東日本大震災時に「自衛隊が赤飯を炊き出しに出して批判」されて「問題」になったという話は実態のない伝言ゲームでは - 電脳塵芥

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四方山雑記

東日本大震災時に「自衛隊が赤飯を炊き出しに出して批判」されて「問題」になったという話は実態のない伝言ゲームでは


https://twitter.com/SantaUonome/status/1502164211891605504

 以下、いくつかアップロードされているマンガを引用します。

これは3.11時の自衛隊による被災地支援時の食糧支援配布で「赤飯の缶詰」が出たことによってそれが「不謹慎」であると批判されて「大問題」になったという話であり、それ以降は上層部からの命令によって赤飯が食糧支援配布に出なくなったというものです。この手の話題は自衛隊による支援時にツイッターなどで「読む」ことはあってもそれを「見た」という人物は特になく、風聞が占めていて実態そのものは胡乱と言わざるを得ません。

自衛隊(陸・空)が戦闘食糧で赤飯を止めた理由

 まず公的なアナウンスにと受け取れる自衛隊(陸・空)が災害時の戦闘糧食で赤飯を止めた理由ですが、2011年8月11日の毎日新聞のWEB記事にその理由が語られています。

自衛隊:陸・空「赤飯」やめます 災害時に敬遠され
 東日本大震災を受け、陸上自衛隊が54年前から隊員の食料としてきた赤飯の調達をやめた。「祝いごとで食べる赤飯を被災者の前で食べるわけにはいかない」という隊員の声がきっかけになった。「腹持ちがいい」と人気もあっただけにメニューから消えるのを惜しむ声もある。
 陸自によると、隊員が訓練や災害派遣時に野外で食べる「戦闘糧食」は「缶飯(かんめし)」と呼ばれる缶詰とレトルトパックがある。主食は白飯、赤飯、とり飯、五目飯、しいたけ飯、小型乾パンの6種類で、赤飯の缶飯自衛隊発足3年後の1957年に採用された。年間調達量は缶飯約26万食、レトルト約7万食に上っていた。
 赤飯は阪神大震災新潟県中越地震の際にも批判的な見方があり、災害派遣ではなるべく使わないよう配慮されてきた。全国から前例のない規模の部隊が派遣された東日本大震災では、配給した赤飯の缶飯の返品が隊員から相次いだ。陸自担当者は「今後も大規模震災が危惧される中、被災地で活動する隊員が被災者らに気を使うことなく食事ができるように、赤飯はやめたほうがいいと判断した」という。
 また、航空自衛隊も「被災者に誤解を与える可能性があり、支援で提供もできない」として缶飯から赤飯を外すことを決めた。
 一方、海上自衛隊災害派遣時も艦艇内での食事が多いことなどから「赤飯の缶飯の廃止は検討していない」という。
【魚拓】自衛隊:陸・空「赤飯」やめます 災害時に敬遠され - 毎日jp(毎日新聞)

自衛隊が赤飯を止めた理由は記事を読む限りは自衛隊による声がきっかけです。阪神大震災中越地震の際の批判的な見方が外からなのか、中からなのかは不明ですが、少なくとも記事の論調を読む限りは内部での見方、影響も大きいと考えられます。勿論、この自衛隊内部の論調そのものは外からの批判であろう「不謹慎」に左右されたものと考えられますが、それとは別に自衛隊員も日本の習慣、常識を知っている日本人でもある為に「赤飯」という存在がどの様な時に用いられているものかという常識の様なものは共有しているわけで、「気をつかう」という意識そのものからは逃れられない隊員も多かったという事でしょう。それを栄養価や腹持ちなどで払しょくできるかというとできなかったのかもしれません。
 ただ上記の出来事は「戦闘食糧」の話であって支援に関する話ではありません。空自の説明では「支援で提供もできない」ということから支援に関わる部分もあり、また当時に支援に回した可能性もある文言ではあるものの、当時に支援に回してそういう批判があったかまでは断言できません。

ツイッターにおける当時の状況を探る

 2011年、3.11時のツイートは流石に10年以上も遡ることからアカウント削除や凍結などですべてがみられるわけではないですが、当時にそもそも現実としてそういう批判があったのかどうかは一応は確認可能です。まず当時一番拡散されたであろうツイートは以下の様なものと考えられます。


