
予算10万円、フィールドレコーディングに必要な録音機材はこれだ!(2024年版) | How to #ZenSounds 01
山へ、海へ、川へ。自然の音を撮りはじめて4ヶ月。これまでは以前紹介した手持ちの機材でやりくりしてきました。が!思い通りセッティングできず妥協し、収録データを確認してガッカリする。そんなことが繰り返されるうちに録音へ出向くワクワクを失いかけていました。
そこで、欲しかったレンズの購入を先延ばしにして、録音機材を揃える決心をしました。だいぶ悩みましたが、エイッと踏み切れたのは「本業のドキュメンタリー映像制作にもプラスになる」という確信でした。
それでは、紹介します。初心者がフィールドレコーディングを始めるための機材、予算はトータル10万円(実際はトータル¥96,951)。価格はAmazonがタイムセールを行っていた2024年3月1日のものです。

| レコーダー : ZOOM H6essential(¥34,900) + WSU-1(¥2,380)
2024年3月3日に発売開始された32ビットフロート録音の6トラックレコーダー。ステレオマイクカプセル+4トラック(XLR/TRS)です。XYステレオマイクが付属します。記録メディアはMicroSD。

32ビットフロート録音に関しては、専門的な解説が至るところにあるのでそちらを参照してください。自分の理解では、入力レベルを定める必要がない、つまり音が割れない。ダイナミックレンジが異常に広い。
インディーズ映画の制作者にも役立つだろう。インディーズ映画の撮影では、1人が複数の仕事をこなす必要があり、常に音のレベルを監視する人がいるとは限らない。
プラスチック製のボディに堅牢さは感じませんが、サイズの割に軽量です。USB給電でなければ単3電池が4本必要になります。電源の立ち上がりは約3秒。早い。レック中のボタン誤操作を防ぐロックもあります。
カラー液晶はタッチパネルではなく、側面のジョグダイヤルとボタンで操作します。画面も大きく、明るさは3段階調節が可能。視認性は室内であれば問題ナシですが、屋外での見え方は今後レポートします。
ステレオマイクカプセル用の風防「WSU-1」も買っておきました。

| Bluetoothアダプタ : ZOOM BTA-1(¥4,490)
32ビットフロート録音と同じくらい欲しかった機能、スマホアプリでのワイヤレス操作を実現するのがこちらのBluetoothアダプタです。
今まで使っていたレコーダーはアプリ操作ができず、苦労しました。RECスタートしてからその場を離れたい時や、レコーダーを高所や死角に設置した時に、操作・動作確認ができなかったのです。
USB給電で32ビットフロート録音になると、操作・動作確認の必要がないかもしれませんが、それでも手元のアプリで見れるのは安心です。予算オーバーで導入できませんでしたが、UltraSyncシリーズを使ってタイムコード同期するのにもこのアダプターが必要になります。

H6essential専用アプリ「H6essential Control」は無料でダウンロードできます。日本語対応ナシですが、簡単なので問題なく操作できるでしょう。公式のマニュアルはこちらです。
H6essential本体のメニューからSYSTEM>Bluetooth>H6essential Control を選択するとペアリングを探し始めるので、スマホでアプリを立ち上げれば同期します。
このアプリ上で、録音のスタート/ストップ、インプットチャンネルの選択、ローカット設定値やファントム供給ON/OFF切り替えなどが可能。もちろん波形やメディア・電池の残量などの動作確認もできます。
| ステレオマイク : RØDE M5(¥26,291)
自分はこれまでショットガンマイクとラベリアマイクしか扱ったことがなく、これが初めてのステレオマイク購入になりました。

