2013.6.15  誕生日会 : 森のようちえん「のいちご」

森のようちえん「のいちご」

noichigon.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

2013.6.15  誕生日会

今年度の森のようちえん「のいちご」の活動の概要については、2012年8月30日のブログ記事「2013年度の募集要項」にUPしておりますので、「以前の記事」よりご覧ください。なお、今年度は既に定員に達している為、募集はしておりません。ご了承ください。

今日もまたまた晴天。梅雨はどこへ行ったやら。水不足で田植えの予定が延期となったので、一週繰り上げて6月生まれのお友達の誕生日会をすることにしました。

えびこ道は、毎週様相を変えて、私たちに自然の移ろいを感じさせてくれます。今日は、先週まで咲いていなかったホタルブクロがあちこちに咲いていました。
♪ほたるこい やまみちこい あんどのひかりを ちょともてこい
そんなわらべうたを歌っていると、子どもたちが集まってきました。
「これ、ホタルブクロっていうんだよ。この花の中に、すーっとホタルが入ると、どうなると思う?」
私が尋ねると、「光る!」「明るくなる」と、子どもたち。
「そう。昔は、懐中電灯のかわりに『あんどん』ってものを使ってたの。その『あんどん』みたいになるよって」
いつもはさっと手を出して摘んでしまうつぼみ組(2歳児)のM君も、今日は大切さを感じてか、やさしく指でつんつん。ホタルが入ったホタルブクロを想像するだけで、夜の素敵な景色が浮かびます。
2013.6.15   誕生日会_c0241656_185164.jpg

色々な虫にも出会いました。メスのクワガタ、糸みたいに細いあしをしたクモみたいな虫、コガネムシ…。テントウムシが大好きなつぼみ組(2歳児)のS君は、捕まえたテントウムシが飛んで行ってしまう度に泣きべそをかき、アラカシ組(年少)のAちゃんは、オオバコの種の部分に、テントウムシが脱皮した後の抜け殻を見つけて、みんなの注目を集めていました。よく見つけたね~。
2013.6.15   誕生日会_c0241656_18894.jpg

ウツボグサも満開で、アラカシ組のAちゃんは、お母さんに「ここのとげとげしたとこ、触ってみ」。そして、お母さんが触ると、「痛くないやろ」とにっこり笑顔。私が蜜を吸うと、子どもたちも大人たちも次々に真似して吸ってみました。「開ききったはなより、ちょっとつぼみの方があまいわ」とM子先生。なるほど…。まだ、虫が吸ってないからかしら?
2013.6.15   誕生日会_c0241656_18103074.jpg

死んでしまったモグラにも出会いました。
「なんで死んじゃったんだろう…」
「カラスにつつかれたんかな~」
森では生き物の誕生にであうこともあれば、死に出会うこともあります。誕生は感動を呼び起こす半面、死からはショックを受けます。子どもたちは、ただじっと死んだモグラを見つめていました。モグラには、すでにハエが集まり始めていました。やがて、森のお掃除屋さんであるシデムシやゴミムシたちが集まり、肉は他の生き物の糧となり、骨は土に帰って行くことでしょう。これは自然なこと。これもまた一期一会の出会いです。目を背けたり、隠したりすることなく、自然の中での事実として受け止めてもらいたなぁと、思います。踏まれたらかわいそうなので、道の端の枯れ葉がつもったところの土を掘り、埋めてやりました。そして、「モグラさんが、天国に行けますように」と、みんなで手を合わせました。子どもたちの心にはどう残ったかな?
2013.6.15   誕生日会_c0241656_18303078.jpg

朝の集いは、クーゲルバーンの静かな音色とともに始まりました。目をつぶった子どもたちの一人一人の頭上で美しい音色が響きます。なぜかこの音を聴いていると心が澄んでくるから不思議。
「お日さまが沈んで、だんだんあたりが暗くなってきたよ。おやっ、川のほとりで光ったよ。あっちでも、こっちでも。ホタルは、大人になって生きられるのは10日ぐらい。その間に、言葉の代りにおしりを光らせて、結婚相手を見つけないといけないんだって。ほらっ、きたきた」
2匹のホタル(ヤシャブシの実にカモミールで染めた羊毛を巻きつけたものです)が現れて、ふんわふんわと飛びはじめました。
「みんなのところに行くかな。ホタルさんはとっても弱くて、手の中にずっと入れておくと熱で弱っちゃうんだって。だから、とまったら、そっと放してあげてね」
♪ほっほっほーたるこい あっちのみずはにがいぞ~ こっちのみずはあまいぞ ほっほっほーたるこい
わらべ歌をうたいながら、まだかまだかと、ホタルを待つ子どどもたち。そして自分の手のひらにとまると、にこっと笑顔。だれも、ぎゅっと握り締めたりする子はいませんした。みんなホタルさんの気持ちになってくれてありがとう。 
2013.6.15   誕生日会_c0241656_18153091.jpg

6月のお誕生日は、マテバシイ組(年長)のK君と、アラカシ組(年少)のS君。今日は、つぼみ組(2歳児)さんも、どんぐり組(3~5歳児)さんと同じ山道を探検して、プレゼントを見つけることにしました。ずるずる滑る斜面をロープを握ったり、友達や友達のお母さんに助けてもらったりしながら、頂まで登ると、思わず「ヤッホー」とバンザイ。それからゆっくり宝探しが始まり、マツボックリや、透明な皮ののついたグミの葉、ウスノキの赤い実、ヤママユガのまゆ…、それぞれ素敵なプレゼントを見つけました。「おめでとう」「ありがとう」一人ずつ、宝物を、お母さんたちが蔓で編んでくれた籠に入れていきます。ちょっと照れくさそうなK君とS君。2人とものいちご2年目で、ぐんとお兄ちゃんになりました。これからも、のいちごのお友達のこと、よろしくね!
2013.6.15   誕生日会_c0241656_18184071.jpg

お昼ごはんの後、今日は時間が押していたので、お絵かきの時間を省こうと思っていたら、「どうしても描きたい」とアラカシ組(年少)のAちゃん。「じゃ、いいよ」と言うと、そそくさとスケッチブックを取り出し、描きはじめました。それは、死んだモグラを土の中に埋めてあげるところでした。「絵を描く」時間って大切だなと、こういう場面に出くわすとしみじみ思います。絵を描く意味は、心を表現することにあります。Aちゃんは、描くことによって、あのモグラの死の場面を再確認し、さらに心に焼きついたことでしょう。のいちごでは、森の中で「描きたいこと」をいっぱい体験してほしいな。
2013.6.15   誕生日会_c0241656_182427.jpg

6月の昔話は、うらしまたろう。アラカシ組(年少)のZちゃんのお母さんが担当してくれました。夢見るようなおだやかな語りを、じっと聞き入る子どもたち。今年は、素晴らしいことに、昔話をたくさんのお母さん方が自主的に引き受けて担当して下さいました。我が子が小学校になって思うのにの「役はいやいやするもの。無理やりさせられるもの」という考え。規模が違うとそういうものでしょうが、こののいちご母さんたちの主体的なこと。お話が苦手な方は、「じゃあ、私は、この係を」と積極的に申し出て下さる。のいちごでは、子どもたちに「主体的に生きる力を」培ってほしいと願っていますが、その想いが伝わるのか、お母さんたちも自然と主体的になられるんです。人は主体的に生きることによって、より人生を楽しく有意義に送れる、と私は信じています。のいちご母さん、毎年毎年、ほんとに素敵です。
2013.6.15   誕生日会_c0241656_18212122.jpg

by noichigon | 2013-06-19 18:33