お金の話 : 白血病から回復、そして食べ歩き

白血病から回復、そして食べ歩き

急性骨髄性白血病(前骨髄球性)を機にブログを開始。2018年8月頃までは闘病記中心。 それ以降は、あざみ野・たまプラーザを中心に食べ歩いています。

Category:日記(主に闘病) > お金の話

一昨日からのお金の話。今日までです。
医療費総額は1,148万円、食事・衣料を除くと1,104万円。
高額医療費支給制度のお蔭で、病院窓口で支払う自己負担額は28~133万円で済む(食事・衣料は別)と書いた。
ただし、支払額をこれに収めるには、健保から「健康保険限度額認定証」を発行してもらう必要がある。
(発行してもらわない場合、自己負担額は3割になるが、後から差額が支給される。)



さて、これでも大分助かるが、健保のサポートはこれだけではない。
大企業の健保や、複数の同業種の会社が加入する健保は、これに加えて付加給付金の制度がある。

例えば一つの例では
「療養の給付が支給される場合に、病院の窓口で支払った医療費(レセプト1件ごと。高額療養費および入院時食事療養にかかる標準負担額、入院時生活療養にかかる標準負担額は除く)から15,000円を差し引いた額(1,000円未満は不支給、100円未満は切り捨て)が後日、支給されます」とある。

回りくどい言い方だが、要は自己負担額は医療費支払1回当たり、最大15,000円でいいですよ。
ということである(これが、健保によって20,000円だったりと金額が違うことがある)。



入院した場合、支払いは毎月月末締め、もしくは、一時退院すると退院する前に一旦〆て支払うことになる(私の場合はそうだった。)月の途中に一時退院して1週間後に再入院すると、月初から退院前までと再入院から月末までの2回支払い(レセプト)が起きることになる。
これで計算すると、なんと自己負担額は、15,000×2回×5カ月=15万円で済むのである(食事・衣料は別)。
これだと医療費の1.3%負担だけで済むことになる。(ただし、断っておくが全ての健保ではない。)



これ以外に貰えるお金として、会社がかけてくれているかもしれない団体保険があったりする。
個人で保険に入っていれば何らかの給付があるかもしれない(契約内容による)。
病気になって入ってくる収入は意外とあるものだ。


一方、長期で休業することにより、普段得られるはずの収入が得られないことがある場合がある。
私の場合は幸運なことに、勤務先の休暇制度が充実しており、それにずいぶん助けられた。
ただ、これはケースによるだろう。
例えば転職して間もない時に大病すれば、無給の期間が生じてしまう恐れがある。


しかし、これに対しても傷病給付金という制度がある。
大まかには過去1年間の平均標準報酬月額の2/3が支払われる制度で、1回しか使えないようである。


医者にかかるときに健康保険証を出す以外、健保について普段ほとんど意識したことがなかった。
大病して調べてみると、国民皆保険制度の有難さがよく分かるのである。



ただ、ノーテンキに喜んでいていいわけではない。
本人負担が1.4%として、残りの98.6%は健保が負担してくれてるわけだ。
小泉進次郎 衆議院議員が、この制度は払い過ぎで持続できないと発言していた。
病気になって支払が圧し掛かってくる「泣きっ面に蜂」状態を回避してくれる良い制度だが、確かに払ってもらい過ぎかもしれない(貰っておいていうのも何だが)。
有難い制度であることは間違いない。
ただ、持続可能なルールに変えていくことが必要である。



昨日は医療費にいくらかかったか、そして今日のブログは「いくら払うのか」。
なお、以下の話は、かかった医療費が保険適用になる前提で書いている。


医療費総額は1,148万円(食事・衣料等を除くと1,104万円)と超高額。

普通の内科では自己負担3割がスタンダードである。
それで行けば、1,104×0.3=331万円になるはずである。


しかし、日本の健康保険制度は、びっくりするほど病人に優しい。

高額医療費支給制度というものがある。

これは1月の間にかかった医療費が高額になった場合、個人が支払う金額にキャップを付けようというものである。
すなわち、いくら医療費がかかっても個人が支払う額は決まっている。
支払限度額は収入に応じて決まる。
以下の表が、その計算式。ちなみに標準報酬月額というのは、簡単に言うと1ヶ月の収入のことである。

