以上は9月下旬の投稿だが、この「クルド人幼児の万引き」とされるデマ情報が出回っていた。デマではあるもののこの「もなか@monaca123456」の投稿自体に、
・万引きの瞬間は捉えていない
(動画が証拠として機能していない)
・仮に商品を手にしたとしても万引きは不成立
(店外への持ち去りが必要)
・「ニホンゴワカラナイ」で万引きは免罪されえない
(もなかが考える言い訳の非合理性)
・そもそも「もなか」が何故この幼児を撮影していたのかが不明
などの問題点や違和感が存在する。特に「もなか」は万引きをする以前からこの幼児を撮影したことになるために、予知能力でもあって事前に撮影をしたとかでもない限りこの動画は「もなか」による幼児の盗撮動画でしかない。投稿内容からも「もなか」はこの子の関係者でもないだろうし、「もなか」自体が投稿頻度は高くないもののクルド人への嫌悪を隠そうともしていないアカウントであったこと、そして投稿内容からしてデマ情報ありきでの動画撮影を行った可能性が高いだろう。またこの投稿自体は石井孝明への情報提供という体で行われた投稿であり、そこからの拡散も狙ったものだと思われる。ちなみに石井孝明はこれについての情報提供を「もなか」に求めていたが返信は行われずに「もなか」のアカウントは凍結に至る。
この万引き情報に対しては石井孝明は万引きをされたダイソー本社へ取材を行い、次の様な回答を貰ったと26日に投稿している。
https://x.com/ishiitakaaki/status/1839148491765084330
「全店社内規定をもとに対応しておりますので、詳細な回答は控えさせていただきます」はテンプレ的対応と言えるだろう。ただしこれに反する情報として安田浩一の27日の取材投稿がある。こちらでは「万引きの事実は確認できない」、「万引きが相次いでいるとの認識もない」との回答を得ている。「もなか」の投稿の全否定と言って良いだろう。(10月23日追記:東京新聞の記事においても広報はその様な事実はないととしている。)
https://x.com/yasudakoichi/status/1839642661051142419
なお安田の投稿を知ったかまでは不明だが石井は「ダイソー 万引き」でX上を検索した画像を28日に挙げているが、何を主張したいのかは意味不明であるし、川口ダイソーだけ「お子様を連れてくださいとアナウンスがあるらしい」と今回の件を含めたであろう悪意ある推測でしめている。問題のある投稿だろう。
https://x.com/ishiitakaaki/status/1839898261290893460
ちなみにこのブログの筆者もダイソーの問い合わせから尋ねており(25日の営業時間外に送り、27日昼に返答)、次の様な回答を貰っている。
この回答自体はテンプレな内容に過ぎないし、「消費者」からの問い合わせならばこの程度の回答にはなるのだろう。ただジャーナリストである石井と安田の取材に対するダイソーの回答の違いが何故に生じたかは不明だ。ダイソーが問題を重く見たタイミングが異なることによって生じた差であるかもしれないし、石井と安田で取材ルートが違う為に生じた差であるかもしれない。嘘という可能性もあるが安田は取材先を明記しており、安田の取材に関してはその可能性は低いだろう。ただいずれにしても「もなか」の投稿を肯定する情報は存在せず、この投稿から端を発した「クルド人幼児の万引き」が存在しないデマだろう。
クルド人の子どもが複数人で万引き云々
石井孝明がこの幼児の万引き情報を受けてか、後に次の様なクルド人の間引き手口投稿をしていた。
https://x.com/ishiitakaaki/status/1839105720836567257
https://x.com/ishiitakaaki/status/1840204584893198540
内容としては次の様にまとめられる。
・子どもを含めた複数のクルド人グループが万引きをしている
・万引きを3~4歳の子どもにさせる
・店員は一切子どもを注意せずに見て見ぬふり
・川口では保護者同伴ではない中学生以下の入店を禁止している店もある
・「親が子どもを連れて歩いてください」というトルコ語の張り紙や館内放送をする店もある
幼児を万引きの主犯としている時点で「もなか」の情報を下敷きにした感が強い。ただ石井の投稿でも「現地のパート従業員」、「行政の関係者」から聞いた情報であり、また入店禁止の店や張り紙をはる店のが存在する事から現地では「有名」な話レベルだと思われる。それくらいに「有名」な話ならばと川口商工会議所に上記投稿(9月26日分)のリンクを貼り、この様な事例があるのかと尋ねたところ次の様な回答を頂いた。
いただきました手口情報について、現状は、当商工会議所として詳細は把握しておりません
勿論、川口商工会議者に川口の万引き情報がすべて集まるという事はないであろうから石井の情報を否定できたわけではない。なおこのほかに川口市の防犯対策室、埼玉県警にも同様の問い合わせをしたが、防犯対策室は「市では犯罪の手口などの調査を行っていないため、その真偽等の確認はいたしかね」るとともに警察への問い合わせを勧められ、埼玉県警からはこれを書いている8日時点で未だ返信が来ない状態となっている(補足するならば県警は一般人からのこういった類の情報への返信は行わないことが多い為、このまま返信は来ないものと思われる。筆者は過去に数回情報を問い合わせたが基本返答はない)。また石井の情報で特徴的なものとして「トルコ語の張り紙」という情報があるが、2023年7月に「大量の小銭支払い」と「以前はトルコ語で万引き注意」の張り紙という目撃情報は存在するが、それ以外の張り紙の目撃情報ない(駅や公園などの公的な注意喚起は除く。)。「親が子どもを連れて歩いてください」という張り紙は特徴的でもあり、石井が主張を証明するならばせめて写真が欲しいところだ。またトルコ語での張り紙はまだともかくとして、「トルコ語の館内放送」が本当ならば目撃情報があるはずだが当然そちらもない。「トルコ語」は張り紙にかかっており、館内放送は日本語だという言い逃れも可能だがいずれにしても信ぴょう性が低い。日本語でのアナウンスの場合、万引きというよりもそれは迷子抑止のアナウンスと考えた方が良いだろう。トルコ語による万引き注意の張り紙などの目撃情報は過去にあるし、クルド人による万引き自体は存在するであろう事は否定してない。しかしながらそれは幼児が万引きしたと盗撮デマ動画で訴える事ではないし、石井による正直なところ怪しい部分が見え隠れする情報で訴える事ではない。