※参考:3月11日から3月17日までの該当ツイートを利用したツイート群

このツイートをしたアカウントは凍結しており*1、どれだけ拡散したかは不明ですが非公式引用などからそれなりに拡散している事が分かるツイートです。例えば下記の非公式引用RTは300を超えており、元々のツイートはこれよりも多かったと考えるのが自然でしょう。


https://twitter.com/LEN614/status/46445805971845120

また以下の様に2013年にはコピペツイートとして利用されている事からもこのツイートによる「流布」の影響はあったと考えるべきでしょう。

そしてこのツイートに関してはそういった「現場」を体験したわけでもなく、「自衛官が赤飯食べてる場面を見ても激怒して怒鳴ったり喧嘩ふっかけないであげてください」というお願いの様なツイートであり、またそもそも「自衛隊が赤飯を炊き出しに出して不謹慎だ」ではなく「自衛隊が赤飯を食べてても」というものであり、赤飯炊き出し批判の「実態」は皆無です。
 そして次には以下の様なツイート。


https://twitter.com/Kinpatsu5184/status/46440747267923968

このツイートに関しても「食ってても許してあげて」とあり、自衛隊が赤飯を食することが問題であって配布の問題でもありません。なおこの方は「当時俺も切れられた」という事からおそらくは元自衛官なのでしょうから、自衛隊が赤飯を食べることに批判的な人間が皆無というわけではないという事もうかがえます。これ自体が「騙り」の可能性もありますが元自衛官による類似の書き込みは見受けられることからこの手の話は自衛官の中ではある程度のあるある(それが「経験」なのか自衛隊の中での伝聞なのかは不明)なのでしょう。
 で、次に「自衛隊 赤飯」で当時拡散しているようなツイートですがほぼありません。毎日新聞の記事が出る前くらいまでの2011年7月末までにRTが10以上あったツイートも現状残ってるのでは以下しかない。

一番上のツイートが自衛隊が炊き出している赤飯の話ではあるものの、むしろそれ自体をデマだと否定しているツイートです。一番下は今回の話とは関係のない他では聞かない説であり、伝播もしてなさそうなので無視。その他の二つは「自衛隊が赤飯を食べている」系の話。このことからこの「赤飯が出されて不謹慎だ」という話は以下の様な推移で生成された風説と考えられます。


自衛隊が炊き出しに赤飯を出して不謹慎だという話の生成過程】
被災地で自衛隊が赤飯を食べてても不謹慎だと言わないで系ツイートが拡散

自衛隊」「赤飯」「食べる」「不謹慎」という言葉が脳内伝言ゲームされる

自衛隊が炊き出しに赤飯を出して不謹慎」という認識が生まれ、一部で流布されていく


 3月13日に「自衛隊が炊き出しに赤飯」に「デマ」という指摘があることから当然ながらデマツイートもあるはずです。そしてそれに近く、また拡散が伺えるのは以下のツイートです。

自衛隊の炊き出しが赤飯であることに文句をつける人」と明言している事から発端ツイートの一つでしょう。「文句をつける人がいてびっくり」とあり、脳内伝言ゲームでもされていなければこれ以前にそれ系の話が出ていると思われますが……、現状は見つかりませんでした。ただこのツイートは非公式引用RTなどからそれなりに広まったツイートであることが確認でき、このツイートの影響が大きかったかなと考えます。なお例に漏れずこのアカウントも凍結されており当時の拡散具合は分かりません。あとこの凍結されたアカウントに見覚えがあると思ったら、これ菅野完氏のアカウントですね。当時の有名具合は知りませんが拡散はしてそうという印象はあります。ちなみにそれ以外で「赤飯炊き出し」で拡散してそうな現存ツイートは見受けられません。
 さて当時のツイート群を調べる限り、やはり「自衛隊が炊き出しに赤飯を出して不謹慎」で怒っているというツイートやその現場を見たというツイートはほぼほぼありませんでした。管見の限り、3月13日に当時おそらく千葉県在住者のアカウントによる自分の父親が自衛隊員が赤飯を食べることに怒っているというツイートの1件のみ*2。ただそれも拡散は一切されおらず、これらの言説に影響を与えた可能性はありません。つまりはいずれも伝聞調の「批判があるんだって」系の話が広がったものと言え、伝言ゲームが流布される事での話題性の上昇と共通認知が生まれ、実態以上の虚像が出来上がったと考えられます。勿論、実際に「見た」、「それに対する批判」のツイートが消された可能性は拭えませんし、こういった批判をする人間はツイートではなくその場でのクレームが多いでしょう。しかしこれに関しては当時ですら、そんな話はないというツイートがあることから正直そんな声はあったとしてもごくごく一部と考えられます*3。「自衛隊が赤飯を食べている」への批判は自衛官などによる過去話からあり得たとは考えられますが、「炊き出しに赤飯」自体、そしてそれへの批判は実際にあったかどうかさえ不明です。

