築古旧耐震狭小物件を買う若者の末路
こんにちは。Xでマンション好きの外資コンサルという名前のアカウントをやっています。本業の傍ら、タワマンの購入や売却を細々と投資兼趣味でやっており、東京・大阪・埼玉・神奈川で計10回の購入と2回の売却を経験しています。2024年は計3件、4億1,500万円分を新規契約し、現在進行形で自分のリスクマネーを張って市況を見ているので、普通の人よりは少し知識があります。
今までの記事は、どのような物件を買うべきか?について書きましたが今回は「買ってはいけない物件」についてお話ししたいと思います。きっかけは、とある不動産インフルエンサー(以下、A氏)が20代の社会人に「築古旧耐震狭小物件」を売って稼いでいることを知ったことです。Instagramにはそういう稼ぎ方をしている元祖(〇ェ〇ミー氏)が前からいましたが、いつの間にか世代交代し今はA氏が牽引してる様子。
私はXが普段の活動領域なのでInstagramで起こっている出来事は知りつつも気に留めていなかったのですが、最近はA氏がXにも進出したことで私もその言動や築古購入者の存在を認知しました。以下、購入者を晒すのは可哀想なのでポストをコピペします。
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売主さんと契約を締結し、中古マンションを購入しました。都心3区で1LDK40平米の旧耐震、価格は約4,000万円です。Xにいる強者に比べるとまだまだですが、社会人2年目23歳での購入は色々頑張ってきた証だと感じてます。〇〇さん(A氏)の発信を参考にしました!ありがとうございました!
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絶句しました。資産形成目的のようですが、築古旧耐震はガチプロや資産家向けの超上級者案件。勿論私も手を出せませんし、まして23歳の2年目が資産形成目的で買う代物ではありません。この初手でXの強者の背中は遠のいたのではないでしょうか。。。Xはマンションの見識の高い方が多いですし相談も快く応じてくれるので、Xで1人にでも聞けばこんな物件を買うことはないのですが、勝手に無力感を覚えました。
「築古旧耐震狭小物件を買わない」なんて常識だと思っていたのですが、意外にそうでもなさそうなので、初心者向けnoteを書こうと思った次第です。
(尚、ヘッダー画像は築浅好条件マンションとしてA氏が紹介していた築45年の大森の専有部リノベ済物件です。築古という概念自体がそもそもないのかもしれません。人の価値観の多様性を感じます)
A氏のポストを覗くと「法律違反以外は何でもあり」と発信をしてらっしゃったので、法令違反でもない本件をA氏が自省することはなさそうです。ちなみに私はA氏に対しては元々超ニュートラルであり、不動産業界で真っ当に人を幸せにする事業ならむしろ是非応援したい派です。総合商社を辞めての起業は普通の人には出来ない立派なチャレンジで尊敬します。
ただ、現状の実態は「不動産を触媒に若者に夢を売る信者ビジネス」に近いと感じ、夢が覚めた信者は不動産で不幸になりかねないと感じました。この記事はA氏に対する批判ではなく、あくまで将来のある若者に不動産を通して幸せになってもらうための知識共有が目的です。記事の性質上、A氏の「行動」には間接的に苦言を呈さざるを得ない部分もあるのですが、ご本人自体を責める意図は全くないのでご了承ください。
①旧耐震 / 新耐震とは?
