浮世離れの世迷言・続:2010年01月

2010年01月

2010年01月24日

うは~・・、トップ4はすごいわ・・・

キーワードは インゴールノッコン と TMO か(笑)。

しっかし、勝ち負けが直接に優勝に関わる試合になると、どいつ(東芝(笑))もこいつ(トヨタ(笑))も必死になりやがって(笑)。

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ジャパンラグビートップリーグのプレーオフトーナメント準決勝。

近鉄花園ラグビー場 ラウンドロビン1位三洋電機 対 同4位トヨタ自動車
秩父宮ラグビー場 同2位酒屋 対 同3位東芝

地理的経済的理由で秩父宮生観戦。
花園はテレビ。

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生観戦の秩父宮。

大真面目な話、酒屋が楽勝だと思っていた。前半で終わりのつもりでモーター屋がかご型モーターをフル回転させて圧倒的点差を付けてしまい、ハーフタイムに酒屋の悔し紛れに目玉商品の角ハイボール1杯290円at池袋居酒屋清瀧を呷らせて沈めなければ勝てないだろうと思っていた。

それがどうだ、前半2トライ2ゴール差をつけられてへばったはずのモーター屋が俄然後半になって回転を上げてきた。
インバータの素子を変えたのかも知らんな、ありゃ。

しかし、なんと言っても一発目のモーター屋のFB立川剛士のトライが「らしくない」ゴールであったこと(笑)が酒屋の勘を鈍らせたのかもしれない。
「理詰め」(笑)のチームは、あんな非論理的なつなぎを見せ付けられるとショートしてしまうのかも知らん。

いや、ショートはモーター屋の専門科目か?
いやいや、カクテルにだってショートとロングとがあるんだもんな、それで良い訳だ(笑)。


後半、立て続けにトライを重ねたモーター屋の、やっぱり立川がグラバーで抜けてそのままつかまずにロングキックでインゴールに蹴り込んで追いついてトライというのは、あれだな、自在にやられてしまって茫然自失、という流れだろうて。

酒屋があんな負け方をするとは。
細かいミスが多かったのは、振り返ってみるとモーター屋のプレッシャーが厳しかったゆえと言えるのかもしれない。
そんな感じはしないのにミスっていた印象だったけれど、帰宅して TMO(笑)をしてみたら、そうなのかも知らん、と思った。

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そうは言っても、実際の酒屋の変調は SHグレーガン の入替ゆえだろう。
そもそもはキャプテン FL佐々木隆道 が傷んで交替せざるを得なくなったためである。交替して入るのは ファンニエルデン だから、既にピッチに出ている3人の外国人選手の誰かを入れ替えねばならない。

インサイドCTBの ライアン=ニコラス は外せない。キックとパワーとで攻守の結節点だからである。
同時に、ファーストレシーバーの SOトゥシ=ピシ も外しにくかったのだろう。
だから SHグレーガン アウトということになったのだろうが、そこがヤツの浅墓なところだ。

たぶん、このチームはライアンのチームではなく、グレーガンのチームなんだと思う。
先だっても書いたが、バカみたいに点を取り捲ることができたのは、あまり大きくは無いが頑丈でスキルフルでパワフルで、しかも原則的なこのプレーヤーによるところが大きかったのだと思う。

ヤツの失敗は、つまり ピシに替わるSOがいなかったことである。
曾我部佳憲 は怪我をしているのだろうが、いずれにしてもその重要ポジションを手当てできないことが問題だ。


対するモーター屋は、年寄りを上手に使って(笑)、よく80分戦わせた。
立川も、立川の入替で入った FB松田努 も、せっかく入ったのに他人のせいで(笑)シンビンを食らった WQTB富岡鉄平 も 出ずっぱりだった LO大野均 も、みんな懐かしい顔である。

観てるだけでこっちが息が上がるわ(笑)。


そりゃあ殊勲甲は FLスティーヴン=ベイツ だけれど、あるいは SOデイヴィッド=ヒルだけれど、私は立川剛士に上げて、殊勲乙(笑)は松田努にあげたいところだ。
殊勲癒し(笑)は大野均な(笑)。

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さて。

けっこうガシガシのタフな試合を目の当たりにした後でテレビを視ると、ちょっとテンションが下がるので、録画しておいたエネループ屋対自動車屋の試合の前に、再放送の秩父宮の試合をおさらいした。