赤飯の缶詰は市民への炊き出しに出されたか

 デマ指摘されているようにそもそも赤飯の缶詰が自衛隊の食事としてではなく「赤飯の缶詰」として炊き出しで配布されていること自体に疑問があります。まず第一に指摘されているように赤飯の缶詰は災害派遣時などに用いられる自衛隊用のレーションであり、炊き出しの為の食料ではありません。次にマンガのテクニックと言えばそうですが「赤飯」としてならともかく「缶詰」として出されている可能性が低い。例えばこの缶詰は以下の写真の様に缶切りが必要なわけですし、炊き出しに出てくる可能性は低く考えられる。


出典:自衛隊戦闘糧食1型「赤飯」試食記: まさひさのBikeHouse

一応、「缶詰」の赤飯を何かの容器に分けてという可能性もありますし、緊急時故にという可能性もありますがこれが「主流」の炊き出しはあり得ないと考えるしかない。そして次に当時の炊き出し支援を網羅している情報はないので一切ないことの証明は難しいですが、当時の炊き出しは以下のようなものです。

・3月12日、八戸市

出典:東日本大震災 八戸市の記録

・3月16日、宮城県名取市

・3月22日、岩手県山田町

上記2枚の出典はいずれも「約45分で200人分の食事を作れる「野外炊具1号」は、自衛隊が誇る最強のメシ炊きマシーンだ - メシ通 | ホットペッパーグルメ

というように自衛隊の炊き出し、当然ながら調理してるんですよね。


【3月13日追記】

 ツイッター内で当時海上自衛隊の横須賀地方総監であった高嶋博視氏がその著書内でこの赤飯の件に対して以下の様に記述していたので追記しておきます。

(3月15日についての記録)食事の席で赤飯(缶詰)に話が及んだ。赤飯の缶詰は古くから我々の非常用糧食のひとつとして、五目飯とともに備蓄・搭載しているが、赤飯について自衛隊にはひとつの定説がある。
 過去の災害派遣において、赤飯を不用意に被災者に提供したところ、「被害を被っている我々に赤飯とはなにごとか!」とお𠮟りをうけたというものである。実際にあった話かもしれないし、被災者に気を遣った誰かの作り話かもしれない。しかしながら我々はこの説に従って、いつのころからか赤飯の提供を控えるようになった。
 今回はまだ五目飯等に余裕があるので、未だ赤飯は提供をしていない。私は海幕長にこう申し上げた。
「食べるものがなくて困っているときに、赤飯も五目飯もありません。赤飯は最後まで取っておきますが、これを出さざるを得ない状況になったときにはだします。ただし被災者にはその旨を断ります」
 海幕長もそれを「よし」とされた。
 後日そのような事態になったので、方針通り淡々と赤飯を提供した。これにはさらに後日談がある。ある被災地から「小学校の卒業式を行うが、、何ら卒業生を祝ってやることができない。ついては海上自衛隊の赤飯をもらえないだろうか?」との打診があった。部隊指揮官は喜んでこれに応じた。
高嶋博視『武人の本懐 FROM THE SEA 東日本大震災における海上自衛隊の活動記録』 p.79-80

かなり貴重な記録であり、少なくとも海自の高嶋氏が知る限り、

・過去に事実が作り話かはわからないが、赤飯を出して怒られたという話が自衛隊に伝わっている
・3.11時にも提供は行ったが、この記述からは批判は(少なくとも高嶋氏の知る限りは)なかった
・後日談で卒業式で赤飯の提供を依頼された(後述の石巻市大須小学校と思われる)

