マングローブ植林プロジェクト(ラノーン) - 公益財団法人オイスカ

マングローブ植林プロジェクト(ラノーン)

場所
ラノーン県
活動開始年
1999年
受入機関
オイスカ・タイ総局、タイ王国天然資源・環境省海洋・沿岸資源局

住民の生活を守り、恵みをもたらす大切な資源、マングローブ林

 海と隣り合わせの土地で生活するラノーンの人々にとって、マングローブ林は、自分たちを津波の被害から守ってくれたり、カニやエビなどの恵みをもたらしてくれたりする、とても大切な資源です。そのマングローブ林も養殖場への転換などで伐採が進みましたが、東京海上日動火災保険株式会社からの支援がきっかけとなり、再植林プロジェクトが開始されました。今ではたくさんの企業や団体により活動が展開されています。本プロジェクトにより、人々にマングローブ林を大切にする心が根付くことを期待しています。

持続可能な取り組みがタイ国内でも高く評価され、モデルプロジェクトへと成長

 特に地域住民の意識改革に重点を置いた取り組みをしており、森づくりを通じて地域住民がさまざまな環境問題に気づき、主体的に取り組んでいくことで、持続可能な森林保全へとつながっています。森を再生することが、ひいては自分たちの収入向上や生活改善につながっていることに気づくことで、彼らの取り組む姿勢も変わります。こうしたラノーンでの取り組みは、国としても非常に高く評価され、数々の賞を受賞してきました。この形をモデルケースとして、オイスカとしても北部タイや東北タイでの展開も試みています。

 また、都市部におけるマングローブ林の再生プロジェクトとして、ダンロップチームエナセーブより支援を受けたプロジェクトは、ラノーン県全体としての取り組みへと発展し、ゴミ問題や土地問題の解決をも目指した総合的なプロジェクトになりました。このように、森づくりをきっかけにその地に長年あった多くの社会問題を解決していく糸口を作り出してもいるのです。

 こうした活動に賛同し、日本からの企業や団体のみならず、タイ国内の民間企業や団体にも支援の輪が広がり始めており、大きなうねりとなっています。

近況・今後の方針

 これまでのような植林を必要としている疎林も比較的再生されてきており、今後は再生された森がどのように再生されたのか調査研究したり、再生された森を生かした活動を実施したり、または全く新しい土地への植林の展開も考えています。今後問題となってくるのは、水面の上昇による洪水などです。これに対応するため、海岸線での植林の展開も今後視野に入れながら実施していきます。