付属品は、ウインドスクリーン(WS5)とマイクホルダー(RM5)がそれぞれ二つずつ。説明書とマッチドペアの証明書と、ステッカーです。
初心者なりに色々調べて、ベリンガーのC-2(¥9,280)と悩みましたが、ベリンガーのプロダクトを一度も使ったことがなく、ガンマイクを2本所有しているRØDEへの安心感が決め手になりました。
「RODE M5 Behringer C-2」で検索すると、比較の検証動画やWebページがたくさん出るので見てみてください。
- Rode M5 and Behringer C-2. Which is better to buy?
(ロードのM5とベリンジャーのC-2、どっち買ったらいい?)
Sound Quality: If you prioritize sound quality and have the budget for it, the Rode M5 is likely to offer better performance in terms of clarity and detail.
(音質: 音質を重要視し、そのための予算があるのなら、Rode M5の方が明瞭さとディテールの点で良いパフォーマンスを提供する可能性が高いでしょう。)
| 三脚 : Manfrotto Element アルミ製(¥13,091) + JOBY ゴリラポッド 3K PRO(¥6,991)
以前までは同じManfrottoのライトスタンドにマイクやレコーダーを搭載してましたが、脚の長さや開脚角度を1本ずつ調整できる三脚を導入しました。Zen Soundsでは渓谷や海岸のように地面が平らでない場所で録音することが多いからです。
カーボン製(1.05kg)はアルミ製(1.15kg)に対して、価格がプラス5,000円。重量差が微細で、搭載するのが軽量のマイクなので堅牢さも問題にならないと思い、アルミ製を選びました。予算に余裕あればカーボンかな。
折りたたみ収納高32cmと驚くほど小さいです。ひとりで動くのに助かるサイズ。付属ケースの挿入口が狭すぎると思います。出し入れしづらいです。

マイクを搭載して高所にくくりつけたり、地面に這わせたり、三脚では設置しずらい場所用にゴリラポッドも購入しました。もっと小さいサイズでもよかったですが、カメラを搭載しても使えるように、最大荷重3kgのものを買いました。
| アクセサリー : クランプ、プレート、ケーブル、アダプター、ウィンドスクリーン(¥88,08)

SMALLRIG スーパークランプ(¥1,359)
1/4インチのオスのボールヘッド付きクランプ。三脚に取り付けてレコーダーやモバイルバッテリーを搭載します。クランプはなにかと重宝するので常備しましょう。UTEBIT カメラプレート(¥999)
ステレオマイクを三脚に搭載するためのステレオバーとして、このプレートを代用します。安いので。場合によってはガンマイクやレコーダーも搭載できるように、4つの1/4インチネジが付いているものを選択。CANARE マイクケーブル x2(¥3,700)
XLRオス - XLRメスの0.5mを2本。レコーダーとステレオマイクをつなげます。ケーブルはピンキリの世界なので、予算に応じて。CANAREは色のバリエーション豊かですが、映像も撮るのであれば目立たない黒が無難。マイクスタンドアダプター(¥650)
M5の付属品マイクホルダー(RM5)のネジ穴サイズは5/8インチ(3/8変換アダプターつき)なので、1/4インチに変換するための「5/8オス - 1/4メス」アダプターを購入。これで上記のカメラプレートにRM5を搭載することができます。Hilitand ウィンドスクリーン x2(¥2,100)
本来はBOYA製マイク「BY-MM1」専用の風防ですが、M5に装着するために2つ購入。MM1とM5では径に2mmの差があるので少し大きいですが、取り付け部分がゴムリングになっているので問題ナシ。ジャマーは立体構造ではなく平面を縫い合わせた作りで少し不安です。RØDEのウィンドシールドWS8やRycote製品は予算オーバーで断念しました。
アクセサリーは実際にフィールドで試さないと過不足が測りきれません。1,000円〜2,000円のものが多いので、今後も必要に応じて買い足し、イマイチなものは書い直せばいいと思ってます。使用感は後日レポートします。
| 参考にさせてもらったサイト
タイトルでイキってますが、自分は録音分野では素人にうぶ毛が生えた程度なので、専門的で正確な情報は以下のWebページやYouTubeを参考にしてください。海外のYouTuberからもたくさん勉強させていただきました。
自分のような初心者が、「やりたい!」という衝動を「やろう!」と行動に移すことができるのは、こういったプロフェッショナルの方々が貴重な経験と有益な情報をシェアしていただいてるおかげです。みなさんに感謝していますし、シェアの精神を次につなげたいと思って今回書きました。
情報は出来る限り精査したつもりですが、間違いもあるかと思います。コメントでご指摘ください。今後どんどんフィールドに出て、知識をアップデートしていきます。もしよかったら、新人フィールドレコーダーの成長を見守ってください。