性犯罪 カテゴリーの記事一覧 - 児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

性犯罪

「当審における事実取調べの結果によれば,原判決後,被告人は,示談条項に従い,前記残額の200万円を支払い,これによって示談金全額が支払われるに至ったことが認められる。」などとして、懲役1年6月(実刑)とした原判決を判決を破棄して(2項破棄)、保護観察つき執行猶予を付した事案(東京高裁R02.3.12 原判決甲府地裁R01.9.26)

師弟関係の強制わいせつ1件で、「示談金を400万円と定め,そのうち200万円を既に支払い,残額については50万円ずつ分割払いする旨約して,示談が成立していること,被告人が事実を認めて反省の態度を示していること,被告人の妻が今後の監督を約束し…

わいせつ概念について(大阪高裁r020901)

事案は、性器に接触する行為でした。 定義は言えないが、こういうのはわいせつ行為に決まっておるということでした。 なお,所論は,最高裁平成29年11月29日大法廷判決(刑集71巻9号467頁)において,従来の判例を変更し,行為者の性的意図は強制わいせつ罪…

司法面接による児童の供述の信用性が否定された事例(高松地裁h31.4.17監護者わいせつ)

司法面接による児童の供述の信用性が否定された事例(高松地裁h31.4.17監護者わいせつ) この記事で判決を特定して、刑事確定訴訟記録法で閲覧しました。 まず司法面接1回やって、被疑者供述とすりあわせるためにもう1回司法面接した事案でした。 男性無罪 …

シャワーを浴びるように仕向けて撮影する行為は、ひそかに製造罪ではなく姿態をとらせて製造罪である(札幌地裁r02.5.22)

予めカメラを仕掛けておいて、児童にシャワーを浴びるように仕向けて撮影する行為は、ひそかに製造罪ではなく姿態をとらせて製造罪である(札幌地裁r02.5.22) 盗撮なんだけど、ひそかに製造罪ではない。 第七条(児童ポルノ所持、提供等) 3前項に掲げる行…

千葉県のエアドロップ痴漢

不特定又は多数の者にわいせつ画像を送信すると、わいせつ電磁的記録頒布罪(刑法175条)が成立して、迷惑条例違反罪は成立しないと思います。1審では主張できませんが。 女子大生にエアドロップ痴漢、千葉県初の逮捕者 https://news.yahoo.co.jp/articles/d…

Aの母親と交際を始めたが,その頃,Aに対し,被告人が多重人格者である旨誤信させ,別人格を装って被告人に性的な行為をさせるなどしていた。令和元年6月頃からAとその母親との関係が悪化し,Aの母親は,SNS上で男性と接触してトラブルになるなどしたAに怒り,同年10月初旬,男性の怖さを身体で覚えさせてこらしめようなどと考え,被告人との間で,被告人が無理やりAの裸の写真を撮るなどの計画を話合い,同月7日,被告人にこの計画を実行するよう持ちかけた。」という準強制わいせつ事件(佐賀地裁R2.5.12)

Aの母親と交際を始めたが,その頃,Aに対し,被告人が多重人格者である旨誤信させ,別人格を装って被告人に性的な行為をさせるなどしていた。令和元年6月頃からAとその母親との関係が悪化し,Aの母親は,SNS上で男性と接触してトラブルになるなどし…

暴力的性犯罪に引き続いて、裸体画像を撮影送信する行為は、強制わいせつ罪ではなく強要罪(神戸地裁h21.12.10、大阪高裁h22.6.18、名古屋地裁岡崎支部h30.4.19)

画像を撮影送信する行為が、わいせつ行為だとすると、判示第3の強姦の後に画像送信を求めた行為(判示第4~6)は、反抗抑圧する程度の脅迫が効いているので、強制わいせつ罪になるはずですが、強要罪になっているというのは、画像を撮影送信する行為が、わい…

エアドロップ痴漢の公訴事実記載例

わいせつ画像を不特定又は多数の者に送信して頒布してるのだから、刑法175条1項でしょうね。 被告人は、令和2年7月2日 1413~1450ころ、兵庫県○○駅間走行中の列車内において A(21)に対して 携帯電話機を利用して男性器を露骨に撮影したわいせつ画像データ1…

木村光江「強制わいせつ罪における『性的意図』」判例時報 736号18頁

わいせつの定義は非常に流動的なんだそうで、木村説の定義はありません。拙稿1頁って17年前の論稿 強姦罪の理解の変化--性的自由に対する罪とすることの問題性 雑誌記事 木村 光江 掲載誌 法曹時報 55(9) 2003.9 p.2343~2360 木村光江・判評 736号18頁 6 …