だから、闇雲に正気を失っている、というわけではないのである。
事実を観、事実を理解し、事実に従った記述をしているうちに暴走するだけのことである。


で、ともかく観始めた。
なんとなく、サッパリ、としている。
だけど、どうも、ラウンドロビン(笑…やたらに秩父宮放送席がこう言っていた。花園放送席はリーグ戦と言っていた。東京の日本人観客はネイティブ英語スピーカーが多いのかも知らんな(笑))で酒屋にボッコボコにされ、オレたちのエネループ屋にポッコポコにされたチームと同じようには見えない。

やはり、SOオレニ=アイイ と、FBスティーヴン=イェーツ と、FLヘイデン=ホップグッド という3人の外国人選手が噛みあっているところに、CTB難波英樹 が好調なのだから、どうも昔のトヨタになっちまったみたいである。

うちもようやく CTB榎本淳平 がスターターで復帰し、トニーの穴を入江が埋めて、これはこれでシビレる顔ぶれになった。それに、SH田中ちゃんが妙に癇癪持ちで気合が入っている。
まっすぐに来るトヨタとガチンコで当たるゲームは、全体として気分が良いものであった。

真っ直ぐといえば、今日の 貢 は、1回左曲がりのダンディだったな。
替わって入った 翔太 は突撃無し。

それどころではなかった、というところはあったと思うほど、トヨタは強かったわ。

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うちのミスや詰まらん反則は、やはり攻め込まれる時間帯が案外と長かったことによるものだと思う。
テレビのおっさんも言っていたけれど、トヨタはやっぱりこれができるチームなんよ。
稀代のセンター、オレたちの 朽木英次 が育てたチームだもの、ふにゃふにゃした頭でっかちの(笑)チームなんかじゃないはずだ。

直線とは2点間を最短距離で結んだ線なり、という基礎数学を実践する立派なチームなのだからな。


だからといってだわ、最後の14点は取られすぎだぞ、キャプテン霜村(笑)。


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来週は、久しぶりに気合の乗ってきたモーター屋を捻り潰さねばならん。

モーターを止めるに一番良いのは給電を止めることだが、どういう符合が、最下位の九州電力九電ヴォルテックスは自動降格である。
電気の供給はなくなった。

三相モーターだからエネループでは回らない。
けっこう(笑)。
準備は万端、仕上げを御覧うじろ、だ。

トニーも帰ってくるし、今年こそ負け無しでトップリーグ優勝だ。

首洗って待ってろ、モーター屋。



あー、危ないからコンセントは抜いとけ(笑)。

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話のついで。


インゴールノッコンを両方で観るとは思わなかったわ。
どちらも外国人SOである。

あんなこともあるんだな、と、とりわけ酒屋のピシのノッコンはゲームの流れをがらりと変えたプレーだっただけに、たいへんなことであった。



それとな、Television Match Official は止めなさい。
どちらの試合もあれをしていたけれど、TVカメラだって捉えられないことが多いのだから、そういうアメ公みたいな似非Justiceに拘泥することは止めて、あんたが決めなさい、レフェリー。




とはいえ、だ。

平林、あんまり神経質に笛吹くな。
観ているこっちが息が詰まらぁ。


ハクナマタータ

つい、NHK-hiの仮名手本忠臣蔵を視てしまった。
まだ続きをやっているけれど、高麗屋ご登場でケリをつけた。
道行はたぶん時蔵と音羽屋だろう。

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なかなか気持ちがまとまらず、書けないままになっていたことを今日は書かないとまずいと思った。
明けて日曜日は、行かぬつもりだったラグビーフットボールトップリーグプレーオフトーナメントセミファイナルに行くことにしたので、たぶん次のエントリーは怒りに満ちたものになるだろうから、ということは、きっと明日の夜に書いているはずだ。
そうするとまた機会を逸するわけで、ちょっと焦っている。