まず前提知識から。建築基準法で定められた基準で、地震の多い日本では新しく建造する建築物に一定以上の耐震性を持たせるように義務付けられています。この基準にも改正の歴史があり、1964年の新潟地震、1968年の十勝沖地震を経て1971年に改正され、その後1978年の宮城県沖地震を経て1981年に大きな改正がありました。
1981年6月以降の耐震基準を「新耐震基準」と呼ぶようになり、1981年5月以前のものを「旧耐震」と呼びます。
・旧耐震:「震度5強程度の地震でほとんど損傷しない」
・新耐震:「震度6強以上の地震でも倒壊の恐れがない」
新旧では上記の通り耐えられる震度の基準が異なります。その後も地震が起こるたびに少しずつ基準の厳格化が進んでいますが、一番大きな差異は1981年の改正です。
2024年1月1日に発生した石川県の地震は記憶に新しいと思いますが、あの地震で倒壊したビルもまさに旧耐震の物件です。
地震大国日本では、このように国を挙げて国土の耐震化を進めています。
そのため、日本政府の意思としては国民には出来るだけ旧耐震物件には住まないようにしてもらいたいと考えており、購入時に新耐震物件が優遇されるような制度が複数あります。購入の際に融資を行う銀行も、抵当権を付けた物件が倒壊して無価値になるのは大きなリスクのため、旧耐震物件というだけで融資を断る銀行が多数あります。
この前提で、旧耐震物件を買うメリット/デメリットを見ていきましょう。
②築古旧耐震物件のメリット
安い(割安という意味ではない)
メリットは無いと言いたいところですが、強いてあげるならこれしかないです。安い。決して割安(価値に対して安い)という意味ではなく、価格の絶対値として安いです。周辺の同じような広さの物件に対してはやはり安いですね。勿論、安くないと売れないから安いというだけなので、安く買えてお得!とは必ずしも言えないことに注意してください。
③築古旧耐震物件のデメリット
数少ないメリットに対し、デメリットは以下の通り多数あります。
耐震性が低い(命のリスク)
お金の話以前にそもそも命の危険があります。震度6以上の地震での損傷や倒壊の安全性は保証されていません。東日本大震災時に東京では震度5を観測しているので、あれ以上の揺れが東京で起これば(首都直下地震など)普通に倒壊で死ぬ危険性があります。実際に能登半島の地震では、旧耐震基準の建物の倒壊率が2倍以上高くなっています。
住宅ローン減税が利用できない
住宅ローン減税は年々改悪が続いているものの、ローン金額の一定割合(0.7%)が13年間、還付金として年末に戻ってくるお得な制度です。これも政府の「出来るだけ旧耐震住まないでね」の意思により、適用には以下の条件があります。
以下いずれかの条件をクリアする必要がある。
1982年1月1日以降に建築された住宅であること
現行の耐震基準に適合していること
この通り、旧耐震物件は原則アウトです。ただし、耐震基準適合証明書を取得して現行の耐震基準並みであることが証明できれば例外になります。
贈与税の非課税制度が利用できない
こちらは、住宅を購入する際に親族から1000万円までの贈与が非課税になるという減税措置です。普通に贈与税を払うと177万円かかるので、これがチャラになるという、贈与を期待できる人には大変ありがたい制度です。
これも上記の住宅ローン減税と同様の適用条件があり、旧耐震物件は原則アウトです。
不動産取得税・登録免許税の優遇が利用できない
不動産の購入時に1回きりかかる税金です。不動産取得税は物件価格の3%と中々高額なのですが、実はほとんどの不動産はこの税に対して減免措置が取られており、それほど高額にはなりません。が、なんと旧耐震物件は耐震基準適合証明書を取れていないと普通に3%かかります。