ということになります。これは陸自の話を含まない海自の支援且つ高嶋氏の知る範囲の話であるとはいえ、その後の卒業式の話と合わせて考えれば少なくとも「大問題」になった可能性は低いと言えましょう。赤飯が提供されたこと自体は事実ではあろうものの、やはりこのマンガはかなり盛っていると考えられます。

【2024年1月8日追記】
 当時、陸上自衛隊の幕僚長を務めていた火箱芳文氏へのインタビューについての記事を教えてもらったので追記しておきます。

幼な子を抱いた母親のご遺体が…
(略)
隊員の健康には心と体の両面で注意を払いました。毎日、幾つものご遺体を目にするのです。中には、幼な子を抱いたまま亡くなった母親の遺体もある。宮城県石巻市の大川小学校では、ランドセルが隊員の目に入った。「ここか!」と思いヘドロをかき分けて捜索すると、子供さんの遺体が上がってくる。そうした光景が自分の家族と重なる。その悲しみがどんどん心の中にたまっていく。
 なので、隊員たちに気持ちを吐き出すよう勧めました。夜、班長を中心に車座になって、その日にあった出来事を話す。ある時はみなで祈る。ある時はみなで泣く。 それだけでも気持ちが変わります。
(略)
 隊員から配慮のなさを指摘されることがありました。食事が不足しないよう送った様々なものの中に、赤飯の缶詰があったのです。担当者は赤飯の方が腹もちがよいと思い良かれと思って送ったのだと思います。しかし、先ほどお話ししたように、現場は毎日ご遺体に接し心を痛める状態です。「こんなもん食えるか!」と怒りの連絡が入りました。「申し訳なかった」というしかありませんでした。


 ただ必ずしもなかったかというと、3.11前とはなりますが以下のようなツイートや、救援物資としてテレビに出ていたというツイートがあることから一部では配られていた可能性はあります。

【3.11前のツイート】

https://twitter.com/SaikHide/status/18195956545626112


https://twitter.com/nayuta_stars/status/22498444862033920

【3.11後のツイート】

https://twitter.com/konoe_mtki/status/51711260198313986

また新聞記事を確認してみたところ毎日新聞の西日本版夕刊2011年8月11日の「自衛隊:陸・空時、赤飯調達やめます。祝い事イメージ「被災者の前で食べられない」」で実際に配布したことは確認できます。

海自は震災発生後間もない3月24日、宮城県石巻市大須小学校に卒業式の支援として赤飯の缶詰602食を贈っている

この記事は上述したWEB記事と内容自体はほぼほぼ同じものですが、最後に3.11時に実際に赤飯の缶詰を事例を記述したものであり、おそらく三大紙の中では唯一の記事となります*4。ただし記事を読むと卒業式という「祝い」の席であり、この事例で批判が起こった可能性は流石に考えられません。このほかにも配布した事例はある可能性はありますが、しかし記事の傾向を考えれば顕著な批判が実際にあったならばそれを書くほうが自然であり、だのに卒業式の話を持ってくるという事は自衛隊側で取材に対して「大問題」と答えるほどの批判はなかったと考えるのが自然です。また付け加えて書くと、毎日新聞(広島版)2016.4.19にて「熊本地震:被災地へ食糧空輸 海自呉 缶詰2190食分」という記事で熊本地震時にも赤飯の缶詰が支援物資として輸送されている事が記事となっています。海自は陸・空とは異なり戦闘糧食としても使用を続けている事から支援物資としての赤飯の缶詰は続けている事が伺えます。
 以上の様に赤飯の缶詰が(炊き出しか否かは問わず)当時に炊き出しやそれに類する食糧支援で配られた可能性はあろうかと考えられます。ただしクレームが入って「大問題」にまでなった可能性を考えると発端となるような出来事、その記事やツイートが一切ないだけにこの点についてはあまり信用がおけません。

