時代が求める商品開発。そのための人材育成とは。 | スリーアール 今村陽一 × COTEN|株式会社COTEN
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時代が求める商品開発。そのための人材育成とは。 | スリーアール 今村陽一 × COTEN

法人COTEN CREWになってくださった企業の方々への対談連載。
今回は、スリーアール株式会社の今村陽一さん。
商品開発をしやすくするための組織作り、またその先にはどのような思いがあるのでしょう。

対談のお相手は同じく法人COTEN CREWでもあるreborn株式会社のハブチンこと羽渕彰博さん。
法人COTEN CREWのコミュニティは、敬語を使わず「タメ語」で話すのが通例。その空気感をお伝えするため、記事内も「タメ語」のままお送りします。

今村 陽一(いまむら よういち)
福岡県大川市出身。1977年生まれ。福岡県立伝習館高校から岡山大学へ進学。2005年スリー・アールシステム株式会社(当時)へ入社。営業職を経て、2012年より統括本部長として組織マネジメントを行う。2015年同社代表取締役社長に就任。以降グループ会社経営を推進し、スリーアール株式会社を始め7社の代表取締役を兼任する。4人の息子の父で、年間100冊を読破する読書家でもある。趣味はマラソン。

商社だけど高校生が見学に来る会社

羽渕彰博(以下、ハブチン):スリーアールの朝会をFacebookでオープンにしてるのは、何か理由があるのかな。

今村陽一(以下、今ちゃん):うちの役員とFacebookを一緒に始めたときに、どっちが先にフォロワー500人集めるか競ったのね。そのとき1個のコンテンツとして朝礼をアップしただけ。狙いがあって始めたわけじゃなかったんよ。俺を他の知り合いの経営者に紹介するみたいなときにFacebookのページを使うから、それで広がっていったかな。

ハブチン:オフィスを見に来てもらえるようにしてるのは、どういう狙い?

今ちゃん:やっぱうちのことを好きになってもらうためやね。どんどん仕事を見てもらおうと。それに、人って見られたらかっこつけるのよね、もっとよくしようと思ってね。ちょっときちっとするやん。

ハブチン:商社って別にそんな見せなくてもいいもんね。

今ちゃん:うちみたいな商売って表に出ないから、小さい子がなりたい職業で絶対入らないのよ。卸売の概念っていうのに触れないから。学校の先生も知らんから教えられんし。流通って、実はかなりの人数が携わってる業界なんだけどね。だから商社の仕事が見たい、サプライチェーンの考え方を教えてほしいって高校生のうちから来てくれるのは、できる限り応えたいって思うよ。

新奇歓迎と規律のバランス

ハブチン:ビジョンの「あしたの欲しいを実現し、社会を元気にする」ってのはどういう意図で?

今ちゃん:5年後の未来を変えるとかじゃなくって、もっと近い未来、ちょっとかゆいところに手が届くような商品とかサービスを出していこうっていうのがあって。それで社会が元気になったらいいよねみたいな感じだよね。「お客さんが欲しいものを出していこうぜ」って。そのために、変わりゆく時勢に合わせようよと。

ハブチン:長期的にというよりは、目の前の変化にいち早く対応していくような感じかな。

今ちゃん:商品開発とかのイメージになると、イノベーター理論って聞いたことあるかな。イノベーターがいて、アーリーアダプターがいて、5段階くらいありますよみたいな。その中でアーリーアダプターの人らぐらいが買いたいものをバンバン出したいなと思って。

ハブチン:モノを売るってなったら、在庫とかのリスク取りたくないから、保守的になるのが人間の行動原理かなと思うんだよね、普通そうなりそうなところを、会社のメンバーが「変化が面白い」とか、「挑戦してもいいんだ」って思える人作りだったり、環境作りだったりに、どうやってつなげてるのか。

今ちゃん:日本全国民が変化に対応して挑戦し続けてたら、国が崩壊してしまうわな。だから守りの人も必要。だけど、うちの会社に1歩入ったら、変化に対応しながら挑戦してほしいっていう思いが強くある。そのためには、ある程度失敗してもいいよっていう、心理的安全性を担保してあげてるかな。

