【佐藤ママに聞く】新聞は色とりどりの具材が入った鍋物 | 新聞科学研究所

【佐藤ママに聞く】新聞は色とりどりの具材が入った鍋物

佐藤亮子(さとう・りょうこ)さん

大分県出身。津田塾大学卒業後、私立高校の英語教師に。結婚後は奈良県で3男1女を育て、全員が東大理Ⅲ(医学部)に合格した。「佐藤ママ」の愛称で、受験や子育てについて各地で精力的に講演を行う。


まず親が読むと、子どもも読む

 

 毎朝、新聞を読んでいる。戦争の記事は、泣きながら読むから、子どもには「ママ、また泣いてる」と、よく言われた。
 子どもに「読みなさい」と言ってもだめ。「この人は93歳で、戦争の時にね……」と、記事を示して語りかけていた。すると、子どもも読む。「ママはこう思う」と言うと、「ママはそうだけど、僕は……」。自分の意見が出てくる。
 新聞は鍋物と一緒。色とりどりの具材(情報)が入っている。読み切るまでが短くて、分かりやすい言葉で書いてある。子どもが読んで考えて、親と意見を交わすのにちょうどいい。

 

親自身のアップデートが必要


 時代はものすごいスピードで変化している。親自身もアップデートしないと。何となくでいいから、時代の流れを知るためにも、読んでほしい。新聞は多様な人に出会える場でもある。自分の生き方を微調整できるのも魅力だ。

 

新聞を開くのは1日15分


 構えなくていい。私が新聞を開く時間は1日15分。忙しい時は、気になった記事を破ってかばんに入れて隙間時間に読んでいた。料理をしながら読んで、読み終わったらコンロ周りの油を拭き取ってポイ。で、次の日にはもう新品が届く。

 

四字熟語の学習に新聞|勉強は社会につながっている

 

 子どもが四字熟語を覚えるのが面倒と言うから、赤ペンで四字熟語を囲んだ新聞を見せたら、「まじか」と驚いた様子。テストのためでなく、今の勉強が社会につながっていることを伝えるのにも、新聞は格好の材料だと思う。
 今、人とやり取りする中心はSNSになった。読み書きはこれからの時代こそ大事だ。だから、子どもが18歳までは新聞を近くに置き、使い尽くしてほしいな。

 

 2019年12月19日公開