ローンの審査ハードルが高い
これが最大のネックですね。とにかく融資を付けるのが大変です。前述の通り、旧耐震というだけで立地とか関係なくNGな銀行が多数あり、限られた銀行でしかいけません。メガバンクだとSMBCとかはOKですね。ただし、物件の担保価値が低いので融資目線は厳しいのですが、若い人であれば返済できる人生が長いので貸してくれたり(してしまいます)。
修繕積立金が高い
これは旧耐震だから、というより築古であれば新耐震でも当てはまる話ですが、とにかく修繕積立金が高いです。とにかくあちこちにガタが来るので、それに対応するために多額のお金を積み立てないと立ち行かなくなるため、この支払いが若者に重くのしかかります。小規模な物件だと更にこの負担は大きくなります。
売却が難航する
ここまで多くのデメリットを整理しましたが、全て最終的にここに集約されます。「立地がいいから旧耐震でもリセールOK」と思っている or 騙されている人が結構いそうですが、そんなことないですよ。(詳細後述)
見てください普通物件にはない大量のデメリットを。
これらのハンデを乗り越え、更に高難易度の融資付まで突破して、あなたが数年住んで更に古くなった耐用年数切れの狭い物件を次に買ってくれるのは誰でしょう?結論、狭小物件を買ってくれるのは貴方のようにハメられた別の独身養分しかいません。金持ちは当然買わないし、予算の伸びるファミリーも狭いので買いません。安さしか売りがない物件を独身養分から独身養分へ命のリレーを繋ぐしか道がないのです。(リセールで大事なのは次の買い手の豊富さです。)
命のリレーが次に繋がればいいのですが、もしかしたら貴方がリレーの最後の走者かも。後ろにバトンを渡す人がおらず、そこで自分が最後の出口だったことに気づくでしょう。そこで現われるのは買い叩き再販業者です。現金で買ってくれる代わりにとにかく安く買われます。つまり損切りです。他に出口ないので仕方ないですね。(ちなみにワンルーム投資詐欺の業界だと、その損切りの際の売却も紹介元の不動産屋が提案してくることがあり、二毛作と呼ばれます)
「不動産は立地が全て」と言うのは一面的には事実ですが、立地だけで全て決まるなら誰も苦労しません。実際には立地がよくても売れない物件というのは多数存在し、売れないからこそ業者がインフルエンサーに金を払って養分集めを依頼するわけです。買い手の付く良い物件なら、インフルエンサーの集客なんぞなくてもレインズとスーモに乗せておけば勝手に売れます。よく覚えておいてください。
④ぶっちゃけ築古旧耐震狭小物件は儲かるの?
皆さんが知りたいのは
「で、結局築古旧耐震は儲かるの?儲からないの?」かと思います。その回答は以下。
「ハイリスク・ローリターン」の市況ガチャ
結論としては「ハイリスクローリターンの市況ガチャ」になります。
物件の個別性が強いので全てそうとは言えませんが、全体観としてはコロナインフレのような貨幣価値毀損が今後もめちゃくちゃ進めばステイ~微増、インフレが止まったり不況になると激しく落ちるという感じです。アップサイドが限定的な一方でダウンサイドは強烈。期待値マイナスのギャンブルです。以下、数字で見ていきましょう。
「立地が良ければ大丈夫」は幻想
都心の好立地として白金高輪~麻布十番を例に挙げます。立地の良さに関して文句のある人はいないでしょう。実際、2022年に竣工した白金ザスカイは2024年現在2倍の価格(坪600万→1200万)になってますし、2023年に販売し2024年現在建築中の三田ガーデンヒルズも竣工前なのに2倍です(坪1000万→坪2000万)。実はこの誰もが憧れる港区アドレスも、築年数を妥協すれば新社会人でも家が買えます!(ばばん!)
