診療科・部門
医療安全センターの紹介
医療安全管理について
令和4年5月1日より医療安全管理責任者に就任した副院長(医療安全担当)の坂本一郎と申します。
長崎みなとメディカルセンターは、地域の中核病院として市民の皆様に安全で質の高い医療を提供することを目指しており、特に、救急医療、高度急性期医療、感染症医療などに力を注いでいます。
医療の急速な進歩により、患者さんに高度医療を提供することが可能となっていますが、一方で複雑化した医療現場では様々な問題が発生しており、それらを可能な限り未然に防ぎ、繰り返さない体制を構築することがますます重要となってきています。
当院の医療安全センターは、医師、看護師、薬剤師、医療メディエーター、事務職員などの多職種で構成されています。我々は院内で起こる様々な問題を多角的な視点から精査し、医療の質の改善と安心・安全な医療の実践を推進しています。
また、医療従事者が患者さんやご家族の感情に寄り添う真摯な行動がとれるよう、職員の教育と指導にも力を入れています。
全職員の医療安全への意識を高め、すべての患者さんに安全で質の高い医療を提供できるよう努力してまいりますが、医療の安全性を向上させるには、患者さんとご家族のご協力が不可欠です。
当院での医療安全の確立に向けて、今後も皆様のご指導、ご協力、ご支援をよろしくお願いいたします。
医療安全管理のための基本的な考え方
良質な医療の提供のために、病院及び病院職員には、患者さんの安全を確保するための不断の努力が求められています。
医療を受ける主体は患者さん本人であり、患者さんが求める医療を提供していくために、患者さんの参加も含めたチーム医療を推進し、医療のリスク軽減と質の向上をめざし、病院全体で組織的に事故防止に取り組んでいます。
当院の医療安全体制
医療安全センター
医療安全センターは、安全な医療を提供することを目的として、平成20年4月に設置されました。
当院では、インシデント報告分析支援システム(e Power CLIP)を導入して、院内で発生したヒヤリハット事例や医療事故の情報を収集して、その原因究明や再発防止策について検討を行い、その情報をリスクマネジャー会議などを通じて現場にフィードバックしています。
医療安全管理業務内容
- インシデント報告の収集・確認・分析・集計・対策
- 医療安全に関する現場の情報収集と実態調査
- 医療安全マニュアルの見直しと徹底
- 医療安全に関する職員への啓発
- 医療安全に関する教育研修の企画運営
- 医療安全に関する相談対応
- コンフリクト対応
CLIP(インシデント・アクシデントレポート)報告実績
たくさんのヒヤリハット事例を共有することで、発生の原因を明確にし、どうすれば事故を予防できるか検討することができるようになります。当院の職員は、安全な医療の提供を行うため、日々CLIP 報告を行い事故予防に努めています。
インシデント・アクシデント報告件数の推移
リスクマネジメント
ヒヤリハット等の原因や防止対策の検討、事例の報告等を行うリスクマネジャーを、各所属に任命しています。胸に「Risk Manager」と書かれたバッチを付けたリスクマネジャーを中心に、医療安全対策を推進しています。
転倒・転落予防
当院では、転倒・転落予防を推進し、医療の質と患者さんの安全確保のため、多職種による転倒・転落予防対策チームが活躍しています。令和5年度までは、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士で活動してきましたが、令和6年度からは新たに管理栄養士をメンバーに加え、たくさんの専門家の視点から、転倒・転落事例の検討、患者さんへ直接の働きかけを含む予防や対策を行っています。
転倒・転落事故を減少させていくためには、患者さんにご協力いただき、自ら予防に取り組んでいただくことが大切です。
入院中の転倒・転落事故の原因と対策について、患者さんの視点から作成された『転ぶはずはないと思っているあなたへ』をベッドサイドのテレビで放映中です。誰もが「自分が転ぶなんて有り得ない」と思っています。病院は日常生活とは全く別の空間です。患者さんが安全に退院できるよう、お手伝いができればと思っています。
転倒転落発生件数
みなとメディカルの医療安全を担う責任者
- 医療安全統括責任者(医療安全センター長)
- 医療安全管理者(医療安全センター副センター長)
- 医療機器安全管理責任者
- 医療放射線安全管理責任者
- 医薬品安全管理責任者
患者さんが安全に医療を受けられるよう、全力で努めて参ります。