稚内の報告(その16) 絵は見る人の目と心でよみがえる : ハートでアート
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稚内の報告(その16) 絵は見る人の目と心でよみがえる

○ ドイツの画家を取り上げました。10月21日に授業を行いました。話し合い活動で研修を進めましたのでのその内容が入っています。1年間の流れで考えているのが平和、ステッカーに取り組んでいます。あまりない時間数を長いスパンでやっています。2年生で後はゲルニカもやっています。「絵は見る人の目と心でよみがえる」(ピカソ)という言葉で話しています。そこからじっくり見せます。設定の理由としては感じるままに表現者の心を読み取って何を訴えているのか考えるということで進めています。木版です。わかりやすい作品です。共感性、反戦、プロレタリアアートなど、生徒は元気だけど、話は汚い。実際やってみての反省は出てきた初発の感想は、どうやって引き出すかというと、感じたことと感じたまま、つまり形容詞、書けない子は書けないので、そのことをお互いに交流しなさい。その後出させます。これは目論見ですが、「悲しそう」、「暗い」、「誰かが死んでいる」、「お葬式」などが出てきます。どんな場面で描いたものか。表情や年代やこれに石版とエッチングの違い(同一作品である)。段々何が描いてあるか分かってくる。「死んでいるのかな」、「これはお葬式だよ」といいます。「誰の?」、「寝ている人のだよ」。その後の部分では教師のアプローチ、作品への思いと、作者の説明。「子どもがいる」、「何で?」、「この人は反戦を唱えていて、政府に殺されてしまった場面。実際には周りに5人くらいしかいない。しかし、母と子どもはじっと見つめている。何でだと思う?」。最後は「この子どもが実の子どもだと思う。けど実際はあなたがなんだよ。」と言うとみんな私の方を見ます。「あなた方がこれからの未来を創るんだよ。芸術にはこんな力もあるんだよ」と。作品の持つ力、作者の心の訴える力を感じた感想も多かった。逆に現象面に終始している子どももいました。けど大半は書いてくれました。これを10年近くやっています。子どもは10年たっても同じだなと思います。

○鑑賞を通して何を学ばせたいのかという話がありましたが、表面から内面へと言う話でしたが、表面で終わらせないために、説明をしてみてそれを聞いて子どもは変わっていくのか。主体的鑑賞態度をさせたいと受け取りましたが、絵の内容や時代背景を感じてもらいたい。鑑賞はどこまで育くむものなんだろう。
○これからのレポートに関わってくると思う。説明で上手くのせている部分はどうだろう。

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○鑑賞で身に付く力は表現することの土台。歴史的な大作をみて感じる。けど、もっと身近な鑑賞はできないか。入りやすいものはないか考えました。絵を見て話さないか。今回は神田日勝で行いました。「結局、どう云う作品が生まれるかは、どう云う生き方をするかにかかっている。」という言葉があります。自分たちの身の回りを見ても、生きづらい世の中になってきているのではないか。生き方や生き様を伝えたい。一緒にそんなことを考えられたらいいなと思っていました。絶筆の作品ですが、身近な北海道の作品であるし、見た人もいるのでそれをやってみました。子ども達は一生懸命取り組んでくれていました。ワークシートに輪郭線を描いたものを渡して、パンフレットのコピーを渡したりして説明しました。何よりも絶筆も他の作品も表面的に見るのではなくて中身の熱いものがあってそこに触れさせたいと思ってやってみました。はじめはすっといきません。自分の中に通して表現につなげたいと思ってやりました。その子達と対話をしながら進めています。ベニヤ板やペンティングナイフで描いたということも実物を見せて絵の具を練らせて感想を描かせました。3年生の授業では、生き様や残した言葉を表現してもらいたいなと思ってやってみました。ワークシートは自分たちなりに深めた文章表現もありましたが、これからにつながってくるのではないかと思いました。すぐに何か成果が出てくるものではないけど。一回で終わるものではないなと思っています。まだまで足りない部分はあるかと思います
by nobuhiroshow | 2005-11-15 20:32 | 全道教研


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