ではこの物件の値動きを見てみましょう。
この通り、2019→2024年は強烈な上げ相場だったのですが、その市況でもようやく横這いで、インフレに取り残されています。強い上げ相場でこれなので、上昇が止まり停滞or下落に転じた場合、今度は一転激しく減価することが予想されます。つまり、市況ガチャで簡単に死にます。
都心マンションの上昇相場がずっと続いているので若い人は勘違いしがちですが、不動産は不況の可能性を考えて買うべきものです。私も今年4億1500万円分のマンションを買っていますが、万が一下落相場が来たときに資産への打撃を最小に抑えるためのダメージコントロール策は打ってあり、上昇相場が続くと信じて脳死でフルベットしてるわけではないです。
※参考に、三田スカイハイツという物件の例も貼っておきます。
「築古旧耐震でも儲かった」は市況に救われただけ
以上です。立地が良いから安心というのは幻想なのです。
そんな簡単なゲームなら誰も苦労しません。
さてここで、築古ポジ側から必ず言われるのが
「いや築古旧耐震でも儲かった人いますけど???」です。これ、似たような詐欺であるワンルーム投資詐欺に遭った人もよく言います。
申し訳ないですが、2023→2024の強烈な上げ相場の中で、1000万円程度しか儲かっていない場合、投資としては失敗です。区分投資は利回りが悪い分キャピタルゲインで一発逆転を狙うゲームなので、上げ相場時にガッツリ儲からないとリスクリターンが全く合いません。参考に、私が2023年に中古で買った区分(築浅大規模タワー)の戦績を一部開示します。
①(6月購入時)5480万円→現在9480万円(+72%)
②(9月購入時)12000万円→現在19500万円(+63%)
この通り、本気で見極めた物件なら中古でもこの1年で6~7割上がっており、区分投資は好況時にこれくらいを狙うものです。数十年に1度か2度の上げ相場で、ローンでハイレバかけて築古4000万円で勝負して1000万しか儲からなかったとしたら、逆に悪い市況ガチャを引いてたら大損。市況ステイでも普通に減価します。築古で儲かったと吹聴してる人は景気に救われただけで、リスクマネジメントが不十分なことに気づいていません。株で例えるなら成長性0のゴミグロース株を1人だけ全力信用買いして、日経平均全体が金融緩和で爆上げしたおかげでちょっと儲かって自慢してる感じです。それ、同タイミングで三菱商事株買ってれば何倍も儲かってますから。
④築古旧耐震物件を買って良いケース
もちろん、築古物件の全てが悪ではありません。以下の場合において買う価値があることもあります。
一生もしくは長期で住むつもりで広い家を買う(一般人向け)
どうしてもこの場所に住みたい!家族も多くて面積が欲しい!でも予算が限られている…と言った場合、築古物件が最善策になり得ます。目安としては100㎡以上の部屋をフルリノベして住むイメージです。リセールに期待して買うのではありません。あくまで生涯住む覚悟です。ただし、広い部屋の需要というのは狭い部屋に比べて段違いに高いので、これだけの広さがあれば万が一売る時にも買い手が現れやすくなります。
即転売でも儲かる、20%割安な物件を買う(セミプロ向け)
市況ガチャで簡単に死ぬと言いましたが、下落相場への耐性を付けるために最初から含み益を確保できる物件を買うという選択肢です。これなら下落相場でも含み益がバリアになるのでリスクマネジメント上GOODです。目安としては流通相場より2割安い物件ですね。ただし、このレベルになると普通に買取再販業者が多数出現して血みどろの戦いになります。のんびりインフルエンサーを経由して内見依頼している暇など無く、ネットに出たその日に自分でそれを見つけて売主に直接電話して頭下げないといけません。一応素人でも頑張れば出来ますが、個人的には築古でこんな努力をするくらいなら他の物件で同じ労力使った方が儲かると思います。
建替ホームラン案件狙い(ガチプロ・資産家向け)
これこそが築古旧耐震物件の神髄です。最高難易度・最高リターンの誰もが憧れる案件です。物件自体は古すぎて話にならないんだけど、超好立地かつ広い敷地があり、建替が検討されている物件です。その物件を買い、再開発の地権者になるという方法です。何が難しいかというと、、、
①そもそもまず美味しい話が回って来ませんw
業者間や富裕層のお得意さんの間だけで話が回っており、そのインナーサークルにまず入れてもらう必要があります。業者から高額な物件を買ったことがあるお得意さん、十分な資産背景があるなどが必要で、僕レベルだと年に1~2回話を聞けるかどうかです。
②融資が基本付きません。
