本の話 カテゴリーの記事一覧 - okmrtyhkのブログ

本の話

ボルヘス『続審問』

ボルヘス『続審問』をこの1ヶ月ほど読んでいた。 パスカル、コウルリッジに始まって、もちろん『ドン・キホーテ』や『神曲』は何度も言及され、 ナサニエル・ホーソン、ウォルト・ホイットマン、カフカ、キーツなどを取り上げた ある意味、書評集。 濃密す…

4連休4日目

4連休もこれで終わり。 7時起き。朝ドラの再放送は「カーネーション」 虎に翼も最終週へ。 妻の弁当の用意。ほうれん草を卵でとじる。 自由が丘の店に行くつもりでいたが、今日はいいという。 出かけてもよかったが、編集学校:破の課題本を終日読むことに…

『苦海浄土』を読み返す

縁あって、石牟礼道子『苦海浄土』を再読。 この年になると積読が増えるばかりで、 本を読み返すことはなかなかないもので。 機会が与えられたことをありがたく思います。 --- 水俣病は男女老人子供、分け隔てなく水俣の貧しき者たちの間で発症した。 1954年…

『かりあげクン』

Yahoo! で今、『かりあげクン』の過去の傑作選が毎日2~4話ずつ読むことができて、 それが朝のささやかな楽しみとなっている。 津軽半島の先の方にある母の実家は大きな家で、 夏休みともなると従兄弟たちが集まって 甲子園を見たり、裏の庭で蝉を取ったり…

『近畿地方のある場所について』

『近畿地方のある場所について』 まだ5月半ばだけど、今年上半期一番面白かった本はこちらになると思う。 昨年から通ってる整体の方が怪談・ホラー好きで 腰や背中をもんでもらいながら「なんか面白いのありました?」と話す。 前回、読み終えたからともら…

店番の話、続き

昨日の神保町の古本屋での店番の話の補足。 一日中レジの後ろに立っていたり、受け持ちのエリアの本を整頓していると あれ? この人どこかで見たことあるな、という人が店に入ってくることがある。 しかしどこで見かけた誰なのかが思い出せない。 テレビの中…

奥多摩芋煮会(後篇)

昨日の奥多摩芋煮会の続き。 12時前に旧小河内小学校に到着。 皆さんへの挨拶もそこそこに準備を始める。 妻とⅠさんには芋の皮を剝いてもらい、野菜や肉も切ってもらい、僕はBBQ コンロで火を興す。 着火剤も買ってきたが、なかなか時間がかかる。 持ってき…

奥多摩芋煮会(前篇)

この日は奥多摩ブックフィールドで芋煮会。 6月にBBQを企画するも、まさかの台風直撃。 さすがに猛暑はきつかろうと10月まで延期。 9月末まで30℃越えの日々だったのでBBQかなと思いきや 急に寒くなって熱燗が欲しいぐらいに。 芋煮会にしませんか、となっ…

『怪談狩り』の最新刊を読む

中山市朗『怪談狩り』のシリーズ最新作が届いて昨晩読んでいた。 『新耳袋』の4巻に収録された八甲田山の話の後日談、 封印していたものを断片的に語り直していた。 その内容については差し控えるが、 もちろん八甲田山とは雪中行軍のことであって。 知らず…

『あおもり草子』をもらう

先日泊った浅虫温泉の宿の部屋に タウン誌『あおもり草子』のバックナンバーが置いてあった。 宿の方が「よろしかったら、持ち帰ってもいいですよ」と。 じゃあ1冊か2冊と選んでいたら結局5冊。 なんか申し訳ないことをした。 2006年12月『我が家のアルバ…

木陰というもの

ナショナルジオグラフィック日本版を何年か前から定期購読している。 今日何となく手に取って拾い読んだ。 『猛暑サバイバル』 2021年の7月号だった。 「人間の体には、熱を放出する仕組みが主に二つ備わっている」 ひとつには、血管が広がって皮膚に熱が送…

『'68 十勝沖地震グラフ』

先月の神保町PASSAGEでの一日店長の際に買ったもののひとつが、 『遊歩道 八戸おさむ』さんの棚で買った 『'68 十勝沖地震グラフ《強震の北奥羽-大被害から復旧まで》』 八戸つながりで前から気になっていた棚。 僕らは青森でもミーハーな本が多いのに対し…

寒い日、暑い日

先日神保町PASSAGEの棚で買った椎名誠『零下59度の旅』という文庫を読んだ。 1984年冬と1985年の夏、北島シベリアのヤクーツクを訪れたときの写真と文章。 (写真の撮り方にもよるんだろうけど) 灰色の町、灰色の森。人は皆影のように黒い。 吹雪の町、吹雪…

マーセル・セロー『極北』

「世界の終わり」というテーマが昔から大好きで、いろんな小説や漫画を読んできた。 『北斗の拳』やさいとう・たかをの『サバイバル』なんかも含めて。 先日、神保町PASSAGEに搬入に行って 一通り手続きや作業が終わった後で周りの棚を見ていたら マーセル・…

餌食

先週神保町 PASSAGE で『ほぼ日の怪談 おかえり』を見つけて、思わず買ってしまう。 (ほぼ日は周りで読んでいる人が結構多く、 僕も読まなきゃなあと思いつつこの20年一度もアクセスしたことがない) ほぼ日に寄せられた読者投稿を集めたもの。 『新耳袋』…

