シュタゲエリート(無印)およびゼロをクリアし、アニメも観終わったので、簡単に感想など書いてみようと思います。なお映画は見ていません。
それぞれの世界線と違い
世界線 | 未来(2036年) | 紅莉栖 | まゆり | タイムマシン | 岡部達が関わる相手 |
---|---|---|---|---|---|
α | SERNによるディストピア | すぐには死なない※1 | 2010/8/13に死亡 | SERNが完成させる。未来のダルがそれを真似て完成させる 過去への一方通行 |
SERN(のラウンダー) |
β | アメリカ、ロシアを巻き込んだ第三次世界大戦勃発、終戦後も各地で内戦 世界人口が10億人にまで減少 |
2010/7/28に死亡 記憶だけAmadeusに残存 |
すぐには死なない | 未来のダルが完成させる 未来にも過去にも行けるがバッテリー残量わずか |
ストラトフォー DURPA ロシア軍 SERN(のラウンダー)※2 |
SG | 戦争も起きずディストピアもない | すぐには死なない | すぐには死なない | 存在するのか不明 | 不明 |
※1 タイムマシン完成後に死亡だった気がする
※2 敵として出てくるのはほんの1世界線の出来事であり、ここでは影が薄い
時間、世界線変動
Dメール、Dライン | タイムリープ | タイムマシン | |
---|---|---|---|
世界線変動 | できるが、結果は受け取った相手の行動に左右される | できない※1 | できない※1 |
時間旅行 | できない | できるが制限あり | できる |
設定はこんな感じだったと思います。タイムマシンでさえ世界線を変えられないのは、世界線の収束のせいですね。ただ、収束と言っても「決まった結果」として出てきたのは人の生死ばっかりですが。
タイムリープマシンはタイムマシンよりはリスクが少ないものの、それが出来た時から最大48時間前(最終的にはもっと伸びるが)までという制限がついていました。
※1 厳密には、アトラクタフィールド理論により世界線の収束が起こるので、特定の過去の出来事を変えられない、という意味
感想
ダル、チート過ぎない?足跡の残らないハッキングを一発成功させる(それも国家機密が相手)というまさにスーパーハッカーが味方にいるのが頼もしい、と思いました。未来ではタイムマシンを作っちゃうしね。活躍度でMVPをあげるなら彼じゃないか。
無印→ゼロの順に話が進みますが、ゼロのトゥルーエンドが無印のトゥルーエンドにつながるのが衝撃的でした。未来の岡部が、αから戻ってきた現在の岡部にムービーメールを送って道を示すところで察しました。
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シュタゲをやるとタイムマシンが意外とそこまで万能ではないなという印象が強くなります。β世界線に来た鈴羽が言っていたバッテリー問題が、過去では常に付きまとううえマシンの故障タイミングによっては時空の狭間に閉じ込められかねないという欠点。アトラクタフィールド理論により、決まった結果は覆せない。特にここが問題な気がします。過去を変えても結果が変わらないなら、過去に戻る意味があるのかわかりません。ところが、そこにDメールないしはDラインを組み合わせることで、本当の意味で時間や世界を自由に操ることが出来るようになります。
しかしそんなことをすればSERNにマークされるし(Dラインは監視されていないのでセーフ)、タイムマシンはその存在がバレればその世界では戦争が起こってしまうという諸刃の剣であり、活躍の場がほとんどなかったのが意外でした。ドラえもんの世界の未来人の持っているタイムマシンはそういう欠点をどうやって克服しているのか、なんて考えてしまいますw
アニメでなくゲームをプレイした人ならではの感想としては、各ルートどれもハズレにはなりえない点が素晴らしい(ゼロのレスキネンルート除く)。例えば無印のフェイリスルートはむちゃくちゃ切ないルートではあるけれど、まゆりも紅莉栖も死なない一つの解答だと思います。選択肢で何を選ぼうがFateと違って分岐によってDead endとならないのが特徴だと思います(だからといってFateが悪いわけではない)。それでも私は結局トゥルーエンドが一番納得が行きますが。
