エリトラの色

また久しく放置してましたごめんなさい。
秋田は厳冬期真っ只中。もちろん虫採り不能な状況で、雪山登山しかできません。
ということで、昨年の良かった頃を振り返ってみます。

秋田、山形県境には鳥海山という素晴らしい山があります。
完全な独立峰で冬は日本海からの雲が当たり、凄まじい量の降雪
(局所的な降雪量では世界一という話も？)があります。
標高は北東北一高く、2236m。

この膨大な降雪量のため、この山には夏遅くでも大きな雪渓が残り、
氷河時代の生き残りの生物に出会うことができます。
今回は、その中でも特に綺麗なアラコガネコメツキを探しに行ってみました。


2013年8月16日(以下同じ日付)　鳥海山。山頂はガスに覆われています。

登山口から山頂までは標高差1000mちょっと。登山だけなら日帰りで丁度良いのですが、虫を探しながらとなると、結構急ぎ足になります。
(なお、鳥海山は場所によっては登山口から国定公園特別保護地区で採集できないので注意)


ミズバショウもまだ咲いてます。尾瀬だと5月なんだけどなあ。


雪渓も崩壊が進んできています。登山道は雪渓上を通る場合が多いですが、うっかりスノーブリッジ踏み抜くと大怪我します。道標も少ないので要注意。雪渓上でガスると現在地がわからなくなります。


こんな感じの所がアラコガネの生息地。


アラコガネコメツキ。さすがの大型美麗種です。石の下に張り付いている場合が多いですが、時々地面や石の上も歩き回っています。飛ばないという話もあるのですが、いじくりまわしたところちゃんと飛びました。でも、飛翔能力はあまり高くないようです。


多分アラコガネコメツキ幼虫。成虫よりずっとたくさんいます。成虫になるのに長い時間かかるのでしょう。石の下で蛾の幼虫を食べているのを見かけました。


チョウカイヒメクロオサムシ。アラコガネと同じような所にいます。


チョウカイヒメクロオサ幼虫？よくわかりません。


ゴミsp.　結構たくさんいました。


ダイセツマルトゲムシ。意外と大きいです。


ダイセツマルトゲムシ。無理やり歩かせてみました。


アラコガネコメツキ。いるところにはまとまっています。


アラコガネコメツキ。個体変異結構あります。


アラコガネコメツキ。こんな色のも。


アラコガネコメツキ。多分雌雄ペアと思われます。石の下で交尾するのでしょうか？


ミチノクヒメハナカミキリ。まだ標高の高い所には残っています。


トウホクヒメハナカミキリ。ミチノクよりずっと多いです。


虫探しで道草をしながら外輪山にたどり着きました。ここから一度下って山頂へ向かいます。まっすぐ立っていられないほどの強風。視界不良。


鳥海山山頂。ガスの中です。晴れると素晴らしいのですが、天気悪い日多いのが鳥海山の特徴。

鳥海山は春夏秋冬いつ登ってもいい山です。(冬～春はとても厳しいですけど)
こんな場所が日帰り圏内にあるのは幸せです。

また放置してましたすみません。

秋田でちょこちょこ虫は探していますが、採集してばかりでまともな生態写真は全く撮れておりません。
生体写真ばかりになりますがそのうち上げようと思います。

ところで、また西表島に行きました。行き過ぎ、の声多し。
時期がら灼熱地獄でしたが、面白い虫が採れたりしましたので時々上げていきます。
とりあえず、今回予期せぬ成果(カミキリではないのですが)が上がったので取り急ぎ。


ヤエヤマコクワガタ雄　2013年7月1日撮影　西表島産

クワガタ屋ではない私には全くもって分不相応ですが、採れてしまいました。
偶然の出会いでした。

秋田もやっと成虫採集シーズンになりました。
しかし、まだ車が来ないので、電車と徒歩で探索しています。

先週は、カミキリを後回しに湿原の宝石、ネクイハムシを探しに行きました。
最普通種のスゲハムシしか見つかりませんでしたが、色とりどりのネクイがネットに入り十分楽しめました。



