2025年度入園募集中
「のいちご」は親子参加型の森のようちえん。自然の中で仲間と一緒に親子共育ちしましょう。満2歳から入園可能です。体験ご希望の方は、2024.11.7の2025年度入園募集の案内記事をご覧いただき、のいちご専用アドレス(noichigon.2010@gmail.com)にご連絡ください。
秋が深まり、朝夕ぐんと冷え込んできました。
今日は、森と畑の合同日、「竹となかよし」の活動。
枚方市野外活動センターを拠点として森林整備をされているNPO法人「竹取物語の会」さんにお世話になります。
「たのしみにしてたんだ!」
とヘルメットをつけてやってきたAちゃん。
さっそく展示されていた作品をロープウェイのように動かして遊び始めました。
「これ、どうやって作ってあるんだろう?」
と大人も興味津々。
さて、朝の集いは、クイズから。
「どっちが竹でしょう?」
木の枝と竹を見せると、
「こっち」
と、みんな指差しました。
「どこでわかったん?」
「みどり」
「しわがあるから」
なるほど。節の線ことだね。
他にも「あながあいてる」「かるい」などの意見も。
これが、竹の特徴でもあり、魅力でもあるんだよね。
森の日に参加している子どもたちは、春から折に触れて竹を観察してきました。
土からにょっきり顔を出している竹の子を見つけた時は、大喜び。
茶色い毛皮を触ったり、背比べしたりしました。
2週間もすると自分の背を追い越し、3ヶ月もすると大人の竹と同じ高さになってしまい、びっくり!
そんな竹の成長を観てきただけに、今日の伐採体験はより興味深いものになることでしょう。
さて、竹の伐採にも工作にも必要な道具といえば、のこぎり。
初心者にとって、竹は最高の植物です。
木の枝のように硬くないので、自分の力で切った!という達成感が味わえます。
他にも、竹取物語さんが使う、斧、ナタ、ノミの道具も子どもたちに見てもらいました。
これらを使って細工をしてほしい時は、竹取物語さんに自分でお願いします。
実際に使われている場面を見られるのも貴重な経験です。
♪たけのこ 1本おくれ〜 まだ めが でないぞー
竹の子たいそうで、準備運動。
竹取物語さんにご挨拶をして、さっそく竹の伐採に向かいます。
「今年竹の子だった1歳の竹はどれでしょう?」
と竹取物語のKさん。
「下に竹の皮がついた分だよ」
今日は、その1歳の竹をまず切らせてもらうことになりました。
子どもたち、順々にノコギリを入れていきます。
ゆっさゆっさ、どっしーん。
空にそびえていた竹が倒れると、「うわぁー」と思わず歓声が上がります。
切った竹は、運べる長さに切ります。
こうして実際に経験することで、竹の質感、節、枝の着き方、切った時の匂い・・・。
言葉には出さなくとも、様々なことを五感で感じています。
枝払いもさせてもらいました。
竹の枝ってVの字で交互に生えているんだね。
枝の根本を上から直角に切り落とします。
こうすると、怪我をしにくいそう。
よいしょ、よいしょ。
伐採した竹をおみこしのようにみんなで運びます。
おまちかねの、竹工作。
のこぎりで、竹を切っていきます。
小さな子たちは、お父さんやお母さんたちと一緒に。
経験を積んだ大きな子たちは、自分一人で切ることができます。
試行錯誤しながら体験することで、道具を使う時の体の使い方を覚えていくんですね。
望遠鏡、コップ、お皿、色々なものができていきます。
大きな子たちは、「これを作りたい!」という想いがあるようで、それをどうやったら作れるか一生懸命考えていました。
Bくんが作りたいのは、刀。
切ってから割ってもらった短冊状の竹が2枚。それを組み合わせて紐で縛り刀の鞘を作りました。
すると、そこにどうしても刀を入れたい。
刀の長さに切った竹を竹取物語のスタッフさんに持っていき、自分の希望を伝えます。
自分の口で説明するのってとっても大切。
Bくんが一生懸命だったから、竹取物語さんも、なんとか希望を叶えてあげたいって気持ちになったんだと思うよ。かっこいい刀ができてよかったね!
Cちゃんの希望は「うさぎ」
どうやって耳を作るか・・・。
これを、お母さんと一生懸命考えていました。
「どうやったらできるかなぁ、あーでもない、こうでもない、こうしたらどうかなぁ・・・」
この「自分の想いに寄り添って一緒に考えてくれる存在」に、子どもたちは、うんと勇気をもらえるんですよね。
竹の輪っかを作って半分に切り、竹筒の胴体に差し込むというナイスアイデア✨
竹筒には、かわいい顔が描かれています。
出来上がったうさぎちゃんは、Cちゃんの宝物。
それは嬉しそうに見せてくれました。
その笑顔には、作品が出来上がるまでの過程の喜びもたっぷり詰まっていたことと思います。
子どもたちの難題にも快く対応してくださり、みんな想い通りの作品ができて大満足。
最後のあいさつは、Cちゃんの案で
「竹を切らせてくれて、ありがとうございました。また切らせてください」
となりました。
挨拶が終わるやいなや、竹取物語さんたちのところに駆け寄ってハイタッチ。
よっぽど楽しかったのだと思います。
竹取物語さん、本当にありがとうございました。
さて、毎年、竹となかよしの活動の締めくくりは、「かぐやひめ」のお話。
今回は、BくんとDちゃんのお父さんが、担当してくださいました。
5人の求婚者にかぐや姫が無理難題を出す場面は、覚えるのが大変だったことと思います。
長いお話にも関わらず、子どもたち、引き込まれるようにして聞いていました。
素敵な語り、ありがとうございました。
竹から生まれたかぐや姫。
天から迎えにきた遣いの御車に乗って満月に消えていく姿は、悲しみと共に神々しさを覚えます。
そんな雰囲気をお話から味わえるのは、竹取物語さんの竹林で過ごしたからこそ!
近年放置されて荒れた竹やぶが多い中、竹取物語さんの竹林は本当に美しく整備されていて、空気もすがすがしいのです。竹の「いのち」を感じられる場所です。
みんなが作った作品は、きっと家でも大切に使われることでしょう。
そして、使う度に、竹林の美しさ、澄んだ空気、竹が切り倒さる時の迫力ある様子、竹を切った時の感触、匂い、そんなものが言葉にせずとも蘇ってくることと思います。
日本の暮らしに欠かせない植物であった竹。
竹を利用することで守られてきた里山の自然。
今回のような「竹」とふれあう活動が、竹の魅力を感じ、竹の「いのち」を感じ、やがて里山や森林の環境に目を向けるきっかけになるといいなぁと願っています。
竹取物語さん、今年も本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いします!
竹取物語さんは、ボランティアを募集されています。詳しくは、下記ホームページをご覧ください。