Brokeback Mountain : NYバッグ職人日記
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Brokeback Mountain

 昨日、大きいトートバッグを6つ完成させたので(追って写真をアップする予定)、今日は一切仕事をしない日にした。久しぶりに美容院に行ったり、子供服を少し買ったり、高校時代の友人の送別会に参加したりしたのだが、午後には映画"Brokeback Mountain"を観た。

 この映画は、先日Golden Globesの最優秀作品賞(ドラマ部門)を受賞。1960年代に出会った2人のカウボーイの愛と、20年間にわたる彼等の軌跡を描いた作品だと聞き、是非観たいと思っていた。

 ワイオミングの優美な自然を背景とした映像は、ため息が出るほど素晴らしかった。主役の2人をはじめ、役者の演技にも脱帽。でも、観ている間も、観終わった後も、胸がつかえて、苦しかった。悲話だったからだけではない。主人公の2人が非常に生々しく描かれていて、すべてがとてもリアルに感じられたのだ。ゆえに、傍観者である私まで、彼等と共に苦しみ、胸を締め付けられ、涙を流すはめに。優れた作品であることは間違いないが、重たい。非常~に重たい。

 映画を観終わって、Golden Globesの授賞式で、監督Ang Leeが語った言葉が鮮明に蘇ってきた。"My faith in ...the power of movies to change the way we're thinking"。実際、この映画のような作品には、人の考え方を変える力があるだろう。

 すっかり重たい気分になっていたのだが、唯一の救いは、40年前と比べて、アメリカ社会のホモセクシュアリティに対する受容性が確実に高まったことだ。同性愛者への差別・迫害だけでなく、他のあらゆる問題についても、同じように思うことが多い。依然として問題が存在していても、20年前、40年前よりは前進していると。人間も捨てたものじゃないと。逆にそう思わなければ、生きていけないではないか。常に希望は持たないと。
by oktak | 2006-01-28 13:57 | 映画
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