標準報酬月額 自己負担限度額(月) 概算
83 万円以上 252,600 円+( 医療費- 842,000 円)× 1% 1,331,300
53~79 万円 167,400 円+( 医療費- 558,000 円)× 1% 919,500
28~50 万円 80,100 円+( 医療費- 267,000 円)× 1% 497,550
26 万円以下 57,600   398,400
低所得者   35,400         287,400

私の場合入院が5ヶ月に及んだため、5か月間に1,148万円かかったという前提で右端に概算をつけてみた。
この制度があるおかげで、344万円かかるはずだったのが、
実際は29万~133万円で済むのである。
ここまでは、すべての健康保険に入っている人が受けられる
ちなみに、病院の窓口で支払う額はこの金額になる。
実際は、医療費の3割負担どころか2.5%~12%の負担でいいのである。

しかし、健保がしてくれるお世話はこれだけではない。
長くなるのでまた明日に。

11月上旬以来の闘病生活をだが、病気の話ではない。

カネ

である。

医療費と言えば、これまで歯科や内科にかかって支払ったことしかない。
1回2000~3000円単位である。
それが、こんな大病をしたらどうなるのか。


病院にいたときは、何も考えず請求される金額を支払っていた。
なぜその金額になったのか、総額いくらになったのかも考えていなかった。
今回ブログで取り上げようと思わなければ、これまで同様、医療費明細を眺めることもなかっただろう。
眺めてみて改めて感じたが、医療費は難解である。
まず、なぜここまで書くのが遅れたかというと、数か月後に来る健保組合からの医療費明細がないと、医療費総額が分からないからである。しかも、今回病院の手続き遅れで、さらにその把握が2カ月遅れることとなった。


なお、他にも参考になるよう、出来るだけ一般化して書いたが、それでも不明な点が多い。
正確性は保証できませんがご了承ください。



さて、結論から言うと、医療費総額はびっくりするほど高額で、自己負担の額はそれに比較するとびっくりするほど安かった(人によって感じ方は異なります)。

まずは高額な医療費総額。
2018/3/14から2018/7/30まで、一時退院を除き入院したのは123日間

かかった費用は


総額1,148万円である
うち、食事代、外来費用、病衣代を除くと1,104万円。
退院後の通院にかかる外来費用は含まず。
ひょえー。

以前テレビで、悠々自適生活を夢見てタイに移住したが、大病にかかり高額の医療費支払の為、生活苦に陥った人の話をやっていた。
全額自費だとかなりの負担である。
病気になった上にこの支払がのしかかってくるとしたら、まさに弱り目に祟り目。


この値段がどのように算定されたのか。
正確なところは不明だが、どうも「包括評価方式」というルールで算定されているらしい。

これは、以下の算式による。
「1日あたりの金額」×「入院日数」×「医療機関別係数※」+「出来高計算分」
(※医療機関別係数とは、厚生労働省によって定められた係数で、病院毎に異なる。)
ネットで見た解説を読むと、
「病名・症状・診療行為に応じて、厚生労働省が定めた1日あたりの額に、手術料・リハビリ料等“出来高”算定分を加えて医療費を計算します。」
とある。

要は、入院日数でだいたいの値段が決まるという事のようだ。

なお、包括項目には、以下が含まれる。
「計算投薬料、注射料、検査料、画像診断料、入院基本料等、出来高診療行為手術料、リハビリ料」
治療にかかるほとんどの行為が含まれるように読める。
私のかかった急性前骨髄球性白血病は、手術はないため、計算式のうちの”出来高計算”にあたる部分はごく少ないようだ。診療明細書を読む限り、輸血の血液は出来高に入っていそうだが、さほど高額でもない。
CTスキャンとかも包括項目に含まれてる様子。

で、医療費総額を入院日数で割ると一泊当たり8万9750円。
これが病院の収入ということになる。
投薬代はもちろん、ベット代だけでなく、医師・看護師含む職員の人件費も入るわけである。


これが高いか安いかは即座に判断できない。
が、そもそも高い安いという批判にさらされることが少ない。
なぜならこのほとんどを健保組合が支払ってくれるからである。
さて、実際にいくらかかるか、自己負担については明日にまた。


何度もお断りしておくが、これはあくまで急性骨髄性白血病にかかった個人的体験に基づくもの。
違う病気だと金額は全然異なる。
今月来た健保便りを読むと、1カ月8000万円の高額請求が出たそうだ。
病名は「血友病」。白血病と同様血液内科だと思うが、使用する医薬が高額なのだろうか。



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