ハブチン:心理的安全性を高めるために、どういうところを意識してるのかな。

今ちゃん:コミュニケーションを大事にしてる。単純接触効果って心理学にあって。「今日元気?」とか「休み何してた?」とか。他に、この前読んだ本に書いてあって、これもいいなって思ったのが、チャレンジしてもOKだよって空気感と、助け合いの精神。あと、新奇歓迎ってね、新しいもの・クレイジーなものも歓迎するっていうこの考え方をすごく素敵だなと思って。

ハブチン:スリーアールの挑戦し続ける文化は会長から脈々と伝わるものなのか、初めは全然そうじゃなくて、それを変革してたのか。あるいは今ちゃん自身がずっとそういう人間だったのか。

今ちゃん:俺自身はずっとこんな感じやったよ。俺ほぼ創業期に入ってるのよね、社員3~4人のときの。会長が中国出身で日本語のコミュニケーションが堪能じゃなかったけど超パッション型なんよ、めちゃくちゃ熱い。その辺は俺とも似てるね。

ハブチン:人の育成とか組織文化に対する投資をしっかりしてるのは、どういうきっかけ?

今ちゃん:「過去に人材育成に大きく失敗したから、かじを切り直した」とかではない。昔からあほなことやっとんよ(笑)。サークルみたいなノリのところがあってさ。

ハブチン:でも、他の組織だったら、サークルみたいなノリにしたら、サークルで終わっちゃうよね。仲はいいんだけど仲良しごっこになりがちというか。

今ちゃん:一応会社で禁止事項があって、セクハラ・パワハラ・社内不倫はダメ……つまりクビだよって決まりごとがあって。派閥を作るやつも同じっていうふうに言っとる。組織って内部から腐敗するとかいうの、COTEN RADIOでもよく話し出るやん。内部でおかしくなると派閥ができあがるとか、みんな一致団結してないとか。外的要因が無数にいて、みんなの意見がもう何個もあるっていうときには、うまくいきにくいっていうのが往々にしてあるから。

人の育成で大切にしていること

ハブチン:短期的に成果が出ない人作りとか文化作りを徹底的にやってる会社って、本当に珍しい。スリーアールのビジョンの話からすると、「あしたの欲しい」のために変わり続けるから、明日何やってるかも分からない、みたいな感じがあるよね。それもすごく面白いなと思った。

今ちゃん:そこね、大事だと思うよ。やっぱりね、人を作りたいんだと思うよね。優秀な人材がたくさんうちで生まれるような組織にしたいって。商売なんて人次第だし。

ハブチン:短期的な成果を追うと人が成長しないとか、人を成長させようとしすぎるとあんまり成果が出ないとか。そういうジレンマみたいなのがあるのかなと想像するんだけど、人の育成と成果のバランスはどういうふうにやってるのかな。

今ちゃん:どうだろうね。でもジレンマはジレンマだよね。なんかうまいことやってると思う。うまいことやるっていうので俺よく使う表現でね。マネージっていうのがあるやん。マネージャーのマネージって英語の言葉。節約するとかね、経営するとかいう言葉があるんだけど、マネージってのはうまいことやるっていう意味だと。だからマネージャーってのはうまいことやる人間なんだよね。

ハブチン:うまくいかなかったとかで悔しかったとかあるのかな。

今ちゃん:実は悔しいってことがあんまりなくて。まぁ業績上がらんで悔しいとかはあるんだけど、腹立って眠れんっていうよりこれも経験値って意識が根底にあるのかな。しんどかったっていうのはよくあるよね。「やべぇな、つぶれるかもしれない」みたいなのは、しんどいよね。

ハブチン:そういうときはどう乗り越えるんだろう?

今ちゃん:そんときはね、もう全部自分のせいやと思う。これも幹部によく言うんやけど、「雨が降っても、槍が降っても自分のせいだと思え」と。人が辞めても全部お前のせいだと。周りの人のせいにしだしたらきりがないじゃん。失敗は全部自分のせいで、うまくいったら周りの人のおかげ。そっちの方がたぶん精神的に健康になれると思うから。


ここまでお読みいただきありがとうございました!

この記事を書いた人:なるめろん(Twitter: @narumeron_1212)

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