なにしろ、まだ貴方待つのも松の内の、その松が明けた日の出来事を今頃書こうというのだから鬼も笑い損なうというものだ。

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私の学校時代の友人が、その知人が急用で行けなくなったライオンキングを観に行かぬか、とメールを寄越したので、初めて劇団四季というものを観ることになった。
四季といえば浅利慶太だが、四季とはまったく関係の無い福田恆存のことを、そのメールを見るや否や思い出した。それは学生時代の就職活動というあれでさる会社の社長面接を受けた時の事がふと思い出されたからであって、何分にもその会社というのが興行に少なからぬ縁を持つ会社だったからである。
私の天敵の大学の学生と面接の順番を待っていたときに、たまたま話題が福田恆存に及んだ。
私は新劇には興味を持ったことが無いのである。だから、全くと言ってよいほど、その辺のあれこれを知らなかった。
そんな私に向かって福田恆存を出してくるとは不遜な野郎だが、まあ、待ち時間の無聊を慰むるの心算で話題にしたに過ぎないのであろうから文句を言う筋合いなど無い。
しかし、くどいようだが私には興味の無い世界のことで、岸田國士はきしだこくしだと思っていたのだから仕方ない。そういえば、さっき昼過ぎにさる番組の再放送を視ていたところ、語りが岸田今日子であったのは今夜この駄文を書くことを見通していたフットボールの神様が因縁に決着を付けようとしてくれたのに違いない。

要するに、私は、福田恆存をふくだこれありと発音したのである。

しかし、もしも天敵大学の学生が先に発音していたのなら私がそういう間違いをするはずが無い。
ということは、自ら墓穴を掘る、との謂いであったのかも知れぬ、いや、そうであろう。
そんなことをふと思い出して、いまさらながら赤面した。

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浜松町駅から竹芝に向かって歩く。旧芝離宮は昔のままだが、その向かいはすっかり趣が変わっている。
海岸通りを渡った芝商業を左に折れると、旧浜離宮を背に、劇団四季シアター四季劇場があるのだが、私は初めてである。こんなものがあるとは、ぜんっぜん知らなかった。四季の劇場といえば、キャッツのテントをあちこちで見知っていたくらいなのであった。

ライオンキングは当年とって11年目のロングランだそうである。
そうか。そうであったか。

しかし、ロングランなんて、まるでブロードウェイじゃないか。
いまや歌舞伎芝居の世界でもロングランなんて有り得ない。つくづく羨ましいことだと思った。

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いただいた席はたいへん良い席で、舞台が近いばかりでなく、右側が通路である。
通路席は腕がたいへんに「気楽」なので、芝居であれ寄席であれ音楽会であれ、なんに寄らずそこを選ぶことにしているのだけれど、ライオンキングはその席に絶大なる意味があることを、開演早々に知らされた。つまり、左右の通路が花道仮花道として使われるのである。
まったく以ってありがたいことであった。

友人に訊けば、その、本来観に来るべきであった人は、娘さんが数度これを観た感激のあまりぜひ観に行けと奨めたらしく、それで求めたのだという。ということは、その娘さんのアドバイスによってこの席を選んだのであろう。
ますます恐縮至極であった。

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こういう、現場に行ってナンボのものは種明かしをしないが礼儀だろう。
だから詳細は書かない。

ストーリーはまさにディズニーであって、ということは、まあその程度のものだ(笑)。
筋を追うことには全く意味が無い。

あれは演出と大道具小道具が命なのである。
だから、ますます書けない(笑)。
11年目のロングランだから、観たことがある人もいっぱいいるだろうけど、書かない(笑)。

でも、演出と道具に魂消たのは事実であって、面白かった。

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さっき視ていた忠臣蔵の三段目、加古川本蔵が鷺坂伴内に絡む足利館城外の場から高師直が塩冶判官をいたぶる喧嘩場には舞台が回る。
ふとライオンキングの舞台を思い出した。
奥行きが深いばかりでなく、天井が高い。これが効果的に活用されている機構であり演出であった。
横長の舞台に慣れている私にはほとんどスクウェアな間口がものめずらしく、オーケストラピットがありながらパーカッションブースを上手下手両側に配置した音響も充分に楽しかった。

おっと(笑)、これでも書きすぎかな(笑)。





ハクナマタータ。

Que sera sera、あるいは、Let it be、のことだそうである。

らしいな、って判っていても、その部分は、オラぁ大好きだ(笑)。
なんといっても ティモンとブンバ、だな、私のお気に入りは(笑)。


noonuki at 03:31|PermalinkComments(0)演芸・芸能 

2010年01月14日

年越して変わるものあり <思い違いを訂正><<再訂正(^^ゞ>>

私は伝統的なものが好きである。

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が、伝統と新興という言葉を、優劣上下軽重を含意する形容語として使う「精神」と出遭うと、それなりの対応を執らせていただく。