強制わいせつ罪と姿態をとらせて製造罪を観念的競合とした判例・裁判例 最新版

脱がして、撮影するだけのは観念的競合になってます。 触ったり、ダビングしたりすると、併合罪。 名古屋地裁一宮H17.10.13 東京 地裁H18.3.24 東京 地裁H19.2.1 東京 地裁H19.6.21 横浜 地裁H19.8.3 長野 地裁H19.10.30 札幌 地裁H19.11.7 東京 地裁H19.12.…

「わいせつな行為」とは、「徒に性欲を興奮または刺激せしめ、かつ、普通人の正常な性的蓋恥心を害し、善良な性的道徳観念に反する行為」~司法研修所検察教官室著「捜査実例中心刑法各論解説」

この定義には「性欲興奮」が入ってるので、使わないですよ。 女児については、検察教官室は性的羞恥心説でしょうかね。0歳児は羞恥心害されないから無罪でいいですね。 強制わいせつ罪(刑法176条)の「わいせつな行為」 1 「わいせつな行為」について 「わいせ…

12歳との児童買春罪・強制性交の猶予判決(名古屋地裁R011205)

755万円で示談して酌量減軽。 援助交際型というのは強制性交罪の科刑状況としては一番軽い部類になります。 対償供与約束が児童買春罪の実行行為とすると、部分的にしか重なり合って居ませんが、観念的競合とされます 名古屋地裁令和元年12月 5日 事件名 強…

姿態をとらせて製造罪をひそかに製造罪として有罪にしている可能性がある事件~障害者施設通う女子高生 シャワーシーン盗撮し胸触る…「ネズミ確認のため」と一部争う"元代表"有罪判決(札幌地裁R02.5.22)

弁護人・被告人から連絡が欲しいところですが、「女子高校生にシャワーを浴びるように指示。女子高校生は、被告が事前にカメラを設置した仮設シャワー室で裸になりシャワーを浴びました。」という場合は、姿態をとらせて製造罪であって、ひそかに製造罪は成…

撮影型強制わいせつ罪と姿態をとらせて製造罪が併合罪となっている事例(富山地裁R011203)

「同児童(当時10歳)が13歳未満であることを知りながら,手でその下衣及び下着を脱がせた上,両足を大きく広げさせて陰部を露出する姿態をとらせ,同陰部付近を自己の携帯電話機付属のカメラで接写し」と「前記第2のとおり同児童に性器等を露出させる…

「撮影行為は②の類型」「あまりに特殊な性的嗜好であり,社会通念上は性的性質が認められない行為については, やはり、行為者の性的意図だけを理由に性的意味を肯定することはできない」薄井真由子

「撮影行為は②の類型」「あまりに特殊な性的嗜好であり,社会通念上は性的性質が認められない行為については, やはり、行為者の性的意図だけを理由に性的意味を肯定することはできない」薄井真由子「強制わいせつ罪における「性的意図」(最大判平29・11 ・29…

準強姦の逆転有罪判決(福岡高裁R02.2.5)

準強姦被告事件 福岡高等裁判所 令和2年2月5日第1刑事部判決 判 決 原判決 福岡地方裁判所久留米支部 平成31年3月12日宣告 控訴申立人 検察官 主 文 原判決を破棄する。 被告人を懲役4年に処する。 原審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理…

強姦場面の盗撮行為は強制わいせつ罪~久保田英二郎「強姦及び強制わいせつの犯行の様子を隠し撮りしたデジタルビデオカセットが供用物件に当たるとされた事例ー最一小決平成30年6月26日刑集72巻2号209頁」阪大法学 第69巻6号

これだと、更衣室盗撮・トイレ盗撮も準強制わいせつ罪でいけそうですね。ひそかに製造罪も不要になります。 カメラを手に持って触って撮るとか、脱がせて撮るという撮影行為はわいせつ行為でしょうが、ちょっと離れて撮るのは、わいせつ行為とはされてないよ…

強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪の罪数処理(高裁判例)

奥村が協力・関与した事件では観念的競合説が出ます。 「観念的競合・併合罪説」というのは、複製があるもののみ併合罪とするとか、強制わいせつ致傷とは併合罪とするとかで、同じ事件の中で両説出ているものです。 最高裁に決めてもらいたいところです。 仙…

女児を触って撮った行為のうち、触る行為を強制わいせつ罪で起訴して、撮影行為を児童ポルノ製造罪で起訴した場合には、両罪は併合罪になるという高裁判例

結局、女児の撮影行為はわいせつ行為とは別個の行為だというのだから、わいせつ行為ではないことになります。乳房もむ行為と陰部弄ぶ行為とを別個の行為とするようなもので、どうしても科刑上一罪にしたくないようです。 でも、脱がして撮るだけの強制わいせ…