他には、専門用語がそこそこ出てくるのですがその解説をTIPSという用語辞典で補っています。トロコンしたい場合、そのTIPS集めのためにも全ルート回ることになります。
さて、主人公の岡部視点で物語が進みますが、岡部が世界線を移る理由はまゆりと紅莉栖を死なせたくないからです。舞台のどちらの世界線も20年後には地獄が待ち受けていますから、殆ど誰にとっても辛い世界線に変わりはないものの、岡部にとってはその世界のことなんてどうでも良い※3わけです。あくまで目の前の紅莉栖、まゆりの無事が確認できれば良い。つまり世界線を移りたいのは岡部のエゴでしかないのですが、「独善的だ」なんて紅莉栖に言われても、それを強がって否定したりしないあたりに好感が持てます※4。結局、世界線を変えないと地獄なので、独善的だろうが岡部が世界線を変えることに、他人にとっても意義が生まれています。この辺の設定がとてもうまくできています。
加えて、岡部はαからβに移るときは紅莉栖に背中を押してもらい、βからSG世界線に移るときはまゆりに背中を押してもらっている。どちらのヒロインが欠けてもSG世界線にはたどり着けていなかった。このことがどちらも岡部にとって無くてはならない、ということを表現しているように感じられる。そんなヒロインをどちらも守ろうとする、だからこそ、最後の最後まで岡部を応援したくなる、そう出来ているんだと自分で納得しています。
※3 β世界線の2036年を見た時はさすがに変えないといけない!と使命感を持っていましたが。
※4 β世界線に移るとき、「紅莉栖を見捨てる」ことを覚悟し、受け入れたことも含め。ただし、途中までは世界線を変えることの影響を恐れてはいた模様。
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後は、物語にはあまり関係ない部分ですが、ゼロの冒頭でレスキネン教授の講演中、アマデウスに批判的な意見を出した人に対して岡部が「最初は無理だと思われた技術なんていくらでもある、それを克服した研究者がいたから今があるんだろ」というセリフ、ここ個人的に名言と思ってます。全く新しい技術やサービスが生まれようとしている時、そこには必ず批判する輩がいますが、技術的な困難だけでなくそういう批判にも打ち勝った結果出来上がった作品が世の中を変えていく、そういう流れは歴史上でも起こっていることですから。
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復ッ活ッ 鳳凰院凶真復活ッッ
そして最後に、やはり鳳凰院凶真が復活したことが嬉しいです。この厨二ネームなくして岡部はありえないでしょうw元々無理してつけてた設定とはいえ、無印の頃の印象が強いから普通の大学生をしている岡部って違和感バリバリ。でも最後にしっかりもとに戻ってよかった。こっちのほうがより困難に立ち向かっている雰囲気が出ていると思います。
原作とアニメの違いについて
無印・・・原作ではトゥルーエンドの他に紅莉栖/まゆり/ルカ子/フェイリス/鈴羽のそれぞれのルートが存在。アニメでは原作のまゆりルートに準ずる。
ゼロ・・・原作ではトゥルーエンドの他にレスキネン/まゆり/紅莉栖/かがり/真帆のそれぞれのルートが存在。アニメでは各ルートを部分的になぞりつつトゥルーエンドへ。
ゼロはアニメと原作にちょくちょく違いがあるというか、アニメ限定シーンがあったりします(最後に岡部がBC18000に漂流した鈴羽とまゆりを迎えに行くシーンだったりかがりの格闘シーンでかがりの素顔がバレてたりダルの告白シーンがあったりetc)。
細かい突っ込みどころを無視すれば十分アニメも楽しめると思います。
アニメも原作も良いと思いますが、やはり私は原作を推します。原作であれば、岡部はもちろんサブキャラの深掘りもよりされているので。ただ、無印の鈴羽ルートつまり無限サイクリングはちょっと怖いけどね・・・