古いことに価値があるのならグリーンランドに移住したらよい。
あすこの地質は日本なんぞよりよっぽど古い。


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日本大学ラグビー選手権大会の決勝が、優勝未経験大学同士で戦われたことは初回を除いて初めてだ。
45回目にして初のどちらが勝っても初優勝対決である。

しかも、去年の決勝で伝統の早稲田大学に負けた新興勢力帝京大に対するは去年準決勝で伝統の早稲田大学に負けた新興勢力東海大学という組み合わせである、愉快で痛快で奇奇怪怪である。

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こんな話を聴いた。

「帝京大も東海大も、どちらも外国人選手が二人ずついる。そんなトップリーグと同じ目先勝利最優先主義は、日本ラグビーを支えてやっている大学ラグビーをダメにしている。伝統校よ(と一応は伝統校全体に呼びかけているように見せかけてそのじつ早稲田だけを言っている)この際奮起して、そんな学校どもを捻り潰してしまえ」と。


あほ。ばか。たわけ。うつけ。ぼんくら。とんま。唐変木。牛。エジミウソン。フィンケ。


一体なにを観てラグビーを語っているのだ。
外国人を交えたトップリーグが、人気が低迷する中でも頑張っているから日本のラグビーの水準が辛うじて維持されているのではないか。そればかりではない、ますます強さが際立って2ndグループをぐんぐんと引き離してしまうトップ8にどうにかこうにか照準を合わせ続けることができるのじゃないか。

ホームネーションズや南半球に挑まなくて、何の国際スポーツ・ラグビーなのだ?
何のために選手たちは痛い思いをして練習しているのだ?

トップリーグの勉強をしなおして、顔ぉ洗って出直して来い。


それから。

世の中には、伝統校様に照準を合わせて戦いを挑み、叩き潰し踏みにじり、もっともっと高い処に登ろうとしている奴等がたぁんといるんだ。
そういう連中のためにIRBローがあって、テストマッチやワールドカップが用意されているんだよ。

そんなに伝統校様の枠に嵌まって楽しむことだけを考えたいのならラグビーなんて観るのをやめちまえ。
ラグビーの替わりに大日本伝統闘球でも作ってもらって闘球道でも追求し、それをチマチマ観てシコシコして白眼剥いてろ。

おととい来やがれってんだぁ、すっとこどっこいめ。

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せっかくの初優勝に水を差す無粋な野郎がいやがるから、みなさんさだめてご不快でしたでしょう。
あっしが懲らしめてやりましたんで、まあ、穏便に済ましてやってください。

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しかし、帝京大も東海大も、去年末のトーナメント2回戦までのチームと同じなのかね、という疑問が湧いたほどであった。

なにしろ正月の準決勝は 家中某重大事件 のためにテレビの中継も視ていない。だから、年越しをして変わったのか、ここ数日の間に変わったのか、それはまったく判らない。
はっきりいえるのは、さすがに帝大対東大の試合だな、という思いが身を包んだということである。


去年末までの帝大の印象はこうだ。

フォワードは強引に強いが、横に揺さぶられると脆い。
バックスは切れ味も能く走り強いが、バックスを活かす手段が少ない。
コンタクトは真面目だけれど、全体に持久力に難あり。
嵌まれば強いだろうが、かわされるところりとなる恐れがあるのではないか、と。


同じく東大の印象はこうだ。

フォワードは重いけれど、押し切れるほどの磐石な強さではない。
全体に能く走るが、とくに決定力があるようには観えない。
真面目なときと不真面目なときの差が大きいのが難点だが、タックルは低く強い。
でも何とはなしに、のらりくらりと勝ってきた感じがしてならないのである。


注目していた選手は、帝大はフルバックの船津光選手とエイトの野口真寛選手とフッカーの森大志選手、そしてスタンドオフの森田佳寿選手。
東大はもちろん「ジャパン」スコッドにしてフランカーのマイケル=リーチ選手とエイトのジョシュア=マウ選手、FBの豊島翔平選手である。
まあ、理由はいろいろあるので書かない(笑)。