秋田県迷惑行為防止条例における、学校教室での着替え中の裸の盗撮行為について

福岡の鐘ケ江啓司弁護士から聞きました。 改正後第4条3項 何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、更衣場、便所その他通常人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場合がある場所(前項各号に掲げる場所を除く。)において当該状態でいる人を撮影し…

医師・歯科医師の刑事処分の軽重と行政処分の軽重と行政処分までの日数

複数の医師・歯科医師からの問い合わせがあったので集計してみました。 強制性交とか強制わいせつ致傷で逮捕されても、示談等で起訴猶予になると、判決・行政処分に上がってきません。 傾向としては 実刑判決は、免許取消 患者に対するわいせつ行為は執行猶…

神奈川県のラブホテル盗撮につき、ドットコム弁護士の「知人間のラブホテルでの性交渉の盗撮まで処罰する趣旨ではないと考えるのが合理的です。」という回答後に警察が来た事例

警察の解釈は、条例解説にあるとおり、自宅内でも、ホテル個室内でも盗撮行為は処罰されるとされているので、それを先に告げるべきです。 怒濤の迅速回答でランキング上位に表示されています。タナー法が遡及するという弁護士さんと同様です。 活動履歴 - 永…

奈良県生駒市の学校内のスカート内撮影行為につき、牧野和夫弁護士「いたずらでは済まされません。犯罪として裁かれる可能性があります。盗撮の場合、都道府県の迷惑行為防止条例違反(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)にあたる可能性があります。」というのだが、奈良県条例は、公共の場所以外でのスカート内盗撮を処罰してませんよね。

奈良県生駒市の学校内のスカート内撮影行為につき、牧野和夫弁護士「いたずらでは済まされません。犯罪として裁かれる可能性があります。盗撮の場合、都道府県の迷惑行為防止条例違反(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)にあたる可能性があります。」…

強姦罪の既遂時期につき,陰茎の先端部が数ミリメートル程度陰部に食い込むような状態となっただけでは,未だ姦淫の既遂には至っていないとされた事例(仙台高裁h28.5.24)

仙台地検で強姦の量刑を調べていて、この事件に当たりました。閲覧内容は他言できませんが、医師の供述などで被害児童の「陰部約3.5センチメートル程度の深さまで陰茎を挿入された。」という供述の信用性を否定しています。 高等裁判所刑事裁判速報集 平成28…

橋爪隆「非接触型のわいせつ行為について」研修860号

脅迫して裸画像を送らせる行為について、奥村は、昔から強制わいせつ罪説を唱えていましたが、独自の見解とされ、各高裁は強要罪説でしたよね。付いてきてよ。 I .はじめに 周知のとおり,最大判平成29. 11. 29 (刑集71巻9号467頁)は,強制わいせつ罪の成立…

なお,このように原判決を維持することは憲法31条等に違反するものではない。(大法廷h29.11.29)~判例変更と憲法31条,39条との関係

大法廷h29.11.29の「なお,このように原判決を維持することは憲法31条等に違反するものではない。」という一文には下記のような意味があるそうです。 被告人に不利益な判例変更の動きは、上告趣意書提出後に出てきたので、上告理由では主張できず、弁論で…

前田雅英刑法各論講義7版にはわいせつ行為(刑法176条)の定義がなくなった

6版では、「わいせつとは、いたずらに性欲を興奮または刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう。」って書いてたけどな。 前田雅英刑法各論講義6版 強制わいせつ罪 わいせつな行為とは、いたずらに性欲を興奮…

医師・歯科医師の刑事事件の結果・時期と、行政処分結果・時期の関係を調べてみた。

医師・歯科医師の刑事事件の結果と、行政処分の関係を調べてみた。 いまも医師3名の弁護人・代理人なので、強く求められて調べてみました。 ソースは、厚生労働省のプレスリリースと、刑事確定訴訟記録法による判決閲覧。という公表資料の集積ですが、結果は…

最高裁判例解説「強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否」平成28年(あ)第1731号平成29年11月29日大法廷判決棄却第1審神戸地裁第2審大阪高裁刑集71巻9号467頁 法曹時報72巻1号(向井香津子)

わいせつの定義はありません。 (後注) 本判決の評釈等として知り得た主なものとして,以下のものがある。 松木敏明=奥村徹=園田寿「強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否」法学セミナー758号48頁, 奥村徹「最高裁大法廷平成29年11月29日判決の…

送信型強制わいせつ行為(長崎地裁R010917)

脅して撮影送信させる行為がわいせつ行為かどうかの判例はありません。強制わいせつ罪ではなく強要罪だという高裁判例がいくつかあります。 東京高裁判例などによれば「その姿態の映像を前記ビデオ通話機能を用いて被告人の携帯電話機に送信させ、もって強い…