今日、帰りの送迎前のあわただしい時間。
興奮した声で「バッカじゃね!バッカじゃね!」と叫ぶ女がいた。
ふるさと納税の伝道師、マンガ道場さんだ。
眼をうるうるさせながら怒り狂ってる。怒りの相手はオサム君だ。
バッカじゃね、の間にオサム君をなじる言葉をはさみながら、いまにも殴りかかりそうな勢いで迫ってる。
オサム君はそんなマンガ道場さんから目をそらして帰りの送迎の準備をしてる。
オサム君が移動すれば追いかけながら「バッカじゃね!?バッカじゃね!」と、ルーム内にもかかわらず、やばいくらいヒートアップしてる。
利用者さんたちが何事かと一斉に注目しているし。
そして、いちばん気の毒なことはほかの職員のだれも止めようとしないことだ。
監督とか割って入りそうだけど無視を決め込んでる。
無能主任もかかわりたくないのだろう、聞こえているのに自分の仕事をしてるふりをしてる。
これぞ底辺職場。ぼくは見て見ぬふりじゃなくて見てました。見てただけ。
割としっかりした利用者さんに何があったのか訊いてみるが、「さあ?どうしたんだろ?」
原因不明。
この二人はもともと仲が悪い。
オサム君の性格上、格上相手に彼が先に原因を作ったとは思えない。
多分、マンガ道場さんがいつものようにオサム君をバカにしてからかったんだけど、反撃を受けたんじゃないかと思う。
その反撃はマンガ道場さんにとって聞き捨てならない言葉だったのだろう。
例えば、旦那に逃げられたとか、どの面下げて出戻ったとか、そういう離婚に関わることだと思う。
マンガ道場さんは面倒見がよくて、基本的に悪い人ではないんだけど、空気を読めなかったりする。
時折、利用者や職員がみんなひいてしまうような発言をする。それも下ネタだったりする。おまけにそれが食事中やレクの時だったりする。
なので、職場ではオサム君同様、ちょっと浮いてしまっている。
いわゆるアスペルガーかな?オサム君もアスペルガーぽいのでお互い敵視し合い、発火してしまうと今日みたいに収拾がつかなくなるんだろうな。
だから旦那にも逃げられたんじゃないかと思う。残念だが当然。
結局、送迎から帰ってきてオサム君に原因を聞いたんだけど、「なんかいきなり怒ってきたんすよね・・・」と、詳しくは教えてくれなかった。