だが、帝大フッカーは、三洋電機ワイルドナイツで活躍している堀江翔太を観るにつけ、彼の後輩はどんな選手なのだろうと気にならざるべからざるものがあるのだ。

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強い北風が角筈歌舞伎町から麻布霞町に向かって吹く。
一方で、冬らしい低い、しかしその割には強い日差しが、港区の上に輝き、ついでに新宿区をも照らしている。もちろん、目に突き刺さる、あたかも くがたら のような邪な心を射竦める光である。

トス(だかじゃんけんだか知らんが)で勝った東大は、風下にして逆光を選んだ。光を背負った前半勝負、後半は守り切る、という肚とみた。
その決定には敵である船津光は参画できていないはずである。


東海大が太陽を背負った気持ちは判らないではない。
東大の強さはリーチとマウと主将荒木達也のサードローと、存外強いハーフ団に由来する。
だから、前半をどれだけ帝大陣地で戦えるか、日差しで見えにくく判断が甘くなる帝大をどう揺さぶるか、という戦略に尽きるのであって、密集戦を制して帝大を帝大陣内に釘付けにしたいはずだ。

これはある程度奏効し、跳ね返そうとする帝大のキックが伸びすぎる。調整しても伸びすぎる。
だから、あるていどプラン通りに戦えた、と観るべきだろう。
先行されたものの想定どおり真ん中5人の奮戦にFB豊島翔平のロングランが絡んで、思わず声が出る攻撃を見せてくれたのだが、帝大の防御は半端ではない。これが帝大側の「化けた」点であった。あまりミスをしないのである。
だから、としか言いようが無い。東大の踏ん張りは同点まで。引き離せなかった。思えばこれが明暗を分けた。

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後半、予定していた点差をつけるというプランを軌道に乗せるべく風上から猛ラッシュをかけた東大がPGを二つとって6点差として、やややや、これは例ののらりくらり戦術炸裂か、と思ったところが素人の赤坂。
どうしてどうして、帝大はここから思いもよらずソリッドな連続攻撃を仕掛けるのである。

帝大は先述したように、剛だが脆い、というような気配があるチームだった。
しかし、どうも違う。コンタクトでの凡ミスは無く、密集への集まりも速い。しかもリーチの長い腕に優るとも劣らないティモシー=ボンドの長い腕。
巨大蛸テンタクルズの卵取り合戦のような緊迫したモール戦を、ことごとく帝大が奪取してボールを支配する。
しかもタックルは強く低く、東大のお株を奪うかのようだ。

リーチにボールを集めて敵陣で連続密集戦に挑んでミスを誘い、アドバンテージをもらいながら攻め続ける東大のイメージは、接点の強さと切れない肉体的精神的タフネスで攻め続ける帝大によってだんだんと後退させられていく。

それにしても、どちらのターンオーバーもぼんやりによるものではなく、激しいコンタクトを厭わぬ厳しいせめぎあいからのもので、骨惜しみしない基本に忠実で勇敢な戦いとはこういうものである、と、己がカラーに忠実であろうとする学生ラグビーの醍醐味を味わった。

学生はこれでいいのだ。


状況は帝大が1トライ1ゴールで逆転し、しかもそれでも1点差という緊迫感は、帝京大対関東学院大の、結果的には平林レフェリーの判断が正しかった(謝)試合以来のもので、これは観戦料というミクロ経済学的視点で評価すれば、ちょーーーーーーーーーお得なのでもあった。


大量に席を空けた伝統校応援の皆さんは、何年に一度というせっかくの マーヴェラスゲーム だったのに、かわいそうであることよ(笑)。

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ちょっと東海大がフィットネスが甘かった、というか、消耗させられたかもしれない。
それは帝京大のプランに嵌まったということもあるだろうし、リーグ戦グループではあまり類例が無いタフなフォワード戦を挑まれたことによる消耗だったかも知らん。

だが、リーチやマウ、ボンドやツイという、外国人のフランカーとエイトあるいはロックのコンビの強さは並々ならぬもので、見応えがある。それはたぶん骨格・筋繊維の違いで仕方ない。だが、その連中に対して果敢にタックルを惜しまない両校のハーフやセンターからは一人一殺の気迫が感じられて、学生さんってのも大したもんだなぁ、と思ったのであった。