古すぎて担保価値がないことが多いからです。基本は現金買いになります。
③買ったところで、建替の話がスムーズに進むとは限りません。
多くの地権者とデベロッパーの交渉に時間がかかるので、10年単位で現金で買った部屋を寝かせるリスクや頓挫リスクもあります。実は私も都内某所の建替に関わったことがあるのですが、話がまとまりかけていたところで、地権者側をリードしていた住民が急逝し、代わりに権利相続した親族が急に話をひっくり返したということもありました。本当に思うとおりには行かないです。(最終的には何とかまとまりました)
・・・ただし、こういったハードルを乗り越えていざ建替が決まると、デベロッパーが地権者の持つ床の権利を買い取ってくれます。現金で換金するか、竣工後に床の持ち分に応じて住戸を割り当ててもらえます。いわゆる「地権者住戸」というやつですね。また、建替が正式に決まっていればその住戸の価値は飛躍的に高まるので、事前に他者に高額での転売も可能です。麻布十番駅の大規模再開発、三田小山町西地区第一種市街地再開発事業は2023年に権利変換計画が認可され正式に建替が決まっていますが、このエリアの住戸を資産家が坪700万円で仕入れて坪2000万円で売ったという話は聞いたことがあります。夢のトリプルバガーですが、まぁ到底一般人には無理ですね。。。
⑤住宅購入に悩む若い人へ
実は本件、私にも責任の一端があるのではと胸を痛めて執筆に至っています。私は「マンションは絶対買った方が良い、サラリーマンで住宅ローン使わないのは悪手!」と、うっかり増えすぎたフォロワー3万人弱に垂れ流してます。
Xでは他にも「出来るだけ早く買え」「下がる要素がない」などの言説が溢れ、莫大な含み益を持つマンション系アカウントの面々を一般の方が見ていると、上げ相場に乗り遅れる恐怖「FOMO(Fear Of Missing Opportunity)」を感じるだろうなと思います。日に日に増すFOMOと、目の前には到底手の届かない価格まで高騰した都心のマンション。これは焦るだろうと想像します。(私も平成前半生まれで、マンション投資界隈では最後発参入の方なので、調べ始めた時には思ってたより随分価格が高いなと不安になったので、気持ちは多少は分かります。)
その焦りの中に手を差し伸べてくるのが同じZ世代で不動産購入を後押ししてくれるインフルエンサー。自分の予算でも良い物件が買えるんだ!と希望の星に見えることでしょう。しかし、その結果買うのがハイリスクローリターンの築古旧耐震狭小物件というのは中々残酷に思います。築浅が高いので築古に気持ちが行くのは分かりますが、それこそが落とし穴です。
FOMOを感じさせるような環境の一端を作っている自覚はあるので、それは謝罪しつつ、若い人の対応方針を僕なりに考えたいと思います
休むも相場
株式投資の世界の格言です。これは、相場が不安定な時や自分の投資戦略がうまくいかない時に、無理に取引を続けるのではなく、一度立ち止まって状況を冷静に見極めることの重要性を説いたものです。
時には勢いが大事な不動産購入ですが、良くも悪くも超ハイレバの個別株という性質が強いので、ダメ物件を掴むと損失が膨らみやすいです。築古旧耐震狭小物件を持った状態で下落相場が来た時のリスクは恐ろしいです。下落も永遠には続かないので当面住んでホールドして景気回復を待つことが出来るのは自宅投資の最大の強みですが、築古は景気回復後に更に築年数が酷いことになっているので、価格が戻らないかもしれません。下落相場時に結婚して狭くなり損切を余儀なくされるかもしれません。
私は、年収の足りない人や、社会人成りたての若い人が今から無理に焦って買う必要はないと思います。勘違いしがちですが、永遠に上がる相場というのはありません。むしろどこかで一度景気調整局面を想定しています。景気は循環していて、どの世代にもどこかで資産形成のチャンスがあると思っています。
家なんて本来30代で買えればいいかなというものなので、20代の人は来るべき時に向けて自分の与信を高めたり、経済的に自立した配偶者と結婚するなどの活動に集中してもいいのではないでしょうか。個人的には資産形成目的で住宅購入を真剣に狙いたいなら、予算8000万円以上になってからの方が良いと思います。それまでは新NISAを頑張るとかで十分かと。
色々な人に相談しよう
知らず知らずのうちに特定の人を妄信していませんか?その人が誰よりも不動産に詳しいと、明確な根拠なく思い込んでませんか?キラキラなストーリーや意識の高い投稿など、不動産と関係ない情報で凄い人だ!と錯覚資産(すごい人だから不動産も詳しいはず)を幻視してませんか?
