現在、「旭川市の公園」絵画展がイオン旭川西ショッピングセンター 3階旭川浪漫村前広場において開催されています。期間は10月12日(月)まで。 今回、旭川市教育研究会図工・美術部を代表して、2名の審査員として派遣されて審査及び表彰式の講評にあたることになりました。 9月8日に旭川スタルヒン球場で審査がおこなわれ、872点の作品の中から、入賞30点、及び、入選107点を選考しました。 この会期以降も、市内各所で入賞作品の30点が展示されることになります。 旭川市内のこういった作品展の審査にあたるのは初めてでしたが、公園を題材に、時間をかけて丁寧に描いた小中学生の作品を一度に見る機会は滅多にないので、私自身たくさん勉強させていただきました。 今日の表彰式においても、5分間の時間を頂きましたので、入賞者の児童生徒の皆さんや保護者の方、通りすがりの一般の方にアピールする絶好の機会ですので、次の様に講評をさせていただきました。講評の場では名前も言わせていただきましたが、この場では個人名を避けております。 「旭川市の公園」絵画展のHPはこちら みなさんこんにちは。 「旭川市の公園」絵画展に入賞された皆さん、おめでとうございます。 今回の絵画展の審査をさせていただいた、庄子と申します。緑が丘中学校の先生とともに、2名でこの度の審査をさせていただきました。 9月8日に872点の作品の中から、30名の入賞作品と107点の入選作品を選考させていただきました。 時間をかけてじっくり描いた力作が集まった中、審査をするのは大変でしたが、次の様な考えで審査をおこないました。 旭川市の公園を題材に、上手に、きれいに、写真の様に描いてあるのかではなく、絵の中にどれぐらい公園に対する想いが込められているかを見ようとしました。 小学校低学年のみなさんの作品は、自分が遊んだ思い出を込めた絵が多く、自分や友達、お母さんやお父さんが絵の中に生き生きと描かれていました。公園で過ごした楽しい気持ちが大変良く感じられました。 小学校中学年のみなさんの作品は、少しづつ自分の外側に世界が広がり、虫や魚なども含めた広がりのある世界が楽しく描かれていました。絵の具の使い方にも慣れてだんだんと複雑な色を使い、自分のこだわりの物を描き込んで、迫力のある絵が多くありました。 小学校高学年のみなさんの作品は、公園を風景として捉えて、自分の目で見た公園の世界を風景画として表現していました。奥行きや広がりもあり、木の葉っぱや堅い幹、水の流れなども、実物に迫ろうという意識を強く感じる作品になっていました。高学年ともなると、絵の中に人が登場しなくなってきますが、自分が好きな遊具や木、道など、自分の思い入れの深いものが絵から伝わってきます。 中学生のみなさんの作品は、ぐっとレベルが上がり、色使いも微妙で繊細になり、緻密な表現で対象に迫っていました。その作品からは公園という場の雰囲気まで表そうという意欲まで感じられました。じっくりと時間を描けて、細部まで丁寧に描き込まれた絵からは、作者の想いの深さが伝わってきます。 今回理事長賞受賞作の常磐公園の絵には、鴨が水面の中に首を突っ込んで餌をついばむ様子までよく観察して描かれていました。教育長賞受賞作の神楽岡公園の作品からは、水面の静けさとともに、岩肌を飛び跳ねる勢いのある水の様子まで表現されています。市長賞受賞作では、本当に常磐公園の木々の中にいるような、その場の空気をも感じさせる作品でした。どのすばらしいものでした。 全体的に、写真の様に本物そっくりに描こうという傾向の中で、自分がその場で(今回は公園ですが)感じたものを如何に絵の中で表すかということが、絵を描く上では大切です。 携帯電話が普及して、今は誰もが手軽に写真をとれる時代です。本物そっくりなら何も時間や手間をかけて絵で描かなくても出来ます。写真を撮ればいいことです。 しかし、わざわざ絵を描くということは、描いたその人にしか表現できない、その人の世界を表すすばらしさがあるからです。 今回の「旭川市の公園」絵画展の審査をさせていただいて、そんなすばらしい絵にたくさん出会いました。 これからも自分の感性に自信をもって、いきいきと絵を描き続けて下さい。 中学校で美術を教える一教師として、強く願っています。 本日は、本当におめでとうございました。
by nobuhiroshow
| 2009-10-11 18:07
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