3.11後に「自衛隊と赤飯の缶詰」の語られ方が強化されている

 まず今回のマンガ自体が「自衛隊と赤飯の缶詰」話を強化していたり、そもそもこのマンガがバズったのは今回だけではなく2019年9月にも同様のツイート及びtogetterでまとめられもしています。またイミシンというメディアでもこのマンガが紹介されており、ある種の「真実」化されていると言えるかもしれません。ただこの「赤飯を炊き出しに利用」は主にこのマンガが情報のハブとなっている感がありますが、それとは別に「自衛隊と赤飯の缶詰」の話自体が3.11後に爆発的に増えていることが考えられます。
 まず3.11前における「自衛隊 赤飯」をツイッターで検索すると「赤飯が批判された」というたぐいのツイートは数件はあるもののRTもほぼされずに目立ってはいません。これが3.11後になると上記で紹介したツイートや、またその際に付加される阪神淡路、中越地震時にも批判があったという情報が付加されていきある意味で言えばこの言説に「市民権」が得られたと言えます。例えばかわぐちかいじの『俺しかいない~黒い波を乗り越えて』では以下のようなシーンを描いています。


画像引用元:https://twitter.com/kazuyaFD2/status/857089476048322560
※元は読み切りとして掲載され、その後に『ヒーローズカムバック』に掲載。

一点、注意が必要なのは3.11前にも阪神淡路大震災などの時に赤飯が批判されたという話自体はあったことです。しかし既に述べたように有名な話とは言えず、それを考えるとこの2012年で描かれたマンガは3.11後の言説空間を読み取って描かれたものと考えた方が自然でしょう。そして、3.11後にRTが100を超えた「自衛隊 赤飯」系のツイートもいくつか出てきます。その代表例は以下のツイート。


https://twitter.com/wB1HqwmdlNOHH3x/status/1039510821364088832

3.5万件のRTとなりかなりのものです。なおこの方、このツイートの前に似たようなツイートをしていたり。またtogetterでは「被災地で自衛隊が栄養のある赤飯を食べているのを見て「けしからん!」の苦情で禁止?→「真に受けていいか怪しいぞ」という意見も」というまとめも出来ています。事程左様に「不謹慎」だという理不尽なクレームに対する批判や嫌気、自衛隊への好感度なども相まって一つの話題のネタとして出来上がった感すらあります。実際に世の中には想像の域を超えたクレームをする人間もいる事や被災後の余裕のない被災者の心情、元自衛官系と思われる経験者の体験談などから自衛隊の赤飯、ひいては食事そのものに対する批判があった事は確かだと考えますが、実態以上の語られ方がされている様にも感じられます。悪い意味でバズりネタになっているかなとも。

防衛省への問い合わせとその返事

 で、この件について防衛省に対して問い合わせをしたところ全くの無反応だったので、反応せざるを得ない開示請求してみました。請求内容としては東日本大震災時に赤飯の缶詰を出したことはあるか、そしてそこからは派生した問題があったならばその資料を請求するというシンプルなものです。この開示請求結果に関して防衛省側の返事としてはその様な資料はないというものでした。勿論、「資料がない=事例がない」と必ずしも直結するものではありませんが、少なくともマンガにあるような「大問題」になっているらならば何らかの資料が残っていてもよさそうなものです。しかし資料は皆無。このことから仮に問題が実際にあったとしても防衛省的には「残しておくべき問題」の様な認識はされていなかったと考えるのが無難でしょう。

 「自衛隊が赤飯を食べている」への批判が数は少なくともあったであろう事ですが、ただ語られ方がクレーマー批判の中で実態以上の虚像が出来上がってしまっている感が拭えません。「赤飯の炊き出し」についてはその存在そのものが胡乱です。正直、炊き出しの缶詰に関しては取材してその実在性を確認しているならばともかく、今の状況では「風説」としか捉えようがないというのが所感。


続編

nou-yunyun.hatenablog.com



■お布施用ページ

note.com

*1:現在、@toryuを利用しているアカウントはありますが、このツイート主とは別のアカウントでしょう。

*2:https://twitter.com/ohohoassisnager/status/46853152846258177

*3:例えばhttps://twitter.com/kensukeShimoda/status/46798292025229313https://twitter.com/nog5/status/46814228249706496

*4:朝日、読売にはこの件自体の記事が存在しません。なお3.11前という括りならば読売新聞2007.7.18「中越沖地震 海自艦が柏崎に入港 食料物資を陸揚げ」において赤飯(おそらく缶詰)を物資として送ったことが記述されています