never too late 「ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編6」  衣笠彰梧 イラスト/トモセシュンサク
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2024.04.13     カテゴリ:  衣笠彰梧 

   「ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編6」  衣笠彰梧 イラスト/トモセシュンサク

「ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編6」  衣笠彰梧 イラスト/トモセシュンサク

 満場一致特別試験の代償は大きく、綾小路たちのクラスには大きな亀裂が入ってしまった。櫛田、長谷部、王の3人が学校を連続して欠席。体育祭の詳細が発表されるが、堀北への反発からミーティングは紛糾し、綾小路クラスは練習すら始められない。

 大きなポイントを得てクラス昇格を果たしたはずが、このままではマイナスの結果になりかねない。3人の生徒のクラス復帰に向けて堀北や平田が動き出す。

 一方個人の実力が大きく影響を及ぼす今回の体育祭。男女のペアだけで参加できる競技もあることから、小野寺は最良の結果を求め、須藤とパートナーを組みたいと申し出る。

 本巻は、今まで端役でしかなかった登場人物がこれから先、大きな役割を担うことになるかもしれないという期待を持たせる展開の端緒になるのではないだろうか。巻頭「三宅明人の独白」巻末「秋の訪れ」で言及される長谷部波瑠加の復讐と三宅の共感。

 そして、松下の動向。

 体育祭の後の須藤と小野寺の会話、

「今度部活の帰りにさ、ご飯食べに行こうよ」
「え? ああ、別にいいけどよ。それより鈴音探すの手伝ってくれよ。どこだ鈴音ッ」
「あはは。絶対ヤダ」(p.294)

 須藤は拾わせてもらった10連勝に感謝しつつ、この体育祭と小野寺にも同じくらいの大きな感謝を抱いた。(p.295)

 須藤にとって小野寺の存在が、堀北以上に大きくなるかもしれない気配。

 体育祭を欠席した綾小路の部屋を訪ねた坂柳との会話が記される「客人」の章。

 体育祭に際して綾小路が立てたテーマが『静観』。

「この体育祭、1つのテーマを基に過ごしていた」
「興味深いお話ですね。どのようなテーマですか?」
「『静観』だ。体育祭に直接介入せず、オレ以外の生徒だけでどれだけ戦えるのかを見極める良い機会だと判断した」(p.307)

 そして、p.317の
 1人で帰路につこうとしていると、堀北に声をかけられる。
からの展開。

オレは、おまえのクラスを離れる。(p.320)

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