同じことは、高速バックスを自在に走らせるというスタイルが少ない対抗戦グループの帝大は、もっともっとバックスリーを使った速い展開を挑まれたらどうなっていたろうか。

やはり、変なくせを持つトーナメント(原語の意味に忠実に使わせていただく。ラウンドロビントーナメント=日本で言うリーグ戦も含めた)リーグマッチは弊害だらけであろう。
選手権のノックアウトトーナメントでしか異質な戦術に当たらないというのは、伸び盛りにして日本ラグビーのジーンプールである大学生の試合としてもったいなさ過ぎる。



それにしても、帝京バックスの接近戦の巧さはどうだ。
強いのは知っていたけれど、あんなに巧いとは思わなかったぞ。

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詰まるところ、この大学決勝戦が、今季観た学生さんの試合の中でもっとも迫力があり、凄まじいものであり、魅力溢れるものだった。
繰り返すが、ロースコアの試合になるとは予想していたが、こんなにスキルフルでパワフルで、引き締まった試合になるとは思ってはいなかった。

やはり、決勝で戦うという意味を、優勝を勝ち取るために戦うという意味を、競技スポーツの本質を見失わずに一年間練習してきたという意味を、しっかりと理解している指導者と選手がいるチームはそれだけで価値があるのだ、ということを見せ付けられたのであった。
そしてそれは、ひとえに負けた悔しさという土台があってこその性根であろう。

負けて悔しかった、だから辛い練習に耐えたし、そして勝てた。
インタビューで帝京の野口主将は大意そう語った。



何百回も耳もとで繰り返し聞かせてやりたい奴がわんさかいるわ。

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優勝ってのは好いもんだな。


2010年01月10日

これほどの差のあるや、疑うらくは吾がめしいでありしを

トップリーグ最終節のことを先に書く。

しばし待たれよ、人生至るところに君。


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ジャパンラグビートップリーグ最終節、全勝で首位の三洋電機ワイルドナイツと、1分け無敗ではあるがラグビー独特のレギュレーションによって勝ち点1ポイント差で2位につける酒屋の直接対決があった。3位の東芝ブレイブルーパスと酒屋との点差が10ポイント以上離れていたので、三洋が引き分け以上で首位、酒屋は勝てば首位、ということになる。

もっとも、トップリーグの優勝は、プロ野球と同様に、興行としては高付加価値を生ずるのだろうが、勝負としてははなはだ不快なプレーオフが控えているので、まだ優勝という言葉を使える段階ではない。
言ってみれば、長い予選を首位で終えた、ということである。

オレはどんなスポーツであれ、こんなレギュレーションは大っ嫌いだ。


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明け方まで起きていたので眠くって、なんだか面倒になったから出かけずにテレビで視た。

最終節だから、1会場2試合のスタジアムはあっても、今日中に順位が確定する。
4会場全7試合が戦われ、1試合だけのホームズスタジアム神戸だけ14時キックオフ、秩父宮・近鉄花園・レベルファイブスタジアムは12時キックオフと14時キックオフ。

三洋電気 vs 酒屋はメインイベントだから、秩父宮で14時。
だから、12時からのNECグリーンロケッツ vs ヤマハ発動機ジュビロと、花園12時のトヨタ自動車ヴェルブリッツ vs リコーブラックラムズを二画面で視始めた。

トヨタは4位以内が確定しているのでプレーオフのマイクロソフトカップ進出を決めている。対するリコーは、せっかくトップリーグに返り咲いた名門なのに、またぞろ降格の危機である12位。トヨタに負ければ入れ替え戦が待っている。

ヤマハはワイルドカードで日本選手権に出るためのトーナメントでシードされるために勝ちたいところで、強豪のくせに沈んでいるNECを叩きたい。

だから、面白い試合になると思った。


でもねぇ、なんと言えば良いのだろう。

トヨタもNECも、それができるなら始めからやらんかい、というこっちゃ。


特にトヨタ。

この春にはオレたちの文字隆也が就職するわけだ、あーん。
麻田一平の跡を襲わせようという心算だろう、あーん。
城戸雄生をFBに据えて、文字との縦の軸を作って、そこにCTBスティーヴン=イエーツを絡ませようという魂胆だろう、あーん。

