久々の池波正太郎。
初文庫化作品集とある。
2023年第1刷とあるのでごく最近。
文庫になってない作品ってまだあったのね。
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元禄一刀流などの7作品を収録。
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幕末随一の剣客 男谷精一郎
兎の印籠
賢君の苦渋
かたき討ち
奇人・子松源八
元禄一刀流
ただ、このうち読みごたえがあるのは、上泉伊勢守、賢君の苦渋、元禄一刀流ぐらいで、後は短か過ぎて、あれっという間に終わってしまう。
中でも「上泉伊勢守」が中編小説としての完成度が高い。剣聖として有名で、池波翁は「剣の天地」として別の小説にもしている。上杉謙信傘下の武将 長野業政の家臣として戦った。数々の武勲を持つものの、最後は武田軍に城を落とされてしまう。しかし、伊勢守を殺すのは惜しいとした信玄に降伏を勧められ、その後は武将をやめ剣の道を広める人生を送る。弟子の額に張り付けた紙の帯を一刀で二つにする(もちろん額に傷一つない)という超人的な腕前で、高名な柳生宗矩などが師と慕う。
「元禄一刀流」は、剣の師匠堀内源太左衛門の視点から、忠臣蔵の事件を描く小説。弟子3人の冥福を祈る場面から始まるが、それは堀内の弟子の1人が吉良上野介、2人が浅野内匠頭の家臣として、敵味方相まみえて結局は全員亡くなった(後2者は切腹)というものである。少し変わっているのは、吉良と浅野の関係性については、堀内は弟子を通じて知っている吉良のことを悪人とみていないことにある。一方で、浪士の討ち入りには理解を示しており、それは本来両成敗すべきところを、浅野家は取り潰し、吉良側はお咎めなしといった偏った裁定をした御上にあるとする。
全体的に軽めなので気楽に読めるところがよい。
初文庫化作品集とある。
2023年第1刷とあるのでごく最近。
文庫になってない作品ってまだあったのね。
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元禄一刀流などの7作品を収録。
![FullSizeRender](https://livedoor.blogimg.jp/noke5866/imgs/6/3/63a30a95-s.jpg)
収録順で言うと
上泉伊勢守幕末随一の剣客 男谷精一郎
兎の印籠
賢君の苦渋
かたき討ち
奇人・子松源八
元禄一刀流
ただ、このうち読みごたえがあるのは、上泉伊勢守、賢君の苦渋、元禄一刀流ぐらいで、後は短か過ぎて、あれっという間に終わってしまう。
中でも「上泉伊勢守」が中編小説としての完成度が高い。剣聖として有名で、池波翁は「剣の天地」として別の小説にもしている。上杉謙信傘下の武将 長野業政の家臣として戦った。数々の武勲を持つものの、最後は武田軍に城を落とされてしまう。しかし、伊勢守を殺すのは惜しいとした信玄に降伏を勧められ、その後は武将をやめ剣の道を広める人生を送る。弟子の額に張り付けた紙の帯を一刀で二つにする(もちろん額に傷一つない)という超人的な腕前で、高名な柳生宗矩などが師と慕う。
「元禄一刀流」は、剣の師匠堀内源太左衛門の視点から、忠臣蔵の事件を描く小説。弟子3人の冥福を祈る場面から始まるが、それは堀内の弟子の1人が吉良上野介、2人が浅野内匠頭の家臣として、敵味方相まみえて結局は全員亡くなった(後2者は切腹)というものである。少し変わっているのは、吉良と浅野の関係性については、堀内は弟子を通じて知っている吉良のことを悪人とみていないことにある。一方で、浪士の討ち入りには理解を示しており、それは本来両成敗すべきところを、浅野家は取り潰し、吉良側はお咎めなしといった偏った裁定をした御上にあるとする。
全体的に軽めなので気楽に読めるところがよい。