古代王朝のロマン 鴟尾に魅せられたプランナーがコラボグッズを作るまで #大阪歴史博物館コラボ企画
難波宮の存在を決定づけた鴟尾片から着想を得た、ロマンあふれるコラボグッズが完成!
みなさまこんにちは、ミュージアム部の内村です。今回は大阪歴史博物館とのコラボグッズ「鴟尾ポーチ&命婦礼服エコバッグ」の誕生までのエピソードをご紹介したいと思います。大阪歴史博物館については以下の記事をご覧くださいませ。
初めて出会った瞬間から鴟尾の魅力に魅せられて
今回のコラボレーションのお話をいただき、学芸員の方に館内を案内いただいた際、目に飛び込んできた特徴的なモチーフこそが鴟尾でした。
私の心を一瞬でわしづかみにしたこの鴟尾。一見すると浅沓のようにも見えますが一体何なのでしょう。たてがみ的な意匠が印象的です。フォルム自体はワイルドな形状であるにもかかわらず、細かな葡萄の文様が入っているところも注目。仏教美術が大好きな私、この鴟尾に仏像のような美しさを感じてしまいました(自然と合掌)。
この鴟尾って一体何なのでしょうか?学芸員さんにお聞きしたところ以下のように教えてくれました。
宮殿の大棟に安置された屋根飾り「鴟尾」
かつて存在していたという大阪の都「難波京」。その宮殿に飾られた屋根飾り……ロマンを感じずにはいられません。これは何としてもグッズにしたい!そのためにもっと深く鴟尾についてのエピソードを知りたいと思いました。
始まりは建築家 置塩章による「古瓦」発見
鴟尾発見から難波京につながるストーリーに、2人の重要な人物がいます。それが、建築家 置塩章氏と考古学者 山根徳太郎氏です。
大正2年(1913)に、置塩氏は大阪被服支廠倉庫の建築現場で蓮華文と重圏文の古瓦を発見します。古瓦発見のニュースは当時、大阪市民博物館で資料収集にあたっていた山根徳太郎氏の耳に入ります。その約40年後、昭和28年(1953)鴟尾片が発見され、山根氏主導のもと難波京・難波宮の本格的な発掘調査の開始が決まりました。
鴟尾と宮殿で働く人々をモチーフにグッズ化
古瓦の発見から鴟尾の欠片が見つかり、はるか昔からその存在を探し続けていた難波京の発掘が進む……ロマン、ロマンしかありません!!
私はこのエピソードから、古代王朝の宮殿を象徴する鴟尾とそこに居た人々をグッズにしたいと思い、ポーチ&エコバッグを考えてみました。
こだわり1:ロマンあふれる鴟尾をポーチに
鴟尾はポーチとして立体化してみました。苦労した部分は鴟尾特有の形状。地面からの立ち上がりは垂直ですが、そこから緩やかな曲線を描いて前方に向かうにつれて、まるで船の先端のような曲線のフォルムになっています。この形状を再現するのに何度もサンプルを作り、ようやく形になりました。
こだわり2:宮殿で働く命婦の礼服はエコバッグに
エコバッグの柄モチーフは、古代宮殿で働いていた女官、褰帳命婦が身に着けていた華やかな礼服です。
帝が住んでいた宮殿にはさまざまな役割を持つ命婦という女官たちがいました。エコバッグのデザインモチーフにした物は大礼の際、高御座の御帳を開き閉じる役割を持つ「褰帳命婦」の礼服をもとにしています。
この柄が特に美しいと思った理由が総柄で扱われている文様にあります。対になった鳥(鳳凰?)のような文様が、難波京があったであろう飛鳥~奈良時代をイメージさせてくれます。ポイントでレイアウトされた花柄もかわいいですよね。
いかがでしたでしょうか。「古代王宮のロマン感じる鴟尾ポーチ&命婦礼服エコバッグ」は「大阪歴史博物館ミュージアムショップ・大阪歴史博物館オンラインショップ、フェリシモミュージアム部webサイトで発売中です。
大阪歴史博物館は、今年で開館20周年!
みなさま、是非この機会に足をお運びください。
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