だったらよ、今年っからガッツリと作っとけ。
文字隆也が入って良かったってチームにならねぇと、稀代のセンター、オレたちの朽木英次部長が泣くぞ、ゴルァ。


それとな、NEC。
なに今頃になって3列目をフル回転させてるんだよ。
気が付くのが遅せーんだよ。
ったく。


まああれだ、トヨタの試合は、鼻血ブ~寸前の久保修平レフェリーだったので、とても理知的でしかもフットボール的なコントロールだったので楽しかった。

この人の笛は、もちろんフェアだから書くわけだけれど、とっても素敵である。


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首位決定戦は、実に緊迫した、ハラハラドキドキの素晴らしい試合だったと総括しておく。
しかし、酒屋はライアン=ニコラスが怪我なのだかMSカップに備えてキヨミーヤが姑息な手段を使ったのか知らぬが、スタンドで観戦。
それにだな、なんでトマシ=ソンゲタは出てこねぇんだ?
キヨミーヤはトップリーグの西野朗か?

まあ良い。
ともかく、ニコラスが休んだので、今まであまり感じなかったSHジョージ=グレーガンの凄さが目に付いてイヤんなった。
ああいう、自分で組み立てられもし、突破もでき、フランカーにもなれるSHは、三洋以外ではどうにもできないだろうなと思った。
バカみたいな点差で勝ち続けていたのはニコラスによるものだと思っていたが、こいつもガッツリと噛んでいやがったんだな。
ニコラスが帰ってきたらやっべぇぞぉ。

とはいえ、だ。
うちだって、トニー茶は当然のこととして、酒屋の中核部隊をぶっ潰せるサードとセンターがいるわけで、ビビる必要は無いと思う。と自分自身に語りかけているんだ。

今日は、劉さんがいまひとつ潰しきれていなかったのが気になったけれど、それはつまり酒屋のグレーガンにしても佐々木隆道にしてもファンニエルデンにしても、強いから仕方ないのだろう。

しっかし、うちも詰まらん反則というかミスというか、そんなのが少ないチームだと思うが、酒屋はムカつくが大したもんだわ。反則が少ないから多数次アタックでアドバンテージを背景に有利な展開を仕切れない。
まあ、酒屋もそれをうちに対して感じているはずだ。

ドローという結果は不満だけれど、仕方なかったとしか言いようが無い。
劉さんのミスから奪われたトライだったけれど、あれは責められん。
酒屋のFB有賀が美味しいところで凡ミスをしてくれたのにものにできなかったことが「敗因」だわ。

三宅入江霜村が並ぶと迫力があると改めて感じたのは、要するに入江がナイスセンターになったということだろう。JPの穴を埋めて、いまや遜色無いように思えるのだ。


酒屋のことなんざ誉めたくは無いが、好い試合だったと言わざるべからざるものがある。

だけど、戸田京介レフェリーはそれをぶち壊していた。
やたらめったら外国人選手を標的にした悪意のある笛を吹く。
うちもアイブズがやられたけれど、酒屋だってグレーガンが訳解らんという顔で睨みつけていたぜ。

このレフェリー、ア式で言えば家本だな。
厳密に反則要件を適用するのあまり、プレーの流れを完全に無視するばかりでなく、「予備罪」まで適用しやがる。

少しは久保レフェリーのコントロールを見習え、莫迦。


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というわけで、再放送の神戸製鋼コベルコスティーラーズ vs 東芝ブレイブルーパスと、近鉄ライナーズ vs 福岡サニックスブルースを視たけれど、いつもなら面白いと思うだろうが、とてもじゃないが気の抜けた試合に視えてたまらん。
ちょうど、関西学院が明治大に負けたような雰囲気なのである。

平尾誠二。頼むよ、ほんと。


東芝がここまで凹んでしまうと、オレたちの三洋電機と酒屋がMSカップと日本選手権の決勝を戦うことになる。
予想を外してばかりの私だけれど、こればかりは鉄板だわ。



プレーオフトーナメント・マイクロソフトカップトーナメント表



日本選手権・ワイルドカードトーナメント表



2010年01月07日

カラーのなぞ

カラーという花がある。
ワタシはずっと 襟 を意味する英語 collar に由来するものだと思っていた。
違った。Calla というラテン語だそうである。

ふざけんな。





と怒る方がどうかしている。

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私の家の真上に大湯祭さんという人が住んでいて、母と親しい。
大湯祭さんというのはもちろん仮名だが、あまり捻っていない仮名である。