スゲハムシ　2013年5月18日　秋田県

赤色：銅色：青色の比率は大体1:5:3でした。
長靴がなかったので撮りやすい位置まで中々近づけませんでした。


オオミズスマシ　2013年5月18日　秋田県

水辺環境の壊滅している地元神奈川から来ると、とってもありがたく感じますが、
こちらでは都市公園のへりに当たり前のようにいます。
越冬明け直後らしく、泥を被った個体が落ち葉の上に這い出してきていました。


ムネアカフトジョウカイ　2013年5月18日　秋田県

東北の低地・湿地に多いジョウカイらしいです。最初は同じような場所によくいるヒゲナガハナノミかと思いました。


休耕田　2013年5月18日　秋田県

思わず寝っころがりたくなるようなお花畑です。電車で秋田市街から少し離れるとすぐこんな景色が広がっています。

久々に更新します。
４月から北国へ転勤となり、現在秋田におります。
短い間になるかもしれませんが、秋田のカミキリ相解明に尽力しようと思います。
秋田ではやっと低地のカエデが咲き始め、本格的な成虫採集シーズンがすぐそこまで来ました。

秋田のカミキリネタはまだないので、
それまでは撮りためた写真でつなぎます。
(といっても転勤のバタバタでろくに活動していない)

まずは賞味期限切れないうちにノコギリヒメコバネ雌の写真を貼ります。
２月の西表行で無残にも消失した立枯の残骸をかき集めたら何とか出ました。
これで無事ホスト確定です。
材から出てくれないと見つけた木がホストか確定できないので、ほっとしました。

今年は採れているのでしょうか？
再発見(2011年)以来、偶然２年連続で都合のいい立枯れがありましたが、今年の立枯事情如何。
西表では次の幻カミキリの探索に取りかかりたいものです。



ノコギリヒメコバネカミキリ雌　2013年3月　室内撮影(西表島産)

２日目夜、午前２時半。寝ていると顔が痒い！あまりの痒さに目が覚めてしまい、部屋のライトをつけると、無数のカが！！どうやら網戸に隙間があったらしい。30分の格闘の末、すべて処理し睡眠。疲れた・・・初日もヌカカに左耳をボコボコにされ、耳がダンボ状態になったり、ついてない・・・

３日目。起きてみると、予報は雨なのにやはり晴れている！今日は、昨日別所で採集していたTさんがクラルアをネットインしたというので、シイ花掬いに集中することに。
夜中のうちに雨が降ったらしく、葉や花はびしょびしょ。それでも一生懸命１１m竿で掬っていると、濡れた竿にゴミがくっついたらしく、それをかんで竿が縮まなくなってしまった！一生懸命叩きつけたりしてたら、今度はカーボン繊維が引っかかって伸びなくなった！なんと使用4時間にして新品11m竿を破壊してしまいました。やっちまった・・・意気消沈して、愛用の7m竿に切り替え。晴れてきて葉が乾いてきて、虫も集まってきました。ジョウカイの仲間が多く、中には羽の真っ赤なベニジョウカイも混じりました。7m竿だと届く場所が少ないですが、それでも気合で掬っていると、やっとクラルア♀が１頭網に入りました。

チュウジョウクビアカモモブトホソカミキリ雄　2013年2月10日　西表島
前日Tさんが採集した個体を撮影させて頂きました。

その後追加なく、午後２時には疲れはてて採集終了。異様に体が疲れている、喉も痛い、と思ったら、大原港で猛烈な寒気が・・・石垣港から石垣島徳洲会病院の急患へ直行。解熱剤飲んでるのに37.8℃。薬をもらって宿に直行、このまま翌日夜の飛行機に乗るまで寝たきり生活・・・最終日は何もできませんでした。あまりに酷く２日間も仕事を休むことに・・・同行の方々と職場の上司、同僚にはご迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます。

という感じで、ノコギリ立枯ないし、11m竿壊すわ、耳がボコボコになるわ、挙句風邪(気管支炎)引くわで、散々でしたが、その一方で懸案だった古見山頂の探索、クラルアを見つけるなど、それなりに良い(？)遠征となりました。今後は無理しないようにしないと・・・


晴天の古見岳　きっと新種がどこかにいるはず！