PASSAGE / ハリ書房

神保町の共同書店「PASSAGE」に 熊、羊、みつばち、なまけものなど、 名前に動物の入っている棚の集まり「どうぶつ会議」というのがあって この土日はそのイベントで平台を借りて、本を並べる。 毎回テーマを決めていて4回目の今回は「私を変えた1冊」 こ…

「奥多摩ブックラウンジ」

昨日は3か月ぶりに「奥多摩ブックフィールド」へ。 https://okutama.org/ 廃校となった旧小河内小学校の校舎の部屋を2018年から借りて毎月第一土曜に開いている。 元々は出版年鑑を出していた出版ニュース社が2019年に廃業するのを受けて その蔵書を散逸さ…

『限界ニュータウン』続き

金曜に『限界ニュータウン』のことを twitter に書いて青熊書店のタグをつけた。 なんの偶然か次の日土曜、 神保町 PASSAGE の棚主でもある社会経済学者の松原隆一郎先生が 毎日新聞の書評で取り上げましたと、お弟子さんから連絡が。 先生からも直接引用リ…

『限界ニュータウン』

先月末に出た吉川祐介『限界ニュータウン』(太郎次郎社エディタス)という本を読んだ。 https://www.amazon.co.jp/dp/4811808509/ 70年代の土地投機ブームで千葉県北東部に乱造された粗雑な分譲地の多くが、 投機目的ゆえに購入者の多くが住む気がなく当初…

奥多摩ブックフィールドへ(中編)

土曜の続き。 奥多摩湖畔の「のんきや」で昼を食べて、また車に乗って出発。 目指す「奥多摩ブックフィールド」は2kmほどの距離。すぐ近く。 左が「麦山浮橋」方面に向かう赤い橋、 右が「奥多摩ブックフィールド」のあった旧小河内小学校という 分岐に出て…

改めて「青熊書店」の紹介です

最近、棚貸し可能な本屋が都内にチラホラと増えているようですが…… 僕ら夫婦も神保町のすずらん通りにオープンした「PASSAGE」という共同書店で 棚をひとつ借りて、先週土曜、小さな本屋を始めました。 夫が青森、妻が熊本。それぞれの故郷の本を集めて紹介…

「青熊書店」デビュー

昨日の話の続き。 皇居を散歩した後に神保町に戻ってきた。 妻と待ち合わせしてすずらん通りの「PASSAGE」へ。 書評サイト「ALL REVIEWS」が先日オープンした共同書店。 https://passage.allreviews.jp/ 仏文学者の鹿島茂がプロデュース。 その鹿島茂や大澤…

藤子不二雄A先生、逝去

藤子不二雄A先生が昨日亡くなられた。 88歳であったという。 そういえば最近見かけないな、とは思っていたが…… ご冥福をお祈りします。 藤子不二雄世代ど真ん中。 少年時代よりSF(すこしふしぎ)が好きな僕の心は常に藤子・F・不二雄にあった。 しかし、…

『津島家の人びと』

この休みに『津島家の人びと』という本を読み始めた。 数年前、神保町の古書店街の祭りで ちくま学芸文庫の絶版本のワゴンセールがあってそこで見つけたもの。 https://www.amazon.co.jp/dp/4480085386/ 太宰治の一族。 よく知られているように故郷、金木で…

『作家・庄野潤三展 日常という特別』

昨日、石神井公園のふるさと文化館で開催されている 『作家・庄野潤三展 日常という特別』を見てきた。 https://www.neribun.or.jp/event/detail_f.cgi?id=202110171634449995 庄野潤三は妻の持っていた講談社文芸文庫の『絵合わせ』を読んだことがあった。 …

本の福袋

夕方、仕事がひと段落ついて息抜きがてら図書館へ。 妻に頼まれた本を受け取る。 カウンターで利用カードを渡して、書架から持ってくるまでの間、 ふと見ると脇の台に茶色い袋が並べられていて、 「光福袋」と書かれた封が。 脇のシールには「光が丘図書館 …

田河水泡とのらくろ

毎朝、NHK-BS で朝ドラを見る。 『Come Come Everybody』の前に、『マー姉ちゃん』をやっている。 『サザエさん』の長谷川町子の姉が主人公。 今はまだ戦前で『サザエさん』の連載は始まっていない。 長谷川町子は『のらくろ』の田河水泡に弟子入り後、 漫画…

吉祥寺へ、『清原和博への告白』

久しぶりに予定のない土曜。 妻は終日、物語講座のリアルイベント。 じゃあと僕も出かけることにする。 洗濯物を干し終わって、みみたに早めに昼のカリカリを出すと着替えて 吉祥寺行きのバスに乗る。 鈴木忠平『清原和博への告白』を読み始める。 清原が覚…

ラジカセとカセットテープ

妻と妻の後輩ちゃんとの昨日のやりとり。 MDの話になった。 一回り下の後輩ちゃんは高校時代、TSUTAYAからCDを借りてはMDに録音していたという。 曲名をコンポでポチポチ入力したりしながら。 一回り上の僕はカセットテープだった。 妻曰く、高校・大学とカ…

大宅壮一文庫へ

よく晴れた予定のない土曜。 昼前に妻が、仕事の調べ物があって大宅壮一文庫に行くという。 ジャーナリスト大矢壮一が設立した日本唯一の雑誌の図書館。 前から話は聞いていたが、行く機会がなかった。 みみたに昼のカリカリをあげて、車に乗って出かける。 …