その大湯祭さんは洋裁の専門家だった人で、だった、という時制から判るように、いまは立派な婆さんである。
それにも関わらず手は利くので、洋服の修繕などで手を煩わせている。私はこの 修繕 という言葉が好きで、洋服は須らく修繕すべし、と思っている。鉄道関係も須らく修繕すべし、と思っている。車の修繕はどうでも良い。


私は着方が悪いのかどうか、そこのところがいまひとつ判らないが、ワイシャツの襟が擦り切れるタイプである。そんなタイプがあるか、と言われるだろうが、だからいまひとつ判らないと言っているのである。

そもそも事の発端は遊び着のシャツであった。

誰からか忘れたが、ワイシャツはランドリィに出したほうが家で洗濯するより長保ちする、と聞いたことがある。
ワイシャツみたいな格好をした遊び着のシャツは家で洗濯している。そうしたら襟が擦り切れた。それを大湯祭さんがきれいに修繕してくれて、私はぶったまげた。

この世知辛い世の中にこんな親切な技術があるということを知った。売りたくて売りたくてたまらない、そんな世の中に、他人のためになる手技があるのだと瞠目した。
徳川家康が本当に士農工商と言ったかどうかそれは知らぬが、なるほど的を射抜いて三十三間くらいひとっとびであると思った。

私は今までに何枚もお気に入りのシャツを、襟を擦り切らせてダメにしてきた。
およそワイシャツを着て仕事をする全ての人がそういう経験があるだろう。
あんまり擦り切れるので頭にきたことがあって、同じシャツを2枚ずつ買ったことがある。それは襟には優しいが財布には辛かった。

私は流行り廃りの少ないトラッドを好むので、いちいち流行のものをあつらえる必要が無く、たいへん経済的である。
そうは言っても商売人は売らねばならぬから、わざと当年モデルを発表し、だから旧年モデルや旧々年モデルや、つまり古いモデルが次々に生産されていくのである。怪しからん話だ。

ピンストライプという縦縞が私の好みである。だから在庫があるうちに色違え縞の太さ違えで買っておいたのに、いつの間にかほとんどがダメになっている。そんなことをしたのは、一度ピンストが全滅した時期があったからであって、要するに買い溜めを煽られたわけである。
だけど、不思議にクレリックは擦り切れない。たぶん白い布は強いのだろう。



んなワケあるかい(笑)。

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遊び着を修繕してもらってビックリしてからのこと。
自宅で、ボタン取りのために捨てないでとってあったワイシャツの山を発見した。世界丸ごと不思議発見である。ディカバージャパンである。日立のキドカラーである。

ほほう。私にはピンと来るものがあった。
ピンストとの地口じゃないので為念。

それをガバチョと持ち帰り、直せるかどうか聞いてもらったら全部直った。不思議である。

ちなみに私は腕時計をしない。
貧困なる労働者なので自動巻の時計が買えない、という事情によるのだが、汗かきなのでベルトが鬱陶しいという理由もあるにはある。いまは水没さえしなければ携帯電話があれば充分だ。腕時計など何年もしたことが無い。
というわけだから、襟が直ればほとんど新品同様である。

だいたい、捨てるつもりだったものがまた着られる、それもお気に入りだったものをまた着ることができる、ということは私には極上の喜びの一つだ。さっき、すっかり忘れていたけれど、懐かしいタッタソールのシャツが直されて届けられ、あまりの嬉しさに跳び上がったのであった。


本当に跳び上がったわけではないので為念。

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まことに以ってありがたいことである。
当のワイシャツだって、他の部分はなんとも無いのに襟が擦り切れただけでゴミにされるのは心外だろう。
例の、胃 は食ってばかりで不愉快だと言ってストライキをおっぱじめた手や口や足や耳が栄養不足で死に掛けたエピソード同様、袖もボタンも身ごろも前立ても、襟の悪口を言ってゴミになるところであったのを改心させただけでも一種の宗教である。

おかげで私は嬉しい。
困るのは、せいぜいがちびちゃい洋服タンスである。なにしろ昨今のランドリィは、たたまずに不思議な形の衣文掛けに吊るしてくるので、全部ぶる下げなければならない。
いや違った、たたむかたたまないかで幾らか違うから安い方で良いと言うとそうなるのであった。

クロゼットが窮屈なことなどは私はへっちゃらなのである。


noonuki at 22:44|PermalinkComments(0)雪月花鳥風月