自分の個性に合った「働き方」を

―古市さんが起業したきっかけを教えてください。

古市氏:
7年間NPOで若者のキャリア支援をしていました。来る若者はバリバリのキャリアを歩む方ではなく、メンタルが不安定だったり失業経験がある方が多かったんです。
仕事に自分を合わせていくうちにどんどん疲れていき、結果として仕事を辞めてしまう。そんな現状を見たときに仕事に自分を合わせるのではなく、それぞれの個性に合った仕事をつくっていかないといけないと思ったことがきっかけで独立しました。

 

新しい働き方が生まれるきっかけ

ーワンオペでできる仕事をあえて複数人で分担し、未経験者や仕事復帰の「働く」のハードルを下げることを実現した「しごとの間借りプロジェクト」。まさにこれからのやさしい働き方だと思いました。そのはじまりから教えてください。

古市氏:
席数が9 席のカレー屋をしていた時に、飲食店の勤務が未経験の20歳の女の子が働きたいと来てくれたんですね。
でも9席の店舗だと、ワンオペで回さないと利益が出ない。未経験でワンオペ、これは厳しいと思い泣く泣く断ったんです。
せっかくやる気はあるのに未経験というだけで断らないといけない。なんとかその気持ちに応えたいと試行錯誤していると、最低賃金が課題を生んでいるのではないかと考えるようになりました。

 

時給が高いから生まれた課題

古市氏:
昔に比べると、今の最低賃金は高卒の初任給に近づいているんですね。つまりアルバイトの業務内容のハードルが上がっていて、経営者側の「報酬に見合う働きをしてほしい」という意識も賃金と共に高まっています。
結果として、これまで気軽に働けたアルバイトという働き方のハードルがあがってしまい、未経験の方が「仕事に対する自信を持てる場」がなくなってしまうという課題が生まれていたんです。
じゃあ仕事のハードルを下げるためにどうしたら良いのかと考えて考案したのが、「雇用」ではなく「業務委託」で仕事を任せ、1人分の仕事を複数人でシェアできるようにした『しごとの間借りプロジェクト』です。
ワンオペだと大変だけど、3人だと協力して進められて未経験でも仕事ができる。
「今はまだ無理せず働きたい」、「収入よりも働いているという実感を求めている」といった方々に、社会とのつながりをもっていただける場にもなりました。

―働きたい気持ちに応えるやさしい仕事の発明ですね。誰でも働ける、もっというと小さく分割すると起業のハードルも下がるように感じます。

 

全力で働かない「働き方」

―古市さんが次に挑戦されていることを教えてください。

古市氏:
シフトフリーの職場です。例えば、育児をしている方やパニック障害をもっている方などは、今日は元気で働けているけど、明日職場に行けないということがあるんです。働く日が決まっていることが、働きにくさを生んでいる。
そこで、24時間シフトフリーで、自分が働きたいときに働ける「職場」を作ろうと思っています。

 

―まさに人にやさしい 「これからの働き方」ですね。介護や病気などで全力で働けない時があるかもしれないと思うと、その時々の自分と周りの状況に合わせた職場があるのは嬉しいですね。

古市氏:
そうですね。キャリア支援をしている時に、自分の個性と仕事が合わずに仕事を辞めていく人を多く見てきました。個性は「特性」と「価値観」で出来ていて、特性は生まれ持った先天的なもの、価値観はどんな経験をしたかなどに影響される後天的なものになります。この2つが合わさることで個性ができます。
まず自分の個性を知り、自分に合う「役割」を見つけることが大切だと思います。

個性が活きる仕事へ

―最後に自分らしく働けるようになることの突破口を教えて下さい。

古市氏:
まず自分の個性をしっかり理解し、自分の得意でないところを理解して協力し合える人を探し、プラスに転じさせることが「自分らしく働く」ことの突破口だと思います。
日々の中で感じた違和感を大切に、働きを変えていくアクションですね。
社会のルールや働き方のルールは思っているより変えることができる。人に合わせた「ルール」と「働き方」をこれからも提案していきたいと思います。

 

===================================

一般社団法人NIMO ALCAMO
代表理事  古市邦人 氏

公認心理師・キャリアコンサルタント
若者の就労支援に関わるプロジェクトディレクターを歴任
一般社団法人NIMO ALCAMOを創業し、多様な働き方を生み出し実施中
既存の就活の枠組みにとらわれない様々な就活方法、働き方を探求・提案している

noteアカウント:https://note.com/nimoalcamo/
Twitterアカウント:https://onl.tw/hg5ynuP

===================================

メンバーページ