勿論詳しい方だと思いますが、そもそもマンションに詳しい人はたくさんいます。皆さん得意不得意があるので、1人の人を神格化したり、妄信しないようにするといいです。Xには相談に乗ってくれる人がたくさんいるので、色々な人に意見を求め、多面的に理解するのが良いと思います。私の場合は有料にはなりますが相談いただいた場合は真剣になって一緒に考えています。すんでメンターとかも良いと思います(僕はメンターではないです)。
また、相談するときには相手の「ポジション」と「現在の行動」に留意すべきです。相手は何を以て利を得る人なのか、現在の行動は何の利益に繋がっているのか。築古旧耐震を買うよう勧めてくる人は、あなたがそれを買うことで儲かる仕組みになっていませんか?築古旧耐震にその本人は今も住んでいますか?もしかして他人には旧耐震勧めつつ、本人はピカピカの新築ブランドマンションに住んでたりしませんか?その人の本質は言葉ではなく行動に現われます。築古旧耐震物件を買いたいなら「今そこに住んでいる人」「今買ってる人」に聞きましょう。
※ちなみに築古旧耐震物件はどうですか?と有識者10人に聞いたら9人がNGを出します。1人のOKはそれを売ることで儲かる人です。
エリアを広げて近郊築浅タワーを狙おう
休むも相場ではありますが、50年ローンの活用などで予算が伸びて、6000万円以上まで行ける場合は郊外新築or築浅タワマンに挑戦するのもいいと思います。勿論通勤時間などは結構伸びてしまうのですが、エリアを妥協してる分、買える物件の幅が広くなります。千葉だと幕張ベイパークライズゲートタワー、埼玉ならパークタワー川口本町、神奈川ならザ・タワー湘南辻堂などは候補になります。築浅タワマンはマジで正義です。建築費の高騰でタワマンを建てるのは難しくなって来ているので、今後希少性が高まるのは市況に関わらず確実と踏んでいます。これもXの人の意見参考にしながら買えば失敗しにくいです。予算が限られる若い人が買うべきは港区のゴミ物件ではなく、都心近郊のピカピカランドマーク物件なのです。まずはこの辺を買って、年収もっと上げてから都内を目指すのでも良くないですか?立地が全てとしか言わない人は不動産の解像度が悪い人か、もしくは騙そうとしてる人です。
ザ・タワー湘南辻堂は自分が買ったのもあり結構オススメでした(間もなく完売なので今からは間に合わないと思いますが・・・)。マンションマニアさんもシングル層の住みながら投資としても鉄板中の鉄板とコメントされてます。また、この物件を題材にマンション購入の際の視点を記事にまとめているのでご覧ください。
以上です。
A氏の商売を邪魔したいわけではなく、住宅購入を考える若い方には特定の個人の話に傾倒せず、色々な知識を基に判断いただきたいと思っています。この記事を読んだ上で築古旧耐震物件を気に入って買いたいならそれは全然良いです。(ちなみに、新耐震ならいいという話ではないです。新耐震でも築古は相変わらず高難易度なのは変わりません)。
不動産は本当に楽しいし資産的な爆発力もあるので若い人にも是非興味を持ってほしいのですが、とにかく個別性が強く勉強が必要です。株で言う「脳死で毎月S&P500に積み立てる」みたいな誰でも出来る鉄板手法がなく、初心者が焦ると足を掬われます。更に、情報の非対称性を利用して儲けようとする業者が多いのも負の側面で、不動産を嫌いになるような事故が起こりやすいです。私はそういう事故を減らしたいと思っていますし、以下のようにそう思っている不動産界隈の方は多いと思います。正しい知識で良い不動産に巡り合えますように。
最後に、他にもいくつか記事書いてるのでご覧ください!また相談がある場合は有料相談受け付けてますので関心あればどうぞ!(9月から計62人のご相談に乗りました。結構楽しんでやっております👍)ただし、僕は予算8000万ないと良い相談に乗れないので、20代の方にはそんなに薦めません。