「出会い系だろうが非出会い系だろうが、インターネットという媒体につなげば同じ結果になる。」というのは、関係者では常識です。
ガードの弱い児童と、それを狙う不特定又は多数の者が接するtころで、この種の犯罪が発生します。
「無料ゲームで遊ぼう」。女児が携帯電話で遊んでいたゲームサイトは、こんな言葉で始まる。ペット育成ゲーム、携帯ガーデニング、探検ゲーム……。かわいいキャラクターとともに様々なゲームが紹介される。画面にメールアドレスや生年月日などを入力するだけで会員登録され、自動的に自分のページができる。そこに性別や年齢、血液型のほか、住んでいる都道府県や自己紹介、写真も掲載できる。
ゲームサイトは利用規約で「異性との出会いの希望や誘導」を禁じている。しかし、強姦(ごうかん)容疑で逮捕された容疑者(27)は、このサイトを通じて女児と知り合い、メールアドレスを聞き出した。「休みの日、何やっとんの」。やりとりを重ねるうち、実際に女児を呼び出すようになり、7月上旬、県内のホテルで性的暴行をしたとされる。
県警少年課によると、県内で今年1〜8月、18歳未満で、出会い系サイトがもとで性犯罪の被害に遭ったのは4人。これに対し、非出会い系では23人に上る。危険性がたびたび指摘される出会い系と違い、非出会い系は子どもが警戒心を持ちにくい。
県教委とともに学校で携帯電話の安全な使い方について話している、NTTドコモ徳島支店の佐藤幸子さんは「ネットは性別や年齢を偽ることも簡単。やりとりするうちに距離感を縮めて信頼させ、個人情報を聞き出す手口が多いのではないか」とみる。携帯電話は、あらかじめリストアップされた有害サイトには接続できなくするフィルタリング機能があるが、ゲームサイトは、ゲーム自体に問題がなければ対象にはならない。
群馬大学社会情報学部・黒須俊夫教授(メディア論)は「出会い系だろうが非出会い系だろうが、インターネットという媒体につなげば同じ結果になる。学校だけに任せず、親もネットについて学び、子どもと一緒に携帯電話の使い方を考えてほしい」と話す。